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  • ひょんなことから女の子
  • ◆1ETGNfiLyg 作品2

ひょんなことから女の子

◆1ETGNfiLyg 作品2

最終更新:2006年12月26日 22:35

hyon

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管理者のみ編集可
87 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:48:53.61 ID:ogX6s8Jf0
     僕には父親がいなかった。僕の父は、遠く離れた外国の人だったらしい。
     昔の僕は、父親譲りの金色の髪と青く澄んだ瞳をしていた。
     たしか5歳の頃だったか、酷い事故にあって…一週間ほど生死の境を彷徨ったらしい。
     その頃からだ、僕の髪が真っ白になってしまったのは…。

     この髪のせいでよくいじめられた。
     女みたいな顔をしていて、純白の髪、青い瞳。小さな子供からすれば、良い標的だったんだと思う。
     それに、あの時の僕は性格もどっちかといえば女っぽくて、大人しかった。
     今思えば、あの時一発殴っておけばよかったのかなぁ…なんて思う事もある。
     そうすればさ、『お前、実は女だろ?女なんだろ?股間にマツタケくっつけてるだけなんだろ?』
     なーんて、ハァハァしながら寄ってくる変態だって、少しは減っていたに違いない…。
     それと、文化祭では必ずといって言いほど、女装させられずに済んでいたに違いない…。
     それとそれと…プールの授業になると、男子も女子も顔を赤らめて僕から視線をはずす事だって…。
     まぁ…過去を後悔したって、しょうがないけどさ。


     あれは、今でもハッキリ覚えている。
     母さんの死んだ日。僕が、一人ぼっちになってしまった日。
     よく、鏡を見るようになっていった最初の日。
     死因は、心臓麻痺による突然死だった。気がついたらお風呂場で倒れていて、既に手遅れだった。
     母さんが死んでから、僕は…近所に住んでいる幼馴染兼従兄弟の家に引き取られる事になった。
     今でも、『かあさん』『とおさん』と呼ぶ事は出来ないけど
     それでも、おじさんとおばさんは、僕を本当の家族のように大切にしてくれる。
     たまーーに「、スカートを履いてみないか!?」とおじさんが言ってきたり。
     「あらだめよ、このネグリジェのが似合うに決まってるでしょ!?」とおばさんが言ってきたり…。
     これが無ければ、もっと好きなのになぁ。

88 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:49:24.44 ID:ogX6s8Jf0
     僕は髪を伸ばしている。母さんが死んだ、あの日から。
     僕の母さんは、とても綺麗な長い髪をしていた。
     だから、伸ばすようになった。自分に母さんの姿を重ねる事で、悲しみを忘れるために。
     2年前くらいだろうか、一度切ろうと思ったことがあった。
     もう母さんは死んでいる。母さんを求めた所で、鏡に映るのは所詮、自分の姿なのだと…そう思ったから。
     しばらくの間悩んでいた。髪を切るのか、切らないのか。
     今思えば、くだらない事で悩んでいたと思う。別に、切った所で何も変わらない。
     何かが変わった。そう錯覚を起こすだけなのに。

     でも、母さんは僕の中で生き続けている。肉体はもう無くても、その生きていた証がある。
     鏡に映るのは自分だけど、その生きていた証は、今でも生きている。そう、思える。

     今でも僕の髪は長い。何故かと言えば、おばさんが切らせてくれないから。
     切ろうとするたびに「お小遣いカット!99%カット!カットカットカットー!」って脅してくるからだ。
     おじさんもおじさんだ、その横でウンウン…と頷かないでほしい。
     洗うのは面倒だけど、長い髪は嫌いじゃない。どちらかと言えば、好きな方だ。自分のじゃなければ。
     幸いうちの学校は、髪の毛を染めるのはNGでも、伸ばすのは構わない。となっている。

     青い空が広がっている。僕の瞳のような色。
     空を空と呼ぶと決めたのは、どこの誰なんだろうなー…なんて、くだらない事を考えつつ
     青空の下での昼寝を楽しんでいる。

     青い空、どこまでも広がる、青空。
     「どう考えても、名前負けしてるよねぇ…」
     完全に名前負けだ。これでもかっていうほど完敗している。完敗すぎて逆に清清しいくらいだ。
     …そう、僕の名前は空と書いて、そのまんま『そら』と読む。
     苗字は…青木。続けて読めば、「あおきそら」。

