チョコPart2 - ひょんなことから女の子

208 名前： 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日： 2006/08/25(金) 22:44:45.45 ID:j4ujHEYN0
　　　　　翌日。朝。

　　　　　ケータイ「こなああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいね」

　　　　　携帯のアラームを止める。曲が中途半端に止まるのはなかなかおもしろくて好きだ。
　　　　　時刻を確認すると六時半だった。
　　　　　夜中に録ったビデオ見て、朝シャンして、ＶＩＰ見て、飯食って、昨日買った服に着替えて……
　　　　　さて、スケジュールも組み立てたし、とりあえずトイレにでも行こう。
　　　　　トイレに着き、ズボンのチャックをおろし、用を…………アレ？
　　　　　なんだろ、この感じ。…………ってか無い。ってか無い。ってか無いってどうして？
　　　　　そういえば胸が少し大きくなってる？　…………マジ？
　　　　　あー、夢かな？　オレが女になった夢なのかな？　……違うか、ほっぺた痛いし。
　　　　　とりあえず用を足そう。ズボンを脱いで座ってやればいいんだろ？

　　　　　ヒカル「あー、あー、あえいうえおあお」

　　　　　トイレから出て、声を確認してみるが、特に変わった気がしない。
　　　　　鏡で顔や体つきも確認するがやはりあまり変わっていない。胸が少し大きくなったくらいだ。
　　　　　だが肝心な部分だけは完全に変わっていた。どう見ても女です。本当に（ｒｙって感じだ。
　　　　　誰かに言うべきなのだろうか。それとも言わないほうが良いのか。
　　　　　……ってか今日もカオルと会うのにどうすりゃいいんだよ？
　　　　　今から断るのも悪いし、誤魔化すしかないか。要はバレなきゃいいんだ。バレなきゃ。

　　　　　『男でも女でも大好きだよ、ヒカル』

　　　　　……バレなくても、ダメか。ダメだよな、やっぱ。
　　　　　カオルに黙ってるのはダメだ。カオルには言おう。ひょんなことから女の子になったって。
　　　　　…………とりあえずビデオ見よっか。テレビの電源をつけ、ビテオを巻き戻す。

205 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:12:25.64 ID:KajWaIJ10
　　　　　……もうこんな時間か。そろそろ着替えて出かけないとな。

　　　　　ヒカル「でも、ホントにコレ着てかなきゃダメなのか……」

　　　　　昨日買った服を改めて見てみる。白いミニスカートに薄いピンクのブラウス。
　　　　　……無理だ。しかも今までは家の中だったり学校の敷地内だったのに、今日は外に出なきゃいけない。
　　　　　どうしよう。謝って許してもらおうか。でもカオルがガッカリするだろうし……
　　　　　そんなことを考えているといきなり部屋のドアが開いた。

　　　　　ママ「今日はお布団干すから…………」

　　　　　母さんが固まってる。オレが持ち上げている服を見ながら。

　　　　　ヒカル「あっ、いや、これは、カオルに」
　　　　　ママ「アンタ、目覚めちゃったの？」
　　　　　ヒカル「へ？　いや、だから、カオルに着て来てって」
　　　　　ママ「隠さなくたって良いわよ、きっと似合うわ」
　　　　　ヒカル「だから目覚めてないし」
　　　　　ママ「もう、アンタがどんな趣味を持っていようが母さんはアンタの味方よ」
　　　　　ヒカル「……人の話聞いてる？」
　　　　　ママ「あっ、着替えるのよね？　じゃあ母さんはあっちの部屋行ってるわね」
　　　　　ヒカル「…………」

