◆◆
時は、半刻前ほどまで遡る。
有利に交渉出来ると聞かされていた相手が初手から繰り出してきた敵対行為。
それによって、本来は交渉の場に同席するはずだった死柄木としおは手持ち無沙汰となってしまった。
とはいえあのまま家の中に留まっているのは、荒れ狂う獣の前に兎を二匹ぶら下げておくようなものだ。
死柄木は嘆息しながら、「やってられるか」と小さく呟いた。
元の世界での彼は、ギガントマキア――災害の如き怪物を認めさせるため連日に渡り絶望的な戦いを繰り広げていた。
だが、聖杯戦争の場でそれをやるつもりはない。
流石にあの怪物に並ぶ存在がゴロゴロ居るとは思いたくないが、それにしたって手の内の分からない相手と無鉄砲に戦おうと思うほど死柄木は危機感の足りない人間ではなかった。
「ねえとむらくん。時間空いちゃったね」
「どこぞの爺様が計算違いをやらかしたからな」
「とむらくんはもう車に戻るの?」
「そりゃそうだろ。何が悲しくてこのクソ暑い中ウォーキングしなきゃならないんだ」
今日も今日とて東京は暑い。
死柄木の服装は決して薄着ではないのだ、炎天下の中を歩けば当然不快感が募る。
それに、そもそもわざわざ外を歩いて何をするというのか。
しおの言いたいことは既に察しが付いていたが、しかして付き合ってやる義理もなし。
死柄木はにべもなく、先回りしてそれを切り捨てた。
「どこかに行きたいんなら一人で行け」
「……むぅ。じゃあ、そうする……」
少し困ったような顔をしつつも、こくりと頷くしお。
死柄木はそんな彼女をよそに車に乗り込んだ。
車の中は冷房が利いていて、一分足らずの時間とはいえ炎天下の野外に居たことで火照った身体が急速に冷やされていくのが心地よい。
特段何かすることも、考えたいこともない。
となれば時間を潰す手段など限られており、戦争の日々の中で溜まった疲れを少しでも癒すのが利口だろう。死柄木はゆっくり目を閉じた。
それから、一分、三分、と時間が経ち。
ようやく少し睡魔が顔を見せ始めた頃――こんこん、こんこん、というノックの音が死柄木の耳朶を叩いた。
見れば案の定、音の主は
神戸しおだったのだが。彼女の後ろに居る見知らぬ人物の着ている服を見て、死柄木は思わず眉根を寄せてしまった。
それは敵(ヴィラン)たる彼にとって、ヒーローと並び忌々しい存在。
テンプレートの制服を律儀に着込んで、相手を刺激しないための営業スマイルを浮かべた青年。
見れば運転手もぎょっとしている。しおが連れてきたのは、あろうことか警察官だったのだ。
「……、」
運転手に任せようとも思ったが、この男がどこまで自分達のことを知っているのかも分からない。
変にボロを出されてしまえば余計面倒なことにもなりかねないのだ、そう考えると非常に面倒ではあったが、死柄木自身が対応するのが一番良い。
「お忙しいところ申し訳ありません。この子のご家族の方でしょうか」
「ああ……はい。それが何か」
「道が分からない様子だったので、お節介とは思ったんですが一応お連れしたんです。
最近何かと物騒ですから……この年頃のお子さんを一人で出歩かせるのはあまり良くありませんよ」
要するに、こういうことらしい。
死柄木と別れて何処かの目的地に向かって歩き出したしおだったが、しかしそこへの道のりは分からなかった。
仕方ないのでうろうろしながら探していると、そこを折り悪く善良で親切な警察官に目撃されてしまった。
まだ子どもが一人で出歩くのに不健全な時間ではないものの、昨今の時勢を考慮したのだろう。
親なり家族なりの元に届けつつ注意をするため、しおに連れられて此処までやって来た。そんな経緯なようだった。
「あの、失礼ですが、身分証の方を――」
「身分証? 今は持ち合わせねえけどな……おい」
運転手の方に手を差し出す。
アドリブだったが、流石に相手も大企業の役員。頭は回るらしく、すぐさま名刺を出してくれた。
それを受け取るなり、気だるそうに警察官へ突き付ける。
するとやや疑いの目になりつつあった彼の顔が、途端に驚きに染まった。
「で、デトネラット……!?」
「ああ、流石に聞き覚えあんのか。
こっちでも有名だもんなあ、デトネラット。で、もう良いか?」
「……た、大変失礼しました。ご協力感謝します!」
デトネラット。国内最大手のライフスタイルサポートメーカー。
死柄木の世界にもあった会社だが、流石に"個性"なんてもののないこの世界ではあの社長も良からぬ革命思想に傾倒はしていないらしい。
とはいえモリアーティの甘言に掛かり、彼の手駒の一個になってしまっている辺り、根っこの部分に然程違いはないようだったが……どの道、解放軍と揉める前の時間軸から招かれている彼には関係のないことであった。
