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最終決戦を制した上条勢力。 魔術、科学の「世界の崩壊」を望まぬ者達の活躍と、覚醒した三人の超能力者と一人の幻想殺し、三人の聖人と二対の天使によってアレイスター率いる敵を撃破した。 そして、禁書目録は上条当麻に別れを告げる。 「とうま、私はこれから壊れ果てた世界を直す為に、いろいろな所を旅しなきゃならないの」 なら俺も付いて行く、上条がそう言うが、禁書目録は止める。 「とうまは短髪…みことを護るって約束があるでしょ!だから、これでお別れ。…とうまと逢えて楽しかったよ!もう会えないかもしれないけど、とうまはみことと幸せになってくれなきゃ嫌かも!…かおり達が呼んでるからそろそろ行くね!」 「禁書目録……。あぁ、わかった。それじゃあ、運が良かったら一万二千年後にまた会おうぜ!」 飛びきりの笑顔で禁書目録は去っていった。 「インデックス…笑ってたけど辛そうだったわね…」 「美琴…。そう、だな。…それじゃ俺達も行きますか!」 「どこに!?」 「決まってんだろ。美琴の両親に挨拶だよ」 絶対能力者の一人、御坂美琴の叫び声が木霊した。 「皆さん、それでは宜しいですね?」 「はい、火織」 「もちろんだよ」 「良いのよなー」 その他大勢のアニェーゼ部隊や、天草式のメンバー、女子寮のメンバーが神裂の問いに答える。 「それじゃあかおり、行こ!」 禁書目録はその先頭に立ち、世界を直す長い旅に出た。 「舞夏ー、今帰ったにゃー」 「やっと帰ってきたなー。正直…帰って来ないかと…思ってたん…だぞ…」 「ごめんな…舞夏」 とある学生寮では感動の再開を果たし、 「さてと、絶対能力者と言えど、修行を怠ってはならねーな!」 またある場所では一人の熱血漢が修行を始め、 「またパシリかよ…」 とあるマンションでは平和に暮らす少女と、それを守る無能力者が居て、それぞれが勝ち取った平和を楽しもうとしていた。 そして─。 「本当にこの道で合ってンだろうなァ?」 「ミサカが嘘付くわけ無い、ってミサカはミサカは断言してみる!」 絶対能力者の中でも最強の一方通行と、彼を支え続けた打ち止めが、ある目的地を目指していた。 「確かこっちだったよな」 「ね、ねぇ…本当に行くわけ?」 「ん?あぁ。俺は一秒でも早く美琴と一緒になりたいからな」 「…バ カ」 後に世界を救った英雄として語り継がれる上条当麻と、生涯、彼を支え続ける妻となる御坂美琴もある目的地を目指していた。 「そこだな」 「そこか」 ここで二組の足は止まった。 「あなた方もここに用事ですか…って一方通行!?」 「奇遇ですね…って当麻!」 「あら、打ち止めも一緒ね」 「わーいお姉様!ってミサカはミサカは久しぶりの再開にはしゃいでみる!」 上条当麻と一方通行は驚き、御坂美琴と打ち止めはさも当然のように抱き締めあう。 「えーっと、一方通行もご挨拶的な?」 「そういう当麻もかァ?」 こういう時だけ仲良しな二人。最終決戦で互いに背中を預け合った仲である。 「そ、それじゃあ行くぞ…」 「あ、あァ…」 ピンポーン、とチャイムを鳴らす上条。 程なくして一人の女性が出てきた。 「どちら様ですかーって白い子…確か一方通行 君に当麻君、 それに打ち止めちゃんに美琴ちゃんじゃないの!どうしたの?」 御坂美鈴。上条と一方通行を結び付ける一因の女性だ。 「今日は大切な話があって来ました」 「同じく。重要な用件なンだよ」 「そ、そんなに改まって…美鈴さん困っちゃうな…。と、とりあえず上がって」 いつもとは違う雰囲気の二人に気圧される美鈴。ひとまず家の中に入るように指示する。 「一方通行、第一段階はクリアだな」 「次が難関なンだよな」 家の中に二人は入っていく。 どうやら二人は共同戦線を張るつもりらしい。 「お姉様ー、この二人はいろいろ正反対なのに中身は一緒だったりするよねー、ってミサカはミサカは面白がってみたり」 「そうね。