勝利のテッカマン(後編) ◆gry038wOvE




 ────時刻はほんの少し遡る。
 ブラスターテッカマンエビルによって吹き飛ばされたテッカマンランスは、意外にもすぐに起き上がっていた。
 それは、おそらく己の意地によるものだっただろう。
 そして、ランスは、再び二人の戦闘に割り込もうとしていたはずだ。


「ナケワメェケェ…」


 その道を阻んだのは、主に忠実な下僕、ナケワメーケだった。
 主の戦いを邪魔させないために、ナケワメーケはテッカマンランスの前にたたずむ。


「……なんだ貴様は。たった一匹の蟻ごときがこの私の通る道を阻もうというのか……」


 しかし、その真横に泉京水が歩み寄ってくる。
 テッカマンランスには見覚えのある姿だったが、それもまた蟻だった。


「一匹じゃないわ。私も、タカヤちゃんとシンヤちゃんの兄弟喧嘩はやらせておくべきだと思うのよっ! やっぱり、喧嘩も大事よっ!! あの二人の誰かが来るなんて空気読めない、略してK・Y! KYねっ、モロトフちゃん!! 何なら私が相手してあげるわっ!!」

「フンッ……何匹だろうが蟻は蟻だ。それに、私はブレードへの再戦を望んでいるのみ……貴様らの相手をしている暇はない。蟻どもを踏み潰すなど、退屈なだけだ」


 ランスが通り過ぎようとした瞬間、電子音が響く。

 ──Luna──

 ──Luna──

 ルナ・ドーパントとなってまで、京水はランスの行く道を阻もうとしていた。
 戦力差はわかってはいるが、それでも二人の邪魔をさせない。
 ランスの気持ちもわかる。
 一度やられた屈辱を晴らすために、もう一度戦おうとするのは男子に生まれれば仕方ない感情かもしれない。
 悔しさが、絶対に勝ちたいという思いを作り出す。
 しかし、残念ながらブレードにはエビルという先客がいた。
 その一対一の戦闘を見守るために、悪いがランスには諦めてもらおうというのだ。


「そうか……あくまで阻むというのなら、容赦はしない……いくぞっ!!」


 その言葉を発した直後、ランスの耳にボルテッカの叫びが聞こえる。
 ブレードとエビルのボルテッカだ。
 その威力をよく知っている彼は、一瞬伏せるような様子を見せた。
 そして、直後に光はやってきた。
 ブラスターボルテッカの爆風が、ランスたちの体を吹き飛ばした。


「何ぃぃっ!!?」


 その中で、ランスは見た。
 その衝撃を回避するために、上空へと飛び上がったナケワメーケの姿を──。



★ ★ ★ ★ ★




 ブラスターボルテッカが二つとも爆発し、周囲の木々が吹き飛んだ。爆心地に直接関係ない木々さえも、爆風によって炭となり、灰となった。
 その轟音と衝撃が終わると、ブレードの体中がボロボロに砕け散っている。ルナドーパントが吹き飛ばされ、ナケワメーケもテッカマンランスさえも、その光に飲み込まれていった。
 辛うじて、体をある程度保っており、生だけは保っているが、それでもこれ以上戦える力が残っている気はしなかった。


「……うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

「何っ!?」


 だが、そんなブレードの目に、その煙の中から、向かってくる一筋の影が映った。
 拾いなおしたテックランサーを、左手で構えている、ブラスターテッカマンエビルだった。
 こちらが放ったボルテッカの残滓によって、少し動きが鈍っているようにも見えるが、確かに回避しがたいスピードで、彼は向かってきていた。
 ブレードはあの一撃でこれほどのダメージを受けたというのに──エビルも同等のダメージを受けていて当然なのに、彼はできる限り回避し、痛むはずの傷も、体の疲労さえも我慢して、ただ執念でブレードを殺しに来たのだ。


「さらばだ、ブレードぉぉぉぉっ!!」


 どこを刺してくるかはわからない。
 ブレードは、必死の思いでテックランサーを突き出した。
 防御する気がなく、ただ前からやって来るエビルの心臓を先に止めようとしたのだ。