それはさておき、こうして一発で社会的地位の高さをアピール出来るのは便利だった。
日本人はとにかく肩書きの大きさや響きに揺るがされやすい民族だ。
地位の高さはそのまま"信頼"に繋がる。事実正義感に溢れていそうだった若い警察官も、国民的大企業(デトネラット)の名刺を見るなり疑いの色をめっきり消し、しおに手を振りながら去っていく始末だ。
大丈夫なのかと思う場面なのだろうが、そもそも立派な悪、社会の敵である死柄木にそこのところを憂いてやる義理はない。
「……何やってんだお前は。俺以上に角が立つとヤバいロールしてる癖して、人目も気にしないのか」
「ごめんなさい……。でも知らなかったの、外を歩いてるだけでおまわりさんに捕まっちゃうなんて」
少ししゅんとした様子で言うしおに、死柄木は改めて"大丈夫なのか、こいつは"の思いを強くする。
あまりにも社会的な常識に乏しすぎる。年齢相応の幼さと言えばそれまでだが、それだけではないようにも見えた。
大方、余程おかしな家庭環境で育ったのだろう。そうでもなければこの歳で、狂った愛に目覚めなどすまい。
何があったのかは知らないし興味もない。
が――それでこちらに迷惑が掛かるのだけは、死柄木としてはとても御免被りたかった。
「だから、今度はとむらくんも来てくれる?」
「は?」
「おまわりさん、言ってたよ? "おうちの人と一緒じゃないの?"って」
「俺はお前の"おうちの人"でも何でもないんだが」
「でも、らいだーくん達まだ帰ってこなそうだし」
じー、と上目遣いで見上げてくるが、それに乱される死柄木ではない。
彼に人並みの良心などないし、少女趣味に目覚めた覚えもない。
だから一蹴することは簡単だったが、問題はそれで諦めなかった場合である。
また出向かれて迷われて、それを探すのに時間を取られるようなことになるのは面倒だ。
それに、さっきはあっさり帰ったあの警官も――次にもう一度同じ状況のしおを見つければ、もしかするとまた疑いの目を持ってくる可能性もある。
そういう聖杯戦争とは無関係な余計なことで足を引っ張られるのは死柄木としても御免で。
故に彼は、肺の全ての空気を吐き出すように深い溜め息をついて、"諦める"ことにした。
◆◆
「……コンビニ探すのに迷うか? 普通。都会だぞ都会」
「だって行ったことないんだもん」
わざわざ行きたい場所とは何処なのか。
じりじり照りつける日光と吸い込んだだけで不快になる蒸した空気。
靴底から伝わるアスファルトの熱、汗でじっとりと湿る衣服。
その全てに不快感を懐いている死柄木だったが、彼の隣をご機嫌そうに歩くしおにはうんざりした様子の欠片もない。
死柄木も若いが、二十歳と八歳ではやはり色々違いがあるようだった。
「一回行ってみたかったの。おじいちゃんも、行ってくるといいって言ってくれたし」
さとちゃんもらいだーくんも行ったことあるって言ってたから、私も、って思って。
その言葉から、しおのこれまでの生活環境は察せられた。
恐らく彼女は、聖杯戦争が始まる前からずっと、外の世界に出ていなかったのだろう。
或いはそうでなくとも、外に出る機会がとても少ない環境で生きていた。
そうでなければ、十年近く生きてきてコンビニに入ったことが一度もないなんて話はまずあるまい。
最近のガキはどうなってんだよ、と。
奇しくも、彼女のサーヴァントがしおに対して常々抱いている感想と全く同じことを、死柄木は呆れ混じりに呟いた。
しお一人ではなかなか辿り着けなかったようだが、この都会を歩いていてコンビニを見つけられない方が難しい。
少なくとも死柄木にしてみればそうだったし、事実今度はあっさり見慣れたロゴの刻まれた店をすぐに見つけることが出来た。
たったったっ、と軽やかな足取りでドアの前に立ち、自動ドアが開くのを見てぱっと彼の方を振り向くしお。
「何もしてないのにひらいたよ! テレビのまんまだね!!」
「自動ドアぐらいで騒ぐなよ、俺が怪しまれんだろ」
ただでさえ、この組み合わせは目を引く。
年齢の差はまだいいにしても、髪色まで違う上、真夏だと言うのにフードを被った死柄木の姿は幼女連れでなくても相当に怪しい。
そんな人物とどう見ても十歳未満の幼女が共に歩いていて、おまけに異常な世間知らず発言が聞こえてくるとなれば、疑り深い人間でなくたって監禁なり何なりされているのではと思うだろう。
……というかこれは、もしかしなくてもしお一人の方がまだ面倒なことになる確率が低かったのではないか。
そう思い当たった死柄木は、改めて彼女を連れて来たモリアーティを恨んだ。
あのライダーはよくこれと一緒に暮らしてたなと、何かと気の合わない
