孤独のほ食
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homuhomu_tabetai
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作者:8BlzbBTJ0
337 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[] 投稿日:2012/07/26(木) 02:26:27.47 ID:8BlzbBTJ0
お腹がすいた…。
空腹感を抱えながら私は街を歩く。すると一軒の食事処が目についた。
長年この街で開いていたのだろう。古臭いが味のある店構えだ。昼食はここにしよう…。
俺は暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませー。」
店員の挨拶を聞きながらカウンター席につく。
期待通りの良い雰囲気だ。さぁて何を食べるか…。お品書きに目を向けると様々なメニューが並んでいる。
安い。どれもこれも安い。この値段でやっていけるのかとこちらが心配になるほどの値段設定だ…。
俺は散々悩んだ挙句、数点の料理を注文した。
「ホビャアアアアァァーーーー……!」
料理が来るのを待っていると厨房から食材と思わしき悲鳴が聞こえる。
この大きな声ならさぞかし生きの良い食材だろう。俺は期待を胸に料理の到着を待つ。
その間にも新しい客が入って来て次々に注文が出される。悲鳴が途切れることは無い…。
「はいお待ち―。」
数分後に注文した料理の一つが目の前に出された。ほう、これは…。
【ほむじゃが】 おふくろの味の定番。ホクホクのじゃがいもとプリプリのほむほむにダシが染み込んでいる。
では早速頂くとするか…。いただきます。
まずは口の中にじゃがいもを放り込む。
…いいじゃないか、いいじゃないか。程良く煮崩れしたじゃがいもにしっかりと味が染みわたっている。
ならこいつはどうかな…。俺は次の食材を箸でつまみあげた。
「ホ…ホ…ムゥ…」
言わずと知れたほむほむだ。表面が茶色っぽく変色しているが、これは味が染み込んでいる証拠だろう。
そしてそれだけ煮込まれているにも関わらずしっかりと息がある。これが一番重要なんだ…。まずは足に齧りつく。
「ホギイィィーーーーーー!!!」
あぁ…、美味い。コリコリとした食感に染みわたった味付け。なにより口に運ぶたびに聞こえてくる食材の悲鳴…。こいつが食欲を掻き立てる…。
これを最後まで聞くには手足から頂いて最後に上半身でしめるのがベストなんだ…。
手足を食べたら今度は胸から上を残すように下半身を食べる。
「ホビギャアアアァーーーーーーー…!」
手足と違って柔らかい。このプリプリ感、たまらないな…。
ホクホクのじゃがいも、白滝、とろけた玉ねぎ、プリプリのほむほむ…。これらをヅルドルゥッ、と口に運びご飯をかっこみ、また汁をすする。
ほむじゃがだけでご飯一杯いきそうだ。いいなぁ、日本人に生まれてきて本当に良かった…。
「お待ち―。」
ほむじゃがに舌鼓を打っていると次の料理が出された。
【仔ほむ焼】 仔ほむの表面を軽く火で炙った料理。塩、醤油、タレ、お好みでどうぞ。
「ホ…ミュ…」
「ミャド…カ…」
皿の上には数匹の仔ほむが盛られている。もちろんほむじゃが同様どれもしっかりと生きている。さてと、頂きますか。最初は塩からいくかな…。
「ホミュアアアァァーーーーーッ!!!」 イチャイヨオォーーーーッ!!!
軽く塩を振りかけると仔ほむが悲鳴をあげる。火傷に塩が染みるのだろう。
いいぞ、いいぞ。更に食欲が増してくる。では…。
「ホミュイィィーーーーーーーーーッ!!!」
腹から豪快にかぶりつく。…素晴らしい。ほむじゃがのほむほむもプリプリしていたが、こちらはそれ以上に柔らかい。
肉汁が口いっぱいに広がってゆく…。それに焼かれたほむ服のパリッとした食感もたまらない。
ただ焼いただけの料理に塩をつけただけだが、それが逆に食材の良さを引き立てている…。次はこの店のタレでいってみるか。
小皿にタレを出す。赤い…?これは唐辛子か。いいじゃないか、夏バテしないためにはこういう調味料が意外に大切なんだよな…。
仔ほむを摘み、身体の全面にタレをなぞるようにつける。
「ホギュイィーーーーーーーー!!!!」 チミルヨォーーーーーーー!!!!
ぐったりしていた仔ほむがタレをつけた途端に叫び出す。やはり仔ほむは元気がないとな…。
ほむじゃが「ホム…ホム…ホ…」 ヤ…メテ…
仔ほむ焼を口にいれようとした時、ほむじゃがのほむほむが騒ぎ出した。
仔ほむ焼「ホミャ…ミャア…」 オカア…サ…
今度は仔ほむか…。何なんだ? …成程、親仔か。なら仕方ないな。
仔ほむを箸で摘まんだまま、ほむじゃがに近付けていく。
ほむじゃが「ホムホム…!!」 コホムチャン…!!
仔ほむ焼「ホミャア…!」 オカアサン…!
2匹が互いに手を伸ばす。その手がまさに触れようというところで…、
ブチュウッ
仔ほむ焼「ミャッ」
ほむじゃが「ホ?ホ、ホホビギャアアアァァーーーーーーーー!!」
口に運ぶ。今度は一口だ。
咀嚼する度にプリッ、コリッ、パリッとした食感と共にジューシーな肉汁があふれて来る。唐辛子の辛味もピリッとして、ボワッとして俺の体を燃え上がらせる。…今なら真夏の太陽にも勝てる気がする。うおぉぉ…!
ほむじゃが「ホビャアアアァァーーーーー!! ホギャアアアァァーーーーー!!」
その間にもほむじゃがのほむほむが叫び続ける。これはある意味極上の調味料だな。なら…。
叫んでいるほむほむを摘み、仔ほむ焼が口の中に残っている状態で口の中に入れる。
さらに間髪いれずにご飯をかっこむ。…ほむほむの親仔丼といったところか。
ブチッ 「ホビュ」 コリッ 「ビギュッ」 モグモグ 「ビャッ」
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キャベツで口の中をリフレッシュし次の仔ほむ焼に手を伸ばそうと…、あ。
「すいません。ご飯おかわり。」
はぁ、食べたなぁ。あれだけ食べても500円以内に収まるだなんて…。
ほむほむは食材としては一級品なのかもしれない。
これからもこういう定食屋を支え続けてもらいたいものだな。
- ただ食べるだけじゃなくて、親子の食材を邂逅させる展開にセンスを感じた!
- ほむじゃがと、仔ほむ焼きになった親子の対面シーンにシビレた!!
すごく印象に残る素敵なSSだ。 - ランチタイムになるとあっちこっちの店から
悲鳴が聞こえるのかな。
そう考えると、なんか怖いよな。