「ミサカ、巫女と美琴(14)」
御坂達に見つかったと思った姫神秋沙はくわえかけた指を慌てて身体の後ろに隠した。
一体何があったのかと思った上条当麻は声のあがった方向に顔を向けた。
一体何があったのかと思った上条当麻は声のあがった方向に顔を向けた。
その先では御坂御琴と御坂妹がそれぞれ直径4m程の丸い芝生の中心に立ちつくしている。
正確に言えば彼女達の周りからヒヨコが居なくなっていただけだっだ。
しかも彼女達が動くと「モーゼの十戒」よろしく黄色い海が左右に分かれ道を空けていく。
どうやら「電磁波などを『一時的に』隠してくれるステルスモード」が終了したようだ。
正確に言えば彼女達の周りからヒヨコが居なくなっていただけだっだ。
しかも彼女達が動くと「モーゼの十戒」よろしく黄色い海が左右に分かれ道を空けていく。
どうやら「電磁波などを『一時的に』隠してくれるステルスモード」が終了したようだ。
上条がヤレヤレとため息をついた時、今度は背後の姫神秋沙から「あー!」という声があがった。
振り返った上条が見たものは人差し指を見つめたまま固まっている姫神秋沙だった。
振り返った上条が見たものは人差し指を見つめたまま固まっている姫神秋沙だった。
「どうした?姫神」
「え?なっ、なんでもない」
「その指、ケガでもしたのか?」
「そっ、そんなことない」
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫。うん。ホント」
「え?なっ、なんでもない」
「その指、ケガでもしたのか?」
「そっ、そんなことない」
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫。うん。ホント」
上条が問い掛けても姫神秋沙は愛想笑いを浮かべたまま何事もないと主張するだけだった。
上条としてもそれ以上問いただすこともできず、仕方なく御坂姉妹へ向き直った。
上条としてもそれ以上問いただすこともできず、仕方なく御坂姉妹へ向き直った。
上条が向き直るのを見届けると姫神秋沙は静かに後ろを振り返った。
そこには姫神秋沙の野望を打ち砕き姫神秋沙を奈落の底に叩き落とした1羽のヒヨコがピヨピヨ鳴いていた。
そこには姫神秋沙の野望を打ち砕き姫神秋沙を奈落の底に叩き落とした1羽のヒヨコがピヨピヨ鳴いていた。
30秒前、姫神秋沙は身体の後ろに回した手を不意につつかれたのだ。
驚いて手を戻してみると人指し指に付いてあったハズのご飯粒が無くなっていた。
上条との間接キスという妄想に浸っている時間が長かった分、姫神秋沙の受けたショックも大きかった。
驚いて手を戻してみると人指し指に付いてあったハズのご飯粒が無くなっていた。
上条との間接キスという妄想に浸っている時間が長かった分、姫神秋沙の受けたショックも大きかった。
ただ単にご飯粒が無くなっただけならまだ姫神秋沙は立ち直れたかもしれない。
はしたないと言われようが指をくわえさえすれば目的(間接キス)は達成できたのだから。
しかしこのヒヨコはご飯粒だけでなく上条の唇が触れた指先までつつきやがったのだ。
上条との間接キスをヒヨコに奪われた以上、今更指をくわえてもそれはもはやヒヨコとの間接キスでしかない。
はしたないと言われようが指をくわえさえすれば目的(間接キス)は達成できたのだから。
しかしこのヒヨコはご飯粒だけでなく上条の唇が触れた指先までつつきやがったのだ。
上条との間接キスをヒヨコに奪われた以上、今更指をくわえてもそれはもはやヒヨコとの間接キスでしかない。
姫神秋沙は自己弁護の理論武装をしようとしていた1分前の自分を恨んだ。
こんなことなら本能のままに指をくわえれば良かったなどと過激な考えまで芽生えてくる。
しかしその原因を作ったヒヨコは姫神秋沙の苦悩も知らずピヨピヨと鳴き続けている。
その姿を見た姫神秋沙はおもむろにヒヨコを両手で顔の前に持ち上げて小声で話しかけた。
こんなことなら本能のままに指をくわえれば良かったなどと過激な考えまで芽生えてくる。
しかしその原因を作ったヒヨコは姫神秋沙の苦悩も知らずピヨピヨと鳴き続けている。
その姿を見た姫神秋沙はおもむろにヒヨコを両手で顔の前に持ち上げて小声で話しかけた。
「なんて事してくれたの。あなた!
あなたは私の大切なご飯粒、いいえ!上条君との間接キスを私から奪ったのよ!
