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笑い男(わら-おとこ)
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gensousyusyu
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笑い男/笑男/わらいおとこ
日本の高知県香美郡香我美町東光山に伝わる妖怪。
昔、知行三百石の船奉行・樋口関太夫という者が家臣を連れ、山北村に雉を獲る猟に行こうとすると、地元農民が「月の1、9、17日に山に入ると必ず笑い男に会い、半死半生になる」と言う。しかし関太夫は気にせず、家来を連れ山に入った。山腹を往来して雉を狙っていると、1町(約190m)程離れた松林の端で、15,6歳の子供が関太夫たちを指さして笑っていた。始めは低かった笑い声が次第に高くなり、子供の周りの石・草木・山・風や水の音までも笑っているように感じ、山も崩れるほどに聞こえたので、一行は逃げ帰った。その声は麓まで聞こえたという。農民が迎えに来たので無事に帰れたが、年が過ぎて関太夫が病死するまで耳の底に笑い声が残っていて、それを思い出す時には、耳の傍で鉄砲を撃つような音が聞こえたという。また、これを退治しようとした武士も同じ羽目に遭った。
『異界万華鏡 高知編』「土佐化物絵本」では同じエピソードが笑い女(わら-おんな)の仕業だとされている。
昔、知行三百石の船奉行・樋口関太夫という者が家臣を連れ、山北村に雉を獲る猟に行こうとすると、地元農民が「月の1、9、17日に山に入ると必ず笑い男に会い、半死半生になる」と言う。しかし関太夫は気にせず、家来を連れ山に入った。山腹を往来して雉を狙っていると、1町(約190m)程離れた松林の端で、15,6歳の子供が関太夫たちを指さして笑っていた。始めは低かった笑い声が次第に高くなり、子供の周りの石・草木・山・風や水の音までも笑っているように感じ、山も崩れるほどに聞こえたので、一行は逃げ帰った。その声は麓まで聞こえたという。農民が迎えに来たので無事に帰れたが、年が過ぎて関太夫が病死するまで耳の底に笑い声が残っていて、それを思い出す時には、耳の傍で鉄砲を撃つような音が聞こえたという。また、これを退治しようとした武士も同じ羽目に遭った。
『異界万華鏡 高知編』「土佐化物絵本」では同じエピソードが笑い女(わら-おんな)の仕業だとされている。
参考文献
- 村上健司著『日本妖怪大事典』角川書店
- 村上健司著『妖怪事典』毎日新聞社
- 小松和彦監修『日本怪異妖怪大辞典』東京堂出版
- 谷川健一編『妖怪 日本民俗文化資料集成8』三一書房
- 善養寺ススム著/江戸人文研究会編『時代小説のお供に 絵でみる江戸の妖怪図巻』廣済堂出版