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隣人は静かに笑う ◆Ok1sMSayUQ



 世の中には、想定外というものがいくらでもある。
 単純な計算や数式などでは、ある程度の範疇には対応できても、それ以外に対しては無力を露呈する。
 だからこそ、世の中は面白くできているのだと来ヶ谷唯湖は思っていた。
 正確には、世界は本来面白いものであると教えてもらったと言うべきだった。
 教えてくれた集団の名前を、リトルバスターズという。

「……ふむ、早くも過去に思いを馳せるとはな。私も案外人間かな」

 アンモニアのむせ返る刺激臭は、今も唯湖の周囲を漂い、さながら歩く汚物といった様相を呈していた。
 神北小毬あたりならば涙目になりながらシャワーを浴びたいとせがむだろうし、
 西園美魚あたりなら失神しているかもしれない。
 想像し、くすりと笑う唯湖は、この状況を楽しんでいた。
 アンモニアによる攻撃は全くの想像外であり、一挙殲滅できるかと思えば一人しか殺せていない。
 人間は、人間の死に直面してしまえば頭の処理が追いつかず、しばらく呆然としているものだと思っていたのだが。
 頭の中で想像するだけでは生み出せない世界が、ここにはある。
 ただ緩やかな死を迎えてゆくだけだと思っていた人生に、このような機会が訪れている。
 殺し合いで優勝すれば、生きて帰れる。唯湖はそれについてはさほどの興味を持たなかった。
 新しい想像外を、識ることができる。識ることを楽しむことこそが、唯湖にとっての目的になっていた。
 今はこうして殺し合いに加担しているが、脱出を楽しんでもよかった。……いや、どちらでも良かった。
 そもそも自分という人間には、倫理観というものが欠けている。だから自分の価値観というものも殆どない。
 木田時紀や、春原芽衣の視線。なんで殺した、そう問う目を、しかし唯湖こそなぜと問い返したかった。
 なぜ悪い。なぜいけない?
 よくある子供の反発心などではなく、純粋に、人間が人間を殺すことが悪と定義されている理由が、分からなかった。
 それも、識りたいことのひとつだった。

「さて、木田君は答えてくれるかな」

 図書室から階下を見下ろせば、既に木田の姿はない。
 アサルトライフルと拳銃である。単純な攻撃力で考えるなら圧倒的に唯湖の方が上。
 一時退却し、機を窺うというのは理に沿った行動ではある。
 このまま逃げ出している可能性もないではなかった。春原芽衣や折原志乃は木田にとっては無関係の人間である。
 死のうが、殺されようが赤の他人。見捨てて逃げるという選択肢は当然存在する。
 元から友人、だというのならば話は別かもしれない。友情はときとして家族関係にも近い結びつきを生む。
 とはいえ、自らの生命がかかった状況で、見えもしない情というものに殉じるかと言われれば、ノーという人間も多いだろう。
 さてこの場合、どちらを信じるか。
 二つの選択。今度ばかりは、コイントスという運任せの選択をするわけにはいかない。
 ここからはひとつ間違えば人生のゲームオーバーという可能性が待ち構えている。
 楽しくないことは、できることなら回避しておきたい。

「まあ、とりあえずは」

 無難な選択。こちらも索敵に入ることにすることを唯湖は決めた。
 拙速よりも巧遅である。このまま逃げられてしまうかもしれなかったが、それならそれでいい。
 キルマーク一つはまずまずの成績ではあるのだから。
 唯湖は階段を降り、若干慎重に三階へと足を運ぶ。
 この船から脱出するには四階から甲板に出る必要があり、そこは今まさに唯湖がいた場所である。
 木田の視点になってみよう。仮に木田が引き付け、その隙に志乃と芽衣を逃がす算段なら、自分を四階から引き離す必要がある。
 ならば必然、四階から下に移動しているはずなのだ。三階に潜伏している可能性は薄い。
 待ち伏せをするという方法もないではなかったが、殺し合いをしているのは唯湖を含めた四人ではない。百二十人だ。
 甲板から侵入してきた第三者に狙い撃ちされるかもしれない可能性がある以上、待つというのは得策ではない。

 三階に到着した唯湖は、ちらと廊下側を眺めてから二階へと続く階段を下りる。
 船室のある三階は廊下が狭い。こんな場所で銃撃を食らえば間違いなく死の一途を辿るだろう。
 相手もそれを考えないほどバカではないはず。船室に隠れている、ということは考えにくかった。
 そして二階。またもや狭い廊下に、大浴場や調理場へと続く入り口が僅かに見えている。
 ここから、唯湖は捜索を開始することにした。
 一歩一歩、慎重に足を進める。なるべく足音を立てず、大きな隙を出さないようにする。
 同じ人間。急所に撃ち込まれれば、即、死へと繋がる。
 脱衣所を覗き込む。清掃は行き届いているらしく、籠はきっちりと整頓され床には水滴ひとつない。
 一見、人の気配はない。この奥には浴場がある。無論そこは行き止まりで、他に脱出できるような場所はない。
 ここに隠れるのは自殺行為といってもいい。木田はここにはいない。
 踵を返し、次は調理場へと向かう。
 それまでの暖色系、明るめの色彩が中心だった船の風景が一気に寒色系へと変わる。
 ステンレス製のキッチンや様々な調理器具が唯湖を出迎える。
 仄かに、生臭い匂いが漂ってくる。ここは少し前まで稼動していたようだ。
 一通り見回してみて、構造を把握した唯湖は、次に『そこにあるべきもの』を探すことにした。