あんなチャンスは二度と来ないかもしれないのに…………
あなた。ひょっとして自分はちっちゃいからって許されるとでも思ってる?
……………………
焼き鳥、蒸し鶏、竜田揚げ。酒蒸し、照り焼き、みそ炒め。ローストチキン、棒々鶏。
手羽先、唐揚げ、香草焼き。鶏皮、鶏ハム、鶏つくね。チキンナゲット、オムライス。
チキン南蛮、親子丼。チキンピカタ、フリッター。チキンカレー、チキンカツ。……
早く大きくなりなさい。ふふっ」
あなたは私の大切なご飯粒、いいえ!上条君との間接キスを私から奪ったのよ!
あんなチャンスは二度と来ないかもしれないのに…………
あなた。ひょっとして自分はちっちゃいからって許されるとでも思ってる?
……………………
焼き鳥、蒸し鶏、竜田揚げ。酒蒸し、照り焼き、みそ炒め。ローストチキン、棒々鶏。
手羽先、唐揚げ、香草焼き。鶏皮、鶏ハム、鶏つくね。チキンナゲット、オムライス。
チキン南蛮、親子丼。チキンピカタ、フリッター。チキンカレー、チキンカツ。……
早く大きくなりなさい。ふふっ」
上条は不意に背後から襲ってきた悪寒に驚き後ろを振り返るとそこにはヒヨコに優しげに
語りかける(ように見える)姫神秋沙の姿があった。
語りかける(ように見える)姫神秋沙の姿があった。
(なんだ。やっぱりなんだかんだ言っても姫神だって可愛いもの好きがなんだ。
…………じゃあ、さっきの悪寒はどこから来たんだろう?…………
まあ、気のせいだな。うん、きっとそうに違いない)
…………じゃあ、さっきの悪寒はどこから来たんだろう?…………
まあ、気のせいだな。うん、きっとそうに違いない)
『知らぬが仏』とはよく言ったものである。
一方、御坂美琴は悲しげな声でヒヨコ達に訴え掛けていた。
「なんで、どうしてなの?私達あんなに解り合っていたじゃない!
さっきまでの思わせぶりな態度は何だったの!?
ひどいわ!貴方達!
私の心を弄んだのね!」
さっきまでの思わせぶりな態度は何だったの!?
ひどいわ!貴方達!
私の心を弄んだのね!」
いつまでも御坂美琴に三文芝居を続けさせる訳にはいかないので上条は重い腰を上げることにした。
「ミサカ、巫女と美琴(15)」
「おーい!御坂アンド御坂妹!
あの時ラストオーダーは『ステルスモードは一時的だ』って言ってたろ!
それに最後まで話を聞かずに飛び出すから『スーツの容量は10分が限界なの』って話も
聞いてなかったんだな。やっぱり」
「そっ、そんな……」
「ミサカの理想郷がたった10分の夢だったなんて現実はなんと残酷なのでしょう
とミサカはちょっとセンチな気分でつぶやきます」
あの時ラストオーダーは『ステルスモードは一時的だ』って言ってたろ!
それに最後まで話を聞かずに飛び出すから『スーツの容量は10分が限界なの』って話も
聞いてなかったんだな。やっぱり」
「そっ、そんな……」
「ミサカの理想郷がたった10分の夢だったなんて現実はなんと残酷なのでしょう
とミサカはちょっとセンチな気分でつぶやきます」
「だから!二人ともそんなに落ち込むなって。
お前達はその後の説明も聞いてなかったんだろ。
ステルスモードはリセットするのに1時間掛かるけど再起動できるらしいぞ」
「え、そうなの?
じゃあ私達、ここで1時間待ってれば良いのね!」
お前達はその後の説明も聞いてなかったんだろ。
ステルスモードはリセットするのに1時間掛かるけど再起動できるらしいぞ」
「え、そうなの?
