ひょんなことから女の子
『ながい揚げパン』1
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163 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [タイトルに意味はなし] 投稿日: 2006/09/01(金) 23:13:25.47 ID:6ajLO5sl0
『ながい揚げパン』
『ながい揚げパン』
ぴぴるぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪
朝。目覚ましの音に起こされる。軽く目を擦るが、目を開けない。もう少し強く擦り、
どうにか目を開く。しかし、ぼやけて良く見えない。手探りで目覚ましの隣りに置いてあ
るメガネを手に取り、かける。すると、今までかかっていたモザイクが取れる。周りが見
えるようになったところで目覚ましを止め、時間を確認する。午前六時三分。よし、寝坊
はしていない。まだ眠いけど、ガンバってベッドから出る。トイレに入り、顔を洗い、朝
食を食べ、歯を磨き、寝癖を直し、パジャマを脱ぎ、スーツに着替える。携帯で時間を確
認すると、四十分になっていた。まだ少し余裕がある。
「どうしよっかな、と……あ、そういえば…………」
昨日、学校のそばのお店でジュースを貰ったのを思い出した。冷蔵庫を開け、ジュース
を取り出し、一気に飲み干す。…………結構好きな味だ♪ 今日は何か良いことがあるか
もしれない。少し早いけど学校に行こうか。そう思い出掛けようとするが、なんだかうま
く歩けない。どうしたんだろう。わけも分からないまま、ボクは気を失ってしまった。
朝。目覚ましの音に起こされる。軽く目を擦るが、目を開けない。もう少し強く擦り、
どうにか目を開く。しかし、ぼやけて良く見えない。手探りで目覚ましの隣りに置いてあ
るメガネを手に取り、かける。すると、今までかかっていたモザイクが取れる。周りが見
えるようになったところで目覚ましを止め、時間を確認する。午前六時三分。よし、寝坊
はしていない。まだ眠いけど、ガンバってベッドから出る。トイレに入り、顔を洗い、朝
食を食べ、歯を磨き、寝癖を直し、パジャマを脱ぎ、スーツに着替える。携帯で時間を確
認すると、四十分になっていた。まだ少し余裕がある。
「どうしよっかな、と……あ、そういえば…………」
昨日、学校のそばのお店でジュースを貰ったのを思い出した。冷蔵庫を開け、ジュース
を取り出し、一気に飲み干す。…………結構好きな味だ♪ 今日は何か良いことがあるか
もしれない。少し早いけど学校に行こうか。そう思い出掛けようとするが、なんだかうま
く歩けない。どうしたんだろう。わけも分からないまま、ボクは気を失ってしまった。
164 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU 投稿日: 2006/09/01(金) 23:14:34.54 ID:6ajLO5sl0
ココはドコ? イマはイツ? ボクはナニをシテイル?
とりあえず、ボクは倒れていたらしい。立ち上がる。メガネは無事だった。ボクはスー
ツを着ている。場所はボクのアパートだ。今日は金曜日。そして時間は午前七時四十分。
…………。
「にゃあああああああ!!!!!」
遅刻だ遅刻。学校だ学校。いや、今からでも間に合う。急げば。怒られる。早く学校。
ご飯食べて。着替えて。寝癖。歯。顔。メガネ。目覚まし。何をしている。何をすればい
い。学校に。今すぐ学校に行く!
かなり混乱していたが、なんとか部屋を出て自転車に……部屋の鍵をかけて、自転車に
乗る。動かない。自転車の鍵を外し、今度こそ学校へ向かう。間に合ってほしい。怒られ
たくない。しかし、なんか自転車が漕ぎ辛い。サドルにイタズラでもされたかな。まあい
いや。今は学校だ。とにかく急げ。限界スピード。ベスパを超えろ。信号が何色でも、ブ
レーキなんてかけない。でもパトカーがいたら止まる。なんでもいい。学校まで飛ばす。
「…………着いたっ!」
正門近くの時計を見ると、時刻は七時五十六分。なんとかなった。まだ平気な時間だ。
自転車を駐輪場に止め、下駄箱で革靴をサンダルに履き替える。階段を一階上ると、そこ
が職員室だ。職員室のドアを開けると、ほとんどの先生が揃っていた。
「おはようございますっ!寝坊してしまいましたっ!」
そう言って職員室に入ると、ドアの近くにいた先生がやってくる。
「君、もしかして転校生?」
…………。
「やだなぁ、先生。ボクがちっちゃいからってからかわないでくださいよ」
「…………知り合いだったかな?」
…………。
ココはドコ? イマはイツ? ボクはナニをシテイル?
