ひょんなことから女の子
第3部「星屑十字軍」
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179 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [星屑十字軍] 投稿日: 2006/11/21(火) 22:42:30.11 ID:C2AmqyMMO
奈良習(なら・しゅう)、それが俺の名前だ。
「…………奈良くんのこと、ずっと、好きだったの」
今日、俺は……
「友達としてじゃなく、恋人として、付き合ってください」
生まれて初めて告白された。
「ダメならダメでもいいから、ハッキリ言って……」
「ゴメン」
俺は断った。余裕なんて微塵もなく断った。別に嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。
まあ、Likeのほうなんだけど。
「あ、その、えっと…………」
「ホントにゴメン」
困らせたくはない。そんなのはコイツらしくないし。ホント、好きなんだよな、俺は、
コイツのことが。…………かわいいしな、今は。ルックスもかなりタイプではあるな。で
も、コイツと付き合う気なんて毛頭ない。
「…………告白しておいてアレだけどさ、その、私と…………友達でいてくれる?」
ったくコイツは…………
「何言ってんだよ。友達なんて呼ぶんじゃねえよ」
「え…………」
コイツも、まあコイツなりに、思うところがあってそう言ったんだろうが、大きな勘違
いをしてやがるな。いいぜ。俺が教えてやる。
「いいか、よく聞け。俺と…………いや、俺たちとお前は友達なんかじゃねぇ」
「…………」
「親友だ。今までも、そしてこれからも」
「…………ぅぅっ」
…………泣き出しやがった。めんどいヤツだ。いくらなんでも女々しすぎる。
「…………奈良くんのこと、ずっと、好きだったの」
今日、俺は……
「友達としてじゃなく、恋人として、付き合ってください」
生まれて初めて告白された。
「ダメならダメでもいいから、ハッキリ言って……」
「ゴメン」
俺は断った。余裕なんて微塵もなく断った。別に嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。
まあ、Likeのほうなんだけど。
「あ、その、えっと…………」
「ホントにゴメン」
困らせたくはない。そんなのはコイツらしくないし。ホント、好きなんだよな、俺は、
コイツのことが。…………かわいいしな、今は。ルックスもかなりタイプではあるな。で
も、コイツと付き合う気なんて毛頭ない。
「…………告白しておいてアレだけどさ、その、私と…………友達でいてくれる?」
ったくコイツは…………
「何言ってんだよ。友達なんて呼ぶんじゃねえよ」
「え…………」
コイツも、まあコイツなりに、思うところがあってそう言ったんだろうが、大きな勘違
いをしてやがるな。いいぜ。俺が教えてやる。
「いいか、よく聞け。俺と…………いや、俺たちとお前は友達なんかじゃねぇ」
「…………」
「親友だ。今までも、そしてこれからも」
「…………ぅぅっ」
…………泣き出しやがった。めんどいヤツだ。いくらなんでも女々しすぎる。
180 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [タイトル…………どうなんだろ?] 投稿日: 2006/11/21(火) 22:44:30.22 ID:C2AmqyMMO
「泣くんじゃねえよ」
「ひっぐ…………ぅっ、ごめん……」
「謝んなよ……」
「…………ごめん、それでも謝るしかないから」
…………泣きやんだか?
「ヒドイところを見られたな」
「…………ん?」
「あのさ、ナラチャン。出来れば泣いたこと、黙ってて欲しいんだけど……」
「お前、元に戻った……?」
「あ、まあ、な……」
「そっか」
「…………でさ、付き合ってくれない?」
「だが断る」
「くははっ、それでこそのナラチャンだ」
「ってか冗談だろ?」
「ああ。…………いや、半分くらい本気か?」
「どうなんだよ?」
「多分だけどさ、女なのに女が好きじゃおかしいって思ったからかなって」
「あ~…………どういうこと?」
「頭良いのか悪いのかわかんねえよな、ナラチャンってさ」
「いや、なんとなくはわかるよ」
「ホントか?」
「でもさ、告白ってのは本人にするもんだぜ?」
「…………してみるか」
「ひっぐ…………ぅっ、ごめん……」
「謝んなよ……」
「…………ごめん、それでも謝るしかないから」
…………泣きやんだか?