89 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:49:45.68 ID:ogX6s8Jf0
     一体、どれだけ寝ていたのだろうか?
     辺りはすっかり真っ暗になってしまっている。
     「ありゃ…寝すぎちゃった…」
     さて、帰るかなー…と周囲を一見。
     「……何も無い」
     何も無いというより、何も見えない。完全な暗闇になっている。
     「で、でも…すぐそこに街頭があるはずなのに…それに、向こうには商店街だって…」
     明かりが無い。まるで、目を開けているつもりなのに、目をつぶっているような、そんな暗闇に囲まれている。
     「月明りも無い…眠る前はあんなに晴れてたのに…そ、それに今日は満月だっておばさんが…」
     何の気配も無い。人の気配も、植物の気配も。

     地面の、感覚さえも。


     「んっ…?」
     強い日差しで目が覚めた。それに加え、まるで冬のような寒さ。
     「さっ…さむっ!」
     もう春も半ばなのに、この寒さは異常だ。
     「んっ…目が慣れてきた…」
     …白い。
     「なにこれ?」
     世界が真っ白になっている。まるで、冬に降るアレの後みたいな…。
     「ゆ、雪…だよね、これって」
     どう見ても雪。どう触っても雪である。
     「…もう五月なのに、こんな大雪になるなんて…」
     よく凍死しなかったなーと、自分の運の良さに関心するばかり。
     「うーっ、寒い…早く帰って、何か温かい物でも食べよう…」
     恐らく僕の腹時計からして、だいたい午前7時頃だろう。

90 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:50:31.09 ID:ogX6s8Jf0
     「ハァ…ハァ…なんで、こんなに…積もってるんだよ!」
     大雪が降り続いたかのように、かなりの雪が積もっている。
     「家まで、あと、10分くらい?…し、しんじゃう…」
     丁度自販機が目に付いた。
     「何か温かい物でも飲んで休憩にしよっかな…」
     自販機を見てみると、冷たい物とブラックのコーヒー以外全て売り切れになっている。
     「……なんでよりによってブラックのコーヒーなのさ~…」
     味覚まで一般的イメージ(男視点)の女の子っぽい空は、無論…ブラックのコーヒーなんぞ飲めないわけである。
     「うぅ…で、でもこんなに寒いんだし!きっと悪魔のように苦いこのコーヒーですら、
       至福のような味になるに違いないよ!」
     ・
     ・
     「無理っ!やっぱ無理!やっとピーマンが食べれるようになったと思って油断したよっ!」
     あまりの寒さと苦さで、頭がおかしくなっているようだ。
     「…はっ!しまった!このままじゃ天国の母さんとヤァコンニチハしちゃうよ僕!」
     立ち直った?かのように見えた空に、次の試練が待ち受ける。

91 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:50:46.69 ID:ogX6s8Jf0
     「うぐっ…ま、まさか――」
     突然の尿意、自宅のトイレまであと8分。途中の民家に親しい知人は無し。
     「か、陰でこっそり…しかないよね」
     付近に人影は無し。
     「よ、よし…今のうちに――」
     ズボンのチャックをおろし、手を中へ…。
     「…?」
     無い。
     「お、おかしいなぁ…さすがにここまでミニマムでは無いはずなのに…」
     両手をズボンに突っ込み探しているが…。
     「や、やっぱりない…何で無いの?まさか本当にマツタケ?今頃網焼きなの!?」
     「ってバカやってる場合じゃないよ…もうダメ…げ、限界!」
     座り込もうとしたその瞬間。
     「おい、さっきから何やってんだよ、モジモジしたりブツブツ独り言言ったり…」
     突然、後ろから声をかけられた。
     「わひゃぁっ!?」
     完全に人がいないと思っている状態での不意打ち。致命的なほど、驚いてしまった。
     「うわぁっ!び、びっくりさせるなよ、声かけただけじゃねぇか」
     反応が無い。
     「あっ…あぁっ…」
     溶けていく雪。もうもうとあがる湯気。
     「あ…す、すまん…驚かせちゃったみたいで…その、何ていうか」
     この事態をどう謝れば良いものか、検討もつかないようで、戸惑っている。
     「い、いいから見ないでよぅ…ぐすっ」
     「と、とにかく!そのままじゃ風邪ひいちまうだろ?うちに来てシャワーでも浴びて着替えろ!」
     手を取り、強引に引っ張っていく。
     「わ、悪いよそんなの、それに家だって結構近いし」
     「良いから!びっくりさせた俺が悪いんだ、それくらいさせろよ」
     「で、でも――」

