医局員補(いきょくいんほ)は、
医師法第64条および附則第1条、
医学教育法、
医師国家試験法に基づく制度であり、1905年から1970年までの65年間に及び我が国の医師教育に多大な貢献を果たした制度である。
概要
医局員補は、医師国家試験に合格した者が、1年から2年の医局における研修を経て、医療実務に従事するための現場研修のための期間である。基本的には、2年間を大学医局において医療行為の勉学や実務研修に充て、専攻科指導教授の認可を受けて医師として従事することになる。ただし一部の例外として、指導教授の認可によって1年間で修了することも可能である。
日本医師会会長であった
二見武豊も、
九州大学中津分院内科教授の
藤原一子の認可を受けて、最短1年で修了しているが、実例は極めて稀である。
問題点
医局員補制度の最大の問題点は、大学医局への権力集中と肥大化にある。一般病院への人材供給のために多大な時間を割くことが問題とされ、大学医局の権力規模拡大は、日本の医療業界全体を苦しめていた。
研修医制度への転換によって、日本における医療実務研修の実施幅が広がり、我が国における安定的な医療人事供給に寄与することとなった。
歴史
- 1902年_医療行為法の公布に向けて、医療教育制度の拡充が進められる。
- 1904年_内務中央審議会答申によって、内務長官により、医局員補制度に関する通達が布告。
- 1905年_医療行為法施行に伴い、医局員補制度が開始。
- 1946年_医療行為法の廃止、医師法の制定により根拠法が変更。
- 1957年_医学生全国連合会から日本医師会へ、医局員補制度廃止を求める嘆願書が手渡される。
- 1958年_厚生中央審議会から文部省へ、「医科大学の再編整理及び医療教育に対する影響調査要請」が出される。
- 1963年_文部省は、医科大学の再編整理に関する特別省令と医局員補制度に関する影響調査結果を公表。
- 1964年_日本医師会から厚生労働大臣へ、医局員補制度の廃止に関する要請書が手渡される。
- 1966年_厚生中央審議会は、医療実務研修等に関する専門家委員会を発足。
- 1968年_「研修医制度の整備に関する専門家委員会」が発足。
- 1970年_医師法改正に伴い、医局員補制度の廃止と研修医導入が決まる。
最終更新:2026年08月06日 06:42