 正面に構えていたF2000を下ろし、棚やキッチン下などを漁る。
 すると、すぐ目的のものは見つかった。想像を的中させた唯湖の唇が不敵に歪んだ。
 それは、剣だった。まだ新品で使われていないのか、ぴかぴかのままだ。
 剣といっても、それは本物ではない。ステーキを焼くときなどに見世物で使ったりするものだ。
 海外にいた経験もある唯湖にとって、初めて見るものでもない。
 バーベキューなどで、大の男の握り拳ほどもある肉を持ってきて、その場で切ったりする光景を何度も見た。
 切れ味自体は包丁と変わらないレベルだが、重要なのは刃渡りの長さ、だ。
 剣の全長は一メートル近くあり、たかだか数十センチ程度しかない包丁とはリーチが違う。
 加えて唯湖自身の身長は170程度あり、その分も加味すれば、射程でそうそう遅れを取ることはないはずだった。
 流石にF2000と剣を同時に持つと重たい。どちらを装備するか、ということだったが、少し考え、剣へと持ち替えた。
 理由は二つ。まず接近戦に対応できること。懐に入り込まれて肉弾戦ということになってしまうと、
 格闘技能があるとはいえ所詮は女性でしかない唯湖は若干不利であるからだ。
 そしてもう一つは、剣の存在が相手の想定外であるということだ。
 一ノ瀬ことみを目前で撃ち殺された木田にとって、銃の印象は非常に大きいものであるはずだった。
 そうであるからこそ迂闊に出ず隠れているのだし、隙を窺っている。
 つまりは接近戦にしようと目論んでいる。ならばそこに対応してみせれば、木田は狼狽するに違いない。
 F2000をデイパックの中に入れ、唯湖は調理室を『飛び出した』。
 そしてそのまま一気に、二階へと降りてきた側とは反対側の階段へと向かって駆け出した。
 廊下に鳴り響く駆け足の音。それは茂みに隠れた狐を追い立てる、威嚇である。
 こればかりは理屈もなにもない、当てずっぽうである。
 そろそろ出てくるかもしれないという完全な勘に任せての行動だった。
 だが、しかし。唯湖の勘は見事に的中した。

「んなっ!? いきなり……!」
「遅いぞ、少年」

 一階へと続く階段に潜んでいた、木田が突然のダッシュに慌てる。
 その合間に唯湖は剣を構え、一気に木田へと跳躍した。
 拳銃を構える暇さえ与えず、上空から一閃。だがすんでのところで拳銃のバレル部分でガードされる。
 とはいえ勢いまで跳ね返すことはできず、そのまま階段下へと木田が転がり落ちてゆく。
 受け身はとっていたようで、すぐさま起き上がった木田はあらかじめ開けておいたのであろう水密扉の奥へと逃げる。

「機関室、か?」

 追って階段を下りた唯湖は、水密扉の奥に見えるパイプの森を見て呟いた。
 隠れる場所は多い。なるほど不意打ちを仕掛けるにはもってこいの場所である。
 しかしこちらには剣がある。そうそう不利になることもあるまい。そう判断した唯湖も水密扉を潜る。
 機関は今は稼動していないようで、普段ならばエンジンの稼動音が唸りを上げているのであろう機関室は静寂そのものだった。
 一歩踏み出すと、カツンと足音が響いた。ふむ、とそれを確認した唯湖は、再び猛烈な勢いで走り出した。
 今度は拙速である。足音で現在位置を感知される恐れがあるのならば、速さを優先してもいいと考えたからだった。
 カンカンカン、と鉄の床を蹴りながら通路を駆け抜ける。耳に神経を少し傾けてみたが、他に足音はない。
 面白い。逃げずに立ち向かってくるか。どこで一撃を仕掛けてくるかに思考を切り替えた唯湖は、すぐに結論を見出す。

「仕掛けてくるなら……ここだな! 少年!」

 次の扉。電気室へと続く扉を開けた瞬間に、唯湖は剣を振り下ろした。
 空振り。だが、その僅か数十センチ先に木田の姿があった。
 タイミングが早かったか。僅かに眉根を険しくした唯湖に、木田が罵声で応じる。

