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ワッカチャラセノミカムイ
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gensousyusyu
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ワッカチャラセノミカムイ
日本のアイヌに伝わるカムイ。
犬に似た動物のような姿で、大きく耳が垂れている。
現在の釧路市益浦辺りで昔、2人の漁師が沖に出たところ、天気が急変して霧が立ち込め、風が吹いて進路を失った船は、座礁して転覆してしまった。すると、荒波に投げ出された漁師たちの目の前にワッカチャラセノミカムイが2匹現れ、彼らの周りを回り始めた。そして2人を岸まで送ってくれたという。漁師と共に岸に上がったワッカチャラセノミカムイは、身震いを一度すると立岩の前に立ち、いつの間にか姿を消した。助かった漁師たちは岩の前で礼拝し、この岩の神が化身して助けてくれたのだと考えた。それ以降、この立岩には神酒が捧げられるようになったという。
名の「ワッカ」は「水」、「チャラセ」は「滑る」、「ノミ」は「祈る、祀る」の意であるため、「ワッカチャラセノミカムイ」は「水上を滑るものを祀った神」という意味だと思われる。
犬に似た動物のような姿で、大きく耳が垂れている。
現在の釧路市益浦辺りで昔、2人の漁師が沖に出たところ、天気が急変して霧が立ち込め、風が吹いて進路を失った船は、座礁して転覆してしまった。すると、荒波に投げ出された漁師たちの目の前にワッカチャラセノミカムイが2匹現れ、彼らの周りを回り始めた。そして2人を岸まで送ってくれたという。漁師と共に岸に上がったワッカチャラセノミカムイは、身震いを一度すると立岩の前に立ち、いつの間にか姿を消した。助かった漁師たちは岩の前で礼拝し、この岩の神が化身して助けてくれたのだと考えた。それ以降、この立岩には神酒が捧げられるようになったという。
名の「ワッカ」は「水」、「チャラセ」は「滑る」、「ノミ」は「祈る、祀る」の意であるため、「ワッカチャラセノミカムイ」は「水上を滑るものを祀った神」という意味だと思われる。
参考文献
- 朝里樹著『日本怪異妖怪事典 北海道』笠間書院