レインの絵画

れいんのかいが【登録タグ:2018年 IA VOCALOID コウ 殿堂入り
作詞:コウ
作曲:コウ
編曲:コウ
唄:IA

曲紹介

ー絶望接種ー
第三章『レインの絵画』

歌詞

「おや、綺麗な花だね。」
「雨上がりに見つけたのです、神父様に。」
「ありがとう、今日も点数をやろう。」

私は両親に捨てられて、この教会で面倒をみてもらっている。
事故で娘さんを失っている神父様は、本当の父のように私を愛してくれた。

明日にとって 今日は昨日になって
目の前にいる人を憎むことだって
渾身の正解を掲げた僕は
それを不正解と言える人を探してた

大事にした 指輪の号が
広がり 首輪になり僕を締め付けた
友情だってそうだ 愛情だってそうだ
どんなに陰鬱でも青い空が好きだろう

人生が旅路だと云うのなら   「この注射器、何だろう。」
此処は何処だろう?   「神父様の物?」

これからは 自分の言葉で描いてみるよ
零した絵の具も あなたの泥でも
洗い流せる雨になりたい

「神父様、今日はひどい夢を見ました。」
「それは可哀想に、一体どんな。」
「知らない男に注射のような物を…
そういえば物置にあった注射器、あれは神父様の?」
「私は知らないね、何か嫌なことの前触れかもしれない。」
「それより、私の机の引き出しに入っている筆を取ってきておくれ。」

「君への贈り物だ。」

誰かがそっと背中を押した
「もう誰もいない。あなた以外の人は。」

汚れた僕らの待ち合わせは   「これ…お父さんの筆だ。」
雨の日がいい   「どうして神父様が。」

“孤独”など 存在しない言葉なんだ
笑ってる顔も 泣いてる顔も
僕は見てるから生きていこう?

「神父様、何故父の筆がここにあるのですか。」
「十年だよ、十年。君を絶望させるのにかかった年月が。」
「…? おかしなことを言わないで下さい。
私は両親に捨てられてここに来たのですよね?」
「私は取り戻したいんだ、娘を。」

「君の両親は、私が埋めた。」

世界最悪の不幸者なら 世界最高の幸福を
感じられるよ ここにいるから
あなたの雨が降り止むまで

「ナツオリ、早くこの子の絶望を。」

私のこの感情を?奪う?
「君のことは本当に愛している。」
神父様は泣いていた。

「絶望が必要なんだ。」

“これから”を自分の言葉で描いてみれば
傷んだ時間も 汚れた愛でも
一つの絵として生きていくの
渇いた心に「生きていいよ。」って言うのは
あなたの水分だ。
湿ってく空に虹を架けるために
抜け出すんだ 壊れたキャンバスを

教会を飛び出すと雨は止んでいた。
ぐしゃぐしゃの顔で、私は何処へ行くんだろう?

「私はあなたを癒すことが出来ますよ。」
その男は、優しい顔で注射器を首に刺した。
「幻遊世界で意識があるのですね、貴女で二人目だ。」

「その筆でこれからを描きなさい。」
「絶望は時として希望になる、だから私のような人間が存在している。」

男が手を翳すと、地面から少女が姿を現した。
教会から出てきた神父が、その子に駆け寄った。
「会いたかった、会いたかった…」
しかし、すぐにその少女は神父の腕の中で消えた。

「さて、“貴方”の絶望を頂きますよ。」

コメント

  • おおお久々じゃない?来たーッ! -- 名無しさん (2018-06-23 12:51:44)
  • 久々の!うれしい -- 名無しさん (2018-07-13 19:45:52)
  • また意味深な…!追加ありがとうございます! -- 名無しさん (2018-07-22 13:04:01)
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最終更新:2023年12月12日 18:08