「なんで分かんだよ! クソッタレ!」
「勘には自信があるのだよ、少年」

 続いて剣で一突き。既にリーチの差を知り抜いている木田はバックステップし、射程から逃れてくる。
 唯湖は慌てず、更に間合いを詰める。銃を構えさせる隙は与えない。このまま畳み掛ける。
 長身と剣自身の長さから生まれるリーチに、木田は全く対応出来ていなかった。
 ひたすら後ろに下がるばかりで、一向に反撃してくる兆しを見せない。
 当たらないようにしながら、今度は倉庫へと続く扉に逃げる。

「どこまで逃げるつもりかな」

 続いて振った剣の一撃が、積み上げられていた小さな木箱を壊す。
 倉庫に収まりきっていなかったものらしく、乱雑に積み上げられていた。
 ガラガラと崩れる木箱と、舞い散る木屑に目をしかめながら木田が「お前を倒すまでだ!」と言い返してくる。

「出来るか? この戦力差だぞ」
「出来るさ!」

 倉庫へ踏み込もうとしたとき、木田が人差し指を銃のトリガーにかけていることを唯湖は目撃した。
 先程までは、トリガーに指をかけずグリップを握っているだけだった。
 反撃の兆しがある。そして「反撃できる」という発言。強がりなどではない。
 この状況での反撃手はひとつ――

「くっ!」

 全身のバネを総動員させ、剣を後ろに振り抜く。
 ギィン、と甲高い音が電気室に響き渡る。

「う……!」

 衝撃に顔を歪めたのは、鉄パイプを持った見知らぬ少女である。
 全くの想像外の援軍。いつの間に、と思う一方で、どうして木田に味方しているという疑問の方が強かった。

「香月! 下がれ!」

 木田の怒声。撃たれると感じたときには、既に銃弾が衣服を擦過していた。
 当たりこそしなかったものの、ヒヤリとした感覚が走った。これは、死を恐れるという感覚なのだろうか?

「うわっ!」

 漠然とした感覚の間に、木田は尻餅をついて倒れていた。
 銃の反動に耐えられなかったのだろうか。
 ちらと横を見ると、片手をぶらりと下げながらも再び鉄パイプを持った少女が唯湖へと向かってきていた。
 慌てて剣で受け止めるも、すぐに連打される。小柄だというのに振り抜かれる鉄パイプの速度は速く勢いもあった。

「ぐ……! 君のような可憐な子がそういうことをするのは、感心しないな!」
「だって、戦わなきゃ」
「なに……」
「戦わなきゃ、生き残れないよ」

 手の痺れが取れたのか、今度は両手で鉄パイプを振ってくる。
 剣でいなしたものの、この迫力は尋常のものではない。
 木田も体勢を整え直しつつある。このままでは挟み撃ちに遭う。

「……なるほど。感心はしないが、好きだよ、私は。そういうのはね」

 剣で鉄パイプを払い、体当たりを仕掛ける。
 勢いがあっても体格の差はどうにもならない。
 まともに当たり、吹き飛ばされた少女は壁に体を打ちつけて悶絶の声を上げた。

「香月!」
「ここは撤退だな。木田少年。今回は君の勝ちということにしておこう」
「待てよ! 逃げんのかよ!」
「おねーさんは疲れた」
「っざけんな!」
「忠告しておく。その覚悟、なくさぬ方が身のためになるぞ」

 そのまま電気室を後にする。
 銃声はなかった。何しろあの反動だ。逃げる相手を狙い撃つのは難しいのだろう。
 機関室を駆け抜けながら、唯湖は先の感覚を思い出していた。
 なにかに恐怖する感覚。不可知のものに触れたような、言葉にできない感覚だった。
 銃弾が擦過し、破れた部分を指でなぞる。
 また少しだけ、とくんと何かが動く。
 そうしたものを感じられるくらいには、まだ人間の感覚が残っているらしかった。

