ひょんなことから女の子
第2部「銭湯超流」
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hyon
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92 名前: カタカナ ◆iqP3HuSAqU [新作「銭湯超流」] 投稿日: 2006/11/20(月) 18:44:27.56 ID:HbfF+8K3O
俺にはダチがいる。…………いや、正確にはダチがいた、かもしれないな。
俺たちは6人のグループで、別に男とか女とか気にしてなかった。
男が4人と女が2人。互いに互いをあだ名で呼び合い、高校生になっても楽しくやっていた。
そう、ついこの間までは。
昨日はいつもとなんら変わらない朝だった。
しかし、すでに変わっていたのだ。ダチの、リョリョの性別が。
リョリョと呼ばれているヤツは先週までは確かに男だった。
小学生の頃の話だが、自分のモノを見せ合った仲なんだから間違いない。
しかし昨日、リョリョは女になっていた。
性別が変わるなんて、普通に考えてありえないことだ。頭がどーにかなりそうだった。
でも、それは些細なことだった。
俺たちは元々、性別なんて気にしてなかったからだ。
なのに、変わってしまった。
昨日からリョリョは、まるで元々女だったかのようになってしまった。
そのことに一番驚いたのは、リョリョの幼馴染みのRIOだった。
RIOによると、昨日の朝までは普通だったのに、教室に着いてから変わってしまったらしい。
原因はわかっていない。でも多分、精神的な問題なんだろう。二重人格ってやつかもしれない。
でも、そんなことは関係ない。
リョリョは俺のダチだ。俺たちの仲間なんだ。だから俺はリョリョ元通りにしてみせる。
今までみたいに遊べるように。
そしてリョリョのために。
もちろん悲しんでいるRIOのためにも。
…………なにより、俺自身のために。
俺たちは6人のグループで、別に男とか女とか気にしてなかった。
男が4人と女が2人。互いに互いをあだ名で呼び合い、高校生になっても楽しくやっていた。
そう、ついこの間までは。
昨日はいつもとなんら変わらない朝だった。
しかし、すでに変わっていたのだ。ダチの、リョリョの性別が。
リョリョと呼ばれているヤツは先週までは確かに男だった。
小学生の頃の話だが、自分のモノを見せ合った仲なんだから間違いない。
しかし昨日、リョリョは女になっていた。
性別が変わるなんて、普通に考えてありえないことだ。頭がどーにかなりそうだった。
でも、それは些細なことだった。
俺たちは元々、性別なんて気にしてなかったからだ。
なのに、変わってしまった。
昨日からリョリョは、まるで元々女だったかのようになってしまった。
そのことに一番驚いたのは、リョリョの幼馴染みのRIOだった。
RIOによると、昨日の朝までは普通だったのに、教室に着いてから変わってしまったらしい。
原因はわかっていない。でも多分、精神的な問題なんだろう。二重人格ってやつかもしれない。
でも、そんなことは関係ない。
リョリョは俺のダチだ。俺たちの仲間なんだ。だから俺はリョリョ元通りにしてみせる。
今までみたいに遊べるように。
そしてリョリョのために。
もちろん悲しんでいるRIOのためにも。
…………なにより、俺自身のために。
93 名前: カタカナ ◆iqP3HuSAqU […………新作?] 投稿日: 2006/11/20(月) 18:46:52.53 ID:HbfF+8K3O
俺の名前は車速人(くるま・はやと)。ダチからはワゴンスピードと呼ばれている。
体格の良さと名字の車からワゴン、名前の速の字からスピードでワゴンスピードだ。
体格の良さと名字の車からワゴン、名前の速の字からスピードでワゴンスピードだ。
「よっ!今日は早いな、リョリョ」
「あ、車くんおはよう」
「あ、車くんおはよう」
…………車くん。なんかイヤだ。
「あのさ、今まで通りワゴンスピードって呼んでくれよ」
「え…………もう、私はそんな呼び方したことないよ」
「え…………もう、私はそんな呼び方したことないよ」
そんな呼び方したことない? …………コイツ、記憶を改竄してるのか?
