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その1

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homuhomu_tabetai

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7月も下旬にさしかかり、本格的な暑さが続く毎日。
街には汗を拭きながら行きかう人々、木陰で休むサラリーマンらしき中年、公園の噴水ではしゃぐ子供達。みんな思い思いの方法で何とか涼をとろうとしていた。
もっともこの猛暑にまいっているのは人間たちだけではない。

ほむほむ「ホムゥ……」 アツイ……
まどまど「マドォ……」 アツイネ……

最弱生物筆頭候補であるほむまど達もへばっていた。いや、それだけではない。

あんあん「ウゼー……」 アチィ……
さやさや「サヤァ……」 アッツゥ……
まみまみ「ティロォ……」 アツイワ……

普段ほむまど達を狩る立場のほ食者達もへっばていた。日中は特に暑さが厳しく彼らは動くことすら億劫のようだ。
よって狩りが行われるのは涼しくなる夕刻以降である。これはほむまど達も分かっており、ほむ種達における暗黙のルールとなっていた。

まぁ何が言いたいのかというと、つまりは『暑い』の一言に要約される訳である。しかしほむ種達は人間と違って涼を得る手段が限られている。

クーラーのような冷房機器がある訳でもなし、冷やし中華などの冷たい食事を作れる訳でもない。
そういった恩恵を受けられるのは運よくペットとしての地位を得た極少数のほむ種のみだ。
野良や野生のほむ種は日中は巣の中に引き篭もっているか、木陰でだれているくらいである。

今回はそんな夏の日の家族のお話である。



ここは見滝原のとある高原。日差しは相変わらず厳しいが高地にあるため比較的涼しい風が吹いている。そんな高原にとある一家が遊びに来ていた。

リボほむ「ホムホム~!」 スズシイ~!
白まど「マドマド!」 キモチイイネ!
仔リボほむ「ホミュン!」 ヒローイ!
仔白まど「ミャロォ!」 ダレモイナイ!
仔ほむ「ホミィ!」 ネコロンジャオ!
仔まど「ハシャイジャッテ!」 ワタシモ!
仔めが「ホミャ…」 チュコチ チュカレタ…

リボほむ・白まどの希少種の番、同じく希少種の仔供が2匹、その他にめがほむと普通の仔ほむと仔まどの7匹である。
彼らもこの猛暑には参っており普段は巣の中に篭っていた。しかし根本的な解決策にはならず、へばり続ける日々を送っていた。


ある日の事である。日も暮れかけてようやく暑さが和らいできた頃にリボほむは餌を探して飛び回っていた。
先述の通りほ食種達も涼しくなってきたこの時間帯に狩りを始めるだが、空を飛べるリボほむは普通のほむ種より狙われるリスクは少ない。
唯一気をつけなければならないのは銃をもっているまみまみであるが、アウトレンジを維持すればいいだけである。
そのためリボほむは時間を掛けて餌探しに励んでいた。
しかしなかなか成果は上がらず、リボほむは巣から少し離れた場所まで飛んでいた。

リボほむ「ホムゥ…」 ハァ…

少し疲れたのかリボほむは休憩をとる事にした。
しかし迂闊な場所では休む事は出来ない。どこから敵が狙っているのか判らないのだ。
条件としては見晴らしが良く、敵が身を隠す所が少ない場所…。

数分飛んでいるとリボほむはその条件に合う場所を見つけた。
そこは芝生のような低い草原が広がっており2、3本の木が立っている高原だった。身を休めるには絶好の場所である。
リボほむは木の周りを調べ、安全が確認されると手頃な枝に腰掛けて羽を休めた。

リボほむ「ホフゥ…」 フゥ…

木の幹に背を預けているリボほむの顔を風が撫でた。その風はヒヤリとしていてリボほむの体を冷やしてくれ、数分もするとリボほむの汗は引いていた。

10分ほど経過した後にリボほむは休憩を切り上げ、餌探しに戻る事にした。
そして思った。今度みんなをここに連れてこよう、と。決意を胸に秘めてリボほむは飛び立った。


一家は今その高原にいる。ここまで来るのに時間が掛かってしまったが、皆ここを気に入ってくれたようだ。リボほむははしゃぐ家族の様子に安堵した。

白まど「ホムラチャン!」 ゴハンニシヨウヨ!
リボほむ「ホムン!」 ソウダネ!
仔供達「「ホミュウ~♪」」「「ミャロ~♪」」 ワ~イ♪

一番多く葉が茂っている木の周囲を確認し、安全を確保すると一家は木陰に移動した。どうやらここで昼食をとる事にするらしい。

リボほむ「ホムホム!」 イタダキマース!
白まど「マドマド!」 イタダキマス!
仔供達「「ホミュ ホミュ~♪」」 「「ミャロミャロ~♪」」 イタダキマ~ス♪

一家が持ってきたのはヤマグワの実であった。この日のためにコツコツと集めていたのである。ずっと楽しみにしていたご馳走にみんな思い切り齧り付いた。

仔まど「ミャロ~♪」 アミャ~イ♪
仔めが「ホミィ…///」 オイチィ…///

仔リボほむ「ホミュン!」 モウイッコ!
仔ほむ「ホミャア!」 ア、ジュルイ!
仔白まど「ミャロ ミャロ!」 マダアルヨ!