ま、そこが二人の良いとこなのよね」 打ち止めと美琴は、二人の後を追う。 御坂家にお邪魔する上条と一方通行。美琴と打ち止めは実家に帰ってきた。 「さて、何の用だ?上条当麻君に一方通行君。まぁ、そこに座りなさい」 美鈴に案内され、居間にやってきた上条と一方通行は、そこに待ち構えていた一人の父親ー御坂旅掛のオーラに体が硬直する。旅掛に言われた通り、テーブルを挟んで旅掛の向かい側に正座する二人。 「きょ、今日はお義父さんに話があって来ました」 「同じく。大切な用件があって来ました」 上条の隣には、美琴が。 一方通行の隣には打ち止めが座っている。 「ふむ…君達の意志は本気のようだ。声色を聞けばわかる。だが、君達にお義父さん、等と言われる筋合いはない」 その一言に背中に冷や汗が流れる二人。 「しかし、君達の話を聞かせて貰おう」 旅掛は、いつの間にか美鈴が煎れていたコーヒーを一口飲み、言い放った。 「最初に一方通行君から聞かせて貰おうか」 指名された一方通行は一瞬、少しだけ震えたが、自分の意志を旅掛に伝える。 「お、俺は今日、打ち止めを貰いに来ました!」 「却下だ。どうやら君は敬語と言うものを知らないのかな?そんな奴に打ち止めは任せられない」 次は当麻君、と言われ上条は深呼吸する。隣の一方通行が俯き、涙を溜めたのが見えた。 意識を集中させて宣言する。 「答えは却下だ。挨拶に来たというのに、なんだ?そのボロボロの服は。挨拶に来るならもっとマシな格好で来るべきだな」 正論を突きつけられ、反論出来ない二人。 「…悪い、一方通行……仇取れなかった…」 「…別に構わねーよ……」 「用件が済んだなら帰りたまえ」 意気消沈する二人を見て旅掛は帰ることを勧める。 無言で立ち上がり、玄関に向かおうとする二人。 (このまま帰ったらいつまで経っても了承はしないぞ?良いのか?若造共…) 旅掛は二人の背中を見つめ、問い掛ける。 「なぁ、一方通行」 「なんだ当麻」 「俺は諦めが悪いようだ」 「奇遇だなァ。俺もそう考えてたとこだ」 上条と一方通行は旅掛に背中を向けたまま、会話を交わす。 そして─。 「俺は美琴を貰う!」 「俺に打ち止めを寄越せっ!」 振り向き、吠える。 「なっ…当麻…」 「一方通行…」 覇気を取り戻した二人に美琴と打ち止めが驚く。 が、それに驚いたのは二人だけではない。美鈴と旅掛も同じだ。 「何度言っても無駄だ。却下だ」 その答えは予想通りとも思われる表情の上条と一方通行。 「そうだと思ったぜ」 「演算無しでもわかるってことだなァ」 満身創痍。まさしくこの言葉が合う二人だった。 //775 :その5:2009/04/02(木) 01:19:05 ID:.vth8vdg 深呼吸をして意識を高める上条と一方通行。 「俺は何度も打ち止めに救われたァ。そして今日もコイツに救われた…。最初は鬱陶しいと思ったこともあったがよォ、いつの間にか俺は打ち止めが居ねェと寂しくなっちまうんだよ。だから俺から打ち止めを取り上げるんじゃねェ!…それでも却下するってェなら俺は打ち止めをかっさらって行ってやンぞ!」 拳を握り締め、自分の想いを旅掛にぶつける一方通行。 「良くやった一方通行…次は俺の番だッ!俺は美琴を愛してる…。最初から愛していたわけじゃない。だけど!学園都市で過ごして行く中で美琴は俺の掛け替えのない存在になった!これからも美琴と一緒に居たい!それでも却下するなら…その幻想は俺がぶち殺す!」 一方通行に続き、上条が想いをぶつける。 二人は互いに拳と拳をぶつけ合い、行動を賞賛した。美琴と打ち止めは初めてみる想い人の一面に圧倒されていた。 「全く…若いって良いよな」 黙って聞いていた旅掛が動く。 「お前達は本当に娘達を幸せに出来るんだな?」 勿論、と二人は頷く。 「もし幸せに出来なかったら覚悟しておけよ?俺は容赦しないからな。美琴、打ち止め。幸せになるんだぞ」 その言葉を聞いた4人(+話を聞いていた美鈴)は最高の笑顔になった。 激闘を終え、御坂家を後にした4人は学園都市まで戻ってきた。 