サブスクリプションとJump URL

サブスクリプションとは

サブスクリプションはeepsiteを運営する人と閲覧する人にとってとても重要な役割をしています。eepsiteを運営しない人もこの設定を行うことを強くおすすめします。それを説明するためにはまずeepsiteとsusidnsの関係を理解する必要があります。
 通常のWebサイトは大半の場合ドメイン名を持っています。ドメイン名は人間にとって覚えやすい名前ですが、コンピュータはこのドメイン名をIPアドレスに変換する必要があります。それを行うことを「ドメイン名解決」といい、そのために使われる機能がDNS(Domain Name Solve)サーバです。通常は、ブラウザにURLを打ち込んでアクセスするとDNSサーバーにドメイン名を問い合わせて、DNSサーバーはドメイン名に対応するIPアドレスを返してくれます。IPアドレスを知ることでどこのサーバーにアクセスすればいいかがわかり、WebサーバーにアクセスできるのでWebサイトを見ることができるという仕組みです。
このDNSは自分の使っているISPが提供しているものであったり、誰でも使えるように公開しているものもあります。後者で代表的なものはGoogleDNSやOpenDNSでしょう。DNSサーバーが普及する前のインターネットは、DNSに匹敵するものとしてhostsファイルを使用していました。
DNSサーバーはどれを使っても同じ結果が返ってくるようにしなければならず、そのために各々のDNSサーバーは定期的に同期しています。
 さて一方、I2Pの場合には現在(2015年12月時点)そういったシステムがありません。そこでhostファイルに匹敵するhosts.txtというファイルを時折更新するという方法でeepsiteのドメイン名を解決しています。このシステムをsusidnsというソフトウェアが提供している機能「アドレスブック」といいます。そのアドレスブックが適切に更新されなければeepsiteは見られません。eepsiteを運営している人は多くの人に見てもらうためにアドレスブックを通じて「自分のeepsiteのドメイン名」と「それに対応するDestinationアドレス」公開しなければなりません。同じく、そのサイトを見る人もドメイン名解決を図るために、その対応表を記したアドレスブックを取得しなければなりません。

サブスクリプションの購読

I2Pではサブスクリプションとしてデフォルトでhttp://i2p-projekt.i2p/hosts.txtが追加されています。
しかしI2Pがデフォルトで追加してあるものはサーバーが安定的に稼働していないため役に立ちません。そこで安定して稼働していてなおかつ信頼できるサーバーを追加する必要があります。このセクションでは追加する方法を記します。

《登録作業》
①購読したいURLが実際にアクセス可能なものかを確認するためにまずブラウザにURLを打ち込んで応答が返ってくることを確認します。稼働しているはずだが応答がないという状況の場合は、そのサーバーのドメイン名の解決ができていないことになりますので先に手動でドメイン名と対応する宛先を登録します。(inr.i2pといった、よく知られている購読サーバーの場合はその作業はまず必要ありません)
購読 - susidns にアクセスします。
③1行につき購読したい1つのURLを入力し、【保存】をクリックします。

以上です。購読するべきサーバーについては引き続き購読サーバーリストをご覧ください。

JumpURLとは

eepsiteにアクセスするためにブラウザにURLを打ち込んだが見られないという状況がありえます。
その時に単に自分の使っているアドレスブックにそのURLのホスト名が入っていないためドメイン名を解決できていないだけという場合があります。JumpURLサービスとは、逐次的にそのサービスを提供しているサーバーへあるドメイン名に対応するDestinationアドレスを教えてくれと問い合わせることでeepsiteにアクセスできるようにするサービスです。
便利のため是非登録しておきましょう。

《登録作業》
①(デフォルトの127.0.0.1:4444の場合)http://localhost:7657/i2ptunnel/edit?tunnel=0にアクセスします。
Jump URL List.png

②ページのずっと下にJump URL Listというフィールドがあるので、そこに1行につき1つのJumpURLを入力します。URLによっては末尾にスラッシュやクエスチョンマークが含まれている場合がありますので、抜かさないように注意しましょう。
③【保存】をクリックします。

以上です。

JumpURLの使い方

事前にJumpURLを登録していて、アドレスブックに登録されていないeepsiteにアクセスしようとした時は次のような画面が表示されます。
Jump URL Query.png

このような時は画面下部の表示されているリンクをクリックすることでJumpURLサービスにDestination(宛先)を教えてもらい、逐次的に解決を図ります。
ただし、どんなサーバーも全てのドメイン名を解決できる保証はありません。次のような時、JumpURLを通してもアクセスできません。

  1. アクセスしようとしたサイトのURLがでたらめでそもそも存在しない場合
  2. アクセス先のeepsiteが稼働してない場合
  3. JumpURLを提供しているサーバーが稼働していない場合

アドレスブックとJumpURLの安全性

アドレスブックとJumpURLを追加する時は信頼できるものを選びましょう。たとえばI2Pの公式サイトやI2PWikiに掲載されているものなどがいいでしょう。たとえばhogehoge.i2pの本来の宛先がXXXとします。これを正直に配布してくれるサーバーであれば問題ないのですが、悪意あるサーバーがhogehoge.i2pの宛先はYYYだと記したhosts.txtを配布しているかもしれません。もしその悪意あるサーバーからのアドレスブックを頼りにhogehoge.i2pにアクセスすると、意図しないフィッシングに合います。通常のインターネットWebではDNS汚染に相当する攻撃です。
これを防ぐために信頼できる配布元からアドレスブックを入手しましょう。
また、httpsによるサーバー認証を使うとそうしたフィッシングを防げますし、技術的には可能ですが、現行のI2Pではそれは実用的ではありません。
最終更新:2015年12月22日 02:45