リボほむ「ホム///」 ニコニコ///
白まど「マド…///」 シアワセ…///

仔供達の楽しそうな食事風景を慈愛に満ちた表情で見守るリボほむ。その肩に頭を預けている白まどの表情も同じく優しい。
来て良かった…。リボほむは心の底からそう思った。

白まど「ホムラチャン…///」 ハイ、アーン…///
リボほむ「マドカァ…///」 アーン…///

赤い顔をした白まどがリボほむに実を差し出した。リボほむは照れながらもその実を口で受け取る。実の甘さに劣らずこちらも甘々である。

仔ほむ「ホミュー!」 アーッ!
仔まど「ミャロー!」 ジュルーイ!
仔めが「ホミュ…///」 ワタチモ…///

そんな両親の姿を見た仔供達がねだってきた。その顔はどれも口の周りを実の汁でベタベタにしている。
白まどとリボほむは顔を見合わせると苦笑し、仔供達の口をぬぐってあげた。



仔ほむ「ホミュ~♪」 ワーイ♪
仔まど「ホミュラチャ~ン♪」 マッテ~♪
仔めが「ホミュ…」 ガンバレ…

食事を終えた仔供達は元気に遊びまわっている。額に粒のような汗を浮かべているが、遊びに夢中なのか気にならないようだ。
普段なら夏の日中に駆け回るなどと考えられない事だが、久々のピクニックではしゃいでいるのと、時折吹いてくる風が暑さを感じさせないのだろう。

仔リボほむ「ホミュー!」 ハヤーイ!
仔白まど「ミャロォ!」 マケナイヨー!

一方希少種組は空を飛び回っていた。風に乗る事で普段より早く飛べるのか、こちらも夢中で飛んでいる。
その2匹の様子を少し離れた所から見ているリボほむ。
空が飛べる2匹は他の3匹より移動するのが速い。少し目を離すとすぐ遠くへ行ってしまうのだ。
だから万が一の場合にすぐ駆けつけられるようにするために目は離せない。親とは大変なものである。

仔リボほむ「ホミュ! ホミュ!」 アチョコマデ キョウソウ!
仔白まど「ミャロ!」 ヨーシ!

言ってる傍から2匹は更に飛んで行ってしまった。どうやら少し遠くの木まで行くらしい。
あの木は調べていない…、もし外敵がいたら大変だ!
仔ほむ達は白まどに任せて、リボほむは2匹の後を追った。



仔白まど「チヒヒィ~!」 ワタチノカチ!
仔リボほむ「ホミュウ…」 マケチャッタ…

競争はどうやら仔白まどの勝ちのようだ。2匹は休憩をとろうと木の枝に近づく…。と、その時である。



「「ピー! ピー! ピー!」」



仔リボほむ「ホミッ!?」 ビクッ!
仔白まど「ミャッ!?」 ビクッ!

突然鳴り響いた音に体をビクつかせる2匹。そこにリボほむが追いついて来た。

仔リボほむ「ホミュ!」 オカータン!
仔白まど「ミャロ…!」 ギュッ…!

リボほむに気付いた2匹はその胸に飛び込んだ。2匹の様子に違和感を感じとったリボほむであったがすぐにその原因がわかった。


「「ピー! ピー! ピー!」」


周囲に響く音。これが仔供達を怯えさせている原因だろう。
リボほむは2匹を後ろに下がらせると弓矢を構え、細心の注意を払いながら音のする方へ近づいていった。

リボほむ「…ホム?」 …コレハ?


雛鳥「「ピー! ピー! ピー!」」


りぼほむが見たのは雛鳥であった。大きさは仔供達とそれほど変わらない。
周囲を見渡すが親鳥の姿は見当たらない。どうやら餌を探しに行っているようだ。

危険はないと判断したのかリボほむは弓矢を下げ、仔供達に向き直った。

りぼほむ「ホムホム!」 ダイジョウブダヨ!
仔リボほむ「ホミィ…?」 ホントウ…?
仔白まど「ミャロォ…?」 コワクナイ…?

安全だという事をリボほむが伝えると2匹は恐る恐る近付いてきた。

…なるほど、雛鳥達は鳴き続けるばかりで巣からは出れないようだ。
最初こそ眺めているだけであったが、自由に動けないとわかると頭を触るなどのちょっかいを出し始めた。

仔リボほむ「ホミュ! ホミュ!」 チョン チョン
仔白まど「ミャロォ!」 エイ!

リボほむ「ホムホム…」 コラコラ…

ちょっかいを出し続ける仔供達を諌めるリボほむ。しかし口だけでやめさせようとはしない。

白まど「ホムラチャン?」 ドウシタノ?

と、いつの間にか白まどがこちらに来ていた。なかなか戻って来ない3匹を心配したのだろう。木の下を見ると仔ほむ達もおり、こちらを見上げていた。

リボほむ「ホム!」 ホラ!
白まど「マド!」 ワッ!

