並行世界。
-the pararell world―
実際に物理学の世界でも理論的な可能性が語られている。例えば、量子力学の他世界解釈や、宇宙論の「ベビーユニバース」仮説などである。理論的根拠を調弦論の複数あるという考え方も生まれてきている。現在の宇宙は主に正物質、陽子や電子などで構成されているが、反陽子や陽電子などの反物質の存在により、ビッグバンの過程において、この宇宙以外にも他の宇宙が無数に泡のごとく生じており、他の平行宇宙では、逆に反物質のみから構成される世界が存在するのではないかという仮説も提示されている。
-the pararell world―
実際に物理学の世界でも理論的な可能性が語られている。例えば、量子力学の他世界解釈や、宇宙論の「ベビーユニバース」仮説などである。理論的根拠を調弦論の複数あるという考え方も生まれてきている。現在の宇宙は主に正物質、陽子や電子などで構成されているが、反陽子や陽電子などの反物質の存在により、ビッグバンの過程において、この宇宙以外にも他の宇宙が無数に泡のごとく生じており、他の平行宇宙では、逆に反物質のみから構成される世界が存在するのではないかという仮説も提示されている。
だが、これは科学的な考え方であり、非科学(オカルト)ではない。
過去、未来へ行き来できる時点で『並行世界(パラレルワールド)』は存在する。
時とは一本の道筋であり、過去、現代の延長線上に未来が構成されているのではなく、過去と未来が存在するからこそ現在があると考えられている。時を隔て互いに干渉しあうことで存在が生じるのだ。未来を読み取ることができる「世界の黙示録(アカシックレコード)」という魔術があるように、水が上流から下流に流れるがごとく未来とは大きな時のうねりとして捕らえられている。
それを逆手に取り、過去のある魔術師が己の過ちを正すために時代を超えて意識を飛ばす魔術を編み出した。
だがそこは過去もしくは未来であり、現実であるが自分のいた世界とは繋がっていない異世界。
しかし未来は一つしかない。過去は一つしかない。並列的でもあり直列的に存在する世界。
だから人々はこう呼ぶ。
過去、未来へ行き来できる時点で『並行世界(パラレルワールド)』は存在する。
時とは一本の道筋であり、過去、現代の延長線上に未来が構成されているのではなく、過去と未来が存在するからこそ現在があると考えられている。時を隔て互いに干渉しあうことで存在が生じるのだ。未来を読み取ることができる「世界の黙示録(アカシックレコード)」という魔術があるように、水が上流から下流に流れるがごとく未来とは大きな時のうねりとして捕らえられている。
それを逆手に取り、過去のある魔術師が己の過ちを正すために時代を超えて意識を飛ばす魔術を編み出した。
だがそこは過去もしくは未来であり、現実であるが自分のいた世界とは繋がっていない異世界。
しかし未来は一つしかない。過去は一つしかない。並列的でもあり直列的に存在する世界。
だから人々はこう呼ぶ。
リアルワールド、と。
とある魔術の禁書目録 「並行世界(リアルワールド)」 二日目
(二日目)0時13分
世界を代表する国際展示場や科学施設を一望できるとある第3学区の高級ホテルの一室。
海外からの来客の中でも上流階級の人々を招き入れる学園都市きっての最高級ホテルであり、一番安い一室でも一泊10万という破格の値を張るだけでもお分かりいただけるだろう。
そしてそのホテルの最上階にあるスウィートルームにバードウェイはいた。
クリーム色を下色としたシルクの寝着を身に纏ったバードウェイは夜景を眺めながら電話の相手に話しかけていた。
「ああ、状況は報告通りだ。そっちの連絡員からも同じ情報がきているだろう?」
「はっはっは、最初に言われたときは危うく殺すとこだったよ」
「なに、心配はいらんさ。私一人やらねばならない仕事だ」
「それでは切るぞ。そっちではティータイムの時間かもしれないがこちらでは深夜なのでな。また連絡するさ。おやすみ、パトリシア」