「……面白いな」

 楽しい、と感じていた。

     *     *     *

 これは、一種の賭けだった。
 木田が陽動している間に隠れて来ヶ谷をやり過ごし、その間に船を脱出する。
 作戦はシンプル。だが隠れる場所は、来ヶ谷とは皮一枚隔てたものにしか過ぎなかった。
 三階、船室の一部屋。そこに芽衣と志乃は隠れていたのだった。
 これは志乃の指示。隠れるなら、『あえて見つかりやすい』場所に隠れろという指示だった。
 芽衣は訊いた。どうして、と。
 志乃の返事は至ってシンプルだった。「奴が頭がいいから」と。
 言葉巧みに自分達を騙し、ことみを一撃で撃ち殺してみせた来ヶ谷が頭が悪いはずがない。
 こんな分かりやすい場所に隠れるはずはない、と考えるだろう。
 そして結果はその通りだった。来ヶ谷は船室すら通り過ぎず、二階へと向かったのだ。
 その隙に、芽衣は志乃の手を引いて飛び出した。一目散に階段を駆け上がり、四階から甲板に出て、脱出した。
 陸へと続く鉄の階段を駆け下りながら、芽衣は一度だけ船の方向を振り返っていた。
 あそこで、木田は戦っている。たった一人で。人殺しを相手に。
 粗暴な物言いで、どこかすれたような仕草で、けれど常識的な普通の人間だった木田が――
 戻りたい、と芽衣は思ってしまっていた。
 何ができるか分からないし、何もできないかもしれないけれど、戻りたい、と思ってしまったのだ。
 ひとりでなんて、あんまりにも水臭いじゃないか。
 そう考えていた芽衣の意志を感じ取ったかのように、不意に志乃の握る力が強くなった。
 無言で、どこか怯えた目つきで、しかし確かな意識を持った志乃が、行くなと伝えていた。
 だから、芽衣はそれ以上船を見ていることができなくなってしまった。
 自分が行ってしまったら、この人はどうなる? その疑問が浮かんできたからだった。
 行ってしまえば、今度はこの人がひとりになってしまう。以前よりも暗くて怖い、一人に。
 できるわけがなかった。結局、芽衣は自分よりも目の前の他者を優先させた。
 自己を満足させる量よりも、良心が痛む量の方が多いと分かってしまったからでもあった。
 普段から誰かを気遣うことの多かった芽衣は、その選択しか取れなかったのだ。
 だが、そうしたところで、木田を置いていってしまった事実が変わるわけではなかった。
 ひょっとしたら、自分はひとを見捨ててしまったのではないか。
 心の底、ほんの小さな闇から這い上がってきたその言葉に、芽衣は歯軋りした。
 苦しかった。重たかったのだった。

「おにいちゃん……助けてよ……」

 志乃という、大人の手を引く少女は。
 春原芽衣という名前の、少女は。
 まだ子供でしかなかった。

     *     *     *

「クソッ……なんだってんだよ、あの女」

 木田は悪態をつきながら、電気室の床に座り込んだ。
 冷たい床の感触が、ツェリスカの反動で痺れた体を冷やしてゆく。
 無我夢中だった。やらなきゃやられる。その思いだけに突き動かされて、戦った。
 覚悟もなにもない。今をそうしなければいけないから、引き金を引いただけのことだった。
 いつものことだ。無性に煙草を吸いたくなった木田だったが、漁ってみても手持ちの荷物にはなかった。
 没収されてしまったらしい。ちっと舌打ちして、身を起こしていた香月ちはやの姿を見やる。
 髪を短く左右で結ったツーテールと、女の子らしいヒラヒラと模様がついた夏物のワンピースが特徴的な、イマドキの女という風情だ。
 しかし異様なのは決して手放そうとしない、僅かに歪んだ鉄パイプだった。
 どこかザラついた輝きを宿す鉄パイプは、色鮮やかな彼女の服装とは対照的で、気味の悪さしか木田に抱かせない。
 だがそのちはやこそが木田の窮地を救った人物であった。船内を逃げ回っている最中、いつの間にかやってきていたらしいちはやは、
 木田の様子を一目見て「どうしたんですか」と尋ねてきた。尋常ではなかった、自分の様子を悟っていたようだった。
 ダメ元で協力を申し出た。助けたい人がいる。だから今は力を貸してくれ、と。
 勢いに任せた言葉だった。自分でも澱みなく言えたのが不思議なくらいだった。
 なぜ、と思う。性分でもない、勝つ自信があったわけでもない。
 なぜ、と思う。見知らぬ人間のために、必死になれたのか。
 分からないまま、ただ必要に迫られて言葉を吐き出しただけの自分を眺めて、しかしちはやは頷いてくれた。
 いいよ、と。「戦えるなら、一緒に戦ってあげる」と言ってくれた。
 その華奢な姿からは想像もできないような、落ち着き払った声が、しかし鼓舞するような声が、木田に一握りの勇気を持たせた。
 そして木田たちは作戦に出た。作戦といっても、来ヶ谷を一階に誘い込んで挟み撃ちにするだけという単純極まりない計画だったのだが。
 ともかく一応は成功を収め、来ヶ谷を追い払うことには成功した。芽衣たちも今頃は無事逃げおおせているだろう。
 慣れないことをした疲れ、味わったことのない緊張感、命が助かったことへの安堵が渾然一体となり、溜息と共に吐き出される。

「なぁ」

 自分から相手に物事を尋ねるのは珍しいことだった。無言で振り向いたちはやは、僅かに微笑を浮かべていた。

「手際が良かったけど、よくあんなタイミングでアイツに接触できたな」
「この船、知ってたから」
「知ってた?」
「この船に、乗ってたんですよ、わたし」
「……なんだって?」

 ちはやは首を動かし、ぐるりと一周見渡してから「信じられなかったけど」と重ねる。

「わたしたちが乗ってきた船と、同じだったんです」
「志乃さんと同じか……」
「知ってるの?」

 今度はちはやが驚いた顔を見せた。来ヶ谷に飛び掛ったときでさえさほどの表情を変えなかった彼女が初めて見せる表情。
 凍てついた氷のイメージは文字通り氷解した。目を丸くする彼女は、妹の恵美梨と変わらない、年相応の女だった。

