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//902 :■■■■:2007/07/22(日) 13:17:27 ID:TYTPcKhk //はじめまして。皆様の作品楽しく拝見させていただいております。 //ということで(どういうことで?)お目汚しではありますが試しに書いてみた小話を投下。 //ご意見をいただければ幸いです。 //構想的には長編の一番最初、プロローグなのですがその後が続くのかどうかは予定は未定ということで。 //タイトルはとりあえず『とあるプリンの争奪戦』です。 -------------------------------  学園都市の一角に教員専用のマンションが建っている。様々な実験の対象となっているために格安で人気は高い。  そのマンションの見晴らしのいい13階に住むのは黄泉川愛穂。これといった特徴のない高校で体育教師をしている。非常時には警備員(アンチスキル)として学園都市の治安を守ったりもするらしいが普段の彼女からはその姿はまったく想像できないと一方通行は考えている。 (こンなこと本人に言ったら何されるかわかったもンじゃねェが……)  今も居候その1となにやら取っ組み合いをしている。 「これは最後のプリンなのってミサカはミサカはお伝えする。やっぱりこういうものは小さい子にあげなきゃねってミサカはミサカは都合のいいときだけ子ども扱いを求めてみたり」 「最後のひとつだからこそこれは家主サマがたべるべきじゃん。先に冷蔵庫から取り出した私が食べるんじゃんよ」 「むきーってミサカはミサカは……」 「むむー……」 (たっくなにやってンだか……)  一方通行は呆れ顔で二人のやりとりを見つめ大きなため息をついた。 「二人ともおやめなさいな。プリンひとつでみっともない」  ここぞとばかりに良識的なのは居候その2の芳川桔梗だ。キッチンのほうでなにやら探し物をしていたらしくカウンターから顔をのぞかせている。 『だってー』  二人の声が重なる。とはいえ芳川の言葉に不満をあらわしながら休戦中の双方とも目はまだあきらめてはいない。 「ちょっと貸してみなさい」  キッチンから出てきた芳川の手にはお皿と包丁を乗せたトレー。どうやら最後のプリンを分けるために包丁をとりにいったようだった。  このままでは決着はつかないと悟ったのか一刻も早くプリンを食べたい打ち止めと黄泉川は芳川の言葉に従いプリンを渡す。 「確かにこのプリンおいしかったわね。学園都市の試作品なんてまともなものはないとおもっていたのだけれどそうでもないのかしら」  芳川はそう言いながら怪しげなマークのついた学園都市謹製まったり濃厚とろとろプリンのふたを開ける。そしてお皿をプリンの容器にかぶせるとそのまま反転。容器のそこについた突起を指で折る。「ぷりん」と聞こえてきそうなほど柔らかな動作でプリン本体がお皿の上に着地。どうやら二人の争奪戦程度ではプリンは型崩れしないらしい。  打ち止めと黄泉川が見守る中芳川がプリンに包丁を入れる。芳川の持つ包丁がプリンから離れると二人は本の少しでも大きい方のプリンを手に入れるべくプリンを凝視している。  しかしその瞬間二人は驚くべき光景を目にする。  芳川が再びプリンに包丁を入れたのだ。一度目の切り口と垂直に交わり、上から見ると半月形だったプリンが扇形になる。 『あー!』  再び二人の声が重なる。 「なぁに? だって最後の一つなのでしょう? 私だって食べたいわ。あなたも食べるわよね、一方通行?」  声をかけられて居候その3の一方通行は言葉に詰まる。 (これは……どうすりゃいいンだ?)  正直彼はプリンは割りとどうでもいい。もともと甘いものはそれほど口にしない。しかしここで辞退すると話しはさらにややこしくなりそうだ。おそらく彼が辞退すれば一つの四分の一を巡って再度プリン争奪戦が始まる。もしかすると今度は三つ巴の争いになるかもしれない。 (俺は静かに昼寝でもしたいンだけどなァ。仕方がない) 「食うに決まってンだろ。さっさとスプーンをよこしやがれ」  再度ため息をつきながら一方通行は打ち止めたちが囲むプリンの皿に手を伸ばす。  それはかつての学園都市最強の日常の一こま。一人の少女との出会いによって彼が手に入れた平穏な時間。そしてただ3等分よりも4等分の方が簡単だったというお話。  ちなみにその後芳川が用意した果物や生クリームのトッピングに満足した打ち止めと黄泉川は終戦協定を結んだのだった。 ------------------ //以上。 //12巻の事件がなかったら、の世界のお話です。 //それではよろしくお願いいたします。

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