いや、いくらなんでもそれはないな。改竄なんて、書き換える必要なんて…………!!?
そうか、わかったぞ!ヤツだっ!
人の記憶を読取り、書き換える能力…………ヘブンズ・ドアー、岸辺露伴!!
いや、いくらなんでもそれはないな。改竄なんて、書き換える必要なんて…………!!?
そうか、わかったぞ!ヤツだっ!
人の記憶を読取り、書き換える能力…………ヘブンズ・ドアー、岸辺露伴!!
「んなわけないか……」
「なに? どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「なに? どうしたの?」
「いや、なんでもない」
95 名前: カタカナ ◆iqP3HuSAqU [] 投稿日: 2006/11/20(月) 18:56:37.07 ID:HbfF+8K3O
「おい、岸辺露風。お前、スタンド使いか?」
「そんなわけないだろ」
「……そうだよな。いや、なんでもない」
「そんなわけないだろ」
「……そうだよな。いや、なんでもない」
コイツは渡辺露風(わたなべ・ろふう)、俺のダチだ。
あだ名は「岸辺露風」とか「露風先生」とかで、趣味はマンガを書くこと。
あだ名は「岸辺露風」とか「露風先生」とかで、趣味はマンガを書くこと。
「いきなりスタンドとかどうしたんだ?」
「いや、実はさ、どうもリョリョの記憶が書き換えられているような気がしてさ」
「そのことか…………何を隠そう、僕は昨日の一限の段階で既に気付いていたよ」
「なにっ!?」
「ふふふふふ……」
「キモイな、お前」
「なっ!!」
「でさ、お前はどう思う?」
「僕はキモくなんてないが、自己暗示の一種じゃないかと睨んでいる」
「いや、普通にキモイけど、自己暗示ってどういうことだ?」
「だからそんなことは断じてないが、まあ防衛策かな」
「現実を見ろよ、で、防衛策って?」
「ワゴンこそ妄言をやめろ、つまり"女性になった"という事実に耐えられなかったんだ」
「今のお前みたいに?」
「寝言は寝て言うものだ、それで、なら"初めから女性だった"ってことにしたんだな」
「マジでキモイぞっ☆ じゃあ自分で自分の記憶を書き換えたわけか」
「ワゴンがな、正確には上書きした、じゃないかな」
「…………上書き、ってことはさ」
「ああ。…………消したわけじゃない、元通りに出来るってことだよ」
「いや、実はさ、どうもリョリョの記憶が書き換えられているような気がしてさ」
「そのことか…………何を隠そう、僕は昨日の一限の段階で既に気付いていたよ」
「なにっ!?」
「ふふふふふ……」
「キモイな、お前」
「なっ!!」
「でさ、お前はどう思う?」
「僕はキモくなんてないが、自己暗示の一種じゃないかと睨んでいる」
「いや、普通にキモイけど、自己暗示ってどういうことだ?」
「だからそんなことは断じてないが、まあ防衛策かな」
「現実を見ろよ、で、防衛策って?」
「ワゴンこそ妄言をやめろ、つまり"女性になった"という事実に耐えられなかったんだ」
「今のお前みたいに?」
「寝言は寝て言うものだ、それで、なら"初めから女性だった"ってことにしたんだな」
「マジでキモイぞっ☆ じゃあ自分で自分の記憶を書き換えたわけか」
「ワゴンがな、正確には上書きした、じゃないかな」
「…………上書き、ってことはさ」
「ああ。…………消したわけじゃない、元通りに出来るってことだよ」
96 名前: カタカナ ◆iqP3HuSAqU [最近5部まで読んだんだ] 投稿日: 2006/11/20(月) 19:01:20.21 ID:HbfF+8K3O
「元のリョリョに戻せる…………」
「どうすれば戻せるのかは分からないけどな」
「…………ところでさ、リョリョ、かわいいよな」