「さっきまで一緒だったんだよ」
「入れ違いだったんだ……惜しいことしたなあ。それで、あの女の人のせいで?」
「……ああ。一人殺された」

 だから、か、と。小さくちはやは呟いた。
 来ヶ谷の様子のことを言っているのだろう。確かに顔色一つ変えず人を殺したあの女は尋常ではない。

「狂ってる。なんだってあんなことが平気で出来るんだよ……」
「……そんなことより」

 そのときのちはやの声が、僅かに低く感じられたのは、気のせいだっただろうか。
 少しだけ、体に力が入ってしまっていた。来ヶ谷を見たとき同様、敵と相対したときの力の入り方だった。
 どうしてそうなってしまうのか理解できなかった。ちはやは味方なのに。
 きっと、疲れている。煙草が欲しい。……落ち着きたい。
 木田の逡巡には気付かぬ素振りで、ちはやは「志乃さんのことなんですけど」と話題を別にした。

「お兄ちゃんのこととか、知ってました?」
「お兄ちゃん?」
「……香月恭介。わたしの兄です」

 言われて、ようやく木田は合点がいった。
 志乃と同様、この船に乗り込んでいた乗船者。
 ちはやは探しに来ていたのだ。離れ離れになってしまった仲間と会うために。
 木田に向けられる視線には、僅かに期待が含まれている。
 だが見ていられず、木田は目を自ら逸らした。期待されるということ自体が億劫だった。

「知らなかったな。……そもそも、あんな状態で」
「あんな?」
「知らないのか」
「……志乃さんに、何かあったんです?」

 女性を相手に、あの話をするのは気が進まなかったが、木田は事実を言うことにした。
 ある程度はオブラートに包んで言ってはみたのだが、志乃が強姦されたという事実はどうしようもなく、
 ちはやの目に激しい敵愾心が宿ってゆくのが分かった。
 自分たちにはどうしようもなかったことだったとはいえ、どこかばつが悪くなった気分だった。

「許せない……やっぱり、こんなところじゃ……」
「……」
「それで? 別れる前の志乃さんは?」
「一応は落ち着いてた。それに付いてる奴もいるし、何とかなるとは思う」
「じゃ、今は大丈夫なんですね」
「多分、な」

 保障はない。曖昧に言うしかなかった木田を、ちはやはしばらく無言で見つめていた。
 カラン、と鉄パイプが音を立てた。持ち直していたときに床に当たっただけだったが、その音の不気味さに息を飲む。
 ちはやの挙動におかしなところはない。それなのに、どうして恐れているのだろう。
 少し歪んだ鉄パイプは、鈍く輝いている。

「どこで落ち合うかとか、決めました?」
「いや……そんな時間なかった」
「そう」

 少し、声が曇った。
 考えてみれば、知り合いと再会できる可能性だったのだ。
 落胆の色が混じるのも当然といえば当然だ。

「じゃあ、どうするんです」
「……わかんねーよ。決めてもいなかった」

 無我夢中で、この場面を乗り切った先なんて、考えていなかった。
 自分はこれからどうしたいのだろう。
 今まで考えてさえこなかった人生。適当に流すだけだった人生。
 夢も希望も感じていなかった世の中で。死んでもそれはそれで、とさえ思っていた。
 ただ、実際殺人に直面してみれば、何とかしなければならないという意識が働いただけで……
 目的もなにもない。こうして離れてしまえば、芽衣や志乃のことも他人事だった。
 いつもの自分。希薄でしかない木田時紀という人間が、そこにあった。

「あの女の人は?」
「……知らねーよ。逃げてったのを追っても仕方ないだろ」
「殺そうとしたのに?」
「さっきから質問ばっかだな……うぜぇ」

 つい、口に出してしまっていた。
 ちはやの眉間に皺が寄っているのを見て、まずいと思ったが謝ろうという意識はなかった。
 気まずい沈黙が流れる。普段なら放置しておいても良かったのだが、ちはやは全く動こうとしなかった。
 気まずさに耐えられなかったのは、木田の方だった。

「お前はどうなんだよ。お前こそ、何かすることあんのか」
「お兄ちゃんを探します」
「ならそうすりゃいいだろ。どっか行けよ」
「ついてきてくれないんですね」
「はぁ?」

 なんでそんなことを、そう重ねようとした木田に、ちはやが近寄っていた。
 まだ少女のものでしかない、女未満の香り。香水の匂いさえしない。
 ただ――その視線は、確かに女のものだった。か弱さを秘めた『女の子』などではない。
 生意気さしかなかった芽衣とは違う、独立した強さがあった。
 しっかり者なんだな、という感想を抱いた。恵美梨にも見習わせたいと思うくらいに。

「一人では、困るんです。誰かが必要なんです。今は」
「……俺じゃなくってもいいだろ」

 強さが見えたから、木田はそう言っていた。
 自分なんて必要ないように思ったからだった。
 所詮、自分はどこにでもいる男の一人にしか過ぎないのだ。
 ちはやが求める理由が分からなかった。