「なぁ一方通行」 「あァン?」 「良かったな、了承貰えて」 「てめェもな、当麻」 二人はどちらともなく右手を差し出し、握手していた。 「ホント、無茶苦茶よね…あの二人」 「でもそんな当麻お義兄さんに惚れたんでしょーってミサカはミサカは悪戯に質問してみるー!」 「なっ…アンタねぇ!…そう言う打ち止めもそこに惚れたのよね」 「ギクッてミサカはミサカは姉妹の遺伝子は怖いって思ってみたりー!」 御坂美琴の体細胞クローンの打ち止め。しかし美琴の妹達である打ち止めだが、一生を共に歩む男性は違った。が、本質は似たようなものだったりするのだが。 「そういえばアンタ、さらっと当麻義兄さんとか言わなかった?」 「だってお姉様の旦那様は義兄になるわけだよ、ってミサカはミサカは当たり前のことを言ってみる」 この一言が、夕日をバックに未だ握手し続ける旦那達に波乱を呼ぶことになるのだが、それはまた別のお話し。 &br()

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  1. 最終決戦を制した上条勢力。
  2. 魔術、科学の「世界の崩壊」を望まぬ者達の活躍と、覚醒した三人の超能力者と一人の幻想殺し、三人の聖人と二対の天使によってアレイスター率いる敵を撃破した。
  3. そして、禁書目録は上条当麻に別れを告げる。
  4. 「とうま、私はこれから壊れ果てた世界を直す為に、いろいろな所を旅しなきゃならないの」
  5. なら俺も付いて行く、上条がそう言うが、禁書目録は止める。
  6. 「とうまは短髪…みことを護るって約束があるでしょ!だから、これでお別れ。…とうまと逢えて楽しかったよ!もう会えないかもしれないけど、とうまはみことと幸せになってくれなきゃ嫌かも!…かおり達が呼んでるからそろそろ行くね!」
  7. 「禁書目録……。あぁ、わかった。それじゃあ、運が良かったら一万二千年後にまた会おうぜ!」
  8. 飛びきりの笑顔で禁書目録は去っていった。
  9. 「インデックス…笑ってたけど辛そうだったわね…」
  10. 「美琴…。そう、だな。…それじゃ俺達も行きますか!」
  11. 「どこに!?」
  12. 「決まってんだろ。美琴の両親に挨拶だよ」
  13. 絶対能力者の一人、御坂美琴の叫び声が木霊した。
  14. 「皆さん、それでは宜しいですね?」
  15. 「はい、火織」
  16. 「もちろんだよ」
  17. 「良いのよなー」
  18. その他大勢のアニェーゼ部隊や、天草式のメンバー、女子寮のメンバーが神裂の問いに答える。
  19. 「それじゃあかおり、行こ!」
  20. 禁書目録はその先頭に立ち、世界を直す長い旅に出た。
  21. 「舞夏ー、今帰ったにゃー」
  22. 「やっと帰ってきたなー。正直…帰って来ないかと…思ってたん…だぞ…」
  23. 「ごめんな…舞夏」
  24. とある学生寮では感動の再開を果たし、
  25. 「さてと、絶対能力者と言えど、修行を怠ってはならねーな!」
  26. またある場所では一人の熱血漢が修行を始め、
  27. 「またパシリかよ…」
  28. とあるマンションでは平和に暮らす少女と、それを守る無能力者が居て、それぞれが勝ち取った平和を楽しもうとしていた。
  29. そして─。
  30. 「本当にこの道で合ってンだろうなァ?」
  31. 「ミサカが嘘付くわけ無い、ってミサカはミサカは断言してみる!」
  32. 絶対能力者の中でも最強の一方通行と、彼を支え続けた打ち止めが、ある目的地を目指していた。
  33. 「確かこっちだったよな」
  34. 「ね、ねぇ…本当に行くわけ?」
  35. 「ん?あぁ。俺は一秒でも早く美琴と一緒になりたいからな」
  36. 「…バ カ」
  37. 後に世界を救った英雄として語り継がれる上条当麻と、生涯、彼を支え続ける妻となる御坂美琴もある目的地を目指していた。
  38. 「そこだな」
