その2
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homuhomu_tabetai
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仔ほむs「「ホミュー、ホミュー!!」」ピョンピョン
仔まど「マドー、ウェヒヒヒw」オネエチャン、マッテー。
まどまど「マドォ…///」ネェ、ホムホム…。
ほむほむ「マドカァ~///」シアワセダネ///
ほむほむは看病をしたまどまどと番いになり、仔もたくさん生まれた。
今のほむほむに、かつての面影はない。
群れにも馴染み、友情の大切さ、愛の素晴らしさを知った。
すべては番いのまどまどと仔のおかげだろう。
今では、群れの中でも一番の働き者として頼りにされている。
このまま、この群れの中で愛する番いと仔、仲間に囲まれて幸せに暮らすと思っていた。
そんなある日。
男「みんな聞いてくれ、どうもウチの屋根裏にさやさやが隠れ住んでるらしい。」
妙な物音がする事、時々さやさやらしき鳴き声がする事を伝えた。
ざわざわと騒ぎ出すほむほむ。 天敵が近くにいるのだから仕方ないことだ。
男「駆除したいから、誰か僕の手伝いをしてくれないか?」
おそらく、誰も積極的に関わろうとはしないだろう。 …あの子を除いては。
ほむほむ「ホムゥーー!!」ワタシガイクヨ!!
まどまど「マドー、マドォマドォ?」ダイジョウブナノ? アナタ…。
仔まど・ほむs「「ミャロー? ホミュー?」」オカーサン、ドコイクノ?
案の定、あのほむほむが立候補してくれた。
家族が心配しているようだが、ほむほむは何とか説得していた。
誰も行こうとしないのなら、自分が行くしかないとでも言っているのだろうか。
なんせ、彼は群れで一番頼りにされているのだから。
男「じゃあ、ほむほむ。 武器(針)と食料を渡しておくよ。」
男「僕もすぐに追いかけるから、先に屋根裏入口で様子を窺ってくれ。」
ほむほむ「ホム! ホムゥ!!」ワカッタ、ゴシュジンサマ!!
そう言い、先に出発するほむほむ。
さぁ、僕も始めないとな。
ほむまどs「「ホムー マドー」」シンパイダケド、ダイジョウブダヨネ?
男「じゃあ、みんなは僕たちが帰ってくるまで遊んでてよ。」ヒョイ
テクテク ……ニヤリ
ほむまどs「「ホ…? マ…?」」エッ?
男「ゴメン、ほむほむ。 待たせちゃったね。」
ほむほむ「ホム!」ダイジョウブダヨ
男「それじゃ行こうか…。」
屋根裏に突入する僕たち。
見るからに、動揺しているほむほむ。
仕方のないことだろう、いつ天敵が襲ってくるか分からないのだから。
屋根裏は掃除もしてないこともあり、ホコリだらけである。
さてと、ほむほむの緊張でもほぐしてあげるか。
男「ほむほむは今幸せかい?」
ほむほむ「ホム? ホムホム、ホムゥ?」エッ? コンナトキニ ナニ?
男「いや、野良だったのを無理やり連れてきたからさ。」
男「野良の方が気楽で良かったりするだろ?」
ほむほむ「ホムゥ…ホムホム、ホム。」ハジメハ イヤダッタケド…イマハ カンシャシテルヨ。
ほむほむ「ホム、ホムゥホム、マドカァ。」マドマドトアエテ、コドモモウマレタ、ナカマモデキタ。
ほむほむ「ホムッ! ホムホム!!」ワタシハ イマ シアワセダヨ!!
恐怖もあり、少し興奮気味のほむほむ。 その時。
ガタン!! ドタドタ!!!!
後ろから何かが走ってくる音が聞こえてきた。
男「ほむほむ! 後ろだ。 針で刺せ!!」
そう指示する僕。
ほむほむ「ホミャァァァアアア!!」フリムキ ハリ ツキダシ
??「マギャッ!!」
叫び声をあげ、倒れる音が聞こえた。 完璧なタイミングだよ…。
ほむほむ「ホ、ホ…!?」エ、エ、ドウシテ?
まどまど「」
ほむほむ「ホビャァァァァアアアアア!!」ドウシテ、マドマドガイルノ?
突然の事に混乱しているほむほむ。
男「あぁ…そう言えば言い忘れてた事があったよ。」
男「君が出たすぐ後にね、何処からかさやさやとあんあんが来たんだ。」
男「運よく、まどまどだけは難を逃れてね。 僕に君を呼んでくるよう頼んだんだ。」
男「気づいたら君の仔も食べられてるし、仲間もほとんど殺されてた。」
男「ホントに運がよかったんだよ、まどまどは…」
男「多分、いつまで経っても君が戻って来ないから、不安になって愛する君の元に急いで来たんだね。」
男「ねぇ、ほむほむ---」
愛する番いを自分の手で殺した気分はどうだい?
ほむほむ「ホビャァァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」イヤァァァァアアアアア!!!!
ほむほむ「ホビャ! ホビッ!! ホギッホブホミ!!! 」ナンデ? ドウシテ? ゴシュジンサマ!!!
そう叫び、僕に詰め寄るほむほむ。
まるで僕を責めているようだ。
男「ほむほむ、愛っていうのはね生きている限り思い出に出来ないんだ。」
男「愛する相手が死んで、初めて愛は思い出に出来る。 心に深い傷を残して。」
男「おめでとう、いまここに君の愛は完成した。」
ほむほむ「ホビャァァアアアアアアアアアアァァアアアイヤァアアアアア!!」ウソツキ! アイヲオシエテクレルッテ イッタノニ
ほむほむ「ホギ、ホブホム、マドカァァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!」カエセ! マドマド、コドモ、ナカマヲカエセ!!!!
男「やれやれ、僕はきちんと真実の愛を教えたつもりなんだけどなぁ…。」
男「さっきの説明じゃ分からなかったのかな? 愛は目に見えるものじゃないんだよ?」
そう言い、僕はまどまどの死体を踏み潰した。
ほむほむはまた奇妙な叫び声を上げていたが、僕は無視した。
男「君はまどまどの内面に惚れたはずだ、野良の時に誰とも番いにならなかったのがその証拠だね。」
男「もう、まどまどはここにはいない。 君の中にしか生きていないんだよ。」
男「だから、こんな抜け殻必要ないだろ?」
ほむほむ「ホ、ホ、ホ、ホビ? ボビャァ?」ナンナノ? コレハナニ? ユメナノ?
現実逃避を始めたのかな? 世話の焼ける子だ。
…それじゃあ、帰ろうか。
ほむほむ「ホ、ホムゥ?」ナ、ナニ? ドコイクノ!?
男「帰るんだよ、君達が住んでた水槽に。」
男「安心していいよ、さやさやとあんあんはきちんと元のケージに戻すからさ。」
男「君は一匹で思い出のある場所で生きるんだ。」
男「大丈夫、君は元々仲間もいない一人ぼっちだっただろう?」
男「また昔に戻るだけだよ。」
男「カラッポだったあの時にね。」
ホビャァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
終わり