「ああ。美少女と言っても過言ではないだろう」
「お前はキモ男だな」
「ならワゴンはブ男だ」
「どうすれば戻せるのかは分からないけどな」
「…………ところでさ、リョリョ、かわいいよな」
「ああ。美少女と言っても過言ではないだろう」
「お前はキモ男だな」
「ならワゴンはブ男だ」
他愛のない悪口とは分かっているが、それでもムカついたので話をやめた。
岸辺露風から目を逸らすとRIOの姿が目に入った。
RIOに近付き話しかける。
岸辺露風から目を逸らすとRIOの姿が目に入った。
RIOに近付き話しかける。
「RIO、ちょっといいか?」
「え、うん、いいけど?」
「え、うん、いいけど?」
やはりRIOからも詳しい話を聞いておくべきだ。
なんせ現場を目撃した唯一の人間にして、リョリョの一番そばにいた人間なんだから。
なんせ現場を目撃した唯一の人間にして、リョリョの一番そばにいた人間なんだから。
「リョリョのことなんだけどさ……」
「…………うん」
「詳しい話、聞かせてくれないか?」
「え、でも昨日」
「いや、うん、そうなんだけどさ、そうじゃなくって、もっとこう内面的なこと」
「内面?」
「教室に来るまでは今まで通りで、教室に来たら急に今みたいになったのか?」
「うん、そんな感じ」
「そうか…………」
「…………うん」
「詳しい話、聞かせてくれないか?」
「え、でも昨日」
「いや、うん、そうなんだけどさ、そうじゃなくって、もっとこう内面的なこと」
「内面?」
「教室に来るまでは今まで通りで、教室に来たら急に今みたいになったのか?」
「うん、そんな感じ」
「そうか…………」
97 名前: カタカナ ◆iqP3HuSAqU [勝ってないけど第2部完!] 投稿日: 2006/11/20(月) 19:04:26.40 ID:HbfF+8K3O
「RIOはさ、何が原因だと思う?」
「…………みんなと友達でいられないって、そう思ったんじゃないかな」
「俺たちに嫌われる…………じゃあないんだよな」
「うん。そういう性格だもん」
「昔っからそうだよな。ジュースをかけられたことよりも、みんなとお揃いの服を汚されたことに怒ったりさ」
「そんなこともあったよね」
「…………戻そうぜ。リョリョをさ」
「…………戻せるよね?」
「何がなんでも戻しゃ良いんだよ」
「うん」
「…………みんなと友達でいられないって、そう思ったんじゃないかな」
「俺たちに嫌われる…………じゃあないんだよな」
「うん。そういう性格だもん」
「昔っからそうだよな。ジュースをかけられたことよりも、みんなとお揃いの服を汚されたことに怒ったりさ」
「そんなこともあったよね」
「…………戻そうぜ。リョリョをさ」
「…………戻せるよね?」
「何がなんでも戻しゃ良いんだよ」
「うん」
やっぱリョリョは今まで通りのリョリョじゃないと。
でも男が女になるとか性格が変わるとか、普通じゃないからなぁ…………
でも男が女になるとか性格が変わるとか、普通じゃないからなぁ…………
「…………何か手掛かりとかありゃいいんだけどな」
「手掛かり…………あっ!」
「どうした?」
「手掛かりなら、あるかも……」
「どういうこと?」
「昨日の話なんだけど、男性から女性になった教師がいたって、鈴木先生がそう言ってたの」
「手掛かり…………あっ!」
「どうした?」
「手掛かりなら、あるかも……」
「どういうこと?」
「昨日の話なんだけど、男性から女性になった教師がいたって、鈴木先生がそう言ってたの」
これは、もしかしたら、リョリョを元に戻す最大のヒントになるじゃ…………
「ディ・モールト・グラッツェ、アリーヴェデルチ」
「あ、うん、えっと…………アリーヴェデルチ」
「あ、うん、えっと…………アリーヴェデルチ」