中継

中継ノード

I2Pでは必ず転送先にデータを送受信する際に何かのノードを仲介します。つまり、直接送信者と受信者が通信することはありません。http://127.0.0.1:7657/tunnelsにアクセスすると、どのノードを経由しているのかを確認することができます。
I2Pではデフォルトで3hop(つまり3ノード経由)するように設定されています。経由するノードは短くて数十秒、長くて10分ほどで切り替わり、定期的に経由するノードをランダムに選択します。
この挙動はTorを使用する際に3つのノードを選択しデフォルトでは1分毎に切り替わるのに似ています。
I2Pではいくつノードを経由するかを設定で変更することができ、最大6hop(つまり経由するノードを6つ)まで選択することができます。3hopでも十分匿名性は確保できますが、念には念を入れて経由するノードの数を多めにすることができます。
ただし経由するノードの数を多めにすればするほど通信速度は低下します。
eepsiteを稼動している場合、eepsite運営者は自分のサーバーに到達するまでのhop数を変更することでさらに匿名性を高めることも可能です。
たとえば閲覧者側のルーターが6hop,eepsite運営者側が6hopに設定してeepsiteにアクセスしようとした場合、
閲覧者のルーター=>ノードA=>ノードB=>ノードC=>ノードD=>ノードE=>ノードF=>ノードD=>ノードE=>ノードF=>eepsite稼動ルーター
というようにかなり多くのノードを経由することができます。もちろんそれらのノードは定期的にかつランダムに切り替わります。また、inbound用のノードとoutbound用のノードは区別されます。
中継ノード数は最小0hopにすることができますが、これはどのノードも中継しません。ノードの中継による匿名性が全くない状態になるため決して設定してはなりません。十分に確保できる匿名性と通信速度のトレードオフを考慮すると基本的にデフォルトの設定のままが好ましいです。

ノードはどのデータも中継する

単にI2Pルーターを起動しているだけで、どのユーザーもノードとして参加します。(ただしparanoidモードならば内向きの通信にだけ限定されます)
デフォルトの設定であれば、誰かの通信を中継することになり、その通信内容は終端間暗号化されているため中継ノードにはわかりません。
その内容は単なるメッセージのやりとりや、eepsiteの閲覧のためであったり、ファイル共有であったりします。
その時、I2Pを使用している人は無意識に法に抵触する通信(児童ポルノであったり著作権侵害にあたるファイル)を中継しているかもしれません。中継ノードはどの通信を中継しているかを関知しないため、I2Pを使用して他のノードの通信を手助けているからといって法に抵触することはありませんが、もしも結果的にそういった犯罪の片棒を持つことを忌避するのであればI2Pを使用しないべきです。
最終更新:2015年12月22日 13:40