デンジのことを若干見直しすらした。
そんな死柄木をよそに、しおはお菓子の棚やら、ジュースの入ったウォークなどを見て。
まるでおもちゃ屋か何かに来たみたいに目を輝かせていた。
しおがいくら持っているのかは知らないが、数千円程度はあるだろう。
であれば片っ端からカゴに入れれば良さそうなものだが、そこは彼女なりに何かこだわりがあるのかもしれない。
「今日も暑いし、アイスにしよっと」
「……何でもいいから早く決めてくれ、こっちはさっさと帰りたいんだ」
「とむらくんは何にするの?」
「俺は要らねえ」
「えー、せっかく来たんだよ? ……あ、そうだ! じゃあとむらくんの分も、私が選んであげるね」
売り場の冷凍庫の縁を両手で小さく握って伸びをし、頼んでもいない吟味を始める。
付き合ってられるかと思い、死柄木は店の外に出た。
外は相変わらず暑い。茹だるような熱気とはまさにこのことだろう。
そうしてしばらく待っていると、買い物を終えたらしいしおがご機嫌そうに出てきた。
袋の量は二人分のアイスにしてはやけに多く見える。
「らいだーくんとおじいちゃんのぶんも買ったの。らいだーくんはごはんもおやつも食べるから、おじいちゃんも食べられるよね」
「それは知らんし興味もないけどよ」
「?」
「車まで五分はあるぞ。溶けんだろ、それ」
「……あ」
くどいようだが、外は炎天下である。
気温は恐らく三十度程度で、湿度も高くとにかく不快な暑さだ。
アスファルトからは陽炎が立ち、歩き始めれば一分としない内に汗を掻く猛暑日。
そんな日に氷菓子を持って歩いたらどうなるかなど、はっきり言って明らかだった。
しかしご機嫌だったしおにしてみればそれは完全に盲点だったらしい。
一瞬、驚いたようにハッとなって。それから――しゅん、と目に見えて消沈する。
「どうしよ……」
「……コンビニは大体氷も置いてんだろ。貰うなり買うなりして来りゃいいんじゃないか」
ぽつりと漏れた言葉に対して、親切にも"解決策"をくれてやったのは別に情が湧いたからなどではない。
死柄木にしてみれば、それは当たり前のことだったからだ。
車がないなら氷を買って冷やしながら歩けばいい。そうすれば溶けるまでの猶予はそこそこ伸びる。
だからつい、何を馬鹿なことで悩んでいるんだと口を出してしまった。
けれどしおは、まるで凄い知恵を授けて貰ったみたいにぱあっと表情を明るくして。
ぱたぱたと、コンビニの中に戻っていく。
そして数分としない内に出てきた彼女の持つレジ袋は、先ほどまでよりも幾らか膨れて見えた。
「帰るぞ」
「えへへ。ありがとねぇ、とむらくん」
彼女が隣に来るのを待たずして歩き出す死柄木。
その様子は大人げなくさえあったが、しおはとてとてと急ぎ足で追いついてくる。
そして隣に並ぶと、にへら、と表情を緩めながらそう言った。
「(……分からないな。こいつ、どっちが本性なんだ?)」
しおは無邪気だ。少なくともこうして接している分には、ただの年相応の子どもにしか見えない。
だが、死柄木は彼女の年相応でない顔を知っている。
初めて会った時に覗かせた狂気。下手をすれば連合の面々をすら上回るかもしれない、強い決意とそのために他者を壊せる漆黒の意思。
その二つの側面が、どう比べてもまるで繋がらない。
どちらかが演技なのか、それとも――どちらも本性。どちらも、神戸しおという少女の真実なのか。
「とむらくん、なんだかお兄ちゃんみたいだね」
「似合わねえよ」
おもむろにそんな言葉を投げかけられて、ついそう答えてしまう。
自分でも何故そんなことを言ったのかは分からなかった。
ただ、何となくだ。何となく、自分は"兄"ではないような気がした。
それは
死柄木弔、■■■■の閉ざされた記憶の片鱗。
何故かそれが、この神戸しおと一緒に居るとちらつく。
子どもは純粋で、だからこそ残酷な生き物だ。
モリアーティの言葉を思い出す。曰く彼女は、幼いが故に何でもなれる。そして、何でも出来る可能性を秘めているらしい。
炎天下の下を歩く。
警察に見つかれば職務質問は必至、通行人が見たとしても"もしかして"と思ってしまうだろうこと請け合いの釣り合わない二人。
車までの距離はたかが知れている。
掛かる時間もそこそこだ。そのわずかな道のりの中で、最初に語らおうという姿勢を見せたのはしおの方だった。
「とむらくんは、なんで壊したいって思うの?」
足は止めないまま、けれど顔は死柄木の方を見て、しおがそう問いかけた。
「私はさとちゃんとずっと一緒に居たいと思ってる。それはさとちゃんのことを愛してるから。
ならとむらくんも、何かわけがあって、世界を壊したいって思ってるんだよね」
それは、どうして?