「ヒドイところを見られたな」
「…………ん?」
「あのさ、ナラチャン。出来れば泣いたこと、黙ってて欲しいんだけど……」
「お前、元に戻った……?」
「あ、まあ、な……」
「そっか」
「…………でさ、付き合ってくれない?」
「だが断る」
「くははっ、それでこそのナラチャンだ」
「ってか冗談だろ?」
「ああ。…………いや、半分くらい本気か?」
「どうなんだよ?」
「多分だけどさ、女なのに女が好きじゃおかしいって思ったからかなって」
「あ~…………どういうこと?」
「頭良いのか悪いのかわかんねえよな、ナラチャンってさ」
「いや、なんとなくはわかるよ」
「ホントか?」
「でもさ、告白ってのは本人にするもんだぜ?」
「…………してみるか」
181 名前: Ego ◆iqP3HuSAqU [こんだけ。] 投稿日: 2006/11/21(火) 22:46:09.77 ID:C2AmqyMMO
「やけに素直だな」
「まあな」
「案外、女になったからかもな」
「確かに…………気持ちの整理とか、なんか、意外と出来た感じ」
悪いことばかりじゃない…………ってことかな。世の中、全てのものに、ことに、価値
があって、意味があって。俺はバカだから、クサレ脳ミソだから、数字は苦手だけどさ。
きっと、この世界っていうヤツは、数字だけじゃないんだよな。わかんねえけど。
「よし、男に戻るぞ」
「おう、男に戻れ。戻って告れ」
「…………いや、そっちは、まだ、さ」
「ま、頑張れ」
「おう」
世界は進む。勝手に進む。その流れは、止めることも切り取ることも早めることも出来
るだろう。でも、人ってのは、勝手には進まない。進めない。自由な分、めんどくさい。
車でいう、オートマとマニュアルみたいなものなのかもしれない。でも、なら、簡単だ。
マニュアルのほうがカッコイイ。理由なんて、そんぐらいがちょうど良いんだ、きっと。
「……カッコよく生きようぜ」
「は? 急になんだよ?」
こういう感覚っていうか、軽い悟り的なヤツはさ、教えてもらうもんじゃねえよな?
習うより慣れろ。目で見るんじゃない、感じるんだ。多分、そういうもんなんだよな?
何故ならそのほうがカッコイイから!
「まあな」
「案外、女になったからかもな」
「確かに…………気持ちの整理とか、なんか、意外と出来た感じ」
悪いことばかりじゃない…………ってことかな。世の中、全てのものに、ことに、価値
があって、意味があって。俺はバカだから、クサレ脳ミソだから、数字は苦手だけどさ。
きっと、この世界っていうヤツは、数字だけじゃないんだよな。わかんねえけど。
「よし、男に戻るぞ」
「おう、男に戻れ。戻って告れ」
「…………いや、そっちは、まだ、さ」
「ま、頑張れ」
「おう」
世界は進む。勝手に進む。その流れは、止めることも切り取ることも早めることも出来
るだろう。でも、人ってのは、勝手には進まない。進めない。自由な分、めんどくさい。
車でいう、オートマとマニュアルみたいなものなのかもしれない。でも、なら、簡単だ。
マニュアルのほうがカッコイイ。理由なんて、そんぐらいがちょうど良いんだ、きっと。
「……カッコよく生きようぜ」
「は? 急になんだよ?」
こういう感覚っていうか、軽い悟り的なヤツはさ、教えてもらうもんじゃねえよな?
習うより慣れろ。目で見るんじゃない、感じるんだ。多分、そういうもんなんだよな?
何故ならそのほうがカッコイイから!