「わたしはまだ、一人じゃ戦えない」
「戦う、って……」
「だから力がいる。強くなるために、生きてお兄ちゃんに会うために、強くなる」

 ちはやの腕が、木田の肩を掴んだ。
 華奢なように見えて、力強い手だった。
 それだけの強さがあるのに、その腕は、木田を求めていた。
 自分は、必要とされている。そう認識した瞬間、頭がくらりとしていた。
 酩酊感に近い。別れ際の芽衣が寄越した視線を感じたときと同じ、だった。

「……兄貴に、会いたいんだな」

 尋ねる。ちはやは一度だけ、しかししっかりと頷いていた。

「頼りになる兄貴なんだろうな。俺は、そうじゃない。妹からも軽蔑されてる」

 恵美梨の姿を思い出した。
 汚いものを見る目で、いつも自分を見下していた妹。
 それほど出来は良くない。妹だってそこまで優秀というほどでもない。
 だがそんな妹よりも劣っている。興味は何に対しても薄く、何にも飽きる。
 それなりに生きるということに対してだけ、最低限の努力を重ねるだけの人間。
 ちはやの兄は、きっとそんな人間ではないのだろう。

「俺でいいのか」
「……はい」

 するりと、指を下ろし、手を握ったちはやに、酩酊感が強くなった。

「必要ですから」

 微笑んだちはやに、木田は断る術を持てなかった。
 必要と言われて、断れる理由がなかった。
 断れないほどには……木田は、飢えていたのだった。

「行きましょう」
「どこに」
「実は、もう何人か知り合いがいまして」
「そう……なのか?」
「って言っても、そこで落ち合おうってメモを残しただけなんですが。実際にはまだ会ってません」

 できれば志乃さん、連れていきたかったんですけどね、と苦笑いを交える。
 手は握ったまま。片方の手には、鉄パイプ。
 放せ、とは言えなかった。単に、その機会を逃しただけだから。
 船内には来ヶ谷はいなかった。既に逃げ出して、別の相手を探しているのか。
 気にはなったが、もはや他人事であり、木田は特に気にすることもなかった。
 芽衣たちのことも同様で、まずちはやに付いてゆこうという意識の方が強かった。
 捜索は、後でもできるだろう――そんな感覚でしかなかった。

 船を下りた後、道なりに進んでゆくと、小高い丘の上に、洋館が見えた。
 周囲の景色……コンクリートばかりの灰色の景色から浮き立つように、白と緑に彩られた洋館は、
 自然の中に佇む富豪の屋敷であるという感覚を木田に抱かせた。
 なるほど。集合場所にするには、確かに向いている。拠点とするにも向いているかもしれない。
 否が応でも、目が吸い寄せられる。きれいな、場所だった。
 近づいてゆく。一歩一歩。傾斜を少しずつ登って。
 門前へと、至る。そこには青銅の、大きな扉がある。
 左右を取り囲む塀は高く、柵は容易に乗り越えられそうになかった。
 どこか要塞然とすらしている。元の住人は閉鎖的だったのだろうか。
 そう思いながら、門扉をゆっくりと引く。ぎぃ、という音とともに、ゆっくりと外側へと開いた。
 中に見えたのは、豪奢なフラワーガーデンだった。
 どこから集めてきたのだろう、様々な花が、風に吹かれてそよいでいる。
 ちはやが見れば、思わず声を上げるのではないだろうか。そう考え、ちはやの方を振り向くと――



 ――手を、振っていた。


 ――ばいばい、と。

 思考が停止した。離れた場所から振られるちはやの手。それは。
 声をかける間は、与えられなかった。たたた、と、金属を軽く叩くような音がして、木田は跳ね飛ばされた。
 門の内に入ることも叶わず、文字通りの門前払いだった。
 全身に、銃弾の穴を残すというおまけつきで。
 即死ではなかった。だが、致命傷だった。体が動かず、息さえおぼつかない自分の体から判断した結果だった。
 騙されたのだ。浮かび上がってきた事実に、木田は口を「なぜ」の形に動かした。
 自分を、必要、だったのでは、ないのか。
 仰向けに倒れ、血の花を咲かせる木田を見下ろしたのは、ちはやである。

「ダメなんだよ、それじゃ」
「戦わなきゃ」
「いつも、戦ってなきゃ、ダメなんだよ」
「わたしたちには」
「敵しか、いないんだよ」

 失望した声だった。見下した声だった。
 期待はずれなものを、見る目だった。

「戦える人だと、思ったのにな。あなたの妹さんとは違って」

 恵美梨?
 唐突に出てきた妹の名前に、木田の目が見開いた。
 どういう意味だ、それは。
 手を伸ばす。いや、既に予感していた。
 恵美梨は、もう……
 伸ばす手は、家族を殺された怒りか。それとも、ただ最低限に生きようとした結果なのか。
 分からない。分かるだけの頭を、持っていなかった。……悔しい、と思った。