 ────しかし、────


 心臓に向けてテックランサーの照準が定まり、ブレードの体を貫こうとしたまさにその瞬間であった。

 突然の頭痛のような感覚が、エビルを襲った。

 その一瞬、彼の手元が狂い、テックランサーはブレードの右腕に突き刺さった。

 そして、ブレードのテックランサーは真っ直ぐ、エビルの腹へと向かっていこうとしていた。


 ──負ける!!──


 直感的にシンヤはそう思った。

 完全なる優勢のこの瞬間、例によってブラスター化の代償がやって来たのだ。

 あと一歩で、兄さんに勝てたのに…………。


「……ナァケワメェケェ……」


 主を失いかけたナケワメーケのその声を聞いたエビルの胸に、浅くテックランサーが突き刺さった。
 痛み。
 敗北の痛み。
 最後まで、勝てなかったのだろうか……。
 このまま、深々とエビルの胸を貫き、この競争は終わってしまう。
 やっぱり、僕は勝ってなかったのか……。
 本当に、あと一歩だったのに……。


 しかし、次の瞬間、二人のテッカマンが、反発し合うように吹き飛んだ。
 テックランサーをぶつけ合った衝撃によるものだった。
 そして、二人のテッカマンの間に、奇妙な影があった─────


「──ナケワメーケ!?」


 エビルが驚愕する。
 あの一瞬の間に、ナケワメーケが飛び出していたのだ。
 主の危機的瞬間を見抜いたナケワメーケが、テッカマンランスとの戦いも何もかもを放り出し、あるかもわからぬ命を呈してブレードの一撃からエビルを庇った。
 それは、そういうことだった。


「……くっ……ナケワメーケ、邪魔をするなと、あれほど……」


 そこに現れた小さな椅子の残骸を見ながら、テッカマンエビルは落胆する。
 椅子から生まれた奇妙な巨体────命、感情、意思、生き続ける意味さえあったのかもわからない存在だった「それ」は今、シンヤに仕えていなくなった。
 生物かどうかさえわからないナケワメーケとのお別れ。
 それが何だか、戦いの邪魔をされたことよりもずっと、もどかしい感情をシンヤに与えていた。
 腹部を突き刺された痛みなど、もはや感じなかった。


「…………それに、僕、だって……もう、永くないって、いうのに…………」


 こんな形で生きながらえてしまった。
 もう数時間ともたない命のために、ナケワメーケは散った。
 ナケワメーケは、知っていたはずなのに。
 だが、それだけナケワメーケの主に対する情が深かったということだろうか。
 シンヤはナケワメーケに過去の話をしたり、番人をやらせたり、移動手段として重宝したり、無意識のうちに可愛がっていたのである。
 それが、ナケワメーケに伝わったのかもしれない。
 今となっては、ただの壊れた椅子にすぎないそれが、実際どんな気持ちだったのかなど、ここにいる誰も知る由はないが……。


 ピコン、ピコン、ピコン……。


 テッカマンブレードの頭上で、点滅が始まった。
 30分。気づけば、あっという間にその戦いは終わっていた。
 そして、それはブレードのピンチを意味していた。
 このまま変身を解かずに放っておけば、ブレードは完全にラダムに洗脳され、おそらく他の参加者を殺しつくす悪鬼となる。
 しかし、変身を解けばシンヤやモロトフ……いや、シンヤはともかく、モロトフは襲ってくるだろう。


「……もう30分か。また1時間後に戦おう、兄さん。ランスは俺が止めておく……」


 そう言って、エビルがブレードに背を向けた。
 ブレードは、その背中を黙って見つめながら変身を解く。
 誰かが駆け寄ってきた。タカヤにはわからないが、ルナ・ドーパントだった。彼もまた、モロトフを警戒してか、変身を解く様子はない。



★ ★ ★ ★ ★



 タカヤは深く息を吐いてへたりこむ。肩からはまた血が流れて、全身はズタボロだった。
 目も開かないのだろうか。
 何故か、目の前の光景が真っ暗で、何も見えなかった。