じゃあ私達、ここで1時間待ってれば良いのね!」
「その前に、御坂!お前ここへ来た目的を完璧に忘れてるだろ!」
「目的?…………って何だっけ?」
「ヒヨコ爆弾だよ。ヒヨコ爆弾!」
「そういえばそんなこと言われた気もするわ」
「目的?…………って何だっけ?」
「ヒヨコ爆弾だよ。ヒヨコ爆弾!」
「そういえばそんなこと言われた気もするわ」
「お前なぁ……。じゃあ今から爆弾探すからな」
「「えーーっ!?」」
「えーーっ!?じゃない。
爆弾を1時間で探しだしゃ、また10分間ヒヨコ触り放題なんだからさ」
「でもこんだけのヒヨコの中から爆弾なんてどうやって探し出すのよ?」
「それなら大丈夫!たった今、良いアイデアが浮かんだ」
「「えーーっ!?」」
「えーーっ!?じゃない。
爆弾を1時間で探しだしゃ、また10分間ヒヨコ触り放題なんだからさ」
「でもこんだけのヒヨコの中から爆弾なんてどうやって探し出すのよ?」
「それなら大丈夫!たった今、良いアイデアが浮かんだ」
5分後
「ちょっと、アンタ!覚えてなさい」
「何言ってんだ。御坂!お前のかわいいヒヨコ達のためなんだぞ」
「まったく、なんで私達だけが働かなきゃなんないのよ!」
「何言ってんだ。御坂!お前のかわいいヒヨコ達のためなんだぞ」
「まったく、なんで私達だけが働かなきゃなんないのよ!」
上条のアイデアは御坂美琴と御坂妹を並べて牧場内をくまなく歩かせることであった。
本物のヒヨコなら御坂達の電磁波におびえて逃げ出すはずである。
現に御坂達が移動すると黄色いヒヨコ達が左右に分かれ彼女達に道を空けている。
もし御坂達が近寄っても逃げないヒヨコがいたらそれがヒヨコ爆弾だということだ。
本物のヒヨコなら御坂達の電磁波におびえて逃げ出すはずである。
現に御坂達が移動すると黄色いヒヨコ達が左右に分かれ彼女達に道を空けている。
もし御坂達が近寄っても逃げないヒヨコがいたらそれがヒヨコ爆弾だということだ。
一方、御坂美琴もこれが確実に爆弾を見つける良い方法であると頭では納得している。
しかし自分がヒヨコ達にどれほど嫌われているかをこうまで見せつけられては心穏やかでいられるハズがない。
それに上条と姫神秋沙が小山の頂上に座って「頑張れー」などと呑気にエールを送ってくるのも気に入らない。
三分の一ぐらい来たところでとうとう御坂美琴がキレた。
しかし自分がヒヨコ達にどれほど嫌われているかをこうまで見せつけられては心穏やかでいられるハズがない。
それに上条と姫神秋沙が小山の頂上に座って「頑張れー」などと呑気にエールを送ってくるのも気に入らない。
三分の一ぐらい来たところでとうとう御坂美琴がキレた。
「あーっ!もう、ちんたらやってらんないわよ。こうなったら私の電撃で!」
御坂美琴が前髪から静電気のような火花を散らして盛大に電磁波を放出すると御坂美琴を
中心とする半径15m以内にいたヒヨコというヒヨコがワラワラと逃げていった。
中心とする半径15m以内にいたヒヨコというヒヨコがワラワラと逃げていった。
「ふふん、これなら爆弾探しもあっという間ね!
まっ、美琴っさんにかかればこんなものよ。ほーほっほっ!」
まっ、美琴っさんにかかればこんなものよ。ほーほっほっ!」
高笑いする御坂美琴は自分の犯した過ちにまだ気付いていなかった。
完全に怯えきったヒヨコ達はもう二度と御坂美琴に近づくことはなく、御坂美琴が自分の
浅はかさに気付き打ちひしがれるのは37分後の話である。
しかも御坂美琴の同類としてヒヨコ達に嫌われた御坂妹からの罵声が追い打ちをかけるのだった。
完全に怯えきったヒヨコ達はもう二度と御坂美琴に近づくことはなく、御坂美琴が自分の
浅はかさに気付き打ちひしがれるのは37分後の話である。
しかも御坂美琴の同類としてヒヨコ達に嫌われた御坂妹からの罵声が追い打ちをかけるのだった。
「全く後先考えず行動するとはお姉様はなんて馬鹿野郎なんでしょう
とミサカはこんなお馬鹿さんが私達のオリジナルだなんて恥ずかしくてたまりませんと
舌鋒鋭くお姉様を糾弾します」
とミサカはこんなお馬鹿さんが私達のオリジナルだなんて恥ずかしくてたまりませんと
舌鋒鋭くお姉様を糾弾します」
未来のことなど知らない御坂美琴は上機嫌で爆弾探し(ヒヨコ脅し)を再開した。
遡ること30分前、学園都市某所にて
「建宮さん!」
「どうした、五和?」
「どうして私達まだアジトにいるんですか?上条さん達はもうヒヨコ小屋へ行っちゃったんでしょ?」
「心配せずとも簡単にヒヨコ爆弾が探し出せるハズないのよな。
我らの出番は彼らがヒヨコ爆弾を探し出した時よ。
五和はその時先頭に立つのだからしっかり準備をして貰わないとな」
「どうした、五和?」
「どうして私達まだアジトにいるんですか?上条さん達はもうヒヨコ小屋へ行っちゃったんでしょ?」
「心配せずとも簡単にヒヨコ爆弾が探し出せるハズないのよな。
我らの出番は彼らがヒヨコ爆弾を探し出した時よ。
五和はその時先頭に立つのだからしっかり準備をして貰わないとな」
「じゃあ、その準備ってのが何で写真撮影なんですか?」
「知らんのか?五和。
ちゃんと記録を撮っとかないとその後が大変なんだぞ。
カットが変わる度に髪型や小道具が変わっていたらおかしいだろ!」
「いったい何の話をしてるんです?