そう問いかける彼女に対し、死柄木も歩みを止めはしない。
何故なら死柄木の中には常に、その答えが鎮座しているからだ。
非業の幼少期。オール・フォー・ワンと出会い、萌芽の時を迎えるまでの鬱屈とした日々。
勝利と敗北を比べたなら間違いなく敗北の方が多いだろう、無味で無価値な二十年間。
その中で培われた破壊の願いは、彼にとっては決して揺るがぬ確たるものであるのだから。
「目障りなんだよ。だから壊すんだ」
「嫌いだから?」
「ああそうさ。俺は嫌いなんだよ、俺の世界がな」
それこそが彼の願いの根幹である。
彼は全てを憎んできた。文字通り、世界の全てを。
例外は彼と寝食を共にしたごくわずかな仲間程度のもの。
「過去も、未来も、大人も、子供も、……社会も個人もだ。何もかも要らない。だから壊すんだ」
「そうなんだ。とむらくんは、誰かを愛したことはないんだね」
「ないね。そうしたこともなけりゃ、そうされたいとも思わない」
それは、死柄木には無縁の感情であり概念であった。
或いは幼い頃。記憶の薄闇の奥に閉ざされた過去の己であれば、そういうものを知っていたのかもしれない。
だが今は違う。今此処に居る死柄木弔は愛を持たず、愛を知らない渇いた命だ。
愛に飢えてなどいない。それすらも、彼にとってはただただ"要らない"ものでしかないから。
だから願うのだ、全ての破壊を。
自分は全てを壊して、後の世界はわずかな仲間達が好きに運営していけばいいと思っている。
死柄木の目指す覇道、草木一本残らない破壊の地平線に、愛なるものが混ざる余地などなく。
「俺はただ壊すだけだ。お前がどこぞの過保護な恋人とランデブーする未来も、その例外じゃないわけさ」
正直なところ、そこまで強く界聖杯を求めているわけではない。
死柄木にとって最も重要なのは元の世界に帰ること。
その過程上に"ある"のだからどうせなら手に入れたい、心持ちとしてはそれくらいだった。
しかし今は、界聖杯の獲得と元の世界への帰還はほぼイコールとなっている。
聖杯を求める想いはそこまでだが、元居た世界に帰れないのは御免被る。それが死柄木の嘘偽りない本心だ。
彼が壊したい世界は、あくまでも彼自身の生まれた世界。
ヒーローが跋扈し、世界の九割以上の人間が異能に目覚め、歪なバランスを保ったままぎこちなく進んでいくばかりだったあの世界。
それを壊すためには、まずそこに帰らなければならない。
そしてその上で、改めて壊すのだ――故に死柄木は躊躇いなく、決めた。
聖杯戦争に勝ち、界聖杯を燃料として取り込んだ上でヒーロー共の待つ個性社会に凱旋を果たしてやるのだと。
「じゃあやっぱり勝負だ。私か、とむらくんか」
「そうだが、そんな台詞を吐くにしちゃ無用心だな。
俺が此処でお前の首を締め上げでもすれば、それでお前はお終いだぞ」
「でも、とむらくんはそんなことしないでしょ?」
くす、と。
そう笑うしおに、死柄木は言い返せない。
死柄木は幼稚だ。子ども大人(フリークス)と称される未発達な精神性の持ち主である。
だが、彼は"子ども"だった頃から随分と大きく成長した。
それ故に彼は、しおとデンジの二人と結んだ同盟の有用性を既に理解している。
だから口ではこう言っても、実際にしおを殺すという行動に移ることはない。
そこのところを、しおは見透かしていた。コンビニでアイスを前に悩んでいた時のとは違う、歳不相応の目で。
「最後は私たちととむらくんたちにしようよ。
そしたら、私たちの愛が強いかかとむらくんたちの"はかい"が強いか、ちゃんと決められるでしょ?」
「そこまで付いて来れたら褒めてやるよ」
しおは、死柄木に対して一定以上の信用を置いていた。
彼女は幼い。だから策謀などは特になく、信用の理由は概ね心証の部分が大きかった。
しおには分かる。死柄木弔という人間の心の瓶は、割れていると。
そして彼はその上で、他の全てを割ろうと願っているのだ。
愛を知らない、愛を受けたことがない。割れた心の破片をばら撒きながら、八つ当たりのように何もかもを壊したいと願う"悪"。
しおとはまるで違う境遇と価値観。
されど共感出来る部分もある。しおの願いは永遠に続く、もう誰にも邪魔立てされることない《ハッピーシュガーライフ》だ。
もしもそれを実現させるために、他の何かが邪魔だというのなら。それがある限り叶えられないというのなら。
神戸しおは、躊躇なくその全てが滅びますようにと願うことが出来る。
何故ならそれが愛だから。愛のためなら、やってはいけないことなどないのだと知っているから。
愛を知るしおと、愛を知らない死柄木。けれど、しおも死柄木の願いには一理を見出せるのだ。
そこに、愛するあの人――"さとちゃん"の姿さえあるのなら。
他の全てが破壊された荒野の世界も、悪くはないと思えるから。
だからしおは死柄木に懐き、最後の相手は彼がいいとそう考える。
愛を知る自分が、愛を知らない死柄木を乗り越えて聖杯に辿り着く。
その結末(おわり)は、きっと――とても綺麗で、素敵なものだと思うから。
