とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

1-4

最終更新:

index-ss

- view
だれでも歓迎! 編集
13時20分
「……俺が、『絶対能力者(レベル6)』?」
「『ドラゴン』――――――『上』の連中はそう呼んでいる」

長点上機学園の第三グラウンド。
能力者の身体測定の為に作られた運動場であり、砲丸投げのようなメモリなど、様々なラインが引かれている。地面はアスファルトでは無く、クッション性を高めた芝生で覆われている。面積も広大であり、大覇星祭の際には多くの大規模な競技が行われていた。しかし、昼休みとなるとそこはただの遊戯場と化す。そこいる生徒たちはサッカーや野球やバスケットボール、または部活のランニングなどに少ない休憩時間を惜しむように励んで、汗を流していた。サッカーボールが途中で火だるまになったり、文字通り「消える魔球」を放つピッチャーがいたりと、所々に長点上機学園の能力開発の優秀さが垣間見える平凡な一場面である。
そんな中、人気のない来客用の観客席に上条当麻と土御門元春はいた。和気あいあいと昼休みを過ごす生徒たちとは対照的に二人の表情は真剣そのものだった。



「ちょ、ちょっと待て土御門。まだ状況をよく飲みきれてない。……つまり俺の中には『竜王(ドラゴン)』がいて、その力が強大だから俺は『絶対能力者(レベル6)』で、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』はその力を抑えるフタみたいなもので…
そして、その力によって魔術世界と学園都市との戦争を止めた「英雄」でもあるってことで…いいのか?」

「その通りだにゃー。表だっては報道されてはいないけど、すでに周知の事実みたいになってる。特にイギリス正教の連中にはカミやんを英雄どころか『神』扱いしている奴らもいるくらいだからにゃー、まさに「神やん」ってカンジだにゃー」
「…寒いオヤジギャグはどうでもいいけどよ。俺が『風紀委員(ジャッジメント)』の委員長ってのもそのせいなのか?」
「っ!カミやんがその気になれば学園都市上層部の幹部になれるどころか、教会や学園都市に匹敵する第三勢力を作れる程なんだぜい!?それくらいドでかい功績が学園都市『風紀委員(ジャッジメント)』の一学区の委員長のポストだなんて割に合っていないのにも程がある。イギリス清教にいけば『必要悪の教会(ネセサリウス)』よりも強大な武力を持つ上条派閥が出来上がるし、ローマ正教にいたっては『神の右席』の席を用意しているなんて話があるぐらいだぜい?」
朝から驚きの連続であったのに、先ほどから語られる唐突でかつあまりにスケールのでかい上に身に覚えがない自分の過去話に付いていけなくなった上条は、

「………………………………………………………………………あー、えーっと……マジ?」

マジだにゃー!と叫ぶ土御門のリアクションに上条当麻の脳みそはオーバーヒート寸前だった。
『未来』に意識が跳んだだけでは無く、身の回りの著しすぎる変貌。恋人の存在。『風紀委員(ジャッジメント)』という地位。一年前には妄想を脹らませても辿り着けないような場所に、自分はいる―――――――

なーんて夢オチでした。テヘッ。

と、上条当麻は叫んでみたいくらいだった。
気持ちを整理して落ち着きたいところでもあったが、土御門との会話が繋がらなくなるのも癪なので、上条当麻は少し気なることを聞いた。
「…ところで土御門。何でそんなに震えてるんだ?風邪か?」
「……カミやん、『風紀委員(ジャッジメント)』にカミやんが入るって学園都市の理事長の前面で言ったときのことを覚えてるかにゃー?」
「覚えてるも何も、さっき言っ…」
「だぁー!!!まるまる一年記憶が跳んでてもそれくらい予知ってほしかったにゃー!理事長にその理由を聞かれたときのカミやんは何て答えたと思うっ!?」
「知らねぇよ!」
知る由もない未来や前世の記憶などを覚えてるやつがいたとしたらそれはただの嘘つきか結婚詐欺師だ。
「カミやんはこう言ったんだぜ!こう言ったんだぜ!?」
土御門のあまりのリアクションに上条の額に嫌な汗が流れる。