 ────いや、待て。


 ここは一体どこなんだ?
 真っ暗で、何も見えない。全ての光を阻まれた箱の中にいるような感覚だ。瞼の裏が薄く光ることさえもない。
 だから、タカヤは手探りで、自分が閉じ込められている場所の「壁」を探し始めた。


「……おい、どこだ……。どこだ!」


 空気にもたれかかり、バランスを崩して倒れてしまう。
 服が泥だらけになり、体中の傷が痛んだが、それさえもわからない。


「ちょ、? ちょっと! どうしたのよタカヤちゃん!」

「ここはどこだ、俺はどうしてこんな真っ暗なところに! 京水、シンヤ……お前たちはどこにいるんだ!!」

「タカヤちゃん、目の前よっ!! ホラ、ホラ、私を見て!!」


 ────このタカヤは、いま初めてブラスター化をしたばかりだった。
 ゆえに、ブラスター化のリスクを詳しくは知らないし、この異変が何なのかわからない。
 彼の視界から光を奪い、同時にあらゆる記憶を消し去っていく。
 声さえも届かず、永遠の孤独に閉じ込められてしまったのである。
 そして、寂しさと痛みが襲ってくる。
 何故、痛むのかわからない肩。
 何故、疲れているのかわからない体。
 何故、出会ったのかさえわからない京水という男。


 そうだ、京水の名前は知っている。シンヤとの戦いも消えてはいない。ミユキのことも覚えているはずだ。テッカマンのことも、戦いのことも忘れ去ってはいない。
 しかし、今の彼はそれ以外のほとんどの情報を失ってしまったのである。
 加頭、せつな、結城、零、モロトフ、ダグバ、翔太郎、杏子のことは完全に忘れてしまったし、「殺し合い」、「首輪」、「Dボゥイ」の名前────あらゆる記憶が彼の中から消えていく。
 そして、どうしようもない不安ばかりが募ってくる。
 壁を探して這うタカヤに、30分は長すぎたし、1時間は短すぎた。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」



★ ★ ★ ★ ★



 ランスの前に現れた赤い影。それは、テッカマンエビルその人だった。
 真っ赤な外形は、忘れるはずもない。
 ランスとはある約束を交わしていたし、それが破られた以上、戦闘後に彼が現れたのは必然だった。


「邪魔をしてくれたねぇ……モロトフ」

「フンッ。……あの戦いで生き残った方を殺すというのは、貴様らの方がより完全なテッカマンだと認めてしまうのと同じ……そう思われるのが癪だっただけだ!」

「もう一度言っておくべきかな……あんたは俺や兄さんよりも、ずっと完璧なテッカマンさ。ブラスター化は自分の体を崩壊に近づけていく……俺の命も、もう……」


 エビルの姿が巨大なクリスタルの結晶となり、そのまま相羽シンヤの姿へと戻っていった。
 相羽シンヤの体は、もはや一時間の戦闘が可能な状態ではなかったのだ。
 そう、あの時ナケワメーケが庇わずとも……ブレードのテックランサーがシンヤの体に突き刺さっていたとしても、きっとシンヤは力を使い果たして死んでいた。
 辛うじて彼を保っていたのは、敗北に対する異常な嫌悪感で、勝利への異常な執着だった。


「はは……モロトフ、もう責めるつもりはないさ……。俺の、……僕の代わりに、兄さんにトドメを差すといい……」


 シンヤの首の後ろから、小さな虫が飛び上がった。
 ────ラダムの、あまりにも矮小な本体だった。
 この戦闘力の欠片さえ見られないごく小さな生物が、人を戦うためだけの戦士へと変身させ、地球を滅亡に追い込んできたのだ。
 これがいなければ、シンヤたちがテッカマンとなることはなかったし、親兄弟、友人同士が殺し合うことにはならなかった。
 このゲームに招かれることも、ラダムなしにはありえなかっただろう。
 そして、この小生物は、例によってシンヤの命が残り少ないからとシンヤの体を見捨てた。まるで、消耗品のように。