「私ね、"さとちゃん"のことが大好きなんだ。
さとちゃんは私を守って死んじゃった。でも、さとちゃんと過ごした思い出はずっと私の中に残ってるの。
だから聖杯がほしいんだ。ほしくて、ほしくて――たまらないの。
とむらくんは、それっておかしいことだと思う?」
「答えの出てる命題(テーマ)を他人に共有してくるんじゃねえよ。
お前みたいなマセガキのことだ。俺が言うまでもなく、自分なりの答えを出してるんだろ」
「うん。でも、聞いておきたいなって思って。
――――とむらくんは、どう思う?」
「好きにすればいい」
松坂さとうが生きていた頃。
しおとさとうの愛を邪魔するものはあまりにも多かった。
それはしおの知らない誰かであり、しおの目の前に現れた小鳥であり、お兄ちゃんだった人であり。
けれど他の誰であってもきっと、自分達の愛を否定したのだろうとしおは薄々そう気付いている。
シュガーライフは薄氷にして薄皮。
甘いだけの泡沫で、それ故に間違った愛であると。それは愛などではないと、誰もがそう否定すると分かる。
ああ、だけど。神戸しおの目指す未来は一つしかなくて、彼女がかつて過ごした時間は嘘偽りのない真実で。
だからこそしおは信じている。信じない他のすべてを壊しても構わないとそう思えるくらいに強く、強く。
彼女はハッピーシュガーライフを願っている。永遠の、終わることない、誰にも邪魔されない愛の時間。
そして。その願いを、その想いを。
死柄木弔は呆れこそすれど、否定はしない。
何故なら彼は――――悪名高き敵連合の長。魔王の器、毒蜘蛛の王が見初めたマスターピース。
その彼が、悪に染まってでも願いを叶えんとする情念を否定するはずなどなかった。
この世にはどうしようもない奴というのが一定数必ず居る。
ベクトルは違えど、しおもその一人だろう。
死柄木弔は、そんなどうしようもない奴らを否定しない。神戸しおを否定しない。
何故なら、どうしようもない彼女を否定すれば。
それは、元の世界に置いてきた……数少ない仲間達の存在を否定することと同じだからだ。
「お前、もう分かってんだろ。自分達以外は糞だって」
「……、」
「ならいちいち他人様に確認して来るなよ。
お前は十分イかれてる。俺と組むってんなら精々役に立ってくれ」
「……あは、ははっ。そっか――ありがとね、とむらくん。
うん、そうだよ。私ね、もうとっくに分かってる。
この世界に来て、聖杯戦争のことを知ったその時から」
あの日々、あの限られた時間。
終わりの見えた甘い時間。
そこには確かに愛があって。
それで救われたのだ、二人の割れた命(こころ)は。
愛を知らない少女は愛を知り。何にもなれた無垢の器は答えを得た。
それは確かに一つの真実。何物も割り込むことの及ばない、彼女達だけに許された答え。
「全部壊れちゃえばいいのにって、そう思ってたから」
松坂さとうは神戸しおを守り、そうして死んだ。
だからしおは今此処に居る。それは、あの時彼女が望んだ未来ではないし。きっと、さとうが望んだ未来でもないのだろう。
だけど、あの時。一緒に死んで一つになることを約束したにも関わらず、さとうがしおを守ったことこそが全ての答え。
さとうは死を以って一つになるのを拒絶し、愛する人が、愛するからこそ、生きていく未来を願った。
それこそが愛の到達点。利己を捨て去り、解放された真実の愛。
そのことを、しおも理屈ではなく心で理解している。その上で、思うのだ。奇跡に縋ってでも、この先に行きたいと。
――真実の先に行く。それが、神戸しおの願望のすべて。
あの墜落と別離こそが真実の愛。それを分かった上で、しおは先を描こうとする。
利己(エゴ)で以って。一度辿り着いた真実を、自分の手で屑籠に捨てて。
真実も虚構も超えた、永遠にして最大のハッピーエンドを。
それを望むからこそ、神戸しおはチェンソーを手に取った。
犯罪を司る大蜘蛛と盟を結び、破壊を願う未来の魔王を友と見据えた。
遥か地平線の果て。神戸しおにとって、地平線とは"真実"で。
その先に辿り着くことこそが、彼女の。
愛し愛されたいのちを失った末に得た――答えだった。
「私、勝つね。とむらくんに」
「やってみろよ。殺してやるぜ」
確かな殺意を以っての宣戦布告。
それは嘘偽りでも、一時の妄言でもないと死柄木も理解している。
彼は既に、
ジェームズ・モリアーティが神戸しおを買う理由に疑問を抱かなくなっていた。
願う想いの強さと、そのひた向きさを指して"可能性"と言うならば。
ああ、成程間違いなく。こいつは――味方として飼っておくのが得策な、羽化を待つ蛹であるのだと解ったから。
だがその上で死柄木は彼女の愛を踏み躙ることを迷わない。
最後に勝つのは己でなくてはならない。全てを壊すために、この世界に集まった全ての可能性を摘まねばならない。
しおもそのサーヴァントも決して例外ではなかった。
死柄木弔は情を抱かない。よしんばその前提が崩れる日があったとしても、最終的な目的だけは絶対に揺るがないのだ。
