I2P-Bote

I2P-Boteとは

I2P-Boteは簡単に使える、高い匿名性と安全性をもつI2Pのメール送受信アプリケーションです。DHTを利用したピュアP2Pネットワーク上でメールの受け渡しが行われます。

特徴

使用可能な暗号アルゴリズム

I2P-Boteではメッセージの暗号化に鍵長256ビットのAESを使用します。どの公開鍵暗号を使用するかはアドレス生成時に1つ選ぶことができ、鍵長256ビットまたは鍵長521ビットの楕円曲線暗号、鍵長2048ビットのElGamal暗号、NTRU-1087暗号があります。

終端間暗号化

メッセージは終端間暗号化が施されるため、期待した受信者以外のノードがメッセージを読むことはできません。

匿名で送信可能

送信の際には匿名にするか自分のアドレスを明示するか選択することができます。

遅延送信

送信者がトラフィック分析で推測されるのを防ぐために、任意の設定時間の範囲でメール送信を遅延することができます。

メタデータの秘匿

メッセージだけでなく、受信者と送信者が誰であるかを秘匿するため、期待した受信者以外の他のノードは流れているメッセージが誰から誰に向けて送られるものであるのかさえ知ることができません。

サーバーレスによるロバスト性

ピュアP2Pのネットワーク上でメールがやりとりされているため、拠点となるメールサーバーがありません。そのため、攻撃やアクシデントによってメールシステムが使用不能になることはありません。

ゲートウェイを使用可能

I2P-Boteではゲートウェイを指定することで、I2Pネットワークに限らない通常のメールサーバーへメールを送信することが可能です。

欠点

通信量が多い

回線速度と通信帯域の設定によりますが、入出力ともに帯域7000KBps(シェア70%)としたとき、1時間で出力側に約30MBほど、入力側に約20MBほどの通信が発生しています。1時間で入出力側を含めておよそ約50MBほど通信が発生します。I2P-Boteは利用者がメールの送受信を全く行わずにネットワークに接続しているだけでも、そのシステムの特性からメールをリレーし続けるため莫大な通信量が発生します。使用可能な通信量が限られている場合(たとえば日本のキャリア端末で7GB制限などがあります)はI2P-Boteを起動し続けておくのは大きな負担になります。

速達性に向かない

I2P-Boteは送信の遅延が発生しやすいため、通常のメールのように受信者に数分以内で届けたいシチュエーションであれば向きません。

ゲートウェイ使用による匿名性低下

ゲートウェイを通すと、受信者にゲートウェイのアドレスが通知されます。ゲートウェイにはメッセージの内容が分かってしまうため、匿名性を求める場合は出来る限り使用しないほうが望ましいです。また、ゲートウェイは別途用意する必要があります。

プラグインの入手

現在公式のサイト bote.i2p はダウンしています。古いバージョンであれば echelon.i2p からダウンロードすることができます。
ミラーサイトとして plugins.i2p.xyz から入手可能です。
しかしそのミラーサイトからもダウンロードが失敗する場合は下記のリンクからダウンロードできます。このミラーは記事執筆者が独自にミラーしているものです。下記のミラーを使う場合は直接下記リンクをプラグインインストーラーに指定せずに、ダウンロードしたファイルを指定してください。
I2P-Bote ver.0.4.2
SHA-1:D01B589AE0BDD461DCD3C1AE8D7E0147469065E6
SHA-256:2DEB4771BBD6773B778EC6E8BCCED030D9C13798EF6B19AF3173A851E41B3B4D
最終更新:2016年01月07日 16:17