「『愛する女(ひと)を守りたいから』―――――――だぜぃ!!」


「は、はいいいいいいいいいいい――っ!!?」
何言ってんだ未来の俺は!?(現在からすると過去となるが)最近の少年マンガ家ですら描くことに躊躇いを覚えるほど歯の浮くようなセリフに上条はただ驚くしかなかった。
そんな上条のことを無視して、若干壊れ気味に金髪グラサンは一気にまくし立てる。
「カミやんのそんな強さと謙虚さに上条フラグが四桁を突破し、しかもしかも!選択肢イッパツでグッドアンドトゥルーエンド直行の重要フラグばかりを立てやがってェー!カミやんに助けられた巨乳シスターさんやロリっ子シスター率いるシスター軍団やありとあらゆる属性を持つカワイイ女の子たちが東西南北どこからともなく次々とカミやん目当てで学園都市に入ってくるわでそんな報告を淡々と受け取るしかなかった俺の気持ちを考えろや!!青髪ピアスを筆頭とするクラスメイトは俺でもビックリするような練りに練った『カミやん暗殺計画』を実行する寸前だったし、カミやんを慕う女たちにそれを気づかれた青髪ピアスたちは一人残らず粛清されて天に召される一歩手前だったし!それから『あの』常盤台のエース様をメロメロ(貴方なしじゃ生きられない)レベルまで落としやがって!!アーッ!思い出しただけでもムカついてきたにゃァア!!!モテナイ男たちの代表として一発殴らせろー!カミや――――んっ!!」
「ええええええ――――――!?ちょっと待ってー!?なんでカミジョーさんは勝手に思い出し逆ギレされて殴られなきゃならないワケ―???俺は身に覚えがないし何よりモテナイ男軍団から彼女が出来たってことで卒業の祝福されてもいいと思うのですが間違ってないよね間違ってますかすみませんごめんなさいって二発目じゃんよ俺って不幸だー!!」
理不尽かつ強烈な土御門の鉄拳を哀れな(?)上条は――――――

「ッ!―――――――――――――させませんッ!!」
「!?ブへァアッ――――――!!」
とはならずに、第三者の介入によって上条に危害を加えようとした金髪グラサンは、紺色の長点上機学園の制服を着た金髪でウエーブがかかったロングヘアーの少女に『文字通り』ブッ飛ばされた。
吹き飛ばされた土御門は野球場のような階段型の観客席を勢いよく転がっていき、フェンスに当たって派手な音をたてた。
元いた場所から軽く二十メートルはある。唖然とする上条当麻だったが
「無礼者っ!」
目の前に立っている金髪ロングヘアーの女子生徒は両手を腰に手をあてて叫んだ。後ろ姿で顔は見えないが、彼女が発するオーラに上条は声をかけられない。

「我が校が誇る『絶対能力者(レベル6)』にして、私の上司たる上条様に危害を加えようとするとは!!」
ローラースケートで滑ることも無く二段ほど階段を下りる。階段の一番下にいる土御門に向けて告げた。
「貴方、一体何者?」
どうやら左肩を痛めたらしく、右手で抑えながら上半身だけ立ち上がると
「お、俺は高等部二年の…」

「嘘言いなさい」

「私は学園全員の生徒の顔と名前は覚えてますの」
土御門の表情が固まると同時に、彼女は犬笛のような銀色の笛を口にすると、
ピ―――――ッ!と大音量で鳴らした。
うわっ、と上条は耳を押さえながらうずくまった。
その音が鳴った途端、グラウンドで遊んでいた生徒はこっちも方に目を向けると、突如として校舎に走り出した。
何だ何だ?と上条が状況把握を行いながら、ふと金髪ロングヘアーの少女に目をやると―――
絶句した。後ろ姿からでも彼女の怒気がどれ程ものか、察することが出来たからだ。

「ステージ3のエマージェンシーコールを申請しました…我が校の生徒に扮し、上条様に近づくとは…いい度胸です」

ガガガガガッ!!
突然、十人近くの長点上機学園の制服姿の生徒たちが眼前に現れた。
腕を組みながら仁王立ちする大柄な男。二メートル以上ありそうな長い棒を持つ少女など。