とにかくこっちはこんな恥ずかしい格好なんてさっさと終わらせたいんです!」
「知らんのか?五和。
ちゃんと記録を撮っとかないとその後が大変なんだぞ。
カットが変わる度に髪型や小道具が変わっていたらおかしいだろ!」
「いったい何の話をしてるんです?
とにかくこっちはこんな恥ずかしい格好なんてさっさと終わらせたいんです!」
(うむ。五和のやつは我らの口車に乗って潔く小悪魔エロキャットを着てくれた。
問題はいかにして女教皇様(プリエステス)にこのお色気エロバニーを着て貰うかなのよな。
まずは小悪魔エロキャット姿の五和の写真を添えて五和の活躍をお伝えするとして
最後の一押しをどうしたら良いものか。うーむ)
「建宮さん。真剣に悩んでるフリしても騙されませんよ」
「いや本気で悩んでいたのだが……仕方ない。そろそろ出発するのよな」
問題はいかにして女教皇様(プリエステス)にこのお色気エロバニーを着て貰うかなのよな。
まずは小悪魔エロキャット姿の五和の写真を添えて五和の活躍をお伝えするとして
最後の一押しをどうしたら良いものか。うーむ)
「建宮さん。真剣に悩んでるフリしても騙されませんよ」
「いや本気で悩んでいたのだが……仕方ない。そろそろ出発するのよな」
「ミサカ、巫女と美琴(16)」
「あっ!あった。あれじゃない?」
御坂美琴の捨て身の探索で爆弾は呆気なく見つかった。
それは御坂美琴の目の前およそ10m離れた位置にあった。
本物のヒヨコ達は御坂美琴から15m以上離れてピヨピヨ鳴いているのでどうやら間違いなさそうだ。
それは御坂美琴の目の前およそ10m離れた位置にあった。
本物のヒヨコ達は御坂美琴から15m以上離れてピヨピヨ鳴いているのでどうやら間違いなさそうだ。
「おーい!御坂。俺達もそっちに行くから待ってろ。危ないぞ!」
「大丈夫よ。
アンタ、電撃使い(エレクロトマスター)である私の能力をなめてるんじゃない?
時限爆弾だって言うからには電子回路が組み込まれてるんでしょ?
それなら私の能力でチョチョイのチョイよ!」
「大丈夫よ。
アンタ、電撃使い(エレクロトマスター)である私の能力をなめてるんじゃない?
時限爆弾だって言うからには電子回路が組み込まれてるんでしょ?
それなら私の能力でチョチョイのチョイよ!」
ヒヨコ達に避けられ続けること30分ようやく爆弾を見つけた御坂美琴は上機嫌だった。
しかし相手が魔術師だと知っている上条はあれが単純な時限爆弾だとは思えなかった。
案の定ヒヨコ爆弾をスキャンしていた御坂美琴が戸惑いの声を上げた。
しかし相手が魔術師だと知っている上条はあれが単純な時限爆弾だとは思えなかった。
案の定ヒヨコ爆弾をスキャンしていた御坂美琴が戸惑いの声を上げた。
「あれ?てっきり時限爆弾かと思ったけど中には電子部品一つ無いじゃない。
かといってグラビトンでもなさそうだし…………ダミーかしら?」
「おい!ちょっと待て。それに不用意に近づくな」
「ホントに心配性ね!
まあアンタがそんなに心配だって言うなら砂鉄の剣を伸ばしてみるわ」
「くれぐれもいきなりぶった切ったりするんじゃないぞ」
「いくら何でもそこまで馬鹿じゃないわよ、美琴さんは。ちょっとつついてみるだけよ」
かといってグラビトンでもなさそうだし…………ダミーかしら?」
「おい!ちょっと待て。それに不用意に近づくな」
「ホントに心配性ね!
