その2
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homuhomu_tabetai
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ヒキ夫「予防ワクチン?!なんだよこれ…たっけえ…しかも3回も…。」
ほむ「クンクン♪」アソンデアソンデ♪
1ヶ月が経過した。
だいぶ大きくなったほむ。が、ネットを見てヒキ夫は驚愕する。犬と言うのはこんなにも金のかかるものなのか…。
適当に餌でも与えておけばよい。その程度にしかヒキ夫は認識していなかった。
が、実際は結構な金と手間を必要とする。愕然とするヒキ夫。そんな事知るよしもなくじゃれつくほむ…。
ヒキ夫「糞みてえな基地外愛護団体とか犬基地外が過保護な事でけえ声で喚いてるだけだろ…。おい!ババァ!ってパートか…あれ?」
母「………。」
ヒキ夫「パートはどうした…?」
母「あぁヒキ夫…。今日は具合が悪くてね。お休みもらったんだよ。何かようかい?」
ヒキ夫「………。うるせぇ…何でもねーよ…。」
ほむ「ハッハッハッハ♪」パタパタパタパタ
ヒキ夫「餌代…ワクチン…トイレ…他にいろいろ…金がいる…。どうする…?」チラ…
ほむ「ハッハッハッハ♪」パタパタパタパタ
ヒキ夫「クソ!クソ!クソがぁぁあぁあ!!!!」カタカタカタ
ほむ「ワンワン♪」
ヒキ夫「あ、あの…求人情報を見て…お、お電話したのですが…。」
ー次の日ー
ヒキ夫「ほむ。今日からバイトに行くから、いない間大人しくしてんだぞ。」
ほむ「クゥ~ン…」
ヒキ夫「夕方には帰ってくるって!フィギアとか噛むなよ!」
運送屋社員(以下社員)「君がヒキ夫君?社員の九兵衛だ。今日から一緒に回るからよろしく(うわ…顔幼ぇ…。色白!大丈夫かよ?こいつ…)」
ヒキ夫「は、はい…。よろしくお願いします。(うわ…肉体労働者って感じ…。底辺だな。嫌だ嫌だ。)」
社員「じゃいくよ。」
ヒキ夫「はぃ…」
社員(元気ねーなぁ…こいつ…)
ー夕方ー
ヒキ夫「糞がぁ!!食器落として割ったくれえでガミガミ言いやがって!死ねよ脳筋!
てかこんだけコキ使われて8000円とか!もう行かね!やってられっか!絶対行かね!」チラ…
ほむ「キュンキュンクゥ~ン!!」バタバタバタバタ ジョワワワワー!!
ヒキ夫「うわ!!こいつウレションしやがった!!ふっざっけんじゃねーよwwwwwwwwwwww」
ほむ「キャン!キャンキャンッ!!」バタバタバタバタ ズリズリズリ!!
ヒキ夫「………」
ー次の日ー
ヒキ夫「おはようございます…」ポソ…
社員「う!おはよう!じゃあ今日も行くぞ。(うわ…。来たよこいつ…。絶対もう来ないと思ったわ…)」
ヒキ夫「はぃ…」
ー夕方ー
ヒキ夫「はぁ…。今日も疲れた…。マジやってらんねーっての…。ほむ、飯食うぞ飯…。」
ほむ「ワンワン!」
ー1週間後ー
ヒキ夫「お疲れさまでした…。」
社員「おう!お疲れ!ほら缶コーヒー。帰りに飲めよ!」
ヒキ夫「あ、ありがとうございます…。」
社員「正直、一日で辞めると思ってたわw結構頑張るな!これからも頼むわ!」
ヒキ夫「はぁ…。」
ヒキ夫「ったくよぉ。缶コーヒー1本で懐柔されっかっての!なぁ!ほむ。ふざけた脳筋が!」
ほむ「ワンワン!」パタパタパタ!
ヒキ夫「おまえは元気だよなぁ~。こっちはマジクタクタだよ…」
ー1ヶ月後ー
ヒキ夫「おつかれっしたー!」
社員「おう!お疲れ!犬によろしくな!」
ヒキ夫「うぇwwwwwもうすぐ散歩デビューなんスよwwwww」
ほむ「ワンワンワン!」パタパタパタ
ヒキ夫「ただいまほむ!明日は休みだ。よし!明日、散歩デビューするぞ!
