ADX・ディレクショナルムーブメントとは
ディレクショナル・ムーブメント( Directional Movement )がテクニカル指標の名前で、ADXはその中で使われているトレンドの強弱を指数化したものです。ADXの他にプラスとマイナスのDIという指数があります。
●+DI・・・相場が上昇する強さを表す指数
●-DI・・・相場が下落する強さを表す指数
●ADX・・・トレンドの強さを表す指数
この3本を設定した期間の移動平均線にしてグラフ化したものがチャートに表示されます。
ADXと±DIの見方・売買ポイント-順張り
ADXはトレンドの強弱を示すので、トレンドが発生しているかどうかが判断できます。
なので、ADXを見ていてトレンドが発生したらトレンドフォローの順張りポジションを作るときに使うことが出来ます。
チャートではADXの線の向きが変わったときに、前のトレンドが終了して新しくトレンド発生を表します。
傾斜のない水平に近い状態は、トレンドがほとんど発生していないことを示します。
DIはそれぞれプラスが上昇の強さ・マイナスが下落の強さを表し、グラフでは上に線がくるほど力が強いことを表します。なので、
プラスのDIが下から上へマイナスのDIを突き抜けたときは、為替レートは上昇する力が強い=買い・ロングの売買ポイントになります。
逆にマイナスのDIが下から上へプラスのDIを突き抜けたときは、為替レートは下落する力が強い=売り・ショートの売買ポイントになります。
ドル円のチャートで見た例は以下のようになります。
ADX/DIの売買ポイントとトレンド発生・終了の見方
ADXの黒丸のところが、トレンド発生・終了の合図と考えられます。黒い点線のところは傾斜があまりないので、判断に迷うところですね。
DIは青い線がプラスのDI=上昇力、赤い線がマイナスのDI=下落力を表しています。青丸が買い・ロングの売買ポイントで、赤丸が売り・ショートの売買ポイントの目安になります。
2本のDIの線の間が開いているときは、トレンドが強く発生していることを表します。大きく開いたあとはキュッとしぼんで、ADXがトレンド終了を示してますよね。DIが開いてきたら利食いを考える目安にできそうですね。
ADXの弱点?
ADXはトレンドの強さを表すことから考えても、線の動きが遅くなりがちなんですよね。トレンドっていきなり発生するわけではないので、当たり前といえば当たり前なんですが・・・。
短時間のスキャルやデイトレ、しかも損小利小で勝率を上げてトレード回数を多くしてトレードする人にはあまり向いていない指標かなと思いますね。10pips~20pipsを目標にする感じ?損切りは10pips前後とかで。
デイトレでも、1日のトレード回数は数回でなるべく利幅を大きめに取るトレード手法だと使えそうです。30~50pips狙いでいけたら100pips、ストップは20~30pipsくらいで段々切り上げていくタイプかな。ボラが大きい通貨、ポンドとかは別として。
スキャルは疲れた・・・損小利大トレードがしたい・・・という人にお勧めの指標かと。
±DIの動きを敏感に見つつ・・・あるいは他の早めに動くテクニカル指標と合わせて、ADXの向きが変わるのを待ち構えてエントリー、という感じで使えそうかなと思います。
ただし、利食いの判断はADXじゃなく別の指標にしたほうがいいですね。
トレンド終了の合図が出るのが遅いので、せっかくの利益が戻されてマイナス・・・なんてことになりそうですから。
最終更新:2010年11月20日 05:24