　　　　　行ってしまった。
　　　　　絶対勘違いしたままってか思い込んだままだろうな。…………もうどうでもいいや。
　　　　　さっさと着替えて出かけよう。

206 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU [正直服装適当だよね。似合わなさそう。] 投稿日： 2006/08/27(日) 23:13:48.81 ID:KajWaIJ10
　　　　　待ち合わせ場所の本屋についた。店内を少し歩いてみるが、カオルは見当たらない。
　　　　　暇潰しにジャンプやマガジン、まんがタイムきららを立ち読みする。天〇パラダイスおもしれー。
　　　　　……しかし、女装していることを思い出すと、とてつもなく不安になる。バレたら変態確定じゃん。
　　　　　オレ、変なトコないかな？　このスカートってこっちが前で良かったのか？
　　　　　…………ダメだ。考えてもわかるもんじゃない。服装なんてどうだっていいさ。
　　　　　どんな格好だろうと立ち読みしてれば気にならないし。
　　　　　…………オレ、今はホントに女になってるんだから問題ないじゃん。いや、むしろそれが問題か。

　　　　　？？「もしもし、そこのかわいいお嬢さん」
　　　　　ヒカル「……はい？」
　　　　　？？「私とお茶でもいかがですか？」
　　　　　ヒカル「じゃあドコか喫茶店でも行こっか。カオルはドコか希望ある？」
　　　　　カオル「……ない」
　　　　　ヒカル「じゃあすぐ近くの店でいいね」
　　　　　カオル「うん。それはいいんだけどさ」
　　　　　ヒカル「いいんだけど？」
　　　　　カオル「その服、やっぱり似合ってるね。かわいい。グーだよグー、チョベリグ」
　　　　　ヒカル「チョベリグって……」
　　　　　カオル「そんくらいかわいいってこと」
　　　　　ヒカル「あー、えっと……///」
　　　　　カオル「照れてるともっとかわいいよ」
　　　　　ヒカル「…………///」

207 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:14:28.98 ID:KajWaIJ10
　　　　　喫茶店に入ると、オレはチョコレートパフェを、カオルはイチゴパフェを頼んだ。

　　　　　カオル「ヒカルってホントに好きだよね、パフェとかっ」
　　　　　ヒカル「うん。でもカオルも好きでしょ？」
　　　　　カオル「そりゃあ好きだけどね。私は正真正銘女の子だし」
　　　　　ヒカル「……やっぱ男がパフェ食べるのっておかしいかな？」
　　　　　カオル「そんなことないよ、ヒカルかわいいし」
　　　　　ヒカル「そういう問題かな……」
　　　　　カオル「それに今のヒカルを見たら、知り合い以外は男だなんて思わないよ」
　　　　　ヒカル「……そう」

　　　　　何で女装してるんだろうな、オレ。冷静に考えるとバカだよな。ホント、何やってんだろ。
　　　　　女装して、パフェ食べて…………バカだな。むしろ変態か？

　　　　　ヒカル「……あのさ、女装してさ、パフェ食べてさ、オレって変態かな？」
　　　　　カオル「んー……そんなことないよ、ヒカルかわいいし」
　　　　　ヒカル「それが問題なんじゃ……」
　　　　　カオル「へーきへーき。かわいいは正義とかっ」

　　　　　どこらへんが平気なんだろ。まあ悩んでどうにかなることでもないしな。
　　　　　……それより、今の問題はこの身体か。正直、あまり気にならないが、肝心な部分が変わっている。
　　　　　やっぱ、カオルに言ったほうが良いよな。

　　　　　ヒカル「あのさ」
　　　　　カオル「何？」
　　　　　ヒカル「ちょっと話したいことがあるからさ、このあとカオルん家行かない？」
　　　　　カオル「別に良いけど……話したいことって？」
　　　　　ヒカル「……あとでね」
　　　　　カオル「うん…………？」

208 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:15:15.22 ID:KajWaIJ10
　　　　　パフェを食べ終えてカオルの家に行く。