「貴方が何者で、何の目的で此処を訪れたのかは知りません。ですが―――」

ガガガガガガッ!!
さらに十人近くの生徒たちが上条の眼前に出現した。
バタフライナイフをチラつかせる女子生徒。メガネをかけた長身の男子生徒など。

「如何なる理由があろうとも、上条様には指一本触れさせません」

ガガガガガガガッ!!
そしてさらに十人以上の生徒たちが上条の眼前に現れた。
携帯を弄りながら退屈そうな女子生徒に手をつなぎ合ったままのカップル。皆、漆黒の制服を纏い、そして右腕には『盾』モチーフにした腕章。


「我ら――――――――――『風紀委員(ジャッジメント)』がいる限り」


つい先ほどまで、上条と土御門しかいなかった観客席は三〇人以上の長点上機学園の生徒がいる。半数の生徒たちは何らかの武器を所持しており土御門を覆い囲むような形で円陣をつくっていた。
予想外の出来事に肩を震わす土御門。開いた口が塞がらない上条。
唐突に羽平くるるの声がかかる。
「お怪我はありませんか上条様!?…っ!頬が腫れているでありませんか!まさか、あの無礼者に殴られたのですか!?」
視界一杯にくるるの顔が迫る上条は彼女の気迫に押され気味に答えた。
「あー、まあ、それは、そうなんだけど、でも――――――――」

「ひっ捕えなさい!!!」

彼女の大声と共に他の生徒が一斉に動き出した。30人以上の『大能力者(レベル4)』相手に『無能力者(レベル0)』の土御門は成す術は無く、彼らの手に墜ちたのは言うまでも無い。







「――――――つまり、あの方は上条様の友人だったのですね。とんだご無礼を!」
「いや、いいよ羽平さん。あれは土御門の方が悪いから」
「ですが!―――――――――」

16時11分
ここは『風紀委員活動第一七〇支部第七学区本部』。『学舎の園』の敷地内にある支部であり、第七学区担当の中でも上位に位置する『風紀委員(ジャッジメント)』のメンバーが集う。といっても第七学区がほこる常盤台中学の上位能力者で占められており、さらに常盤台で形成されている派閥によって上層部と他の支部とは壁は厚いことで有名である。

しかし、それは過去の話だ。現在は長点上機学園の特待生こと上条当麻がその頂点に立ったことによって、水面下の派閥抗争は見る影すら無くなっている。
と、いうのが羽平くるるから教えられた新情報であり、初めて見る『学舎の園』の内部の景色やすれ違いざまに有名校の生徒たちや教師に挨拶され、上条はドギマギするしかなかった。
職員用のスリッパを拝借して、生徒は使用禁止のエレベーターに乗り、最上階に上がる。そこで声紋、静脈、眼球、指先の微振動パターンの四種を調べる厳重なロックを外すと、学校の教室とは違うオフィスのような一室があった。各デスクには最新式のコンピュータが並べてあり、部屋の奥には上条の一際大きいモダンなビジネスデスクがある。部屋には既に四人の常盤台の生徒がおり、あの電撃お嬢様とは比べ物にならないほど気品のある挨拶を受けた。「上条様」、「当麻様」、「当麻さん」、「いいんちょ」など、四人とも上条の呼称が異なっていたが、表情から察するに彼女たちとの関係は悪いものでは無いと容易に判断できた。
『今』の上条には知らない世界だった。