「だから、わたしはあなたを食べる。食べて、生き延びる。生きて戦う。……お兄ちゃんに、会うために」

 ああ、と木田は理解した。
 最低限に生きるだけでは、ここでは生きられないのだ。
 酔ってはいけなかった。誰かといることに、酔ってはいけなかった。
 希薄に生きながらも、誰かを求めていただけの、『最低限の生』だけだった自分は、食われる側だったのだ。
 だったら。この女は。香月ちはやは――

「ケモノ、め……」

 伸ばした手は、どこにも触れることはなく。
 ちはやの鉄パイプによって、叩き潰された。

     *     *     *

「ふむ、結果は上々みたいね。どう久寿川さん、感想は」
「意外と簡単で、驚いています」

 澱みなく会話をする二人、柚原春夏と久寿川ささらは、フラワーガーデンを歩いている。
 風に乗ってやってくるのは、花の穏やかな香りと、命の残滓である。

「……正直、武器がこれで良かったと思ってます」
「どうして?」
「殺した感触が、少なかったから……」
「そうね。わたしも、そう。テレビの向こうの殺人事件だったわ」

 門扉の先では、にこやかに笑う香月ちはやが待ち構えていた。

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 M134のセッティングが終わったころ、彼女は唐突にやってきた。
 館の中に侵入し、目ざとく自分達を見つけたちはやは、今と同じく笑っていた。
 学校に行く道端で、知り合いを見つけたかのような笑いだった。
 そうして、警戒する自分達を見たちはやは、こう言っていた。

『戦えますよね』

 その口ぶりは、獣だった。品定めをする猛獣。
 手に持った、少し歪んだ鉄パイプは振られる気配はなかった。
 ささらと目を見合わせて、まずは春夏が会話した。
 人殺しの準備をしている、と。

『良かった』
『なにが良かったのかしら』
『戦える人が、欲しいんです』
『意図が見えないわ』
『……ここには、怪物がいるんです。わたしはそれと戦わなきゃいけない』
『怪物……ね』
『それは人の形をしている。だから、人が殺せなきゃ、戦えなきゃダメなんです』
『協力しろって?』
『危ないですよ、そいつは。油断してなくても、食い殺される』

 だから力が必要だ。怪物さえ食い殺す怪物にならなくてはならない。
 淡々と語ったちはやは、どこか怯えているようでもあり、だからこそ恐怖を克服できる怪物になろうと、仲間を求めていた。
 化け物が怖いあまりに、化け物になろうとしている人間。それがちはやだった。
 家族や、大切な人間を守るために修羅であることを望んでいる自分達とは違った。
 だが、やろうとしていることは同じだった。ちはやも春夏たちも、潰し合うつもりはなかった。
 ちはやは化け物を、春夏たちは敵の排除が目的だったのだから。

『ところで』
『何ですか?』
『どうして私達が、戦える人間だと?』

 尋ねたのはささらだった。

『あいつと、少しだけ似てるから』
『あいつ?』
『……岸田洋一。多分、あいつは、化け物だ』

 それ以上は、ちはやは何も語らなかった。
 肩を竦めたささらに合わせるようにして、春夏も首を振ったのだった。
 化け物が怖いが、その恐怖は信じる。なんとも皮肉なものだった。

『化け物呼ばわりされちゃったわね』
『心外です』
『あら奇遇。結構、波長合うかもね』
『……』

 それこそ心外だ、という風に表情を険しくしたささらにやれやれと溜息をつきつつ、春夏はちはやと交渉を始めた。
 M134を持っている関係上、あまり動きたくはないこと。そしてちはやはまだ完全に信じれる状況ではないこと。
 ならば標的を連れてきてみせようというのがちはやの意見だった。
 人数が減るのは春夏たちにしても問題はなかったし、ちはやにしてみても連れてくるのは『論外』の人間のようだった。
 こっちは待っているだけでいいのだし、撃つだけでいい。明らかに春夏たちに有利なものだったが、ちはやは応じた。
 それほど、化け物が怖いらしい。M134があっても一筋縄ではいかなさそうだと、春夏は思った。

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「あの子、よくもまあやれるわね」
「鉄パイプで殴り殺したことですか」
「気持ち悪くないのかしら、ねえ」
「……そういうあなたこそ」

 アレを見ても、平気そうじゃないですか。
 少年の死体を指差し、嘲笑したささらに、「そう?」と春夏はとぼけてみせた。
 あなたこそ、笑えるくらいには平気そうだけど。その言葉は、飲み込む。
 平気なのは、どうしてだろう。平然と人を殺せたのは、どうしてなのだろう。
 やれるとは言った。やってみせた。最初に言った通り。
 けれども、こうも淡々とやれるとは。
 殺した実感が薄いからなのか。
 現実感が、ないからなのか。
 それとも、本質的に自分が、化け物であるからなのか。
 何も言えないから、春夏はとぼけたのだった。
 もっともささらには、それは不服そうだったのだが。