　　　　　ヒカル「……で、話なんだけどさ」
　　　　　カオル「なんなの？」
　　　　　ヒカル「驚かないで聞いてほしいんだ」
　　　　　カオル「驚かないから早く話してよ～」
　　　　　ヒカル「実はオレ……ひょんなことから女の子になっちゃったんだ」
　　　　　カオル「…………それだけとかっ？」
　　　　　ヒカル「だけ、だけど……」
　　　　　カオル「なーんだ、女の子になっただけか」
　　　　　ヒカル「……驚かないの？」
　　　　　カオル「だって元々女の子みたいだったし」
　　　　　ヒカル「いや、"みたい"と"そのもの"は全然違うでしょ」
　　　　　カオル「でもホントなの？」
　　　　　ヒカル「だからホントなんだってば！」
　　　　　カオル「どれどれ」

　　　　　そう言うと、カオルがオレの服を脱がし始めた。

　　　　　ヒカル「……って、何してんのっ！？」
　　　　　カオル「何って、チェックだよチェック。レッツチェキッ☆」
　　　　　ヒカル「チェックって？」
　　　　　カオル「ヒカルがどれくらい女の子なのかを」
　　　　　ヒカル「そ、それって服…………脱ぐ？」
　　　　　カオル「ＹＥＳ」
　　　　　ヒカル「もしかしてエロエロですかー！？」
　　　　　カオル「ＹＥＳＹＥＳＹＥＳ」
　　　　　ヒカル「……どうしても？」
　　　　　カオル「調べなきゃどうしようもないでしょ」
　　　　　ヒカル「…………やさしくしてね」

209 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:16:08.60 ID:KajWaIJ10
　　　　　結局、服を脱がされ１０分程調べられた。

　　　　　ヒカル「うぅ……もうお嫁に行けない…………」
　　　　　カオル「何言ってんの、大したことしてないでしょ？」

　　　　　実際のところ、頭のてっぺんから足の裏まで見られたが、大したことはされなかった。
　　　　　まあ胸を触られたり指を挿入されたり何故か耳を甘噛みされたりしたが、そこまでえっちじゃなかった。

　　　　　ヒカル「そ、そうだけど、指ぃ～……」
　　　　　カオル「もう、あんなの大したことないって」
　　　　　ヒカル「…………そうなの？」
　　　　　カオル「うふふ、もっとスゴイのやってあげようか？」
　　　　　ヒカル「え、遠慮しますっ///」

　　　　　かなり興味があるが、それ以上に恐怖もあるので断っておく。

　　　　　カオル「でもおかげで大体わかったよ」
　　　　　ヒカル「ホントに？」
　　　　　カオル「うん。カンペキに女の子になってる」
　　　　　ヒカル「やっぱり……」
　　　　　カオル「コレはズバリ、思春期心因性自己完結性転換症だね」
　　　　　ヒカル「……何ソレ？」
　　　　　カオル「子供が無理すると性別が変わるって病気とかっ」

　　　　　――インチキくさい！ってかフリクリじゃん！

210 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:16:42.56 ID:KajWaIJ10
　　　　　ヒカル「ま、カオルにわかるわけないか」
　　　　　カオル「もっとえっちぃことしてみればわかるとかっ」
　　　　　ヒカル「わかるわけないだろっ」
　　　　　カオル「えっちぃことしようぜ」
　　　　　ヒカル「しない」
　　　　　カオル「へーんだ。甲斐性なしー。臆病鶏ー！チキンチキンー！」
　　　　　ヒカル「はいはい。いい加減にしないと西尾さんに怒られるよ？」
　　　　　カオル「じゃあやめるっ」
　　　　　ヒカル「そう、良かった」
　　　　　カオル「でもさ、ホントになんでそんな風になっちゃったんだろうね？」
　　　　　ヒカル「うん……理由がわかんないんだよ」
　　　　　カオル「私のこと、好き？」
　　　　　ヒカル「な、なんだよ急にっ。…………好きだけどさ///」
　　　　　カオル「じゃあきっとひとりえっちのし過ぎだね」
　　　　　ヒカル「えっ！？　ってか女の子がそんなこと言っちゃダメッ！！」
　　　　　カオル「真実だからしょうがないよ。ヒカルは夜な夜な私の裸を想像してたんだよね」
　　　　　ヒカル「ち、違っ！」
　　　　　カオル「……違う人の裸なの？」
　　　　　ヒカル「いや、そうじゃなくて……」
　　　　　カオル「とにかく、えっちなことをして性別が変わってしまったのです」
　　　　　ヒカル「しまったのですって……」
　　　　　カオル「だからえっちなことをすれば戻れるハズなのです」
　　　　　ヒカル「…………つまり？」
　　　　　カオル「えっちぃことしようぜ」
　　　　　ヒカル「結局ソレかっ！？」
　　　　　カオル「だってヒカルの裸見てたら欲求不満になっちゃったんだもん」
　　　　　ヒカル「嬉しいけど嬉しくない」
　　　　　カオル「私、レズよりのバイだし」
　　　　　ヒカル「レズよりなのかよ…………」

