その2
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homuhomu_tabetai
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その日の午後、ほむ種の毒性体液を分解する実験の際に、それは起きた。
女「…………」
何が起こっているのかは、分からなかった。
視線の先には、見慣れた研究室の天井。
耳に遠く響く、友人達の悲鳴。
力の抜けた身体は、酷く熱を帯びていて――
ほむほむ「ホミャァァァァァン!?」
まどまど「マドォォォォォォ!?」
――いつも傍にいるほむほむ達が、心配そうに寄り添う感触だけが妙にリアルだった。
私が目を覚ましたのは、それから数日後の事だった。
大学近くの病院で、申し訳なさそうに付き添っていた教授から聞かされた言葉に、
私は深く絶望したのを、今でもハッキリと覚えている。
“君は、もう……毒性体液を持つほむ種に触れられない”
嘘だと思いたかった。
“致死量寸前のほむ種毒に冒された身体は、
あと一滴の弱毒性体液に触れる事も許されない。
他の体液も……可能ならば触れない方がいいだろう”
めがほむやりぼほむ、白まど、おりおりに触れられない?
“すまない……私があんな実験を手伝わせたばかりに……君の夢を奪う事になった”
嘘だ……嘘、だ………ウソだ、ウソだ、ウソだウソだうそだうそだうそだうそだ………
女「うぅぁ……あぁ……ああぁぁぁっ!!」
私は病室のベッドの上で、思い切り泣き崩れた。
故郷に帰って獣医になる。
幼い頃からの夢は、その瞬間に終わった。
一週間後に退院した私は、殆ど抜け殻だった。
誰よりも優れたほむほむ種の獣医になるために、
ほむほむ学の最先端研究を行っていたこの大学にまで留学した。
だが、毒性体液を持つほむ種に触れられないのでは、
希少種とは言え、めがほむにさえ触れられない、治療の出来ない私は、
私の目指すレベルの獣医としてはポンコツとしか言いようがない。
ほむほむ「ホムゥゥ……」ゴシュジン……
まどまど「マドォォ……」ゲンキダシテ……
肩の上で心配そうにしている愛しい友人達の声さえ、私の耳には届いていなかった。
手には退学を申し出るための書類が一式。
思えば、その時の私は目標を失って自棄になっていたのだろう。
目指すレベルを落とせば、ほむ種の獣医としてはやっていけたハズだろう。
だが、その時の私にはそんな考えすらなく、
ただただ、夢を叶えられない現実から逃げ出したい気持ちで、いっぱいだった。
そんな時だった――
男「辞めるん……ですか?」
アイツが、私の前に立ちはだかっていた。
女「関係ないだろ……」
私はイラついたように、彼を押し退けようと手を伸ばした。
だが、私の腕は彼に掴まれていた。
女「ほっとけよ!」
天才には分かるまい。
夢を奪われた凡人の気持ちなんて………。