だからこそ、魔王(オール・フォー・ワン)は、蜘蛛(ジェームズ・モリアーティ)は。
この未完成な青年を指して、最大の可能性であると称したのだ。
「あ、とむらくんのアイスだけど……何が好きか分かんなかったから、普通のチョコバーにしたの。チョコだいじょうぶ? 嫌いじゃない?」
「どれでも同じだろ。好きも嫌いもない」
「えー、ぜんぜん違うよ?」
てく、てく。とて、とて。
そんな音を響かせながらの帰り道。
真面目な話はすぐに終わり。
しおは自分が買ったアイスの入ったレジ袋の中を楽しそうに見つめながら、打って変わって他愛もない話を始める。
「らいだーくんのはミックスフルーツ味にしたんだー。らいだーくん、ちょっと豪華なやつが好きだから。
おじいちゃんのはこれ、あずきの入ったアイスバー。一回食べたことあるんだけど、これすっごい固いんだよね。びっくりしちゃった」
「あのジジイが勢いよく噛んで歯ァ折る光景は見てえな」
適当に相槌を打ちながら歩く、歩く。
見れば、視界の彼方にようやく自分達の乗ってきた車が見えた。
車内には既に幾つかの
シルエットがある。どうやらもうサーヴァント達の交渉沙汰は終わっているらしかった。
「それで私のはねー、これ。ふぉれのわーるのアイス!」
「ふぉれ……何だって?」
「知らない? ふぉれのわーる。
甘くてねえ、ふわふわしててねえ。とってもおいしいんだよ」
コンビニで売っているアイスの中では少々お高い方に分類されるだろう銘柄の、その更に限定フレーバー。
フォレ・ノワールという名前は、死柄木には聞いたこともないそれだった。
別段興味もないが、にこにこと幸せそうに笑って袋の中を見つめるしおの様子はただ菓子にはしゃいでいるのとは違って見える。
となれば、いつかの思い出由来の"好き"なのだろうなと簡単に察しが付いた。
フォレ・ノワール。
それは幸せの記憶。幸せが崩れたあの日の味。
あれから時が経って、世界も変わって、周りには人が増えた。
「あ。おじいちゃん達、もう帰ってきてるみたいだね」
「……どうせならコンビニまで来させればよかったなァ」
お城で暮らしていた頃。
さとちゃんが自分のためにお仕事をしてくれている間、テレビでやっていた何かのドラマ。
しおに内容の意味はよく分からなかったけれど、印象に残る言葉があった。
死んでしまった人のことは、声から忘れていくらしい。
自分もそうなってしまうのかと思うと不安で寂しくて、蹲ってしまいそうになるけれど。
新しい日常になった世界の中で、忘れられない幸せな味と再会して。
しおは思った。ああ、どこにいたって、どこで生きていたって、どれほど時間が経ったって。
思い出だけは変わらない。あの人との思い出を覚えている限り、いつだって自分は"あの日"の欠片に出会えるんだと。
それなら――自分は歩いていける。
なんでもなれて、なんでもできる。そう信じられた。
甘くてふわふわのフォレ・ノワール。それは天国への追憶。
もう翼はないけれど。天使の輪っかもないけれど。
世界で一番純粋な願いを胸に、堕ちた天使は「死」と歩く。
だけど「弔い」はしない。死とは覆せるものであると知ったから。
「ただいまーっ」
「遅えな、どこ行ってたんだよ」
「とむらくんにコンビニ連れてってもらったの。
はいこれ、らいだーくんにもアイス。おじいちゃんのもあるよー」
◆◆
――死柄木弔と神戸しおが、炎天下の帰り道を歩いている頃。
バーサーカー・
鬼舞辻無惨と一旦の停戦協定を取り付けて家を出るなり、モリアーティは小さく嘆息した。
デンジも息の詰まる時間が続いたことでうんざりしていたが、彼のそれはデンジのとは質の違う辟易だった。
モリアーティはこの手の状況のプロフェッショナル。言葉と知恵で戦わせたら超一流の策謀家である。
そんな彼だが、この邸に住まう主従。無惨とそのマスターの女に関しては、些か"読み違えてしまった"と認める他なかった。
「いやあ、彼らは駄目だネ。とてもではないが組める相手じゃない」
「アイツめっちゃキレて来たもんな。絶対一緒に働きたくねえタイプだわ」
「決して頭の悪い人物ではないのだろうが、彼の気性は災害のそれだ。
どれだけ綿密に盤面を整えたとしても機嫌一つでそれを壊してしまう」
モリアーティは、鬼舞辻無惨――もとい資産家・松坂を名乗る件の人物はもっと有用な存在になるものと踏んでいた。
ミスがあったとはいえ素早くそれでいて貪欲に立ち回り、社会的信用度の高いロールを偽造してのけた手腕。頭脳。
自分達の"連合"に引き入れることが出来たなら、いざという時に相手の予想外の方向から切れる強力なカードとなる筈だと。
そう思っていたのだが、モリアーティは無惨の気性を読み違えた。
鬼舞辻無惨はまさに災害。ちょっとした火花一つで大爆発を引き起こす爆弾。
利用するという方針は変わらないものの、少なくとも連合に加えて密に連携を取るのはまず不可能だ。
彼に背中を預けるメリットよりも、それによって生じる爆発事故のリスクの方が遥かに大きい。モリアーティは、そう考える。
「アイツ、太陽に当たったら死ぬんだろ?
