とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人ⅩⅠ
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人ⅩⅠ
フィアンマは地面に倒れていた。なぜ自分が負けたのか?魔神を舐めていたから?それも敗因の一つには違いないだろう。だがそれだけではないはずだ。『ローマ正教神の右席の右方のフィアンマ』その名はそこまで甘くはない。
「俺様の力はこんなはずではない!!何故だ!?」
「それはテメィが偽物だからだ」
「それはテメィが偽物だからだ」
見上げると魔神が見つめている。憐れむように。
「何だと!?俺様が偽物だと!?フザケルナ!!!」
「さっきテメィがした質問をしてやる。なぜ魔術を使わなかった?お前こそただ手を振り回していただけじゃないか」
「なに?」
「さっきテメィがした質問をしてやる。なぜ魔術を使わなかった?お前こそただ手を振り回していただけじゃないか」
「なに?」
そうだ。何故使わなかった?
「それとあの手だ。不完全なあの手がなぜ俺と戦っている間保ち続けることができたと思う?」
確かに本来なら1~2発で分解してしまうはずだ。
「テメィはただのテレズマの塊だ。良くできたな。自分の体を見てみろよ。もう消えかかってきてる」
自分の手を見ると徐々に消えてきている。
「俺様は!俺…様は!!お…れ………
そのまま偽のフィアンマの声は消えていく。ラジオのチャンネルが切り替わるように新たな声が聞こえてきた。
……あ~あここまでか。あっけない最後だな」
「ホンモノのフィアンマか」
「よう魔神。こいつが偽物っていつ気づいた?」
「よう魔神。こいつが偽物っていつ気づいた?」
消えていく体を通信機代わりに使っているのだろう。おそらくはバチカンから通信しているはずだ。
「最初にぶん殴った時だ。見ただけじゃ解らなかった」
「それはお褒めの言葉をありがとう。わざわざアメリカまで行くのが面倒でな。こいつで事足りると思ったんだが…。相手が魔神じゃ無理もないか」
「フィアンマ。それでどうするつもりだ?何ならこちらから出向いてテメィを潰してやろうか?」
「遠慮しとこう。錠前を持ってなきゃ魔神に興味ないしな。ああ『原石』のガキどもなら好きにしろ。本命の居場所なら実は目星がついている。だがまだ時期ではない。準備を整えてからだ」
「それを見過ごすとでも?」
「それはお褒めの言葉をありがとう。わざわざアメリカまで行くのが面倒でな。こいつで事足りると思ったんだが…。相手が魔神じゃ無理もないか」
「フィアンマ。それでどうするつもりだ?何ならこちらから出向いてテメィを潰してやろうか?」
「遠慮しとこう。錠前を持ってなきゃ魔神に興味ないしな。ああ『原石』のガキどもなら好きにしろ。本命の居場所なら実は目星がついている。だがまだ時期ではない。準備を整えてからだ」
「それを見過ごすとでも?」
消えいく身体のままフィアンマは笑う。
「見過ごすだろうな。俺様達を潰すということはローマ正教を潰すということだ。魔神は馬鹿ではないどろうからな」
「さあ?意外に大バカ野郎かもしれないぞ?」
「……一つ聞いておこう。なぜ魔法名を名乗った?名乗らなくとも勝てただろうに」
「さあ?意外に大バカ野郎かもしれないぞ?」
「……一つ聞いておこう。なぜ魔法名を名乗った?名乗らなくとも勝てただろうに」
魔神は当たり前のことを言うように答える。
「条件を満たしたからだ。俺は条件を満たさなければ魔法名を名乗らない。逆に条件がそろうなら必ず名乗る。そう誓っただけだ」
「不自由なこった。聖人の力に魔神の知識。加えて原石の超能力者。そのチカラを振るえばいいだろうに」
「聖人、原石か……。なぜ世界に聖人が20人弱しかいないか分かるか?」
「知らんし興味もない。俺様の目的には関係ないしな」
「あながちそうでもないがな。そう珍しいモノではないというだげの話さ」