そんな慣れない環境に戸惑いつつも上条は部屋に訪れた羽平くるると話していた。
「上条様に何とお詫びをすればよいのでしょう。…私に何なりとお申し付けくださいませ!どんな罰でもお受けいたします!」
心から申し訳ないという表情で頭を下げる彼女。長点上機学園で起きたちょっとした事件が起こった。学園の生徒に扮した土御門が瞬く間に捕えられ、第一八学区の『風紀委員(ジャッジメント)』支部で拷問を受けた。彼が捕えられたすぐ後に『上』からの圧力が掛かり、余計に不審さが増したらしいが上条の口添えで釈放された。上条の友人を無礼者扱いしたことに彼女は深く後悔しているらしい。
「あれは仕方ねえよ。元に土御門は長点上機の制服を着て学園内に入ってきたんだから当然の処置だろ。むしろそんなことを許容した俺の責任だ」
「っ!!駄目ですわ上条様!貴方の優しさは時には毒です。ここで貴方に許してもらっては私は貴方に甘えてしまいます!ですから、私に罰をお与えください!身を捧げろというなら喜んで貴方のものになります!」
「い、いや!本当にいいから。っていうかそれヤバいから!それに何で常盤台の皆さんは『またかよ』って顔してコッチ睨んでんのー!?」

上条たちのやりとりを見ていた常盤台の女子生徒たちが話してきた。
「上条様ったら、本当に女性から好かれますのね。白井さんから聞いた時は信じられませんでしたが間近で見ても貴方の女性運は異常ですわ。まあ、そんな上条様だから私は気に入っているのですけど」
「いいんちょ、節操無さ過ぎー。御坂お姉様だけじゃ物足りないのー?」
「……(チッ)」
「当麻さん当麻さん。女の子にそこまで言われて何もしないなんて…●●●●ですかぁ?」
「ちょっとー!!何でイキナリ放送禁止用語サラリと言っちゃてるのー!?」

てんやわんやな状態になっている時、電子音と共にドアが開いた。またもや常盤台の女子生徒。長い髪を両脇の大きなリボンで括ったツインテールの女子生徒だった。長身のスレンダーで顔立ちも非常に整っている。

「白井…?」

「…貴方に名字で呼ばれるのは久しぶりですね。他に誰がいますの?…というか『また』ですか?当麻さん」
白井と呼ばれる女子生徒は、はぁ、とため息をついた。鞄を持っていない左手で髪をかきあげるともう一回溜息をついた。
「…確か、貴女は第一八学区担当では無かったかしら?『道無き道を走る者(ロードレスライダー)』の羽平くるるさん。担当学区外での活動はこちら側の了承を得るべきでは?」
「この地区での活動をするつもりはありません。私は上条様個人に私用が有り、ここへ来たまでです」
「そうですよー。いいんちょに『体で』お礼をしたいとか何とかってー?」
ビキリ!と白井のこめかみに青い筋が入った。席に座って無言で茶を飲んでいた女子生徒は小刻みに手が震えている。上条を「いいんちょ」と呼ぶ赤髪ショートへアーの少女と黒髪ロングへアーの笑顔を絶やさない女子生徒はニヤニヤと笑っている。
「……これはお姉様にキッチリと報告してさしあげますわぁ、うふ、うふふふ」
「ちょっと待って黒子サン!これはただ羽平さんが私にお礼をしたいといってきているだけでしてね何もエッチな頼みごとをするとか死亡フラグ確定な選択肢が出現してそれを軽くスルーしてノーマルエンドを送りたいという上条さんでしてでもそれ以外の選択肢がない状況に置かれているのですハイ!」
自分自身でも意味不明なことをまくし立てている上条を見て、白井はまた大きく嘆息した。

「…当麻さん。いいですこと?貴方はお姉様のこ・い・び・と・なのですよ?その辺の自覚が足らなさ過ぎますわ」

「んぐっ!?」
またもや知らない事実を告げられた。今朝の美琴の様子から予想していたが他人から言われると余計に心に迫るものがある。
「?何ですの?その反応は」
「い、いや何でもない。いつも通りだなって思っただけで」
「…ええ、これがいつも通りですよね。ちょっと目を離した隙に一筋縄ではいかない女性を連れてきては親密な仲になって…お姉様の気苦労を少しは察してほしいですわ!」
「……………………………………………………………………………………ごめんなさい」
とにかく自分に非があるらしいので謝る上条。白井はそんな彼を見ながら腕を組む。上条の机の下にある大きな紙袋に目がとまった。袋に載っている銘柄はメンズファッションのブランド名。膨らみ方から大きな物が入っているのは解る。
「それはなんですの?随分と大きいですわね」
「ん?これか?これは友達に貰ったやつだよ。中身は知らないけど」
白井黒子は白い袋を指差した。
上条が左手で持ち上げて顔に近づけたとき、上条当麻は妙なことに気づいた。