「……どうです? 少しは、わたしと戦ってくれる気になりました?」

 ちはやの元まで辿りつくと、早速彼女がそう切り出す。

「そうね。少しは」

 春夏はそう言い、腕組みをしていたささらの脇腹をつついた。
 鬱陶しげに手で振り払われる。嫌われているらしかった。
 春夏にしてみれば、ささらの無表情ぶりは気に入らなかったからという話なのではあるが。

「いいんじゃないですか」
「気に入ってなさそうですね……」
「ちはやちゃんはお気に召しているようで」
「鮮やかでしたから」

 銃撃のことを言っているのだろう。
 まるで容赦なく、瞬時に撃って見せた『戦いぶり』はお眼鏡に適ったらしい。
 そばに転がる、先程まで会話だってしていたはずの少年のことなど気にも留めていない。
 それも当然か、と春夏は感想を結んだ。食料に感慨を抱くわけもない。
 ちはやは、化け物を目指しているのだから。

「ま、80点ってところね。私は」
「厳しいですね」
「一人だったからねー。久寿川さんの点数はもっと低そうだけど」
「……心外です。柚原さんと同じくらいですよ」
「あら。やっぱり波長合うんじゃない?」
「……」

 連れないわねぇ、と軽口を叩こうとしたところで、不意に空から、声が聞こえた。

「いいや。今回は50点だな」
「は……!?」

 ちはやが、驚愕の表情を露に塀の上を見ていた。
 見てみると、そこには不敵な笑みを浮かべた、学生服姿の女が腰掛けていた。
 手にはライフル。傍らに下ろしたデイパックには、剣らしきものが突き出ている。

「あら、こんにちは」
「……いつから」

 普通に挨拶をしたのは春夏だけで、ささらは不快そうな表情を、ちはやは無言で唇を噛んでいた。
 あの狼狽振りからすると、知り合いであるらしい。
 女学生は腰までかかる長い黒髪を優雅に揺らしながら「尾行させてもらったよ」と事も無げに話す。

「私は尾行が得意でね。特に可愛らしい少女が相手ならば、な」
「……く」

 バカにされたと思ったらしく、ちはやは怒りの視線を含ませた。
 風と受け流しながら、「別に遊んでいたわけではないよ」と笑う。

「なに、面白そうだと思ったまでだ。君らが密会しているのを見て、な」
「……どこから聞いてたんです?」

 尋ねるのは、無愛想なままの表情のささらである。
 春夏もそれは気になった。気配にも気付かなかった。射撃したテラスからも見えなかった。
 相当の、手練れだ。

「君らが合流したところから、だな。そのまま撃ち殺しても良かったが、中々姦しい会話を繰り広げていたようなのでね」

 くるくると、ライフルを弄ぶ。
 ますますバカにされたと思ったらしいちはやは悪態をつく。
 ささらは『どうして撃ち殺さなかったのか』に興味が移っているらしく、再び無表情に。
 春夏は、快楽主義的人間だと解釈をした。面白そうだという、その理由だけで、殺すのをやめた。
 厄介極まりない人間である。なるほど、確かにちはやは『50点』だ。

「連携プレーの相談と見たが……ふむ、おねーさんも、混ぜてはくれまいかな?」

 くっくと、笑い、ライフルを弄ぶ少女に、春夏はさてどうするかと頭を悩ませた。


【時間:1日目午後5時30分ごろ】
【場所:H-6 洋館】

久寿川ささら
【持ち物:M134ミニガン&大量の弾薬、水・食料一日分】
【状況:健康】

柚原春夏
【持ち物:M134ミニガン&大量の弾薬、水・食料一日分】
【状況:健康】

※M134は固定式です。携帯してダンジョン探索はできません!

香月ちはや
【持ち物:鉄パイプ、水・食料一日分】
【状況:健康】

来ヶ谷唯湖
【持ち物:FN F2000(29/30)、予備弾×120、バーベキュー用剣(新品)、水・食料一日分】
【状況:アンモニア臭】

木田時紀
【持ち物:フェイファー・ツェリザカ(4/5)、予備弾×50、不明支給品、水・食料一日分】
【状況:死亡】


【時間:1日目午後5時30分ごろ】
【場所:G-7】

春原芽衣
【持ち物:DX星杖おしゃべりRH、水・食料一日分】
【状況:健康】

折原志乃
【持ち物:不明支給品、水・食料一日分】
【状況:錯乱、精神に極めて深い傷】




081:Hariti 時系列順 091:七回目のベルで
083:弱者選別 投下順 085:天使の羽の白さのように
052:ALIEN(異邦の人) 木田時紀 死亡
折原志乃 129:喝采すべき、英傑の唄
春原芽衣
来ヶ谷唯湖 089:ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェクの地平
025:それは獅子の名を持たず、虎の貌を持たず 香月ちはや
048:M134(ムイミなシ) 久寿川ささら
柚原春夏


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最終更新:2011年09月09日 02:20