曲紹介
ある女性の手記より
その顛末、この歌に記す
曲名:『尼の人形』(あまのにんぎょう)
歌詞
(VocaDBより転載)
『一.人形の顔』
私の遠い親戚の
家にあった古い茶箪笥に
顔のない尼の人形が
座っていた
笑っていた
なぜ笑ってると思ったか
今となってはわからないけど
その親戚は今
なぜか家の前にいる
お姫様は赤い指をなめて
けらけらと笑い白目むいた
鳥も鳴かぬ昼下がりの庭に
輪になり歌うたうたくさんの子供
かわいいひめさんなにしとる
くちをほおぽりわろうとる
なにがそんなにおかしいか
なにがそんなにおかしいか
『二.記憶の夏』
かび臭い一畳間で
浅い眠りから覚めていく
私は九歳の夏に
消えた妹を思い出してた
彼女は目元に小さな
ほくろのあるかわいい女の子
思い出した
彼女がいなくなったのは
親戚の家だった
お殿様はいつか案じられて
娘を寺に出すことにした
敷き布が赤く濡れる夜半に
すべての秘密があふれだす
頭の奥に深く押し込めた
記憶が次第に色を帯びる
森に切り取られた歪な空
吐き気のするワゴン車のにおい
私の手に真っ赤な八重の花
一畳間はいつかあの日の午後
買ったばかりの靴でころがした
顔の目元には小さなほくろ
とのさんまいにちなきはらし
おなじことばをしゃべっとる
なにがそんなにかなしいか
なにがそんなにかなしいか
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最終更新:2024年03月15日 12:22