その1
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homuhomu_tabetai
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ほむほむ「…ホムゥ」ゴシゴシ
桜が咲き始める春。
一匹の野良ほむが巣の中で冬眠から目覚めたようです。
多くの野良ほむが冬もその日暮らしの生活をする中、
このほむほむは安全な巣の確保と餌の蓄えに成功し、冬を無事乗り切れた幸運な野良ほむでした。
ほむほむ「ホム…ホムホム」アムアム
目覚めたての為、緩慢な動作で餌と水を口にしています。
このほむほむ。先ほど幸運といいましたが、ほむほむ自身はそうは思っていません。
なぜなら冬眠前にまどまどどころか、同じほむほむ相手でも番をみつけることができなかったからです。
本来なら番や仔ども達と巣の中で越冬していたはずなのに一人ぼっちで巣にこもるしかなかった。
群れや家族単位で暮らすほむ種にとって、一匹だけの越冬は孤独との戦いなのです。
ほむほむ「ホムムッ!」
食事を終えたほむほむは、今年こそ番をみつけるぞと意気込んでいます。
たとえ相手がほむほむだったとしても、一緒に暮らす番と仔が欲しい。
それが孤独な越冬を乗り越えたほむほむの願いでした。
巣穴から出たほむほむは、さっそく番となる相手を探しにでました。
ほむほむ「マドカァ!」キノミサシダシ
まどまど1「マドッ」プイッ
ほむほむ「ホムムーン//」クネクネ
まどまど2「マドゥ?」ソソクサ
ほむほむ「ホミャッ!」ダキツキ
まどまど3「マドン!」ハラパン
ほむほむ「ホビャァァァ!!」オナカオサエ
まどまど達にアプローチしますが、にべもなく断られます。
中には近寄るなとばかりに力づくでほむほむを突き放すまどまどまでいます。
節操がないように見えますが、ほむほむはほむほむで必死なのです。
ほむほむ「ホム…」ポロポロ
結局まどまどには振られ続けました。
ほむほむも見つからないか、見つかってもすでにまどまどと番となり、仔までもうけてます。
ほむほむ「…」トボトボ
自分は何で生まれてきたんだろう。
自分の何が悪いんだろう。
群れが崩壊したあと、一生懸命働きました。
頑張って冬を越せる蓄えのできるほむほむに成長しました。
番や仔たちに飢えさせない自信もあります。
でも、一人ぼっちです。
次の冬はまだまだ先なのに、ほむほむの心は冷え切ってしまってます。
そんな落ち込んでいるほむほむの方へ足音が忍び寄っています。
「お前さっきから見てたけど、本当にまどまどに嫌われてるな」
ほむほむ「ホムッ!?」
ほむほむは突然かけられた声にびっくりして振向き、それが人間だとわかると即座に逃げ出しました。
野良ほむまどはよく人間に媚を売ったりたかったりして餌を貰おうとしますが、大抵潰されてしまいます。
それを知っているほむほむはなるべく人間に近づかず、質素ながらもほむほむが生きていくには十分な食糧を
蓄えることで生き延びてきました。
今回は油断していました。
まどまどに振られ、ほむほむは皆番がいる。
その事に絶望し、周りに気をむけていなかったため、人間に見つかりやすい場所を歩いてしまっていたのです。
全速力で走ったところでほむほむの足です。
物陰に逃げる足が速いとはいえ、結局人間にはかないません。
ほむほむの努力もむなしく、あっさりと捕まってしまいました。
「まてまて、別にとって食う気も虐める気もないぞ」
ほむほむ「ホビャァ」エグエグ
人間はそういいますが、ほむほむもうあきらめていました。
ほむほむとでもいい、せめてだれか他のほむ種と触れあってから死にたかった。
それが一番の心残りでした。
しかし、人間が発した言葉はほむほむには信じられない言葉でした。
「お前、良ければうちの飼いほむにならないか?」
飼いほむ。
それは野良ほむまどにとって夢の生活。
空腹に苦しむことも、雨風にさらされることも、ほ食種からねらわれる危険もなくなる。
ただし、それは野良にとって一つの賭けでもあります。。
ほとんどの野良が認識していないことですが、飼いほむという言葉を餌に虐待を加える人間もいるからです。
