ひょんなことから女の子
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hyon
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58 名前: VIP村人z 投稿日: 2006/11/25(土) 16:45:23.77 ID:euWEixJiO
雲一つなく晴れ渡った青空。
学校の外には出店が並び、暑い中でも元気に声を張り上げ頑張っている。
窓からはクラス展示や部の催しもの、ゲーム大会やライブの垂れ幕が、
所狭しと垂れ下がっており、学校祭という一年に一度のお祭りなんだと実感させられる。
……ボクの学校ではないけど。
学校の外には出店が並び、暑い中でも元気に声を張り上げ頑張っている。
窓からはクラス展示や部の催しもの、ゲーム大会やライブの垂れ幕が、
所狭しと垂れ下がっており、学校祭という一年に一度のお祭りなんだと実感させられる。
……ボクの学校ではないけど。
友「おい、何ボーッとしてんだよ、いろいろ見て回ろうぜ」
友2「そうだよ、ってかお前の姉ちゃんは何処なんだよ」
後ろから食べ物を両手に持った友たちが声を掛けてくる。
そう、何故か中学生のボクは、高校生の姉ちゃんの学校祭に来ていた。
今年三年生の姉ちゃんは、去年も一昨年も、学校祭に来いなどとは言わなかった。
それが、三日前に突然頼み込まれてしまったのだ。
今年の学校祭は絶対来てくれ、友達も連れてきて構わない、
全部出店がタダになるチケットをあげるから、絶対来て。
ボクは正直乗り気ではなかったけど、たまたま友達にそのことを話すと、
すっかり行く気満々になってしまい、こうしてボクは姉ちゃんの高校の敷地に立っているわけだ。
『あ、そういえば、姉ちゃんのクラス行かなきゃいけなかったんだ、
悪いけど、ちょっと二人でぶらぶら見ててよ。
チケット全部、渡しとくから』
ポケットからチケットを出し、友たちに渡す。友たちはそうかー、じゃなー、と言ってそのまま走り去ってしまった。
ボクは一人、姉ちゃんのクラスに向かった。
一体何をやらされるのだろうと、ぼんやり考えながら。
友2「そうだよ、ってかお前の姉ちゃんは何処なんだよ」
後ろから食べ物を両手に持った友たちが声を掛けてくる。
そう、何故か中学生のボクは、高校生の姉ちゃんの学校祭に来ていた。
今年三年生の姉ちゃんは、去年も一昨年も、学校祭に来いなどとは言わなかった。
それが、三日前に突然頼み込まれてしまったのだ。
今年の学校祭は絶対来てくれ、友達も連れてきて構わない、
全部出店がタダになるチケットをあげるから、絶対来て。
ボクは正直乗り気ではなかったけど、たまたま友達にそのことを話すと、
すっかり行く気満々になってしまい、こうしてボクは姉ちゃんの高校の敷地に立っているわけだ。
『あ、そういえば、姉ちゃんのクラス行かなきゃいけなかったんだ、
悪いけど、ちょっと二人でぶらぶら見ててよ。
チケット全部、渡しとくから』
ポケットからチケットを出し、友たちに渡す。友たちはそうかー、じゃなー、と言ってそのまま走り去ってしまった。
ボクは一人、姉ちゃんのクラスに向かった。
一体何をやらされるのだろうと、ぼんやり考えながら。
62 名前: VIP村人XL 投稿日: 2006/11/25(土) 17:25:49.54 ID:euWEixJiO
「ねえ、ひょっとして、キミ、アツコちゃんの弟君じゃない?」
スリッパに履き替え校舎に入り、ボーッと廊下を歩いていると、
女の人に話しかけられた。髪は短めで、仮装なんかしてる人も多い中、普通の制服を着ている。
『はい……あの、姉ちゃんの、友達の人ですか…?』
「んんっ、そだよ。あたし、リカって言うんだ。
キミのお姉さんから話は聞いてるよー、ユキオ君」
『? 話…ですか?』
「うん、こりゃあ上玉だ、話以上だね。すっごい可愛い顔してるよ。
体も細いし、肌もキレイだし。女の子に間違えられること、あるでしょ」
『え…その…』
「ま、話はあとで。とりあえずキミのお姉さんのクラス行こっか。
みんな、キミの登場を待ってるよっ、頼むよヒーロー、いやヒロインか」
みんな待ってる?
ヒロイン?
