さてもかなしい憂鬱と

さてもかなしいゆううつと【登録タグ:2020年 HaTa VOCALOID 初音ミク

作詞:HaTa
作曲:HaTa
編曲:HaTa
唄:初音ミク

曲紹介

  • 「この人生から自分を葬り去るのは、人生に毒づく楽しみを捨てることでしかない。これが、この世に"けり"をつけるつもりだと言いに来た人間に、返してやれるたった一つの答えである。」
    エミール・シオラン『告白と呪詛』(作者ブログより)
  • イラスト:安眠中

歌詞

PIAPROより転載・編集)

果無(はかな)い幽霊のように
(かそけ)く幽く生きる
人間であること以外
共通点のない他人

めぐり来たれる月日、つくねんと噛む
コンナ無為徒食ノアゲクニ何ガ咲イタ?
照明の覆いの中、死せる夏の虫の
黒点が増える

閑閑、閑文字を綴る幾日(いくにち)
「独り」から「寂しい」を引き算して

(いと)しまない、まない、めない
溺れたる夢は、をりをりに死んで
(たま)え!瀰漫(びまん)する売物の苦悩、人生への美辞を!
(かな)しまない、まない、めない
絶望、不幸なんてものは畢竟(ひっきょう)
人生を滅多矢鱈(めったやたら)、重んじて扱ってきたツケだ
人生を蔑視せよ

人中(ひとなか)、行き合う彼奴(きゃつ)らは
人間然とし、人間すぎて贋物のよう
苦労の末、得たものは価値あると
無意味が怖くて苦痛を価値化する 


すずろに眺める生は、やれさて、
ゆっくりとした自殺のようだ
ベランダを死処に選んだ蝉が
無常哉、カナカナと鳴いた

物憂さとたゆけさの中

(いと)しまない、まない、めない
朝明けの臥床(がしょう)、かくも脳、濁って
一杯のコカコオラで嚥下(えんか)した錠剤が溶けていく
(かな)しまない、まない、めない
強くなろうとすればするほどに
憎んでいた敵に自分が段々似ていくと感じた
真剣に堕落せよ

世界に向けて立てるべき指は
人差し指か中指か
この指とまれ――仲間を待つ者
この世界を侮蔑する者

(いと)しまない、まない、めない
何を生んで、破壊し、得て、失った?
曰く「不可解」、この世界
(ごう)もかわらないこの希死念慮
(かな)しまない、まない、めない
自分は在るべきか在らざるべきか
とまれかくまれ、この世界に悪口を言い続けるため
生を罵るため、生きなきゃだめなようだ


コメント

  • 好きすぎる!調声が特に好き -- 青色アリス (2020-10-30 20:09:02)
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最終更新:2023年12月12日 15:32