【初出】
禁書SS自作スレ>>391-393
禁書SS自作スレ>>391-393
インデックスは上条の方にグルンと向くと、聖母のような笑みを『つくった』。
その笑みの奥にあるものを上条は読み取ると、また変な誤解を生まないために肯定する。
「そ、その通りだ。たまたま会って一緒に帰っていただけでいつもってわけじゃねぇよ?」
「私はいつもとは聞いて無いんだけど?」
笑みの奥に隠されたものが具現化する。
それは肌で感じるほどの、さっき見せていた『気』だ。
上条はますます焦る。
と、そこで土御門が話に割り込んでくる。
「いやいや、カミやんならわかんねぇぜい。最近は駄フラグばっかじゃ無いみたいだし、土御門さ
んの前で大胆にタックルされた後恋人ごっこしてたし」
ぶばっ!と上条と美琴は同時に吹き出した。
土御門は夏休みのことを言っていたのだが、あの後彼がついてきた気配はなかった。
インデックスが放つ『気』が飛躍的に大きくなるのを感じて上条の焦りがピークに達する。
「うばぁ!て、テメェ!何で知って――――――――――――」
「何でって、カミやん。追跡は俺の専門分野ですよ?カミやんに見つかんないようにするのはわけ
もないってわけですたい」
「――――――――――――ッ!!」
土御門は多角スパイ。
あらゆる情報を入手するためには相手に気付かれずに追跡できなければ意味が無い。
上条は知らないが以前、神裂火織の間近に居ても気付かれなかったことがあるくらいだ。
「つけられてたー!ってか何でつけてんだー!理由を四十文字以内で答えよ!」
「何となく」
四文字!?と上条は立ち止まり、叫びながら本気で頭を抱える。
もともとこれは美琴から仕掛けてきて、より多くの人に見てもらうようにするためにとのことだっ
たのだが、知人に見られたとなるとものすごく恥ずかしい。
それも、情報を扱うスペシャリストの土御門ならなおさらだ。
彼は信頼できる人なら平気で秘密をばらす人間(だと思う)なので、すぐに広まりそうだ。
「ふ・・・不幸だ・・・・・・・・・」
ゴーンという効果音が似合うくらい落ち込んだ上条はお決まりとなった台詞を言う。
そしてこれから襲い掛かってくるであろう、超激怒状態猛獣少女インデックスに無意味なお願いを
申し出る。
「ま、待ってくれインデックス。さっき噛まれて注目されたばかりだしこれ以上は精神的にも肉体
的にも耐えられません。もう許してクダサイお願いします」
返事はない。
この空白を利用して上条は、思考回路を起動させる。
(ああ、終わったな俺・・・・・・・・・これから俺はインデックスに馬乗りされて心行くまで噛
み付かれ周囲から変なレッテル貼られて土御門には美琴のことバラされクラスのみんなからは『中
学生に手を出したすごい人』と呼ばれ新たな不幸人生がスタートですよ・・・・・・・・・ってあ
れ?)
そんな愉快な未来(オチ)を考えていた上条は、インデックスがいつまで経っても襲い掛かってこ
ないことに気付く。
不審に思い、インデックスのいる方を向いてみると、彼女は正面を向いている。
上条は彼女の向いている方へ視線を移す。
その笑みの奥にあるものを上条は読み取ると、また変な誤解を生まないために肯定する。
「そ、その通りだ。たまたま会って一緒に帰っていただけでいつもってわけじゃねぇよ?」
「私はいつもとは聞いて無いんだけど?」
笑みの奥に隠されたものが具現化する。
それは肌で感じるほどの、さっき見せていた『気』だ。
上条はますます焦る。
と、そこで土御門が話に割り込んでくる。
「いやいや、カミやんならわかんねぇぜい。最近は駄フラグばっかじゃ無いみたいだし、土御門さ
んの前で大胆にタックルされた後恋人ごっこしてたし」
ぶばっ!と上条と美琴は同時に吹き出した。
土御門は夏休みのことを言っていたのだが、あの後彼がついてきた気配はなかった。
インデックスが放つ『気』が飛躍的に大きくなるのを感じて上条の焦りがピークに達する。
「うばぁ!て、テメェ!何で知って――――――――――――」
「何でって、カミやん。追跡は俺の専門分野ですよ?カミやんに見つかんないようにするのはわけ
もないってわけですたい」
「――――――――――――ッ!!」
土御門は多角スパイ。
あらゆる情報を入手するためには相手に気付かれずに追跡できなければ意味が無い。
上条は知らないが以前、神裂火織の間近に居ても気付かれなかったことがあるくらいだ。
「つけられてたー!ってか何でつけてんだー!理由を四十文字以内で答えよ!」
「何となく」
四文字!?と上条は立ち止まり、叫びながら本気で頭を抱える。
もともとこれは美琴から仕掛けてきて、より多くの人に見てもらうようにするためにとのことだっ
たのだが、知人に見られたとなるとものすごく恥ずかしい。
それも、情報を扱うスペシャリストの土御門ならなおさらだ。
彼は信頼できる人なら平気で秘密をばらす人間(だと思う)なので、すぐに広まりそうだ。
「ふ・・・不幸だ・・・・・・・・・」
ゴーンという効果音が似合うくらい落ち込んだ上条はお決まりとなった台詞を言う。
そしてこれから襲い掛かってくるであろう、超激怒状態猛獣少女インデックスに無意味なお願いを
申し出る。
「ま、待ってくれインデックス。さっき噛まれて注目されたばかりだしこれ以上は精神的にも肉体
的にも耐えられません。もう許してクダサイお願いします」
返事はない。
この空白を利用して上条は、思考回路を起動させる。
(ああ、終わったな俺・・・・・・・・・これから俺はインデックスに馬乗りされて心行くまで噛
み付かれ周囲から変なレッテル貼られて土御門には美琴のことバラされクラスのみんなからは『中
学生に手を出したすごい人』と呼ばれ新たな不幸人生がスタートですよ・・・・・・・・・ってあ
れ?)