世界を代表する国際展示場や科学施設を一望できるとある第3学区の高級ホテルの一室。
海外からの来客の中でも上流階級の人々を招き入れる学園都市きっての最高級ホテルであり、一番安い一室でも一泊10万という破格の値を張るだけでもお分かりいただけるだろう。
そしてそのホテルの最上階にあるスウィートルームにバードウェイはいた。
クリーム色を下色としたシルクの寝着を身に纏ったバードウェイは夜景を眺めながら電話の相手に話しかけていた。
「ああ、状況は報告通りだ。そっちの連絡員からも同じ情報がきているだろう?」
「はっはっは、最初に言われたときは危うく殺すとこだったよ」
「なに、心配はいらんさ。私一人やらねばならない仕事だ」
「それでは切るぞ。そっちではティータイムの時間かもしれないがこちらでは深夜なのでな。また連絡するさ。おやすみ、パトリシア」
携帯電話を切ると、いまだ正装のままのテオドシア=エレクトラに投げ渡した。
「わっわっ、携帯電話は精密機械だからそんなに乱暴に扱っては駄目なのデスマスよ」
「なぜ貴様は寝巻きではないのだ。明日、いや今日か。今日は早いぞ。貴様も早く寝ろ」
「そ、それは貴女が必要もないのに上条さんに会いに行くからではマスッ!?いえいえただ私が服を忘れたからデスハイ!」
ギロリ!とバードウェイに睨まれたテオドシアは面と向かって貴女のせいです、とは言えなかった。
「バスローブで寝るつもりだったのか?」
「は、はい。ここのホテルのバスローブは高級品でございますからねぇ。忘れてきて正解デスマス」
「その貧乏性を無くしたらどうだ。子供たちに示しがつかないであろう」
「わたくしは子供たちに贅沢になってほしくないのでマスよ。貴女の金銭感覚で物事を見てしまっては…ってエエッ!?さっき物騒な金属音が聞こえたデスよ!?」
「今日はえらくつっかかるではないかテオドシア。いいぞ、今ここで肩慣らしをしても」
「ひいっ!目がマジデスマスよ!?わ、わたくしシャワーを浴びてきマース!」
といって、テオドシアは慌しくドアを開け去っていった。
そんな彼女を呆れながら見送ると、バードウェイはまた夜景に目をやる。
「わっわっ、携帯電話は精密機械だからそんなに乱暴に扱っては駄目なのデスマスよ」
「なぜ貴様は寝巻きではないのだ。明日、いや今日か。今日は早いぞ。貴様も早く寝ろ」
「そ、それは貴女が必要もないのに上条さんに会いに行くからではマスッ!?いえいえただ私が服を忘れたからデスハイ!」
ギロリ!とバードウェイに睨まれたテオドシアは面と向かって貴女のせいです、とは言えなかった。
「バスローブで寝るつもりだったのか?」
「は、はい。ここのホテルのバスローブは高級品でございますからねぇ。忘れてきて正解デスマス」
「その貧乏性を無くしたらどうだ。子供たちに示しがつかないであろう」
「わたくしは子供たちに贅沢になってほしくないのでマスよ。貴女の金銭感覚で物事を見てしまっては…ってエエッ!?さっき物騒な金属音が聞こえたデスよ!?」
「今日はえらくつっかかるではないかテオドシア。いいぞ、今ここで肩慣らしをしても」
「ひいっ!目がマジデスマスよ!?わ、わたくしシャワーを浴びてきマース!」
といって、テオドシアは慌しくドアを開け去っていった。
そんな彼女を呆れながら見送ると、バードウェイはまた夜景に目をやる。
先ほどの上条は『知らなかった』。
それは分かっていたのだが、何か遣り残したような苦い感覚が心の隅に引っかかる。そんな彼女の心境を吐露するように一人、呟いた。
「…全く、何が『何でここにいるんだ』だ。私を呼んだのは貴様だろうが。上条」
心に溜まったものを整除するためにワインを一杯煽る。
今日は大仕事だ。
グラスをテーブルの上に置きなおすと、バードウェイは口元を拭かずにベッドに倒れこんだ。
目を瞑るとすぐに眠りに落ちた。
今日は大仕事だ。
グラスをテーブルの上に置きなおすと、バードウェイは口元を拭かずにベッドに倒れこんだ。
目を瞑るとすぐに眠りに落ちた。