まあアンタがそんなに心配だって言うなら砂鉄の剣を伸ばしてみるわ」
「くれぐれもいきなりぶった切ったりするんじゃないぞ」
「いくら何でもそこまで馬鹿じゃないわよ、美琴さんは。ちょっとつついてみるだけよ」
御坂美琴は砂鉄の剣をヒヨコ爆弾に向けてゆっくり伸ばしていく。
そして砂鉄の剣がまさにヒヨコ爆弾に触れようとした瞬間、砂鉄の剣は思いっきりヒヨコ爆弾に突き刺さった。
そして砂鉄の剣がまさにヒヨコ爆弾に触れようとした瞬間、砂鉄の剣は思いっきりヒヨコ爆弾に突き刺さった。
「あ……れっ?」
砂鉄の剣を突き刺した当の本人である御坂美琴が素っ頓狂な声をあげた。
何が起きたか分からず混乱している御坂美琴の前でヒヨコ爆弾がいきなりバタバタと動き出した。
しかも電子部品一つ無い体内から警告のメッセージが聞こえてきた。
何が起きたか分からず混乱している御坂美琴の前でヒヨコ爆弾がいきなりバタバタと動き出した。
しかも電子部品一つ無い体内から警告のメッセージが聞こえてきた。
「異常事態発生。妨害工作の可能性が高いと判断。予定を繰り上げ5秒後に自爆します。
5……4……3……」
「わっ、わっ!ちょっと、どうしよう?」
5……4……3……」
「わっ、わっ!ちょっと、どうしよう?」
予想外の出来事に慌ててしまった御坂美琴は爆弾への対応が遅れてしまった。
「KANAMIN! Magical Tornado!(カナミン!マジカルトルネード!)」
姫神秋沙がそう叫んでマジカルステッキを放りあげた。
するとカナミンが空中に現れ、姫神秋沙が投げたマジカルステッキを空中でキャッチした。
そしてカナミンはマジカルステッキを緑色に輝かせて横一文字に振り抜く。
すると龍のような竜巻が発生してヒヨコ爆弾を空中へ吸い上げた。
するとカナミンが空中に現れ、姫神秋沙が投げたマジカルステッキを空中でキャッチした。
そしてカナミンはマジカルステッキを緑色に輝かせて横一文字に振り抜く。
すると龍のような竜巻が発生してヒヨコ爆弾を空中へ吸い上げた。
「Aegis-Field!(イージスフィールド)」
続け様に姫神秋沙が叫ぶとカナミンはマジカルステッキを紫色に輝かせる。
すると空中のヒヨコ爆弾を囲むように薄紫色の力場が形作られた。
直後にその中でヒヨコ爆弾は爆発したが爆音も爆風も外には少しも漏れ出さなかった。
すると空中のヒヨコ爆弾を囲むように薄紫色の力場が形作られた。
直後にその中でヒヨコ爆弾は爆発したが爆音も爆風も外には少しも漏れ出さなかった。
地上に降りてきたカナミンの頭を姫神秋沙が撫でるとカナミンは微笑みながらその姿を薄くしていった。
同時刻、学園都市某幹線道路上にて
「建宮さん!」
「まあ、その。なんだ…………」
「どうして私達、まだマイクロバスに乗ってたりするんですか?
建宮さんの計画にはこの事故渋滞も織り込み済みだったんですか?」
「いや。そのーっ、大丈夫。きっと間に合うから。
そんな簡単にヒヨコ爆弾を見つけられるわけ無い……ハズだから。
だからその海軍用船上槍(フリウリスピア)の先端を喉元に押しつけるのは止めてくれるかな?五和ちゃーん」
「私にこんな格好までさせたんだから『間に合わなかった。ごめんなさい』じゃ済ませませんよ。
い・い・で・す・ね!」
「大丈夫!きっと大丈夫……………………だといいな…………」
「まあ、その。なんだ…………」
「どうして私達、まだマイクロバスに乗ってたりするんですか?
建宮さんの計画にはこの事故渋滞も織り込み済みだったんですか?」
「いや。そのーっ、大丈夫。きっと間に合うから。
そんな簡単にヒヨコ爆弾を見つけられるわけ無い……ハズだから。
だからその海軍用船上槍(フリウリスピア)の先端を喉元に押しつけるのは止めてくれるかな?五和ちゃーん」
「私にこんな格好までさせたんだから『間に合わなかった。ごめんなさい』じゃ済ませませんよ。
い・い・で・す・ね!」
「大丈夫!きっと大丈夫……………………だといいな…………」