概要
単に日本語に翻訳されたI2Pを使用するだけでは十分にI2Pを使いこなすことは難しい。そのためにI2Pで出現する用語を日本語で解説したものをここに記す。
アルファベット順
- BOB
- I2Pルータとアプリケーションが通信するためのブリッジシステムの1つ。たとえば、あるファイル交換アプリケーションがI2Pネットワークに入る場合、[ファイル交換アプリケーション] <===> [BOB] <===> [I2Pルータ] <===> [I2Pネットワーク]という構成を実現する橋渡しの役割をする。
- eepsite
- I2PのHiddenServiceを使うことで実現できる、I2P内でのみアクセス可能なWebサイトのこと。TorのHiddenServiceに相当する機能である。
- HiddenService
- I2Pネットワーク内でのみ使用可能な匿名サービスの1つ。基本的に何らかのサービスを提供するためのサーバとして動作するものであり、eepsiteのみを提供するものではない。IRC、ストリーミング等、用途によってサーバの種類を決定し作成する。
- I2PSnark
- I2Pにデフォルトで設けられている、ブラウザベースのGUIを持つBitTorrentクライアント。I2Pで代表的に知られているDiftTracker及びPostmanといったI2Pネットワーク内でのBitTorrentプロトコルを使用したファイル交換を目的とする場合に用いられる。単純にBitTorrentプロトコルをI2Pネットワークで閉じた状態でも使用可能にしているため、通信相手がI2Pのノードであれば互いにファイル交換が可能である。I2PSnarkで自動的に最新のI2Pのパッケージをダウンロードしバージョンアップを行うためにも使用されている。
- jumpurl
- hogehoge.i2pの形式でeepsiteへアクセスするとき、そのURLが自身のアドレスブックに登録されていないためにB32アドレスとの紐付けが不明な場合に対応先のB32アドレスを問い合わせ、そのアドレスを返り値として受け取る機構。一般的なDNSサーバに相当する機能である。
- outproxy
- I2Pネットワーク外(インターネットなど)へ通信をするために使用するゲートウェイ。プロクシサーバとして動作するゲートウェイを指定し使用する。I2Pのデフォルトでは、localhostの4444番ならびに4445番にoutproxyとしてそれぞれfalse.i2pとoutproxy-tor.meeh.i2pが指定されている。
- SAM
- I2Pルータとアプリケーションが通信するためのブリッジシステムの1つ。『BOB』を参照のこと。
- susimail
- デフォルトで使用可能なI2P独自のメールサービス。簡単なアカウントの登録を経て誰でも無償で使用可能。I2Pが使えるのであれば稼働しているルータが異なっても(すなわちI2Pがインストールされている全く別のPCでも)アカウントにログインしてメールの送受信が行える。ただし、メールサービスそのものがI2P内で閉じているため、Gmail等のインターネットを通るメールアドレス宛への送信または受信は不可能である。
- susidns
- アドレスブックの機構そのものの名称。susidnsは「hogehoge.i2p」と「hogehoge.i2pに対応するB32形式のURL」の対応表を管理している。購読先のサーバから対応表を定期的に取得して自動的に対応関係を登録あるいは削除する役割がある。このsusidnsがあることでわざわざ長いB32アドレス形式でアクセスしなくても、短いアドレスでアクセスできるようになる。これはwindowsでいうhostsファイルに相当する機能である。
50音順
- アドレスブック
- 『susidns』を参照
最終更新:2016年10月24日 21:51