あの時の自分と向き合って ◆XksB4AwhxU




「ごめんね…救ってあげられなくてごめんなさい」


スバル・ナカジマは悲しみに沈んでいた。
先ほど、無残にも首輪を爆破され死んだ3人。
3人とも自分の知らない人だったが、そんなことは関係ない。
自分は…守れなかったのだ。
すぐ目の前に存在した3つの命を。

『…マスター』
「…うん、ごめんマッハキャリバー。いつまでもこうしてるわけにはいかないよね」

そう。殺し合いはすでに始まっているのだ。
こんなところでいつまでも悲しんではいられない。
必ずこの殺し合いを止める。
もうあんな悲劇を起こさないために。



「なのはさんにフェイトさん、ティアやユーノ司書長まで呼ばれているなんて…」

自分以外にも知り合いが呼ばれていることに頼もしさと悲しさが入り混じったような複雑な表情のスバル。
そして、もう一つ気になる名前があった。

「高町ヴィヴィオ…?」

名簿の中のひとつの名に、首をかしげる。
なのはとヴィヴィオは確かに親子のような絆で結ばれていると思うが、二人は血はつながっていないし養子にもなっていない。
一瞬別人かとも思ったが、しかしなのはと同じ名字でヴィヴィオと同名などというのは、偶然にしては不自然だ。
ちなみに、フェイトの名前が『フェイト・T・ハラウオン』でなく『フェイト・テスタロッサ』となっていることについては、旧姓で表記されてるだけだろうとあまり気にしなかった。

「だとすると、この名前はやっぱりあのヴィヴィオ…?」

しかしそうだとするとそれはそれで妙な話である。
なぜなら現在ヴィヴィオはジェイル・スカリエッティ率いるナンバーズに捕らえられているはずだ。
そんなヴィヴィオがこの場にもしいるとしたら…


「今回のこの件には…スカリエッティが関わってる?」


可能性は高いが、だとしたらいったい何の目的で?


『!…誰かがこちらに来ます』

マッハキャリバーの警告に、スバルは考えるのを中断する。
そして身を引き締め、近づいてくる相手を待ち構える。

現れたのは…チャイナ服の女の子だった。
年齢は自分やティアと同じくらいだろうか。

「あの…」

声をかけて近づこうとして……止めた。
何故なら、彼女からは凄まじい殺気が放たれていたのだ。


「…殺スネ」


少女…シャンプーはそう短くつぶやくと、スバルめがけて拳を繰り出す。

「うわっ!?」

どうにかその場を離れて攻撃をかわすスバル。


「ちょ、ちょっと待って!あたしはあなたと戦うつもりはないよ!」
「そっちに無くてもこっちにあるネ」
「こ、殺し合いに乗ってるの!?どうして!?そんなのだめだよ!」
「これから死ぬヤツに答えることなんか…ないネ!」

だめだ。
口でどうにか言っておとなしくさせるのは無理そうだ。



『マスター、変身を!』
「うん。マッハキャリバー、セーット・アーップ!」


その掛け声とともにスバルの衣装が変わり、足にはローラーブーツが装着される。
さらに右手には籠手型のデバイス『リボルバーナックル』をはめる。
戦闘準備完了だ。


「やああああああああああああっ!!」


スバルの変身が完了すると同時に、シャンプーが向かってくる。


「はああああああああああああっ!!」


それに対してスバルも、リボルバーナックルをはめた右拳を振りかぶる。
二人の右拳が衝突し、ぶつかり合う。
しかし、籠手で武装している分だけ分があったのか、シャンプーの方が力負けし吹き飛ばされる。
だがシャンプーも負けてはいない。


「せやあああああああああ!」


吹き飛ばされた状態から近くにあった木の幹を蹴り上げ、再びスバルの許へと戻ってきたのだ。

「うああっ!?」

シャンプーの拳が叩き込まれ、今度はスバルが吹き飛ばされる。

『大丈夫ですか、マスター』
「あはは、こりゃあ気を抜いてたらやられちゃうかもね…」

目の前の少女は、生身の女性とはいえなかなかの実力者のようだ。
そしてなにより、戦闘技術や実力以上にその気迫が凄まじい。
下手をすればあの勢いだけで勝負を持って行かれかねない。


(でも…なんだろう。彼女のあの雰囲気、どっかで見覚えがあるような気がする)


「乱馬は…私が守るネ」

シャンプーが愛する男、早乙女乱馬。
彼には絶対に死んでほしくない。
なぜなら、将来自分の夫となる人なのだから。

「だから…みんな殺スネ」

天童あかねだろうと、響良牙だろうと、みんな殺す。
自分と乱馬の幸せの邪魔になるものはみんな殺す。
殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!


恋する盲目少女は、暴走を続ける。



シャンプーの激しい猛攻を、スバルは避けもせず反撃もせず受け続けていた。
先ほどから彼女と拳を交えていて感じる不思議な既視感。
その正体を確かめるために。


「たああああああ!」


シャンプーの渾身の蹴りが炸裂する。
それを受け、スバルの体が吹き飛ばされる。

『マスター!このままではやられてしまいます!』
「…そっか、そういうことなんだね」
『マスター?』

彼女の攻撃。気迫。
その全てをこの身に受けて、ようやく分かった。


――似てるんだ。あの時のあたしに。


それは前回の任務の時。
姉であるギンガに危機が迫ってると知り、ティアナがとめるのも聞かず先行し…
そして…血を流して倒れているギンガの姿を見つけて、暴走した。
ギンガを取り返そうと無我夢中で敵に突っ込んでいく自分。
自分の体が、相棒がぼろぼろになっていくのにも構わず、無茶な戦い方をする自分。


目の前の少女からは、あの時の自分と似たものを感じる。
大切な人を守りたくて、なりふり構わず戦うあの時の自分と姿が重なるのだ。
おそらく彼女も、大切な誰かを守りたくて戦っているのだ。

もちろんこれはスバルの主観に過ぎないし、実際には別の理由があるのかもしれない。
ただ、それでも…彼女にはそう思えてならなかったのだ。


(だとしたら、このままにはしておけない)


彼女をこのままにしておけば、あの時の自分のように身も心もボロボロとなり、最悪待っているのは破滅だ。
それならば…


「あたしが……あなたを止めてみせる!」


向かってくるシャンプーに対し、スバルは先ほどまでの防戦を止め、攻撃の構えを取る。
シャンプーを…過去の自分を止めるために。


【1日目/未明】
【C-5/森】

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)
[装備]:マッハキャリバー、リボルバーナックル@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3個
[思考]
基本:殺し合いを止める
1:目の前の女の子(シャンプー)を止める
[備考]
※参戦時期はstrikers18話から20話の作戦開始前までのどこかです。
※シャンプーの姿を前回の任務の自分(strikers17話)と重ねています。
※『高町ヴィヴィオ』は一応ヴィヴィオ本人だと認識しています。
 また、彼女がいることからこの殺し合いにジェイル・スカリエッティが関わっているのではないかと考えています。


【シャンプー@らんま1/2】
[状態]:疲労(小)、激しい殺意
[装備]:無し
[道具]:水とお湯の入ったポット一つずつ、支給品一式、ランダム支給品1~3個
[思考]
基本:乱馬以外みんな殺す
1:目の前の女(スバル)を殺す


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最終更新:2013年03月14日 22:07