取り敢えず近くの河川敷まで行ってみるか!ビビるんじゃねーぞ!ww」
ほむ「ワンワンワン!!」
決死の思いでバイトを始め1ヶ月が過ぎていた。ほむは3回の予防ワクチンも済ませ、更に大きくなり元気いっぱいだ。
ひき夫は毎日バイトが終わるとほむに餌を与えブラシをかけてやり、遊んでやった。
ほむはなかなか賢い犬で躾けた事はちゃんと覚えた。
ヒキ夫は慣れないというか初めての労働に疲労困憊の日々だったが、家に帰ってほむと遊ぶと次の日もちゃんと朝目覚め、バイトに通う事ができた。
そして明日は休み。記念すべきほむの散歩デビューの日。一杯写真を撮ってやろう。そう思い床についた。
そして翌朝それは起こった。
ヒキ夫「よーしおはようほむ!この日の為に買ったリードだ!気合入れていくぞって、いつまで寝てんだよwww起きろほむwwwwww」
ほむ「…………」
ヒキ夫「おい…どうした…。おい!ほむ!しっかりしろ!!!ほむぅ!!!!!!!!」
ー動物病院ー
ヒキ夫「先生!ほむはどうしたんですか?!昨日の夜まではうざいくらい元気だったんです!」
獣医「正直言ってかなりの難病です。完治するにしてもかなり時間がかかります。この犬はどちらで手に入れたんですか?」
ヒキ夫「捨てられて弱ってるのを保護しました…。」
獣医「そうですか…。拾った後、健康診断はしましたか?」
ヒキ夫「してません…。予防ワクチンは摂取させたんですが…。」
獣医「成る程…。かわいそうに。その捨てられて衰弱している間に感染して潜伏していたんでしょうね。
処置はしました。暫く通院してください。」
ヒキ夫「はい…。先生治るんでしょうか?ほむは助かるんでしょうか!?」
獣医「治る病気ではあります。ともかく家では安静にさせてあげてください。入院も考えられます。念頭に置いておいてください。」
ヒキ夫「はい…うぅ…ゴメンよほむ…俺がもっとちゃんとしてれば…ほむ…」
ほむ「キュン……」グッタリ…
病院から部屋に戻る。ヒキ夫はほむを清潔なクッションに寝かせ、温湿度を一定に保ち部屋を薄暗くした。撫でてやるとほむは弱々しく尻尾を振った。
ひき夫は考える。こんなに真剣に考えるのは生まれて初めてかもしれない。
ヒキ夫「金だ。もっと金がいる。バイトを増やそう!いやそれじゃ駄目だ!先生は長引くと言っていた。
先を見るんだ。闇雲じゃ駄目なんだ…。」チラ…
ほむ「クゥ~ン…」パタパタ…
父「ただいま」
母「おかえりなさい」
ひき夫「親父が帰ってきた…。クッ…クソ!クソ!糞がぁぁぁあぁあぁ!!!!!!!」バタン!ダンダンダンダン!
