小見山泰子

小見山泰子(こみやまやすこ、1922年8月-1997年3月)は、日本の農学者、教育者。東京大学教授東京国際福祉大学教授・学長()。

概要

1922年8月、新潟県出身。小学校卒業と同時に「6.3.3.教育令」が発布・施行され、中学校に進学。高校卒業後、戦時下だったことから工廠で女工として勤務。1945年8月の終戦に伴い、地元役所で臨時事務員として勤務。翌年、勤務の傍らで苦学の末に東京大学へ進学し上京する。同年、弟も東大へ進学する。弟は、土佐大学教授・高知県知事などを務めた、小見山大志である。

学部生での専攻は、流通管理などの経済学分野であったが、農林省での勤務を経て食糧政策に傾倒。大学教員採用試験を経て、東京大学研究助手として採用。農林省出身の大学教授であった井出拓郎の下、食糧流通システムによるコメ流通制度研究に従事。大学での採用10年目に准教授に昇進したため、専攻を食糧管理論として独立。1965年当時、農学部初女性研究室となった。1973年に教授に昇進し、東大農学部初の女性教授となる。1975年の社会産業構造研究所設立に従って同研究所教授に兼任。
1980年、東京国際福祉大学の副学長として着任。60歳で同大学の6代目学長となる。
1975年から4期16年間にわたって中央教育審議会委員を務め、女性教育分科会長などを歴任。

ゼミ生には、日吉清隆(首相)、中園慎太郎(農林省官僚)、白井万里(NHK記者・ディレクター)、片桐正平(フードリンク社長)、秋山琴音(東大院准教授)、村田達也(参院議員)などがいる。

経歴

1941年3月_新潟県立新発田女子高等学校・卒業
1946年4月_東京大学・入学
1950年3月_東京大学経済学部経済学科(流通管理論ゼミ)・卒業
1950年4月_農林省入省
1950年7月_東北農政局流通部市場課
1951年10月_宮城県庁へ出向
1951年10月_農林水産局食料部流通課主務
1953年4月_本省へ帰任
1953年4月_食糧局価格調整課
1954年10月_退官
1955年4月_東京大学農学部研究助手・(井出拓郎ゼミ/食糧流通論)
1958年4月_東京大学農学部講師・(井出拓郎ゼミ/食糧流通論)
1965年4月_東京大学農学部准教授(食糧管理論)
1973年4月_東京大学農学部教授(食糧管理論)
1975年4月_(併任)東京大学農学研究科教授
1975年4月_(併任)東京大学社会産業構造研究所教授
1975年4月_(併任)東京大学官学連携研究センター教授
1980年4月_東京国際福祉大学副学長・特任教授(流通経営論)
1983年4月_東京国際福祉大学学長(6代目)・教授(流通経営論)
1988年3月_同大学退官
最終更新:2025年07月09日 17:17