曲紹介
久しぶりに怪談ロック作りました。
曲名:『あめひとつ』
歌詞
(動画より書き起こし)
ある夜、店じまいした飴屋に
青白い顔をした女がやってきた。
「飴をくださいませ」
そう言って一文銭を差し出した。
翌晩も、そのまた翌晩も、女は飴を買いに来た。
そして七日目の晩。
女は自分の羽織の袖を破いて こう言った。
「もうお金がないので、これで飴を売ってほしい」
不審に思った飴屋の主人は
こっそり女のあとを つけることにした。
女は寺の墓地に入って行くと
まだ新しい墓の前で ふっと消えた。
墓を掘り起こしてみると
柩の中で女の骸に抱かれた赤ん坊が
飴をしゃぶっていた。
雨降りの夜更けに
引き摺る裾は 土に塗れた
蒼白の両手に
断ち切れぬ 未練を抱えて
冷たい頬 伝う
一筋の涙は 雨に紛れた
掠れ果てた声で 歌う
子守唄が 響く
金が足りぬと
地獄に 堕とされようと
厭わぬ覚悟
たった六文の
冥銭を握り
今宵も戸を叩く
どうか どうか あとひとつだけ
飴を売って くださいませ
唯々 愛おしい この子の為
もう二度と出ぬ 乳の代わりに
墓に遺したややを
宥める声は 風に消された
感覚の無い背中に
幾多の 悔悟の情を背負って
提灯の明かりに
照らされた
卒塔婆の背に 刻む名前
明日も見えぬ
此岸の果てに
そよぐ 純真無垢の花
暗い 暗い 柩の中で
泣く子を冷たい 身体で抱く
破れた小袖を 揺らし彷徨う
坊やは よい子と 歌う夜
非業の身に 抱かれた記憶が
もし 忌まわしい 夢となっても
どうか今だけは あなたと共に
居させて
逝かせて
その子を 連れて行かないで
誰よりも愛おしい
私の――
声にならぬ 想いの丈は
涙と共に 土に埋れた
先立つ罪も 重ねた業も
裁くならば この身ひとつにして
どうか どうか あとひとつだけ
飴を売って くださいませ
唯々 愛おしい この子の為
最期はせめて ひとりの
母として
コメント
- 依頼から追加作業しました。イタリック部分は、初めに表示される文章部分です。修正箇所がありましたら、修正の程お願いします。 -- 名無しさん (2013-05-01 03:26:26)
- 作成お疲れ様です! -- 名無しさん (2013-05-01 13:41:42)
- 追加ありがとうございます。 -- 名無しさん (2013-05-04 11:59:44)
- もっと評価されるべき -- 名無しさん (2015-01-05 12:14:32)
- 母親の子どもへの愛を感じました。とても、ぐっとくる歌です! -- ユキ (2015-05-07 21:30:12)
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最終更新:2025年10月15日 12:36