 ラダムから解放されたシンヤの表情はいやに落ち着いていた。
 体の痛みも感じず、心の中まで全くと言っていいほど、曇ってはいなかった。
 これほど晴れやかな気持ちがあっただろうか。
 そして、この気持ちを例えた一言を、シンヤは心の中でつぶやいた。


(……兄さん、悪い夢を見ていたみたいだよ)


 そう、悪い夢から覚めたような気分だった。
 長い長い悪夢。
 父が死に、兄と殺し合い、妹が死に、可愛がってくれたゴダードも死んだ……。
 ラダムによって齎された苦しみの数々を、シンヤは思い出す。
 タカヤやミユキやゴダード……。
 ラダムによって、シンヤは様々な人を傷つけた。


 それでも、一つだけラダムのおかげで誇れることはあったと思う。
 長い長い現実で、唯一の曇りだったものを消し去れた。


 僕は────


「勝ったよね? 僕は兄さんに勝ったんだよね。ブラスター化の限界が襲ってこなければ、あの時、確実に兄さんの心臓をとらえてたよ……ようやく兄さんに勝ったんだ……素晴らしいよ、兄さんは……本気で、僕と戦ってくれたんだもの」


 悲しいことに、その思いを伝えたい兄はここにはいない。
 さらに言えば、兄はこの場でのことをどこまで覚えているのかもわからない。
 しかし、シンヤは呟いていた。


「嬉しい、はずなのに、悲しいな……いつまでも、兄さんと戦っていたかった……目標、なくなっちゃったじゃないか」


 本当に嬉しかった。
 何よりの目標であった兄に勝つことができた。
 天才の兄・タカヤ。
 それに追いつこうと必死で努力したシンヤ。
 いつも、その方程式だった。
 そして、追いつくことは一度もなかったのだ。


 それでも、そんな日々が楽しかった。
 追いつこうとして努力して、兄を超えようと作戦を練っている時間が好きだった。
 いつまでも、目標でいてくれた兄が好きだった。
 あの暖かい家族が、相羽シンヤは好きだったのだ。


「ごめんね、兄さん」


 一人の同志が朽ち果てていくのを、テッカマンランスが見守っていた。
 ランスは、その死体の胸に抱えられたクリスタルを拾い上げ、ナケワメーケだった椅子の残骸に向けて乱暴に投げ放った。
 なぜ、そんなことをしたのかわからない。せめてもの情け、という奴か。
 彼は、そのままその場を去っていこうとした。
 その歩みの中で、何かを踏み潰した。
 足元を見てみると、ラダムの本体──自分の中にも存在する、今の彼の本当の「仲間」が潰れている。
 仲間を殺したことに対して、何も感じなかった。
 所詮、ラダムだけではこの程度のちっぽけな存在だ。蟻どもにさえ、殺されてしまいそうな生物……それが人間と融合し、テッカマンとなって初めて本当の力を見せる。
 ランスは、何もなかったかのように歩き出した。



【相羽シンヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード 死亡】



★ ★ ★ ★ ★



「……フンッ、それが進化したテッカマンとやらの代償か!」


 地を這うタカヤを、ランスは蔑むような瞳で見下ろした。
 ルナはそれを警戒したが、ランスは興がそがれたようで、一切彼らに手を出そうとはしなかった。


「エビル──相羽シンヤは死んだ。ブラスター化の代償とやらでな。……そいつの体ももう持たん」


 進化したテッカマン──確かに、それは不完全な存在だった。
 常に死と隣り合わせで、ブレードやエビルの神経を蝕み続ける。
 その代わりに力を得たとして、それは完全なる消耗品。
 ブレードもおそらく、このまま死んでしまうだろう。


「……だが、生きていたらエビルが死んだことを伝えておけ。そして、いずれ、そんな進化をせずとも我々は貴様らよりも強い力を持っていると証明してやる」


 仮にタカヤがこれを乗り越えて生存したというのなら、モロトフはいずれブラスターテッカマンブレードと戦うつもりだ。
 そして、そんな不安定な力を持たずとも、本当に完全なテッカマンというものが存在することを証明する。
 それまでに、魔法少女やプリキュアといった存在を消し去り続けてやる。
 殺し合いの覇者となるために────