とりあえず、ボクは倒れていたらしい。立ち上がる。メガネは無事だった。ボクはスー
ツを着ている。場所はボクのアパートだ。今日は金曜日。そして時間は午前七時四十分。
…………。
「にゃあああああああ!!!!!」
遅刻だ遅刻。学校だ学校。いや、今からでも間に合う。急げば。怒られる。早く学校。
ご飯食べて。着替えて。寝癖。歯。顔。メガネ。目覚まし。何をしている。何をすればい
い。学校に。今すぐ学校に行く!
かなり混乱していたが、なんとか部屋を出て自転車に……部屋の鍵をかけて、自転車に
乗る。動かない。自転車の鍵を外し、今度こそ学校へ向かう。間に合ってほしい。怒られ
たくない。しかし、なんか自転車が漕ぎ辛い。サドルにイタズラでもされたかな。まあい
いや。今は学校だ。とにかく急げ。限界スピード。ベスパを超えろ。信号が何色でも、ブ
レーキなんてかけない。でもパトカーがいたら止まる。なんでもいい。学校まで飛ばす。
「…………着いたっ!」
正門近くの時計を見ると、時刻は七時五十六分。なんとかなった。まだ平気な時間だ。
自転車を駐輪場に止め、下駄箱で革靴をサンダルに履き替える。階段を一階上ると、そこ
が職員室だ。職員室のドアを開けると、ほとんどの先生が揃っていた。
「おはようございますっ!寝坊してしまいましたっ!」
そう言って職員室に入ると、ドアの近くにいた先生がやってくる。
「君、もしかして転校生?」
…………。
「やだなぁ、先生。ボクがちっちゃいからってからかわないでくださいよ」
「…………知り合いだったかな?」
…………。
165 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU 投稿日: 2006/09/01(金) 23:15:56.14 ID:6ajLO5sl0
「何言ってるんですか!ボクですよボク。2A担任、数学の鈴木ですっ!」
「…………鈴木先生の妹さん? 良く見れば似てますね」
…………この人は。どこまでからかう気なんだ。もう全く。
「もういいです!」
自分の机に鞄を置き、トイレに行くことにする。それにしても、転校生とか妹とか、確
かに背は低いけれどあんまりだ。
職員用トイレは職員室の前にある。トイレに入り、便器の前に立ち、チャックを開け、
トランクスを…………アレ? なんかおかしいな。なんだろ? ……あ、わかった。そっ
か、違和感の正体はアレだ。アレがないんだ。
「…………にゃあああああ!!!!」
なんで? なんで? なんで? WHY? なんでなくなってるの? これは悪い夢?
……そうだ、落ち着こう。顔でも洗えば落ち着くさ。顔でも…………
「にゃあああああ!!!!!」
WHO SHE IS? この鏡に映ってる女の子は誰? …………もしかしてボク?
この子が、ボク? それでさっき転校生とか妹とか言われたのか。って、どうしよう?
こんな姿じゃボクだって信じてもらえない。どうにかして先生方に信じてもらわなきゃ。
トイレから出て、再び職員室に入る。みんなの注目を集めるように、真ん中まで移動す
る。すると、知らない姿の人間がいるからか、みんながこっちを見てくれた。
「えーっとですね。ボクはこんな姿をしていますが、2A担任、数学の鈴木ですっ!」
みんな、明らかに信じてない。そんな目で信じているわけがない。
「ホントなんですっ!妹なんかじゃありません!本人です!!」
まだ信じない。やっぱり、何か証拠がないと…………
「ホラ、このスーツとか、見覚えありませんか?」
ダメだ。どうせ借りてきたんでしょ、って感じだ。どうしよう。
「何言ってるんですか!ボクですよボク。2A担任、数学の鈴木ですっ!」
「…………鈴木先生の妹さん? 良く見れば似てますね」
…………この人は。どこまでからかう気なんだ。もう全く。
「もういいです!」
自分の机に鞄を置き、トイレに行くことにする。それにしても、転校生とか妹とか、確
かに背は低いけれどあんまりだ。
職員用トイレは職員室の前にある。トイレに入り、便器の前に立ち、チャックを開け、
トランクスを…………アレ? なんかおかしいな。なんだろ? ……あ、わかった。そっ
か、違和感の正体はアレだ。アレがないんだ。
「…………にゃあああああ!!!!」
なんで? なんで? なんで? WHY? なんでなくなってるの? これは悪い夢?
……そうだ、落ち着こう。顔でも洗えば落ち着くさ。顔でも…………
「にゃあああああ!!!!!」
WHO SHE IS? この鏡に映ってる女の子は誰? …………もしかしてボク?
この子が、ボク? それでさっき転校生とか妹とか言われたのか。って、どうしよう?