上手いことやってこの家ごと吹っ飛ばしてやればいいんじゃねえの」
「無しではないがリスクが大きい。それに勿体なくもある。
憎まれっ子が世に憚るコツは、頃合いを見極めることと、資源を無駄にしないことだよ」
「ま、アンタがそう言うならいいけどよ……」
――それにしてもあの女、気持ち悪かったなあ。
そう呟くデンジに、モリアーティも「彼女の件に関してだけは、あのバーサーカーに同情するナァ」と笑った。
鬼舞辻無惨のマスターは、一目で分かる異常者だった。
知能に問題があるわけではない。何か重篤な妄想病を患っているわけでもない。
ただ単純に、人格が取り返しの付かないほど歪んでいる。ねじれている。
気が短く癇癪癖のある無惨が此処まで彼女を殺さずに済んでいるのは快挙だとすらモリアーティには思える。
「ところでライダー君。君、彼女のことを伝えるのかね」
「……あー。どうしようなあ。考え中ってことで」
とはいえ、そこまでなら所詮他人のご家庭の話だ。
無惨がどれだけ苦労しようがデンジ達には何ら関係ないし、むしろデンジなどは溜飲が下がる思いですらある。
だが。無惨のマスターであるあの女は、デンジの独り言を拾って、反応した。
神戸しお。デンジをこの地に喚んだ"愛"を追う少女の名を、驚きと喜びの入り混じったような顔で――口にしたのだ。
「(やっぱり、やべえ奴の周りにはやべえ奴が集まるんだな)」
あの女はしおを知っていた。
ならばしおも、彼女のことを知っているのだろうか。
であれば伝えた方がいいのか。それとも、関わらせない方がいいのか。
デンジは今ひとつ、そこのところを決めかねていた。
……マスターもサーヴァントも揃ってお近付きになりたくないあの主従と、あんまり関わりたくねえなあという私情も、ちょっとある。
「まあ、結論を出すのは早い方がいいとだけ言っておこう。
君がしお君に伝えたなら、もしかするとあのレディもやる気を出してくれるかもしれない」
そうなれば、"彼"の利用価値もまた変わってくる。
言って笑うモリアーティに、デンジは「へいへい」と気のない返事を返した。
「……ふむ」
デンジが後部座席に乗り込んで。
モリアーティは助手席に乗る。
車内に死柄木としおの姿はなかった。どうやら言った通り、買い物か何かに出かけているらしい。
死柄木まで付いて行っているというのは意外だったが、大方執拗に迫られて根負けでもしたのだろう。
さして心配することもなく、モリアーティは自分の携帯端末を起動した。
「(順調に広まっているようだね、彼女の花粉は。
流石はアイドル、現代の花だ。散って尚人々の心に届くとは)」
あるアイドルの失踪。
恐らくは聖杯戦争のマスター、可能性の器の一体であったのだろう少女の死。
アイドルを花と呼ぶならば、それの行動・挙動によって起きる感情の伝播は花粉と呼ぶべきだろう。
モリアーティは、聖杯戦争を自分の望む形に進めるために幾つかの手を打っている。
これもまた、その中の一つ。
現役アイドルの失踪というセンセーショナルなコンテンツを応用して情報のパンデミックを引き起こす。
それにより、自分達の手の届かない場所で地獄が出現するのなら――これ幸いとほくそ笑めばいい。
千本もの糸を張り出した蜘蛛の巣の真ん中に、動かないで坐っているようだと。かつて誰かがそう評した。
そう、ジェームズ・モリアーティとはひとえにそういう存在。だからこその犯罪王。
膨大な本数の糸を使って巣を編み上げ、失敗したならその部分だけを切り離し、結果黒幕の彼には誰も辿り着くことが出来ない。
要するに、いつも通りのやり口だ。特段感慨も期待もせず、自分の編んだプランの行く末を眺めるだけ。
……なの、だったが。
それとは別に一つ。気掛かりなことはあった。
「ライダー君。改めて言うのも何だが、君達は実に運が良い」
「ああ?」
「最初に気付いたのが私で良かった。という話サ」
狡知に長ける毒蜘蛛の王。
彼は既に感じ取っている。見出している。
かつて己がマスターに伝えた時はまだ直感の域を出なかったが、今は既に確信へと変わっていた。
例えば、峰津院財閥を探らせていた時のことがそうだ。
モリアーティをして危険と判断し手を引く結果にはなったが、あの時明らかに、自分以外の何者かが動いている痕跡があった。
既にあの時点で聖杯戦争予選は終盤。藪をつついて蛇を出し死んだと考えることも出来なくはないが、あくまでこれは蜘蛛の存在を感じ取らせた事案の中の一つでしかない。
他にも幾つかの気配と痕跡、兆しから。彼は、以下のように結論付けた。
ほぼ間違いなくこの世界には自分でないもう一匹の蜘蛛が居る。
それが自分と同じ悪を為す者であったならば問題ではない。
その背に糸を繋いで、黒幕気取りのまま操り切ってみせよう。
だが、モリアーティの推察では――
「(悪を貫き善を為す者――といったところか。
