とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

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だれでも歓迎! 編集
23時05分
『学舎の園』から離れたところに位置する常盤台中学の女子寮。消灯時間は11時であるが申請書を提出すれば12時までの延長は認められている。といってもそれは紙面上の訓令であり、11時を過ぎた今でも部屋の光は明々と点いている。電気を消している部屋が少数派なくらいである。御坂美琴は能力で監視カメラや赤外線センサーを操作し、さらには衛星モニターを意識して意図的に林や温度の高い動力路を通り、その隙を掻い潜り非常階段を上って自分の部屋に戻った。
そこに待っていたのはルームメイトである常盤台中学二年生。
御坂が部屋に入ってくるなり、ベッドで俯いていた白井は『空間移動(テレポート)』で瞬時に御坂美琴の眼前に現れ、抱きついた。
「お、お、お姉様ぁ―――!!」
「どわっ!?い、一体どうしたのよ黒子!!」
「逃げてくださいまし!お姉様!あ、ああ、あの腐れ類人猿がついに本性を現しましたの!お、おね、お姉様と付き合いだしたことをいいことに、法の壁を越えて、お、おねっ、お姉様の貞操を虎視眈眈と狙っているのですよ!」
「は、はぁ?」
「バニー、チャイナドレス、スクール水着、ビキニ、宇宙服、婦警、女王様、レオタード、巫女服、客室乗務員服、修道服、喪服、ミニスカメイド服、体操服、軍服、ウエディングドレス、浴衣、チマチョゴリ、エプロン、迷彩服、着物、さらには『カナミン』のコスプレ衣装をお姉様に着せて、おお、おおおおお姉様を毒牙にいいいィ!!」
そう言って見上げた白井の顔はグシャグシャになっていた。髪は乱れ、顔は涙と鼻水で濡れており、他人には見せられないほど酷い顔になっている。
「…バニー、チャイナドレス、スクール水着?って何よそれ。それが何で当麻と関係あるわけ?」
「今日、あの類人猿が友人と名乗る方から受け取っていましたの!二十三着、しかもお姉様にピッタリのサイズの服ばかり!これが冷静でいられますか!!むしろあの場で殺さなかった私の方がどうかしてましたわ!」
「…当麻を殺せるわけないじゃない。あんな怪物を」
「何でお姉様は冷静にツッコミますの!?はっ!もしや、すでに殿方の嗜好を受け入れられるほどの広い心をお持ちで!?ふっ、あの類人猿があああああああああああああッ!!」

御坂美琴は慌てて怒りで我を忘れている白井を抱きしめて押さえつけた。彼女の気を静めるために取った行動だった。
白井黒子は嗚咽をあげながら、強い力で美琴の腰に手を回す。
「ひぐ…えぐっ………お姉様ぁ……」
美琴の谷間に思い切り顔をうずめる白井だったが、美琴は気に留めなかった。
数分間はそうしていただろう。

「…どう、黒子。落ち着いた?」
「…え、ええ、でももう少しこうしていたいんですの」
「もう、しょうがないわね」
「くふふ、今日は朝までずっとお願いしますわ」
「…前言撤回。やっぱ離れろ」
そう言って御坂美琴は白井黒子を引きはがそうとするが中々離れない。
体全体を動かし、このルームメイトから逃れようとして、何かにぶつかり御坂は背中から倒れた。
ぼふっ、と白井のベッドに二人は倒れこむ。
「…ちょっと!何す、きゃっ!」
「むふふふー、おねーさまーんっ」
スリスリと白井は御坂の豊かな胸に顔をうずめた。ここ最近、お姉様の成長速度は目を見張るものがある。白井も負けてはいないのだが、成長期の一年の差は大きい。
「まったく、お姉様も成長しましたわねぇ。あの類人猿がよからぬことを企ててしまう気がわかりますわっ!」
そう言って、両手で御坂の胸を鷲掴みにした。
「きゃっ、コラッ!やめろバカ!」
「うむむっ、お姉様、また大きくなっていませんこと!?」
「そういや最近、ちょっとブラがきついのよね、って!そんなに揉むなぁ!」
「これは負けてはいられませんわ!お姉様が貧乳ツンデレ娘から巨乳天然お嬢様にクラスチェンジですの!?それは本来わたくしの大器晩成型属性だッ!」
「何そのアキバ系の発想は!?しかも私天然じゃないし!って、あんっ!」
「さてはあの殿方に大きくしてもらっているとか?フン、まあそんなのは都市伝説で、医学的には女性ホルモ…」
と、言いかけて白井はハッと気づいた。御坂美琴の頬が赤く染まっていることに。
「…お、お姉様、何でそこで口ごもりますの?」
「あー、えっと、そのー…」
御坂美琴は頬を掻きながら視線を彷徨わせる。
「…あの、悪いんだけどさ」
「……まさか、ましゃか」


「私、もう食べられちゃったから」


直後、品格ある常盤台女子寮からこの世のものとは思えぬ絶叫が轟いた。


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