★ ★ ★ ★ ★



 相羽タカヤの体は、すっかり眠りについてしまった。
 糸が切れたように、ふっ、と倒れて、そのまま彼が動くことはない。
 ただ、死んではいないようで、彼の心臓は鳴っていた。
 ルナ・ドーパント──京水には懐かしい音である。


「……タカヤちゃん、起きられる?」


 答えは無い。
 タカヤはどうやら、完全に気絶してしまったらしい。
 ……どうする。
 このタカヤを、京水はどうすればいいのだろう。


 弟の死。
 ブラスター化の代償。
 ボロボロの体。
 盲目。
 全てが、殺し合いで生きていくには重すぎる荷物だ。
 これから、どんな過酷な死が追ってくるのか、想像に難くない。
 何より、それに付き添うのは京水とて困難だ。
 生き残るため──いっそ、ここで楽に殺してしまうのもタカヤのためなのかもしれない。


「……そうね、それが一番いいかもしれない」


 ルナ・ドーパントは、立ち上がり、倒れたタカヤをその手で突き刺そうとする。
 いくらタカヤを仲間と慕っていた京水としては、少なからず心が痛むが、それでも冷徹なNEVERらしい行動ともいえた。
 いや、NEVERでなくとも当然かもしれない。
 いつ敵が襲ってくるかもしれないこの殺し合いの中で、タカヤのように目も見えず、体もボロボロな男を背負う──タカヤは、足かせ以外の何者でもないだろう。
 それを、今のうちに安楽死させる。それによって、自分も楽になる。
 それは、誰を殺しても構わないこの殺し合いの中では、きっと、割り切らなければならない部分だ。


「……いろいろと、楽しかったわ、タカヤちゃん」


 そういいながらも、その言葉は乾いていた。
 この手がゆっくりと振り下ろされる。
 ドーパントの力をもってすれば、人間体のタカヤくらい、あっさり────


 ブォォォンッ



★ ★ ★ ★ ★



 テッカマンランスは、再び市街地に向かって走っていた。
 彼は、次の獲物をしとめる場所として、人の多いであろう市街地を選んでいたのだ。
 拡声器を持ち、いずれ来るかもしれないブレードとの戦いに備える。
 そのために……


(退屈しのぎに他の戦士たちを消し去ってくれる──)


 その行先は、中学校だった。
 ただ、その付近では特に目立つ施設であるゆえ、彼はそこに向かおうとしている。
 そして、そこに来た参加者は皆殺しにしてやろうと思っていた。


(私こそが、最強のテッカマン──テッカマンランスだっ!!)



【1日目/昼】
【G-7/森】

【モロトフ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、ランスに変身中
[装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式、拡声器、ランダム支給品0~2個(確認済)
[思考]
基本:参加者及び主催者全て倒す。
1:いずれブラスター化したブレードを倒す。
2:今は市街地に移動して拡声器を使い、集った参加者達を排除。
3:プリキュアと魔法少女なる存在を皆殺しにする。
4:キュアピーチ(本名を知らない)と佐倉杏子の生死に関してはどうでもいい。ただし、生きてまた現れるなら今度こそ排除する。
5:ゴ・ガドル・バという小物もいずれ始末する。
[備考]
※参戦時期は死亡後(第39話)です。
※参加者の時間軸が異なる可能性に気付きました。
※ボルテッカの威力が通常より低いと感じ、加頭が何かを施したと推測しています。
※ガドルの呼びかけを聞きましたが戦いの音に巻き込まれたので、全てを聞けたわけではありません。



★ ★ ★ ★ ★



「……あんたは」


 ルナの前を横切り、彼の邪魔をした、二機のメカがあった。
 それは、シンヤの忘れ形見である、メモリガジェットのバットショットとスタッグフォンであった。
 ドーパントの暴挙を止めようとしたのか、それとも先ほどまでの主と同じ顔の男を守ろうとしたのか、彼らはルナの前を必死に横切り、執拗に邪魔をし続けた。