荒唐無稽だと笑ってやりたいが、しかしあちらもまたなかなかの蜘蛛なようだ)」
件の蜘蛛は、同業者(あく)ではない。
もしモリアーティと同様に混沌を愛し、人心を拐かし、利用して犯罪を繰り返す者であったなら彼はとっくにその素性を探り当てていただろう。
人材を使い捨てるやり口であったり、一定数の犠牲を許容して何かを得るのを是とする手段を使う手合いであったなら勝負は既に決まっていた。
年季の違いだ。悪を為す者は同じ悪の気配に敏い。
ジェームズ・モリアーティを欺いて悪を為すなど、彼が宿敵と認めたかの名探偵ですら不可能であろう。
にも関わらず、仮称"もう一匹の蜘蛛"は依然としてモリアーティの情報網にも観察眼にもその面影を滲ませない。
そこからモリアーティが推察した彼、ないし彼女の人物像は――"義賊"。
社会の闇に潜んで策を練り、人を動かし、流れを作ってされど弱き者を助けようとする、物語の中だけに許される在り方。
――さて、名も知らぬ君。どうやら我々、随分馬が合わなそうだねェ。
私が目指すのは窮極の破壊。
この界聖杯内界で、私は私の小惑星を発見した。
死柄木弔。彼が羽化すれば、そこには新たな地平線が開けるだろう。
しかして君はそれを望まないね? 命を賭してでも阻止しようとする筈だ。
何故なら君は壊すのではなく、直すことを望むから。
何かを直すために壊す。そういう生き方に殉じた英霊――さながらこの私の鏡写しだ。
ならば私は、鏡の君を否定しよう。
そして君の悉くを上回り、破壊の地平を見せてやるとも。
君の弱点。君の欠点。君が私に及ばない理由。
解っているぞ、もう既に。
君は、シャーロック・ホームズにはなれないのだろう?
踊りたまえ、私の掌で。
追いかけたまえ、私の影を。
捕まえてごらん、犯罪王(モリアーティ)を。
君は私の鏡写し。ならば私もまた、君の鏡写し。
君が殺さねばならぬモノ、だよ。分かっているね?
藻掻きたまえ、若人よ。頑張りたまえ、後輩よ。
殺してみたまえ、悪なるこの身を。
天使も悪魔もありはしない――――《終局的犯罪(カタストロフ・クライム)》が来る前に。
【中央区・住宅街(無惨邸付近)/一日目・午後】
【死柄木弔@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:健康
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円程度
[思考・状況]
基本方針:界聖杯を手に入れ、全てをブッ壊す力を得る。
1:当面の方針はアーチャーに任せる。ただし信用はそこまでしていない。
2:しおとの同盟はとりあえず呑むが、最終的に殺すことは変わらない。
【アーチャー(ジェームズ・モリアーティ)@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:超過剰武装多目的棺桶『ライヘンバッハ』@Fate/Grand Order
[道具]:なし?
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:死柄木弔の"完成"を見届ける。
1:当面は大きくは動かず、盤面を整えることに集中。
2:バーサーカー(鬼舞辻無惨)達は……主従揃って難儀だねぇ、彼ら。
3:しお君とライダー(デンジ)は面白い。マスターの良い競争相手になるかもしれない。
4:"もう一匹の蜘蛛(
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ)"に対する警戒と興味。
【神戸しお@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:健康
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数千円程度
[思考・状況]
基本方針:さとちゃんとの、永遠のハッピーシュガーライフを目指す。
1:ふぉれのわーる!!!
2:とむらくんとおじいちゃん(モリアーティ)についてはとりあえず信用。一緒にがんばろーね。
3:最後に戦うのは。とむらくんたちがいいな。
【ライダー(デンジ)@チェンソーマン】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円(しおよりも多い)
[思考・状況]
基本方針:サーヴァントとしての仕事をする。聖杯が手に入ったら女と美味い食い物に囲まれて幸せになりたい。
1:……あんま難しいことは考えねえようにすっかあ。
2:死柄木とジジイ(モリアーティ)は現状信用していない。特に後者。とはいえ前者もいけ好かない。
3:しおにあの女(さとうの叔母)のことを伝える?
時系列順
投下順
最終更新:2021年09月02日 23:05