「不自由なこった。聖人の力に魔神の知識。加えて原石の超能力者。そのチカラを振るえばいいだろうに」
「聖人、原石か……。なぜ世界に聖人が20人弱しかいないか分かるか?」
「知らんし興味もない。俺様の目的には関係ないしな」
「あながちそうでもないがな。そう珍しいモノではないというだげの話さ」
そろそろ時間切れだろう。偽フィアンマの身体はほぼ消えている。
「そうかい。次会う時にでも講釈願おうか」
「その時はブチノメした後だと思っておけ」
「魔神か…。そのチカラを超えるチカラを俺様は手にいれる。その時までこの借りは借りておこう」
「その時はブチノメした後だと思っておけ」
「魔神か…。そのチカラを超えるチカラを俺様は手にいれる。その時までこの借りは借りておこう」
そう言って偽フィアンマは消滅した。
とある魔科学の幻想創造~イマジンクリエイト~
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人ⅩⅡ
第三章 十一月のとある日 右方と原石の聖人ⅩⅡ
「見過ごすわけなかろうに。Intimus119(我が力は我が友の為に)俺の刻む魔法名(名)はその為にあるのだから……」
さてとホテルに戻るか。そして魔神は少年にもどる。後片付けは後に回そう
ポケットから一枚の紙を取り出しルーンを記す。離すとひらひらと舞い近くのヤシの木に張り付く。
「右方のフィアンマか。アレが本当に存在していたとはな」
覚悟はしていた。親友が持つあの右手を見た時から。
「当麻…。もしかしたらお前を殺すかもしれないな俺……」
そうならなければいい。神様がいるかどうかは興味無いがそう願う。
少年の祈りは空に消えていった。
少年の祈りは空に消えていった。
魔神とフィアンマの戦いによって学芸都市の機能は大きなダメージを受けた。いくら魔神とフィアンマが手加減していたとしても防犯システムはショートし戦いの記録など残るはずもなかった。一部を除いて…。
「面白いショーだったな…」
ここは学園都市の窓のないビル。
魔神の攻撃も今回は宇宙にある人工衛星までは被害は無かった。学園都市が打ち上げた人工衛星の一つである『ひこぼしⅡ号』気象用と言いつつ実態はスパイ衛星だ。宇宙より先の戦いを観測、分析し学園都市の窓のないビルに送信していた。それを人間は観ていた。
魔神の攻撃も今回は宇宙にある人工衛星までは被害は無かった。学園都市が打ち上げた人工衛星の一つである『ひこぼしⅡ号』気象用と言いつつ実態はスパイ衛星だ。宇宙より先の戦いを観測、分析し学園都市の窓のないビルに送信していた。それを人間は観ていた。
「魔神のチカラの一端が観ることなどそうそうない。そしてあの腕。右方のフィアンマか…。ローマ正教の暗部か…」
男にも女にも大人にも子供にも聖人にも囚人にもどんな人間にも見えてしまう人間、アレイスターはビーカーの中で逆さで浮かんでいた。その表情は笑っているのか悲しんでいるのか、喜んでいるのかはたまた怒っているのか誰にも分からない。
思考一つで観ていたモニター画面を切り替えると裏の『プラン』の進行状況が表示される。
プランEX 『創造殺し(アンノーン)』稼働率3パーセント
そしてまた思考を切り替えると先ほどまで戦っていた魔神の少年が秘密裏に作成していたレポートが表示される。その一ページ目にタイトルが書かれている。
『安価な人口的身体部位複製法(イージー・クローン・パーツ)』
そのレポートをとある研究施設に勤める研究者に送信する。送り主は記さず宛名には天井亜雄と記す。こうして少年の知らぬところで少年の想いとは裏腹に表の『プラン』が進められていく。
「もう止まることは出来ないのだ。____、君も知っているだろう?」
その問もまた空に消えいく。
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