蒸気塔のナイトメアリィ

じょうきとうのないとめありぃ【登録タグ:2020年 TaKU.K 鏡音リン
作詞:TaKU.K
作曲:TaKU.K
編曲:TaKU.K
唄:鏡音リン

曲紹介

一幕
蒸気の音に夢を視て、彼女は結末を繰り返す
それは、メアリー・トレスの物語
  • 「蒸気都市物語」二作目。
  • 絵:薬屋

歌詞

朝の(もや)が蒸気の世界に立ち込め、
都市(まち)の隅まで溶けて、染めて
窓の隙間、気怠き朝日が不躾(ぶしつけ)に滑り込む
歯車、軋む音が響く (ぜい)を凝らした鐘の音に揺れる
閉じた一室 乱るシーツ 長い髪から汗、(したた)

深い眠り、夢の底で(よど)む景色
暗い(とばり)、開く先の世界

燃えて、堕ちていく飛行船
崩れ、果てていく時計の塔
(こぼ)れていく猛毒の城 眼が消えた人
その(いただき)で狂気と笑う女が一人で佇む
顔が()やけ、曖昧(あいまい)になり、そこで目覚める
「怖くてひどい夢を見たのに、わたしは安心したの」

長躯(ちょうく)の鉄塔は際限なく跋扈(ばっこ)して、
臓腑(ぞうふ)の配管は(おぞま)しく絡まって、
小区の(わっぱ)ら、詰め込まれて売買売 通例の儀礼さ

都市(まち)を見下ろす彼女
その(まなこ)、細めど夥多(かた)しき民は見えない
帳下ろして、寝巻きを着て、微睡(まどろみ)と見えていた

繰り返し何度も同じ悪夢の中、立ち尽くす
彼女が住む塔も鎔けていく 川に雪崩(なだ)れていく
相も変わらず女は笑う その声が脳裏に深く
突き刺さって、炭化していく
貴女(あなた)はどなた?」

舞い踊る火の粉達 鉄塔の一太刀(ひとたち)
壊れていく人の価値
蒸気機関の虐殺 暴落の経緯(いきさつ)
紙切れへと変わる札
全てが色を失くす 全てが灰と化す
呪われたように

は見知ったあの市長(ひと)で 彼女はそれに戸惑った
その事実に、そして何より寂しそうな表情(かお)
「ねぇ、貴女はどうして笑うの?貴女は何故泣いてるの?」
手を差し伸べ、光に呑まれて、

そこで目覚める

扉を開け、駆け出す彼女
流れる汗も気にしないで
その刹那に火は放たれた

いつもの夢のようだった

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  • 2020年
最終更新:2023年12月12日 13:49