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ワルンベ
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gensousyusyu
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ワルンベ/Walumbe
ウガンダのガンダ(バガンダ)族が信仰する精霊バルバーレの内の1つ。
死の精霊であり、ワルンベは死者の魂の訪問を受けてからでなければ遺骸の埋葬を許さないという。
神話においては、地上の人間に死をもたらした存在として登場する。最初の人間であるキントゥが、神グルの娘ナンビとの結婚の条件として無理難題を課せられた。その間、死であるワルンベは留守にしていたが、やがてキントゥとナンビの結婚が認められ、2人が天界を去る時、ワルンベは彼らについていきたがった。そのためグルは、「たとえ何かを忘れたとしても決して天界に戻ってはならない」と忠告して2人を地上に送り出した。道中で2人は若鶏の餌である穀粒を忘れたことに気付き、キントゥの制止を振り切ってナンビが天界に戻った。ナンビは餌を持ってこっそり天界を出たが、ワルンベが後からついてきてしまった。キントゥは死を連れてきたことを怒ったが、ナンビは「このまま進んでどうなるか見よう」と言って宥めた。2人は地上で3人の娘を儲け、植物を育てて暮らしていたが、ある時ワルンベが子の1人を料理番として欲しいと言った。キントゥは、グルが地上を訪れた時に自分の子が死の料理番をしている様を見られると恥ずかしい、と言って拒んだ。ワルンベは子を皆殺しにすると脅したが、キントゥは「殺す」の意味が分からなかった。その後、キントゥの子たちは皆病気になって死んでしまった。キントゥはグルに苦情を申し立てた。グルは最初は「忠告はしたはずだ」と言ったが、哀願を重ねられた結果、ワルンベの兄弟であるカイクジを遣わせた。カイクジは地上の全ての者と動物を家に籠らせて、ワルンベを見つけても決して騒がないよう言った。そして数人の子に山羊を連れてこさせ、ワルンベを隠れ家からおびき出した。しかし子供達はワルンベを見て恐怖のあまり叫び出してしまい、ワルンベは地下に隠れてしまう。カイクジはワルンベ退治にくたびれてしまい、天に帰ってしまった。それ以降ワルンベが地上に住みついたことで、全ての者は死ぬ運命になったという。そのためキントゥは、ワルンベに皆殺しにされないよう多くの子を儲けることにした。
死の精霊であり、ワルンベは死者の魂の訪問を受けてからでなければ遺骸の埋葬を許さないという。
神話においては、地上の人間に死をもたらした存在として登場する。最初の人間であるキントゥが、神グルの娘ナンビとの結婚の条件として無理難題を課せられた。その間、死であるワルンベは留守にしていたが、やがてキントゥとナンビの結婚が認められ、2人が天界を去る時、ワルンベは彼らについていきたがった。そのためグルは、「たとえ何かを忘れたとしても決して天界に戻ってはならない」と忠告して2人を地上に送り出した。道中で2人は若鶏の餌である穀粒を忘れたことに気付き、キントゥの制止を振り切ってナンビが天界に戻った。ナンビは餌を持ってこっそり天界を出たが、ワルンベが後からついてきてしまった。キントゥは死を連れてきたことを怒ったが、ナンビは「このまま進んでどうなるか見よう」と言って宥めた。2人は地上で3人の娘を儲け、植物を育てて暮らしていたが、ある時ワルンベが子の1人を料理番として欲しいと言った。キントゥは、グルが地上を訪れた時に自分の子が死の料理番をしている様を見られると恥ずかしい、と言って拒んだ。ワルンベは子を皆殺しにすると脅したが、キントゥは「殺す」の意味が分からなかった。その後、キントゥの子たちは皆病気になって死んでしまった。キントゥはグルに苦情を申し立てた。グルは最初は「忠告はしたはずだ」と言ったが、哀願を重ねられた結果、ワルンベの兄弟であるカイクジを遣わせた。カイクジは地上の全ての者と動物を家に籠らせて、ワルンベを見つけても決して騒がないよう言った。そして数人の子に山羊を連れてこさせ、ワルンベを隠れ家からおびき出した。しかし子供達はワルンベを見て恐怖のあまり叫び出してしまい、ワルンベは地下に隠れてしまう。カイクジはワルンベ退治にくたびれてしまい、天に帰ってしまった。それ以降ワルンベが地上に住みついたことで、全ての者は死ぬ運命になったという。そのためキントゥは、ワルンベに皆殺しにされないよう多くの子を儲けることにした。
参考文献
- キャロル・ローズ著/松村一男監訳『世界の妖精・妖怪事典』原書房
- ジェフリー・パリンダー著/松田幸雄訳『アフリカ神話』青土社
- フェルナン・コント著/蔵持不三也訳『ヴィジュアル版ラルース 世界の神々神話百科』原書房