カチ、カチ、カチ、カチ…

袋の中から時計の音がする。
上条の額にいやな汗が流れる。アクション映画によく出てくるシチュエーション。もしかしてもしかして…
「上条様?どうしたのですか?」
上条の表情の変化に気づいたのは一番近くにいた羽平くるるだった。
「は、羽平さん。これから、な、何か聞こえない?」
怪訝な表情を作る羽平は耳を紙袋に近づけた。
その表情がみるみる変わっていく。

「危ないっ!!」

咄嗟に紙袋を部屋の片隅の方へ蹴りつけると、彼女は上条を覆いかぶさるように抱きしめた。
突然の出来事に呆然とする常盤台の生徒たち。
「ななな…」
口をパクパクさせている白井を片隅に捕えながら床に転がる上条。

「爆弾ですっ!!」

その言葉に皆が固まった。
しかし、彼女たちは悲鳴など上げなかった。咄嗟に白井は近くの常盤台の生徒を掴み、『空間移動(テレポート)』しようとしたが、
間に合わなかった。

パァン!

大きな音が鳴り響き、キラキラと輝く七色の煙が噴き出した。
立ち込める煙。火薬特有のにおいでは無く、ハーブの香りが部屋中に蔓延した。
「んー!?これは、何ですの?一体!」
「ケホッ、いいにおいも濃いと、むせますわっ」
「……………(ケホッ)」
「にゅわー!何か降ってきたー!」
「何なんですかー!?この●●●●な匂いはー!まさか●●●じゃないでしょーね!」
「モガッ!?あ、あの羽平さん!?ちょっとどいてもらえマスカ!色んなトコが密着してしまって色々とヤバいんですがー!?」


五分後
煙が空気清浄機で吸い取られ一時収束した。
白いバックの中から煙と共に出てきたのは大量のコスプレ衣裳だった。どうやら魔術の類の仕掛けらしい。こんなささやかなドッキリの為に血を流す土御門の心情が掴み切れなった。
否、掴みたくなかった。
爆発音と共に部屋中に散乱した衣装をデスクの上に集めていた。二〇着以上あり、その光景はなんとも異様だ。
この珍事を外部に報告しようと思ったが、あまりにも下らなすぎるので報告を却下することが満場一致で決定した。土御門の報復の決定は言うまでも無いだろう。
呆れた顔で白井は各服をチェックする。
「バニー、チャイナドレス、スクール水着、ビキニ、宇宙服、婦警、女王様、レオタード…………………ん?これ、全てサイズが同じですわね」
「…いいんちょ。こんなのが趣味だったんだ」
「…………(ゾワッ)」
「あらあら上条様って守備範囲が広いんですねぇ」
「…上条様」
(………●●●●●●が)(ボソッ)
「だから聞こえてるって!その放送禁止用語!」
女性一同から冷たい視線を受ける上条。原因は自分なので反論しようも無いが元はと言えば土御門が長点上機学園に侵入してこんな物を渡しに来たのが原因であり、やり場の無いストレスの矛先をその土御門の復讐に向けようとしたその時、
「っ!!!!!」
白井黒子は息を飲んだ。

「こ、こここれはお姉様のサイズ!」

ギロリ!と白井は上条の方を向いた。
閻魔大王でも泣きそうな怖い形相をしている。
「おのれえええぇ!!お、おおおおおおおお姉様にこ、ここここのような服を着させて何をするつもりでしたのおおおおおおおおおおッ!!」
「えっ!?い、いや私知りませんよ!ホントダヨ!?ウソジャナイッスヨ!?御坂にあんなことやこんなことを…ってするわけ――――」


「死ねええ!!この類人猿があああああああああああああああああああああああァ!!」


今、上条当麻の悲劇が始まる。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー