その1
最終更新:
homuhomu_tabetai
-
view
994 名前:埋めネタ6レス[sage saga] 投稿日:2011/09/30(金) 21:46:16.02 ID:dbJgI7f+0
X年前、G国立大学・ほむほむ学部――
女「将来の希望?」
私は目の前にいるにこやかな笑みを浮かべた友人の質問に、怪訝な表情で返した。
男「はい……決まっているんですか?」
彼は出身国を同じくする同い年の学部生で、
手先が器用で博識、それでいてその事を鼻にかけない、
それどころか、年齢や上下関係に拘わらず、敬う姿勢を忘れない……。
まあ、所謂、完璧超人のような人間だった。
何でそんな彼と私が友人となる接点があったかと聞かれると、
同じ“ほむほむ好きの日本人”としか答えようがない。
女「卒業したら、故郷の見滝原に戻って獣医にでもなろうと思ってるけど」
別に隠すような事でもないので、私は彼の質問に率直に答えた。
獣医は私の幼い頃からの夢だ。
何故かと聞かれれば、子供時代から動物好きで、何より――
ほむほむ「ホムンッ」ファサッ
まどまど「マドォ」キャッキャッ
――この人間じみた不思議な生き物が好きだからだ。
私達のようなほむほむ好きの事を“ほむ愛主義者”やら“ほむバカ”やら、
何かととやかく言う連中がいるが、私から言わせれば、他人をそう言う言葉で括りたがる連中より、
優れた仲間意識と博愛性を持ったほむほむ達の方が、よほど有益で興味深く、また愛おしいモノだと感じていた。
だから、と言うワケではないが、私が目指すのはほむほむ専門の獣医である。
男「へぇ……獣医ですかぁ」
女「ほむほむ達専門だけどね。獣医資格は日本で取ろうと思ってるけど。
って言うか、笑わないんだね?」
男「笑う? 何を、ですか?」
心底不思議そうに尋ねて来た。
ちなみに、今まで私の将来の目標を聞いて笑わなかったのは、
私達の所属する研究室の教授だけである。
大概、と言うか、教授とコイツ以外の連中は、
“ほむほむ学を学んでおいて獣医かよ”とか、
“国の獣医学校出た方が良かったんじゃないか?”とか、
レベルと質に差はあれど、大笑いされて来た。
その事を彼に話すと――
男「素晴らしい目標じゃないですか。笑うなんてとんでもない」
――と、尊敬の眼差しすら向けられた。
女「ばぁか」
私は何故か照れ臭くなって、そんな憎まれ口を叩いてその場を辞した。
数日後、私は食堂である話を小耳に挟んだ。
学生1「聞いたか? アイツ、教授の携わってるプロジェクト手伝うんだって」
学生2「ああ、何でも、ほむほむ種専用のビオトープを作るって国家プロジェクトだろ?」
学生3「でも教授は“来る者拒まずだ”って、参加したがってる連中は受け入れてるんだろ?」
学生1「それがさ、アイツには教授自身が、是非にって声かけたらしいぜ」
学生2「おいおい、本当かよ?」
おいおい、本当か?
まあ、同年代の学生の中では飛び抜けて“出来る”奴だってのは知っていたけど、
まさか、教授から直々にお声がけとは………アイツ、本当に同じ大学生か?
友人「ねぇねぇ、アイツらの話してるのって、彼の事よね?」
女「みたいね」
私は興味津々と言った風の友人に、興味なさげに返した。
ほむほむ「ホムッ、ホムッ」カリカリ
まどまど「マドッ、マドッ」カリカリ
実際、アイツの話よりは、目の前で食事中の彼女らの方がよっぽど興味がそそられている。
女「美味しい?」
ほむほむ「ホムゥン」オイシー
まどまど「マドマドォ」モットタベタイ
女「あんまり食べると太るわよ」
言いながらも、私は彼女達の皿に新たに、新開発の餌を追加した。
女(嗚呼、そうか……。こう言う部分が“ほむバカ”なのか……)
私は心中で独りごちてから、放っておくのも気の毒だと、友人に向き直る。
女「アイツはさ、あたし達とは違う世界で生きてるんだよ……。
格が違うって言うの?
天才様は天才様らしく、あたしら凡人は凡人らしく行こうってね」
私は、彼の協力がなければ完成できなかった新開発の餌を見遣りながら、
少しだけ悔しげに漏らした。