こんな姿じゃボクだって信じてもらえない。どうにかして先生方に信じてもらわなきゃ。
トイレから出て、再び職員室に入る。みんなの注目を集めるように、真ん中まで移動す
る。すると、知らない姿の人間がいるからか、みんながこっちを見てくれた。
「えーっとですね。ボクはこんな姿をしていますが、2A担任、数学の鈴木ですっ!」
みんな、明らかに信じてない。そんな目で信じているわけがない。
「ホントなんですっ!妹なんかじゃありません!本人です!!」
まだ信じない。やっぱり、何か証拠がないと…………
「ホラ、このスーツとか、見覚えありませんか?」
ダメだ。どうせ借りてきたんでしょ、って感じだ。どうしよう。
166 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU 投稿日: 2006/09/01(金) 23:16:50.77 ID:6ajLO5sl0
「ねえ、あなたホントに鈴木先生なの?」
そう聞いてきたのは、ウチのクラスの近藤さんだった。なんで職員室にいるんだろう?
まあそんなことはどうでもいい。渡りに船とはこのことだ。
「近藤さんは信じてくれるんだねっ?」
「もしもホントに鈴木先生なら、パラパラ、踊れるよね?」
…………パラパラって、先週教えてもらったやつ?
「アタシ、手拍子やるから踊ってよ」
そう言うと、パンッパンッと手を叩き始める。…………やるしかないか。ちゃんと出来
ているか不安だけど、覚えている通りに踊る。近藤さんのお手本を思い出しながら、一生
懸命踊る。少しすると、手拍子が止まった。
「この娘、ホントに鈴木先生みたいです」
どうやら信じてもらえたようだ。しかし、先生方は疑ったままだ。それでも、信じても
らえたことが嬉しい。
「近藤さんありがとうっ!…………でも、なんで職員室に?」
「いや、ちょっと宿題忘れてて……」
「にゃっ!? ダメだよ宿題忘れちゃっ!」
「ゴメ~ン」
…………アレ? いつの間にか職員室のムードが変わってる? 何が起きたの?
「いや、すみません。まさか鈴木先生だとは思わなくて」
「なんで女の子になっちゃったんですか?」
「ホントに女の子なんですか?」
信じてくれた? でも急に……なんで?
「なんで信じてくれたんですか?」
「「「『にゃっ』で」」」
…………ボクは先生方から『にゃっ』て言う奴だと思われてたのか。確かによく言うけ
どさ、あんまりじゃないかな、それは。
「とにかく、信じてくれてありがとうございます」
「いえいえ。それよりもうすぐ朝礼ですよ」
時計を見ると、時刻は八時十分。朝礼は各クラスで担任が、八時十五分から始めること
になっている。ボクは素早く準備をして教室へと向かった。
「ねえ、あなたホントに鈴木先生なの?」
そう聞いてきたのは、ウチのクラスの近藤さんだった。なんで職員室にいるんだろう?
まあそんなことはどうでもいい。渡りに船とはこのことだ。
「近藤さんは信じてくれるんだねっ?」
「もしもホントに鈴木先生なら、パラパラ、踊れるよね?」
…………パラパラって、先週教えてもらったやつ?
「アタシ、手拍子やるから踊ってよ」
そう言うと、パンッパンッと手を叩き始める。…………やるしかないか。ちゃんと出来
ているか不安だけど、覚えている通りに踊る。近藤さんのお手本を思い出しながら、一生
懸命踊る。少しすると、手拍子が止まった。
「この娘、ホントに鈴木先生みたいです」
どうやら信じてもらえたようだ。しかし、先生方は疑ったままだ。それでも、信じても
らえたことが嬉しい。
「近藤さんありがとうっ!…………でも、なんで職員室に?」
「いや、ちょっと宿題忘れてて……」
「にゃっ!? ダメだよ宿題忘れちゃっ!」
「ゴメ~ン」
…………アレ? いつの間にか職員室のムードが変わってる? 何が起きたの?
「いや、すみません。まさか鈴木先生だとは思わなくて」
「なんで女の子になっちゃったんですか?」
「ホントに女の子なんですか?」
信じてくれた? でも急に……なんで?
「なんで信じてくれたんですか?」
「「「『にゃっ』で」」」
…………ボクは先生方から『にゃっ』て言う奴だと思われてたのか。確かによく言うけ
どさ、あんまりじゃないかな、それは。
「とにかく、信じてくれてありがとうございます」
「いえいえ。それよりもうすぐ朝礼ですよ」
時計を見ると、時刻は八時十分。朝礼は各クラスで担任が、八時十五分から始めること
になっている。ボクは素早く準備をして教室へと向かった。