雛鳥を白まどにみせるリボほむ。その間にも仔供達はちょっかいを出し続けているのだが白まどは何も言わない。
そんな4匹の様子を木の下から見続けている仔ほむ達。何があるのか気になってしょうがない様子だ。

仔ほむ「ホミィ! ホミィ!」 ピョン! ピョン!
仔まど「ミャロー!」 オカーターン!
仔めが「ホミュ…」 ミエナイ…

一生懸命ジャンプするが見える訳もなく、仔ほむ達はますます喚きたてる。
それに気付いた親達はようやく降りてきて雛鳥の事を話した。しかし2匹は未だにちょっかいを出し続けている。

仔ほむ「…ホミュ」 …ミチャイ
リボほむ「ホム?」 エ?

仔ほむ「ホミュウ! ホミュウ!」 ミチャイ! ミチャイ! ジタバタ
仔まど「ミャロォ! ミャロォ!」 ワタチモ! ワタチモ! ジタバタ
仔めが「ホミィ…」 ワタチモ…! ジタバタ

話を聞いた3匹は地面に寝転がると手足をバタつかせ駄々をこね始めた。その様子を見た親達は悩んだ。
仔ほむ達を抱えて木の上まで連れて行くのは簡単だ。しかし足でも滑らせ、万が一落下するような事があれば飛べない仔ほむ達は良くて大怪我、最悪の場合は死ぬだろう。なにせ目に入れても痛くないほど溺愛している仔供達。そんな危険な目には合わせたくなかった。

リボほむ「ホムン!」 ソウダ!

その時リボほむに迷案(名案ではない)が浮かんだ。仔供達を上に運ぶんじゃなくて雛鳥達を下ろせばいいんじゃないか!
雛鳥達の安全はどうなのよ、と突っ込みたくなるが馬鹿親にして親馬鹿。愛しの我が仔の願いを叶えるためにはそんな事は1ミクロンほども思い浮かばなかった。



リボほむ「ホムホム…!」 イクヨ…!
白まど「ホムラチャン…!」 ウン…!
仔リボほむ「ホミュ!」 ハーイ!
仔白まど「ミャド!」 ヨーチ!

リボほむから案を聞いた白まどはこちらも何の疑問を抱く事無くその提案に乗った。
雛鳥達にちょっかいを出していた2匹も可愛い妹達の願いを叶えるため親達に手伝いを申し出た。

リボほむ「ホムホム…ホムン!!」 イッセーノ…セッ!!

4匹で巣を持ち上げるとそのまま下へと下ろし始めた。
雛鳥3羽に巣の重さが加わってそれなりに重量はあるのだが、巣は順調に下へと運ばれて行った。

余談だが実を言えば親2匹だけでも十分に運べたのである。
普段から飛べない仔ほむ達を抱えて飛ぶこともあったし、ほ食者達と唯一対等に戦えるリボほむと白まどにすればこのくらい何ともなかった。
それにも関わらず仔供達に手伝ってもらったのは、妹達のために自ら協力を申し出た仔供の姿に感動したからである。まさに親馬鹿。


雛鳥「「ピー! ピー! ピー!」」


そんな彼らとは対照的に雛鳥達は更に鳴き声を大きくしている。
何せ自分達の家が突然浮かんだと思いきや地面に運ばれて行くのだ。不安になるのも無理ない事である。

そんな彼らの気持ちなど知らぬとばかりに4匹は仔ほむ達の待つ地面へと巣を運んで行った。



仔ほむ「ホミャー!」 ウワー!
仔まど「ミャドォ!」 トリサンダァ!
仔めが「ホミュン…」 チュコチ コワイ…

間近で雛鳥を見た仔ほむ達は興奮に包まれていた。気弱な仔めがは少し離れているが、それでも興味はあるようで雛鳥を見つめていた。
そんな妹達の様子を見ていた仔リボほむと仔白まどは良い所を見せたいのか、再び雛鳥達にちょっかいを出し始めた。

仔リボほむ「ホミャ!」 コワクナイヨ! ツンツン
仔白まど「ミャド!」 ホラネ! ツンツン

そんな姉達の姿に最初は見ているだけの仔ほむ達も同様にちょっかいをかけだした。

仔ほむ「ホミュ!」 ホントダ!
仔まど「ミャロ!」 オトナシイネ!
仔めが「ホミィ…?」 ダイジョウブ…?
仔リボほむ「ホミャ!」 ダイジョウブダヨ!

雛鳥「「ピー! ピー! ピー!」」

雛鳥達からしてみれば煩わしい事この上ないのだが、産まれてからそれほど時間も経っていない彼らには抵抗らしい抵抗も出来ず、仔供達にされるがままであった。

相変わらず親達は仔供達を止めようとはせず、ニコニコと見守っているだけであった。
物怖じする事のない仔供達の姿を、頼もしくなっちゃって///…なんて風に思っているのだろう。何ともハタ迷惑な一家である。




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