母「ひき夫…。どうしたんだい?」
父「なんだ……」
ヒキ夫「いままで申し訳ありませんでした!相談があります!お願いがあるんです!」
父母「………」「………」
ヒキ夫「お金を貸してください!20万円程…。あと母さんもうパートは辞めてください。
来月から俺が家にお金を入れます。代わりに俺がいない間こいつの面倒をみてやってください!」
ほむ「………」グッタリ
母「ヒキ夫…」
父「………」
ヒキ夫は両親に土下座し、金の無心と自分がいない間のほむ面倒を頼んだ。
母は最初困惑したが引き受けてくれた。父親は無言のままだが、何処かうれしそうだった。
次の日からヒキ夫とほむの闘病生活が始まった。ヒキ夫はバイト先の運送屋に事情を話し、週5日入っていたシフトを週4回にして貰った。
そして残りの3日は親から借りたお金で自動車の教習所に通った。夕方からは週5回新たに居酒屋で皿洗いのバイトを始めた。
日曜の午前中はしっかり休み、ほむと一緒に過ごした。ほむの容態は芳しくなかった。
発覚した時に比べれれば部屋を歩いたり食事を自ら食べたりと元気にはなったが、黄土したり下痢をしたり、
横たわって苦しそうにしたりと以前のあのうっとおしいくらいの元気は無い。
ひき夫はほむを撫でる。ほむはそれに弱々しく尻尾を振って答える。そんな生活が続く。
ヒキ夫「よし!合格!免許ゲット!!」
2ヶ月が経過した。
ヒキ夫は無事自動車免許を取得した。教習所に通っていた時間は日曜を除いて、全て運送屋のバイトに割り当てた。自ら運転もするようになった。
そうすれば手当が付くからだ。夜は相変わらず居酒屋でバイトした。家に変えるとほむを撫でて泥のように寝た。
日曜は一日中家に篭りほむの側にいた。夜になると今まで部屋で食べてたいた夕食を家族3人で食べ、ほむの話をするようになった。
約束通り毎月お金を家に入れた。ほむの具合は相変わらず良くない。
社員「だいぶ運転も慣れてきたな。つかおまえルート担当しねえ?」
ヒキ夫「はい?」
半年が経過した。
ヒキ夫は運送屋の契約社員になっていた。居酒屋のバイトを辞め、こちら一本にした。だいぶ給料が良くなったからだ。ただ忙しさと責任は増した。
仕事中ほむと同じ年頃と思われる犬をよく見かけ顔が綻ぶ。ほむは病気のせいかその犬達に比べると身体が小さい。
まだ散歩行ってねぇな…。そんな事を思いながら車を走らせる。
仕事が終わると毎日家族で毎日夕食を摂るようになった。話題はほむの事だ。
ほむはヒキ夫が家に帰ると玄関に出迎える程度には回復していた。しかし完治にはまだ遠い。
家に入れる金は月6万に増えた。教習所代も少しずつ返し残りはほむの治療代にした。
煙草は辞めた。ほむが嫌がるからだ。
ヒキ夫「ん…。んがぁ!なんだ!?!?」
ほむ「ワンワン!ハッハッハッハ!」ペロペロ バタバタバタバタ!
1年経った。
日曜の朝。誰かに顔舐められてヒキ夫は目を覚ました。ほむだ。
驚いて飛び起きると、ほむは遊べ!と言わんばかりにいきり立ち、威力のある尻尾をブンブンと振っていた。
もう成犬だが、まるで病気になる前の頃のようだ。
ヒキ夫「ほむ…おまえ…!?」
ほむ「ハッハッハッハ!」バタバタバタバタバタ!
ー動物病院ー
ヒキ夫「先生!」
獣医「おいほむ。良く頑張ったね。もう大丈夫ですよ!何処も悪くありません。至って健康!」
ヒキ夫「じゃあ散歩は…」
獣医「どんどん連れて行ってあげてください!いままで頑張った分もね。もううざいくらい元気ですよ!」
ヒキ夫「ほむ!ほむぅ!良かった…。良かったな!ほむ!ほむ!ほむぅぅぅっぅうう!!!!!」
ほむ「ワンワンワンワン!」バタバタバタ! ズリズリズリ
ヒキ夫はほむを抱きしめた。そして人目も憚らず泣いた。こうしてヒキ夫とほむの一年に渡る闘病生活は終わった。
病院の帰り道、ヒキ夫は真っ直ぐ帰らずにほむをリードに繋ぎ、河川敷まで散策した。
ほむは最初は怖がったが、すぐに散歩に夢中になった。
初めて見る人、物、街並み、他の犬、初めて嗅ぐ匂い、初めて歩く自分が住む街。
全身で好奇心を発していた。とても嬉しそうだった。
家に戻る。夕方になりいつも通り家族で夕食と摂り、ヒキ夫はほむを連れて部屋にもどった。
ヒキ夫は床に足を投げ出して座り、壁に寄り掛かってほむを見つめ撫でやるやる。大好きな御主人と一緒でほむは幸せ一杯に尻尾を振る。
ヒキ夫「ナデナデ…フン…呑気なもんだな…。おまえのお陰で稼いだ金が全部パァだ…。てか社会復帰…いや社会デビューか…しちまったな…。
てか俺なんでこいつ拾って来たんだっけ…??忘れちまった…。まぁいいや。金もまた稼ぎゃいいし、車でも買ってほむと海でもいくか!
なぁほむ…ってどうした?」
ほむ「………」シッポピタッ ジィーー
「 ホ ム ゥ ッ ! 」 ピョコン!