  39. 「そこか」
  40. ここで二組の足は止まった。
  41. 「あなた方もここに用事ですか…って一方通行!?」
  42. 「奇遇ですね…って当麻!」
  43. 「あら、打ち止めも一緒ね」
  44. 「わーいお姉様!ってミサカはミサカは久しぶりの再開にはしゃいでみる!」
  45. 上条当麻と一方通行は驚き、御坂美琴と打ち止めはさも当然のように抱き締めあう。
  46. 「えーっと、一方通行もご挨拶的な?」
  47. 「そういう当麻もかァ?」
  48. こういう時だけ仲良しな二人。最終決戦で互いに背中を預け合った仲である。
  49. 「そ、それじゃあ行くぞ…」
  50. 「あ、あァ…」
  51. ピンポーン、とチャイムを鳴らす上条。
  52. 程なくして一人の女性が出てきた。
  53. 「どちら様ですかーって白い子…確か一方通行 君に当麻君、
  54. それに打ち止めちゃんに美琴ちゃんじゃないの!どうしたの?」
  55. 御坂美鈴。上条と一方通行を結び付ける一因の女性だ。
  56. 「今日は大切な話があって来ました」
  57. 「同じく。重要な用件なンだよ」
  58. 「そ、そんなに改まって…美鈴さん困っちゃうな…。と、とりあえず上がって」
  59. いつもとは違う雰囲気の二人に気圧される美鈴。ひとまず家の中に入るように指示する。
  60. 「一方通行、第一段階はクリアだな」
  61. 「次が難関なンだよな」
  62. 家の中に二人は入っていく。
  63. どうやら二人は共同戦線を張るつもりらしい。
  64. 「お姉様ー、この二人はいろいろ正反対なのに中身は一緒だったりするよねー、ってミサカはミサカは面白がってみたり」
  65. 「そうね。ま、そこが二人の良いとこなのよね」
  66. 打ち止めと美琴は、二人の後を追う。
  67. 御坂家にお邪魔する上条と一方通行。美琴と打ち止めは実家に帰ってきた。
  68. 「さて、何の用だ?上条当麻君に一方通行君。まぁ、そこに座りなさい」
  69. 美鈴に案内され、居間にやってきた上条と一方通行は、そこに待ち構えていた一人の父親ー御坂旅掛のオーラに体が硬直する。旅掛に言われた通り、テーブルを挟んで旅掛の向かい側に正座する二人。
  70. 「きょ、今日はお義父さんに話があって来ました」
  71. 「同じく。大切な用件があって来ました」
  72. 上条の隣には、美琴が。
  73. 一方通行の隣には打ち止めが座っている。
  74. 「ふむ…君達の意志は本気のようだ。声色を聞けばわかる。だが、君達にお義父さん、等と言われる筋合いはない」
  75. その一言に背中に冷や汗が流れる二人。
  76. 「しかし、君達の話を聞かせて貰おう」
  77. 旅掛は、いつの間にか美鈴が煎れていたコーヒーを一口飲み、言い放った。
  78. 「最初に一方通行君から聞かせて貰おうか」
  79. 指名された一方通行は一瞬、少しだけ震えたが、自分の意志を旅掛に伝える。
  80. 「お、俺は今日、打ち止めを貰いに来ました!」
  81. 「却下だ。どうやら君は敬語と言うものを知らないのかな?そんな奴に打ち止めは任せられない」
  82. 次は当麻君、と言われ上条は深呼吸する。隣の一方通行が俯き、涙を溜めたのが見えた。
  83. 意識を集中させて宣言する。
  84. 「答えは却下だ。挨拶に来たというのに、なんだ?そのボロボロの服は。挨拶に来るならもっとマシな格好で来るべきだな」
  85. 正論を突きつけられ、反論出来ない二人。
  86. 「…悪い、一方通行……仇取れなかった…」
  87. 「…別に構わねーよ……」
  88. 「用件が済んだなら帰りたまえ」
  89. 意気消沈する二人を見て旅掛は帰ることを勧める。
  90. 無言で立ち上がり、玄関に向かおうとする二人。
  91. (このまま帰ったらいつまで経っても了承はしないぞ?良いのか?若造共…)
