ちぎりパン（バニラチョコ）６ - ひょんなことから女の子

302 名前： Ego ◆iqP3HuSAqU [ちぎりパン（バニラチョコ）] 投稿日： 2006/09/23(土) 07:31:32.75 ID:mJv+SDrsO
　　　　　　ピンポーン。と、玄関のチャイムが鳴る。
　　　　　「はーい」
　　　　　　彼氏がドアを開ける。セールスか何かだろうか？
　　　　　「あれ？　ここって……」
　　　　　「あ～……あの」
　　　　　　どうやらセールスとは違うようだ。まあとりあえずセールスレディじゃないならよかっ
　　　　　た。じゃあなんだろう？
　　　　　「どうかしたの……ってトモッ！？」
　　　　　「え、何で俺の名前…………？」
　　　　　「…………あ」

303 名前： Ego ◆iqP3HuSAqU [なんかホント、最近短いなぁ……] 投稿日： 2006/09/23(土) 07:33:21.48 ID:mJv+SDrsO
　　　　　「……と、まあそんな感じ」
　　　　　　トモに今までのことを話した。それというのも、トモは高校時代の数少ない友達だ。あ
　　　　　まり失いたくはない。
　　　　　「信じられないけど、信じるしかなさそうだな……」
　　　　　　どうにか信じてもらえたようだな。良かった良かった。
　　　　　「それにしてもお前、いくらなんでも男の彼女になるとかねーよ」
　　　　　「う、うるさい！フリーターのお前なんかより収入良いんだからなっ！！」
　　　　　「なにぃっ！？」
　　　　　「それに彼氏は良いヤツで、別にエロいことをするでもなく一緒に暮らしてるだけだ！」
　　　　　「……マジか？」
　　　　　「ああマジだ」
　　　　　「じゃあエロいことされたら？」
　　　　　「なっ！？　そ、それは……その時は…………」
　　　　　　彼氏なら…………オレは、どうするんだろ？　オレは…………
　　　　　「…………彼氏はさ、正直、したいの？」
　　　　　「え？　う～ん……まだ早いかな。好きな人は大切にしたいからね」
　　　　　「…………恥ずかしいセリフ禁止///」

304 名前： Ego ◆iqP3HuSAqU [金はないが小説は買いたい] 投稿日： 2006/09/23(土) 07:38:32.53 ID:mJv+SDrsO
　　　　　「なんかすっかり女の子やってんのな」
　　　　　「ち、ちがっ」
　　　　　「……なんか俺、邪魔みたいだし帰るわ」
　　　　　「え、おい……」
　　　　　「じゃあな、彼氏さんと仲良く。それから彼氏さん、コイツのことよろしく」
　　　　　「あ、はい」
　　　　　「じゃ」
　　　　　　まだ３０分も経っていないのにトモは帰ってしまった。不思議と、あまり引き止める気
　　　　　も起きなかった。
　　　　　「……よろしくだって」
　　　　　「…………そうだな」
　　　　　　な～んかダメだ、最近。彼氏のことばっか考えて、他のことが考えられない。なんだろ
　　　　　うね、コレは。子宮でものを考えるってこういうこと？　好きなのかなぁ……やっぱり。
　　　　　もう女なんだし、少しはそれらしくしようかなぁ…………

306 名前： Ego ◆iqP3HuSAqU [作品No.V「ちぎりパン（バニラチョコ）」] 投稿日： 2006/09/23(土) 07:59:00.51 ID:mJv+SDrsO
　　　　　　オレがワタシに変わったのはいつだったかな？

　　　　　「もうちょっとだけ待って。お化粧はまだ苦手なんだから」

　　　　　　ワタシももうすっかり女の子。

　　　　　「……今行くね～！」

　　　　　　彼氏と一緒なら、きっと毎日が楽しいよね？　…………や、やだ、まだ早いよぅ///

　　　　　次回、一気に急展開！？
　　　　　ちぎりパン（バニラチョコ）第７話『まだ早い』

　　　　　　焦らないで……ワタシたちはまだ終わりじゃないから…………