その1
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homuhomu_tabetai
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「マドマドー!!」ペチペチ…
「そんなに催促しなくてもわかってるよ。ほら」パラパラ…
「マドマド…」ヒョイヒョイ…
「ホムラチャー…」テテテ…
夕方……テーブルの上に置いた水槽の中で、壁を叩いて催促するまどまどに向かってひまわりの種を何個か落としてやる。
まどまどはそのうちの二個を拾い上げて奥で壁にもたれているほむほむの方へ走っていった。
「マドン///」スッ…
「マドカァ///」ギュ…
「マドマドー…」「ホムホムー…」ポリポリ…
まどまどはほむほむに種を一つ手渡すとほむほむの隣に座った。二匹は身体を寄せ合って食べ始めた。
ほむほむの腹が少し膨らんでいる……そう、妊娠中なのだ。今朝交尾をしていたので明日には生まれるだろう。
そのため、まどまどが動けないほむほむに変わって餌を催促したのだ。
野良や野生ならいくら妊娠していても、餌集めはほむほむの仕事なのだが……そこは飼いほむまど、催促すれば簡単に餌をもらえることを知っている。
……しかし……こいつらが催促しなくても、水槽の底に入れてあるおがくずの中に今までに余分に与えた種が何個か埋まっているんだが……
この二匹はそれに気づいていないようだ……まぁ、細かい事なので構わないんだがな……
ちなみにこいつらを飼っている水槽は、おがくずを底に入れているだけで寝床も餌入れも置いていない。
餌を食うのも、寝るのも、糞をするのも、全部おがくずの上だ。そのため、交尾の様子も丸見えだった……
……実際の交尾は初めて見た……交尾があんなに騒がしいとは知らなかったな……
「ホムゥン///」サスサス///
「マドー///」ナデナデ///
おっ!そうこうしている間に食べ終わったな……まどまどが優しくほむほむの腹を撫でている……さて、水をやらないと……
「ほら!」スッ…
身重のほむほむに水の入ったスポイトの先を向ける。
「ホムー!!ホミュッホミュッ…」チュッチュッ…
差し出したスポイトからほむほむが勢い良く水を吸う……みるみる中身が空っぽになっていく。
「ホミュッ『チュポン!』…ホムップ///」ケプッ! サスサス///
……ほむほむの腹が最初の二倍ぐらいの大きさになっている……大丈夫なのか?
「大丈夫なんだろなぁ……それじゃまどまどの水を……」スッ…
ガツン!!
「痛てっ!?」
「マドッ!?」「ホムウゥッ!?」ビクゥッ!!
……痛たた……スポイトに水を入れようとして、テーブルの足に思いっきり自分の足をぶつけてしまった……痛てー……ん?
「マドマドーッ!?ホムラチャンッ!?」ワタワタ… サスサス…
「…ホムゥ…マド…カァ…」ヒクヒク…
「どうした!?」
足をぶつけた後、水槽の中が騒がしくなったので見ると……ほむほむが腹を押さえて寝転んでいる……小さく痙攣もしているな……
ほむほむの様子に驚いていたまどまどが、すぐにほむほむの背中や腹をさすりだした……
俺はなにが起きてるのかわからないために、その様子を見ているだけだった……まどまどはずっとほむほむを撫で続ける……
「ホムラチャ…マドマドー…」サスサスサス…
「…ホムッ!!ホムゥッ!!…」グググッ…コテン…
ん?……ほむほむが仰向けに寝直して、足を広げたぞ…………あれ?……これって……もしかして……
「ホムーッ!!…ホムーッ!!ホムーッ!!」ピクンピクン…
「マドドーッ!!ホムラチャッ!!」サスサス…
ほむほむが顔を真っ赤にさせて力み出した……まどまどはずっと腹を撫でてやっている。
「……さっきのが引き金になったのか?……多分この様子は……」
「ホッホッホッ…」ビクビクビクッ!!
「マドーッ!!」ジリジリ… ナデナデ…
まどまどがほむほむの真正面に移動して腹を撫でだした……次の瞬間!!
「マドマドッ!!マドォオッ!!」ナデナデ!!
「ホッ…ホンムアァッ!!!」ビクビクーッ… ズルン!!
「マドオオォォッ!?」グイッ!!