  92. 旅掛は二人の背中を見つめ、問い掛ける。
  93. 「なぁ、一方通行」
  94. 「なんだ当麻」
  95. 「俺は諦めが悪いようだ」
  96. 「奇遇だなァ。俺もそう考えてたとこだ」
  97. 上条と一方通行は旅掛に背中を向けたまま、会話を交わす。
  98. そして─。
  99. 「俺は美琴を貰う!」
  100. 「俺に打ち止めを寄越せっ!」
  101. 振り向き、吠える。
  102. 「なっ…当麻…」
  103. 「一方通行…」
  104. 覇気を取り戻した二人に美琴と打ち止めが驚く。
  105. が、それに驚いたのは二人だけではない。美鈴と旅掛も同じだ。
  106. 「何度言っても無駄だ。却下だ」
  107. その答えは予想通りとも思われる表情の上条と一方通行。
  108. 「そうだと思ったぜ」
  109. 「演算無しでもわかるってことだなァ」
  110. 満身創痍。まさしくこの言葉が合う二人だった。
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  112. 深呼吸をして意識を高める上条と一方通行。
  113. 「俺は何度も打ち止めに救われたァ。そして今日もコイツに救われた…。最初は鬱陶しいと思ったこともあったがよォ、いつの間にか俺は打ち止めが居ねェと寂しくなっちまうんだよ。だから俺から打ち止めを取り上げるんじゃねェ!…それでも却下するってェなら俺は打ち止めをかっさらって行ってやンぞ!」
  114. 拳を握り締め、自分の想いを旅掛にぶつける一方通行。
  115. 「良くやった一方通行…次は俺の番だッ!俺は美琴を愛してる…。最初から愛していたわけじゃない。だけど!学園都市で過ごして行く中で美琴は俺の掛け替えのない存在になった!これからも美琴と一緒に居たい!それでも却下するなら…その幻想は俺がぶち殺す!」
  116. 一方通行に続き、上条が想いをぶつける。
  117. 二人は互いに拳と拳をぶつけ合い、行動を賞賛した。美琴と打ち止めは初めてみる想い人の一面に圧倒されていた。
  118. 「全く…若いって良いよな」
  119. 黙って聞いていた旅掛が動く。
  120. 「お前達は本当に娘達を幸せに出来るんだな?」
  121. 勿論、と二人は頷く。
  122. 「もし幸せに出来なかったら覚悟しておけよ?俺は容赦しないからな。美琴、打ち止め。幸せになるんだぞ」
  123. その言葉を聞いた4人(+話を聞いていた美鈴)は最高の笑顔になった。
  124. 激闘を終え、御坂家を後にした4人は学園都市まで戻ってきた。
  125. 「なぁ一方通行」
  126. 「あァン?」
  127. 「良かったな、了承貰えて」
  128. 「てめェもな、当麻」
  129. 二人はどちらともなく右手を差し出し、握手していた。
  130. 「ホント、無茶苦茶よね…あの二人」
  131. 「でもそんな当麻お義兄さんに惚れたんでしょーってミサカはミサカは悪戯に質問してみるー!」
  132. 「なっ…アンタねぇ!…そう言う打ち止めもそこに惚れたのよね」
  133. 「ギクッてミサカはミサカは姉妹の遺伝子は怖いって思ってみたりー!」
  134. 御坂美琴の体細胞クローンの打ち止め。しかし美琴の妹達である打ち止めだが、一生を共に歩む男性は違った。が、本質は似たようなものだったりするのだが。
  135. 「そういえばアンタ、さらっと当麻義兄さんとか言わなかった?」
  136. 「だってお姉様の旦那様は義兄になるわけだよ、ってミサカはミサカは当たり前のことを言ってみる」
  137. この一言が、夕日をバックに未だ握手し続ける旦那達に波乱を呼ぶことになるのだが、それはまた別のお話し。
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