ほむほむは悩みました。
群れが壊滅したのは、人間が面白半分に巣を襲撃してきたのが原因です。
自分は餌を集めていたため難を逃れたが、帰ってきたときに目の前に飛び込んできたのは
仲間達の変わり果てた姿でした。
あんあんやさやさや、まみまみの仕業でないことすぐはわかりました。
彼女たちは、少なくともほむほむの死体を残していくわけがありません。
野良犬や野良猫も同じです。
なので、自分たちをこんな雑に扱うのは人間以外に考えられませんでした。
「俺はまどまどが嫌いでな。なんかあそこまで酷い扱いをされるお前に同情しちまった。
飼いほむになった場合、まどまどとは絶対に番になれないし、贅沢な餌もあげられない。
でもほむほむの番で良ければ探してやるし、雨風になやまされることもないぞ」
人間という悪魔の甘美な誘惑に心動かすほむほむ。
今の暮らしでも自分が暮らす分には食べ物も巣も不自由はしていません。
やっぱりまどまどと番になりたいという夢も持っています。
でも…
ほむほむ「ホムホム」ペコリ
ほむほむは寂しさには耐えられませんでした。
ほむほむの仲間はいないが、ご主人様と一緒なら一匹で夜に震える事も無くなるかもしれない。
このことは孤独な越冬をしたほむほむにはあがらうことのできない果実でした。
「よし、今日からお前はうちの飼いほむだ」
ほむほむ「ホムー♪」スリスリ
こうしてほむほむは人間に飼われることになりました。
視点は変わって、ほむほむと人間を観察できる木の陰。
「よし、今日からお前はうちの飼いほむだ」
ほむほむ「ホムー♪」スリスリ
会話の最後を聞いていた存在がいました。
まどまど1「マドッ!?」
まどまど2「マド…マド!」
まどまど3「…」
さきほどほむほむを振ったまどまど達でした。
彼女たちはそれぞれ別の場所から偶然今の様子を見ていたのです。
さっき自分が振った、美しいわけでもないただのほむほむ。
取り柄なんかないであろう凡百のほむほむが自分を差し置いて飼いほむになる。
まどまどにとっては屈辱この上ないことでした。
しかし、まどまどたちは考えました。
自分に声をかけてきたということは、少なくとも自分の事を番の相手として考えていたということだ。
であれば、今からでもあのほむほむと番になれれば、自分も飼いまどになれる!
なんとも身勝手な発想だが、まどまどといえども野良の身ではいつどうなるかわからない。
であれば、ほむほむ自体に魅力はなくても飼いほむの番になるのであれば玉の輿である。
恋敵が近くで同じ光景を見て、同じことを考えてるのはすぐわかった。
だからまどまど達は我先にとほむほむと人間のもとへ走って行きました。
まどまど1「ホムラチャーーン!!」テフリフリ
まどまど2「ティヒヒ、ホムラチャ//」クネクネ
まどまど3「ホムラチャン、マドマド」ペコペコ
一斉にほむほむに対してアピールを始めるまどまどたち。
ほむほむ「ホ…マドカ?」
突然の事態についていけれないほむほむ。
それはそうだろう。さっきにべもなく自分を振ったまどまどが、いきなり求婚してきたのです。
ほむほむ「マドカァ…//」モジモジ
やはりほむほむです。
飼いほむにはなったが、まどまどと番になるという捨てたはずの夢が未練として蘇ってきました。
「ほむほむどうする? 俺の元にくるか、このまどまどの誰かと番になるか、好きな方を選んでいいぞ」
ほむほむ「ホムゥ…」
ほむほむは悩みました。
さっき振られたばかりの相手が急に求婚してきた。
なんでかはわかりません。でもやっぱり自分はまどまどと番になりたい気持ちに嘘はつけませんでした。
ほむほむ「ホム…ホムンッ!」
自分はまどまどと番になるよ!
そう決断しました。
飼いほむの生活は魅力だが、まどまどがいれば野良の生活も耐えられる。
一緒に困難を乗り越えて、可愛い仔を産んで、幸せな家族を作るんだ。
そういう思いで人間に伝えるほむほむ。
「そうか、わかったよ。それじゃ幸せになれよ」
人間はほむほむをまどまど達の傍において去って行きました。
ほむほむ「ホムー」バイバイ
そうして人間に別れを告げた後ほむほむは、まどまどたちに気持ちを伝えるために振向きました。