まどまどがほむほむの股から出てきたものをつかんで引っ張り出した……やっぱりな……
「…ホ…ミ……」クテー… フルフル…
「ホムラチャーッ!?!?」ペロペロ…
まどまどの腕に仔ほむの姿があった……しかし様子がおかしい……ほとんど鳴き声を出していないのだ……まどまどは必死に仔ほむを舐める。
「……この仔ほむ……未熟児だな……早すぎたんだ……」
「…ホムアアァァッ!!」ズルン…
「……」クタッ…
「…ホ…ムゥ…」ガクッ… ヒクヒク…
そんなまどまどと仔ほむの横でほむほむはまた仔を生んだ……生み終えた瞬間に気絶したのか、ほむほむはそのまま動かなくなった……
二番目の仔はピンクの毛が生えている……仔まどだ……しかも仔まどは仔ほむより小さく、全く動かない……死産か!?
まどまどは仔ほむに掛かりきりで仔まどに気づいていないし、ほむほむは気絶してるし……これは……俺が何とかしないといけないのか!?
「仕方ない!!仔まど!!助けてやるからな!!」スッ…グッ!
「…ミッ!!」ブチュッ!
「あっ!?」
……仔まどをつまもうと指で挟んだら、潰れてしまった……
「あぁ~!?……マジかぁ!?」ベチョッ…
「マドマドーッ!!」ペロペロペロ…
「…ホ…ムン…」ヒクヒク…
「……どうやら二匹は気づいていないな……すまん……」フキフキ…
肉片が付いた指をティッシュで拭き取る……こうして仔まどは、その存在を俺以外に知られないまま姿を消した……
・・・・・・・・
「ホムーホムー///」ナデナデ…
「マドマドー///」ペロペロ…
「ホミュー///」キャッキャッ///
瀕死だった仔ほむはまどまどのおかげで何とか持ち直し、今はもう元気そうだ……ほむほむも何事もなかったように仔ほむを可愛がっている。
「……仔まどなんて居なかったんだよな……」
俺は水槽の家族に言った……俺の声に反応する様子は無く、幸せそうに寄り集まっている。
「まぁ、人間の言葉が分かるわけないしな……」
「しかし、あんな事で産気づくなんて……こいつらって結構臆病なのか?……そうだ!」
俺はそっと手を上げ……勢い良くテーブルを叩いた。
ドンッ!!
「ホムアッ!?」「マドッ!?」「ホミッ!?」ビクッ!!
突然の音と振動に、水槽の中の家族が驚きの声を上げる。
「…ホ…ホムゥ?」「…マドォ?」キョロキョロ… ソワソワ…
「ホミャアアアァァァ…」ピエェェ…ン…
番は心配そうに辺りを見回し、仔ほむは泣き出してしまった……
「ホムッ!?ホムムー…」ペロペロ…
「ホムラチャン…」ナデナデ…
「ホミュウウゥゥゥゥ…」ピエェェ…ン…
慌てて仔ほむをなだめる番……そこに……
ドンッ!!
「ホビャアアアァァァッ!?」「マギョオオォォォッ!?」「ホミュウッ!?」ビクビクッ!!
……もう一発……今度は水槽の壁を叩いてみた。
「ホ…ホムッ!!マドカッ!!」キョロキョロ…
「マドンッ!!」ギュッ! トテテテ…
「ホミャアアァァァ…」
「ん?ほむほむがまどまどになんか言ったか?」
ほむほむが出した鳴き声に反応して、まどまどが仔ほむを抱いて俺が叩いた水槽の壁とは反対の壁に走っていった。
「ホムーッ!?ホムムーッ!?」キョロキョロ…
ほむほむはその場に残って周囲をうかがっている……どうやら警戒しているらしい……
「ホ…ホミャアアァァァ…」「…マドー…」フルフル…
壁際ではまた仔ほむが泣き出し、まどまどがなだめている……
「…ホムッ…ホムムー…」トテテテ…
もう大丈夫と判断したのか……ほむほむが警戒を解いて二匹の方へ走っていく。
「マドカァ!!ホムン!!」ギュッ! ペロペロ…
「ホムラチャン…」ポロポロ…
「ホミュウゥゥ…」ギュー…
ほむほむがまどまどを抱きしめ、仔ほむの顔を舐め始める……『もう心配ないよ』とでも言っているのだろうか?
「……残念ながら、まだ大丈夫じゃないんだなぁ……」