ンクワ - 幻想用語データベース @ ウィキ

ンクワ

　ガボンのファング族が信仰する神。
　「ンザメ」という三位一体の神格の内の一つで、ンザメ、メベレ、ンクワでンザメが形成される。原初の世界にはンザメのみが存在していた。
　「ンザメ」の中のンザメの部分は、宇宙と地球を創り命を吹き込んだ。そしてメベレとンクワを呼び、他の物も創った方がいいか尋ねた。メベレとンクワはしばらく考えてから、地球の支配者を創ることを提案した。ンザメは象と豹と猿を共同の支配者に挙げたが、より優れたものが欲しかった。そこでンザメ、メベレ、ンクワは自分たちに似た創造物を創り、ファム(力)と名付け、ンザメが強さを、メベレがリーダーシップを、ンクワが美しさを与えた。そしてファムに地球の支配を命じた後、天高い居場所へ帰って行った。しかしファムは傲慢になり、動物を虐待し、ンザメを祀ることを拒み、「ンザメは自分の場所に引っ込んでいろ。俺がここを治める」と歌った。ンザメはこの歌が気に入らず、「誰が歌っているんだ」と叫んだ。ファムは「探してみたらどうだい」と乱暴に答えたため、ンザメは雷を落として地上の全ての物を破壊してしまった。しかし不死が約束されていたファムだけが生き残った。ンザメ、メベレ、ンクワは焼け焦げた地上の修理を始めた。新しい地層を乗せ、そこに1本の木が育つとそれが種を落とし、木々を作った。水に落ちた葉は魚になり、大地に落ちた葉は動物になった。そして今の地球の姿に再生した。そしてンザメはファムに代わる死を知った存在を創った。それが人間の祖先セクメだった。

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参考文献

• D・リーミング,M・リーミング著/松浦俊輔訳『創造神話の事典』青土社