何が何だか訳がわからない。
ボクはこっちこっち、と元気良くスタスタと歩いていくリカさんの後ろをついていきながら、
何とも言えぬ微妙な嫌な予感を感じていた。
スリッパに履き替え校舎に入り、ボーッと廊下を歩いていると、
女の人に話しかけられた。髪は短めで、仮装なんかしてる人も多い中、普通の制服を着ている。
『はい……あの、姉ちゃんの、友達の人ですか…?』
「んんっ、そだよ。あたし、リカって言うんだ。
キミのお姉さんから話は聞いてるよー、ユキオ君」
『? 話…ですか?』
「うん、こりゃあ上玉だ、話以上だね。すっごい可愛い顔してるよ。
体も細いし、肌もキレイだし。女の子に間違えられること、あるでしょ」
『え…その…』
「ま、話はあとで。とりあえずキミのお姉さんのクラス行こっか。
みんな、キミの登場を待ってるよっ、頼むよヒーロー、いやヒロインか」
みんな待ってる?
ヒロイン?
何が何だか訳がわからない。
ボクはこっちこっち、と元気良くスタスタと歩いていくリカさんの後ろをついていきながら、
何とも言えぬ微妙な嫌な予感を感じていた。
64 名前: VIP村人XL 投稿日: 2006/11/25(土) 17:44:56.58 ID:euWEixJiO
3-4の札が下がった教室に入る。
飾り付けなんかはされてるようだけど、
どうやらまだ始めてはいないらしい。まだ開場したばかりだし、こういう所もあるか。
「やあやあみんな、やってるか~い!ウチのクラスの救世主を連れてきたよ!」
リカさんが教室に入るやいなや、大声を張り上げて叫ぶ。
全くこの人はいつもこうなんだろうか。ボクも恐る恐るゆっくりと教室に入った。
ボクが教室に入ったと同時に、なんだかみんなざわつき始めた。
どうやら歓迎されてはいるみたいだけど、何だか不安な気分になる。
教室には7、8人ばかりの三年生の女子しかいなかった。
教室は綺麗にまとめられ、厨房とおぼしき場所が壁で仕切られ、
あとは机をくっつけて作った即席のテーブルとイスがいくつか並んでいる。
即席のテーブルの上にはメニュー表らしき紙が立てられていた。
そして何より一番気になったのが、三年生の人たちがみんな、メイド服を着ていたことだった。
自分たちで作ったのか、買ったのか、借りたのかはわからないけど、
それはとても可愛く出来ていて、先輩たちに良く似合っていると思った。
『あの…これは…?』
「メイド喫茶。流行りはきっちり取り入れないとね。
ユキオ君もテレビとかで見たことあるでしょ?」
ボクがリカさんに聞くと、すぐさま先輩たちがボクを取り囲んだ。
何となく怖かったけど、みんなニコニコしているから、ボクもとりあえず笑ってみた。
「うわあ~、ホントにかわい~ね~。想像以上だよ」
「……学校祭終了後、持ち帰る」
「キレイな肌してるね~スキンケアとかしてるの?」
先輩たちが口々にボクに向かって話し掛けた。
飾り付けなんかはされてるようだけど、
どうやらまだ始めてはいないらしい。まだ開場したばかりだし、こういう所もあるか。
「やあやあみんな、やってるか~い!ウチのクラスの救世主を連れてきたよ!」
リカさんが教室に入るやいなや、大声を張り上げて叫ぶ。
全くこの人はいつもこうなんだろうか。ボクも恐る恐るゆっくりと教室に入った。
ボクが教室に入ったと同時に、なんだかみんなざわつき始めた。
どうやら歓迎されてはいるみたいだけど、何だか不安な気分になる。
教室には7、8人ばかりの三年生の女子しかいなかった。
教室は綺麗にまとめられ、厨房とおぼしき場所が壁で仕切られ、
あとは机をくっつけて作った即席のテーブルとイスがいくつか並んでいる。
即席のテーブルの上にはメニュー表らしき紙が立てられていた。
そして何より一番気になったのが、三年生の人たちがみんな、メイド服を着ていたことだった。
自分たちで作ったのか、買ったのか、借りたのかはわからないけど、
それはとても可愛く出来ていて、先輩たちに良く似合っていると思った。
『あの…これは…?』
「メイド喫茶。流行りはきっちり取り入れないとね。
ユキオ君もテレビとかで見たことあるでしょ?」
ボクがリカさんに聞くと、すぐさま先輩たちがボクを取り囲んだ。
何となく怖かったけど、みんなニコニコしているから、ボクもとりあえず笑ってみた。
「うわあ~、ホントにかわい~ね~。想像以上だよ」
「……学校祭終了後、持ち帰る」
「キレイな肌してるね~スキンケアとかしてるの?」
先輩たちが口々にボクに向かって話し掛けた。