211 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:17:13.74 ID:KajWaIJ10
　　　　　ヒカル「とにかくえっちなことはしませんっ！」
　　　　　カオル「えぇー」
　　　　　ヒカル「えぇー、じゃない」
　　　　　カオル「まあいいや。コレ着けてみて」

　　　　　そう言って何かを渡される。…………ブラジャーだった。

　　　　　ヒカル「コレを着けろと？」
　　　　　カオル「うん。私のお古だけどＡＡＡだし、多分サイズは大丈夫だと思うよ」
　　　　　ヒカル「え……コレ、カオルが着けてたの？」
　　　　　カオル「そうだよ、小学生の頃だけどね」
　　　　　ヒカル「コレを、カオルが…………///」
　　　　　カオル「……ヒカルのえっち。今絶対えっちなこと考えてたでしょ」
　　　　　ヒカル「か、考えてない考えてない///」
　　　　　カオル「隠さなくてもいいのに……」
　　　　　ヒカル「でさ、コレ、ホントに着けるの？」
　　　　　カオル「うん、当然。……着け方わかんないとかっ？」
　　　　　ヒカル「……わかんない」
　　　　　カオル「じゃあ着けてあげよう」

　　　　　そう言われ、ブラジャーをカオルに渡すと解説しながら着けてくれた。

　　　　　カオル「わかった？」
　　　　　ヒカル「うん///」
　　　　　カオル「ソレあげるね。私にはもう小さいし」
　　　　　ヒカル「あ、ありがと///」
　　　　　カオル「……パンツもあげよっか？」
　　　　　ヒカル「えっ！？///」
　　　　　カオル「流石に嘘だよ、じょ・う・だ・ん。ビックリしたとかっ？」
　　　　　ヒカル「…………うん」

212 名前： カタカナ ◆iqP3HuSAqU 投稿日： 2006/08/27(日) 23:17:58.11 ID:KajWaIJ10
　　　　　鏡でブラジャーを着けた自分を見てみた。正直、自分で言うのもなんだが結構かわいいと思う。
　　　　　しかし、顔も体型も男の時と大差ないから複雑だ。

　　　　　カオル「かわいいね」
　　　　　ヒカル「……うん」
　　　　　カオル「とうとう認めたとかっ？」
　　　　　ヒカル「まあね」
　　　　　カオル「前からかわいかったよ」
　　　　　ヒカル「……残念ながらね」
　　　　　カオル「喜ばしいことだよ」
　　　　　ヒカル「そうかもね」
　　　　　カオル「うん、そうだよ」

　　　　　自分自身のことくらい認めないとな…………それに、"女みたい"と"女"はやっぱり別物だ。

　　　　　カオル「でさ、学校はどうするの？」
　　　　　ヒカル「こんなんだし、胸もほとんどないし、行こうと思ってる」
　　　　　カオル「そっか、まな板だもんね」
　　　　　ヒカル「……なんか毒のある言い方だね」
　　　　　カオル「でももしバレそうになったら言ってね。フォローするから」
　　　　　ヒカル「うん、ありがと」

　　　　　その後、もう少しだけ話して帰った。
　　　　　家族に言うつもりはない。他の誰にも話す予定はない。多分、カオルにしか話さない。