92 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:51:07.92 ID:ogX6s8Jf0
     「着替え、ここに置いとくぞ」
     シャワーを浴びている最中、ドアの向こうから声をかけられた。
     「う、うん――ありがとう」
     「気にすんなって、それより、ちゃんとあったまれよ」

     服を脱いで気がついた。自分が、女の子になっていると。
     さっきは、尿意によるパニックからか、ナニが無くなったー!?としか頭に無かったが。
     こうして全裸になってみるとよくわかる。ナニの代わりにスジがあり、胸が僅かに膨らんでいる。
     男だった時と比べてみると、肌も若干柔らかいように感じる。
     「朝起きたら女の子でした。かぁ…変わった夢だなぁ」
     どうやら夢だと思い込んでいるらしい。
     「あ、でもさっきのあの放尿感…まさか起きたらオネショしてるんじゃ…」
     小さい頃に良く見た夢。立ちションしている夢から覚めたらオネショしていた。
     「どうか暫く目が覚めませんように…」

93 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:51:23.27 ID:ogX6s8Jf0
     「そ、そうだ…夢なんだし、ちょっとくらい良いよね?」
     自分の胸と股間に目がいく。
     「んっ…どうせならもうちょっと大きい胸がよかったなぁ…んあっ」
     「胸だけでも…あっ…結構気持ち良いんだ…ふぅっ」
     乳首が徐々に勃起し始める。
     「んぅ…乳首、勃ってる…」
     乳首をつまみ、軽く擦ると、甘い感覚が身体を支配していく。
     「ふあっ!す、すごい…乳首ってこんなに気持ち良いんだ…」
     徐々に大胆に摘み、擦り、乳首を嬲っていく。
     「ち、乳首でこれなら――あ、あそこは?」
     左手で乳首を摘みながら、恐る恐る右手を秘部へと近づけていく。
     秘部に中指が触れた瞬間、微かにクチュリ…という水音がした。
     「あ…これって、濡れてるのかな?」
     中指についた透明な液体を、顔の前へ持っていった。
     「ぬるぬるしてる…これが愛液なんだ…」
     恐る恐る、舌で舐めてみる。口の中に甘酸っぱい味が広がり、秘部から何かが出ている感覚が強くなっていく。
     「こ、こんな味なんだ…」
     右手の中指をチュパチュパと舐めながら、左手は秘部をいじる。
     「んぅぅっ…んはぁ…あっ…」
     バスルームにシャワーのソレとは違う水音が響いている。次第に強く。強く。
     「くぅ…ハァ…ハァ…」
     身体全体が甘い感覚に支配され、頭が朦朧としていく。
     「ハァ…ハァ…んっ…そろそろ…」
     男の時とは違う感じに高まっていく。
     「あぁっ!も、もう…っっっ!」
     頭の中が、白くなっていく。白くなって、火照った体が少しづつ落ち着いていく。
     「ハァ…ハァ…お、女の子って凄いんだ…」

94 名前: 門番の娘 投稿日: 2006/12/01(金) 01:52:09.49 ID:ogX6s8Jf0
     「あ、あの…シャワーと着替え、ありがとうございます。」
     温かいスープをごちそうになり、身も心も温まる。
     「いいっていいって、それより、ちょっと顔が赤いけど大丈夫か?」
     「だ、だだだだ大丈夫大丈夫!大丈夫だから気にしないで!」
     「あ、あぁ…それなら良いんだけど…」
     ふと時計を見ると、もう9時になろうとしていた。
     「あ、ごめんなさい。そろそろ家に戻らないと…」
     「え?そ、そっか…じゃあ送っていくよ」
     「ううん、すぐそこだから大丈夫ですよ――あ、服は洗って、後で返しにきますね」
     「わかった。じゃあ、また今度な」
     別れの挨拶を交わし、家を出る。
     空は灰色に濁っている。まだ暫く、青空は見れそうにない。
     「あ、名前――聞き忘れちゃったなぁ…」
     今度服を返す時に聞けば良いかな、なんて事を考えながら、帰路につくのであった。
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