「こらっ! やめなさいっ!」


 ルナは、必死に手を振って、その二つのメモリガジェットを振り落とそうとする。
 しかし、すばしっこく、なかなか捕まえられない。


「……ムキーッ!! あんたたち、そんなにしてまで私の邪魔をしたいのっ!?」


 ルナは、目の前で止まるメモリガジェットに対して地団駄を踏んで怒りを表現した。
 メモリガジェットは、その問いに答えない。
 ルナはすっかり諦めて、変身を解いた。
 泉京水。
 体格の良い男が、仕方がなくその場に座る。


「まったく……仕方ないわね。もういいわよ、もう。私だって、本当はタカヤちゃんを殺したくはないわ……」


 タカヤのことは好きだったし、仲間を刺し殺すというのは彼には耐えがたい思い出だ。
 仁義。
 その言葉に倣うなら、これは本当にそれを守った結果といえるとは思えなかった。


「でも、その代わりシンヤちゃんの支給品がある場所を教えて頂戴。何か使えるものがあるかもしれないわ」


 京水が言うと、スタッグフォンが頷くようなそぶりを見せた。
 どうやら、シンヤの支給品がある場所を知っているらしい。


「……じゃっ、ちょっと待ってね。よっこいしょういち」


 そう言いながら、京水はタカヤを背負う。
 京水にしてみれば、タカヤの巨体も全然重荷にはならなかった。
 ただ、戦闘にさえならなければ……の話だが。


「さあ、案内しなさい」


 京水は複雑な気分のまま、スタッグフォンとバットショットの後を追っていく。
 シンヤの支給品は、言ってみればシンヤの遺品になる。
 それを見て、タカヤは何も思わないのだろうか。
 たとえば、あの変身した時のクリスタル。
 それも全て──。



【1日目/昼】
【F-6/森】
※F-6の森の一部が焦土と化しました。
※付近に相羽シンヤの支給品と所持品、シンヤの死体、ナケワメーケの残骸(破壊された椅子の状態でクリスタルもそこにある)などが放置されています。
 支給品一式×3、T2メタルメモリ@仮面ライダーW、水とお湯の入ったポット1つずつ(変身3回分消費)、力の源@らんま1/2、不明支給品(パンスト)0~1

【相羽タカヤ@宇宙の騎士テッカマンブレード】
[状態]:全身に大ダメージ、両肩部に刺傷、疲労(大)、ブラスター化の後遺症で気絶、一部の記憶喪失
[装備]:テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード
[道具]:支給品一式、メモリーキューブ@仮面ライダーSPIRITS、ランダム支給品0~2
[思考]
基本:??????????
1:????????????????
[備考]
※参戦時期は第42話バルザックとの会話直後、その為ブラスター化が可能です。
※ブラスター化完了後なので肉体崩壊する事はありませんが、ブラスター化する度に記憶障害は進行していきます。なお、現状はまだそのことを明確に自覚したわけではありません。
※参加者同士が時間軸、または世界の違う人間であると考えています(この情報は喪失)。
※自分が殺し合いに巻き込まれていることや、禁止エリアやルール、Dボウイという名前を忘れました。
※また、シンヤ、ミユキ、京水以外の参加者に関する記憶を喪失しています(加頭やサラマンダーについても覚えていません)。

【泉京水@仮面ライダーW】
[状態]:疲労(小)
[装備]:T-2ルナメモリ@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式、細胞維持酵素×4@仮面ライダーW、克己のハーモニカ@仮面ライダーW、バッドショット+バットメモリ@仮面ライダーW、スタッグフォン+スタッグメモリ@仮面ライダーW、ランダム支給品0~1
[思考]
基本:剛三ちゃんの仇を取るために財団Xの連中を潰す。
0:メモリガジェットについていって、シンヤの支給品を探す
1:今はタカヤちゃんを守る!…しかない!
2:克己ちゃんと合流したい。克己ちゃんのスタンスがどうあれ彼の為に全てを捧げる!
3:仮面ライダー(左翔太郎)とは、一応共闘する。
4:後でG-7の火を消す。
[備考]
※参戦時期は仮面ライダーオーズに倒された直後です。


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最終更新:2018年02月04日 20:02