そんな愉快な未来(オチ)を考えていた上条は、インデックスがいつまで経っても襲い掛かってこ
ないことに気付く。
不審に思い、インデックスのいる方を向いてみると、彼女は正面を向いている。
上条は彼女の向いている方へ視線を移す。
そこには、身長2mで肩まである赤髪に煙草を吸っている神父が歩いていた。
ステイル=マグヌス
インデックスや土御門たちと同じくイギリス清教『必要悪の教会』のメンバーでルーンのカードで
炎を操る魔術師。
上条といくつかの戦場をともにしてきたが、どうも彼とは息が合わない。
なぜ彼が学園都市にいるかわからなかったが、休暇でもとってインデックスに会いにきたのだろう、
と上条は適当に考える。
そんな上条たちに気付いたのか、『ん?』という感じでステイルはこちらを向いた。
ステイル=マグヌス
インデックスや土御門たちと同じくイギリス清教『必要悪の教会』のメンバーでルーンのカードで
炎を操る魔術師。
上条といくつかの戦場をともにしてきたが、どうも彼とは息が合わない。
なぜ彼が学園都市にいるかわからなかったが、休暇でもとってインデックスに会いにきたのだろう、
と上条は適当に考える。
そんな上条たちに気付いたのか、『ん?』という感じでステイルはこちらを向いた。
瞬間、上条たちとステイルの間の空間に白い亀裂が走った。
ちょうどそこには人はいない。
ちょうどそこには人はいない。
「は?」
上条は思わず声を上げる。
そして、周りを見回す。
インデックスたちもその亀裂見て呆然としている。
その他の道を行き交う人々も足を止め、その亀裂に注目している。
ステイルもキョトンとした表情でその亀裂を見ているようだ。
つまり、この現象は上条だけでなく、すべての人に見えている。
さらに、白い亀裂は徐々に押し広げらたた。
亀裂が白いのではなく、その向こうに見えているものが白いからそう見えているようだ。
数秒の沈黙の後、唐突に上条の脳裏を2つの単語が過ぎる。
魔術・超能力
空間に亀裂を作る魔術も超能力も見たことが無いが、存在しないとは限らない。
超能力の中には『空間移動(テレポート)』などがあるが、それとはまた異なるもののように見る。
「――――――――――――!!」
上条は白い亀裂に向かって走り、右手の拳を握る。
それが、どんなものかは知らない。
魔術か超能力かも、分からない。
だが、白い亀裂は上条の前に出現している。
ということは、この亀裂は上条たちを狙っている可能性が高い。
その亀裂との距離はおよそ7m前後。
その距離を一気に縮め、握った右拳を振るう。
「おおおああああああああああああ!!!」
ズン、という突き刺すような音が骨を通して響く。
上条の右手はあらゆる『異能な力』を打ち消すことができる。
それは魔術か超能力かも分からない、白い亀裂であっても例外ではない。
上条は思わず声を上げる。
そして、周りを見回す。
インデックスたちもその亀裂見て呆然としている。
その他の道を行き交う人々も足を止め、その亀裂に注目している。
ステイルもキョトンとした表情でその亀裂を見ているようだ。
つまり、この現象は上条だけでなく、すべての人に見えている。
さらに、白い亀裂は徐々に押し広げらたた。
亀裂が白いのではなく、その向こうに見えているものが白いからそう見えているようだ。
数秒の沈黙の後、唐突に上条の脳裏を2つの単語が過ぎる。
魔術・超能力
空間に亀裂を作る魔術も超能力も見たことが無いが、存在しないとは限らない。
超能力の中には『空間移動(テレポート)』などがあるが、それとはまた異なるもののように見る。
「――――――――――――!!」
上条は白い亀裂に向かって走り、右手の拳を握る。
それが、どんなものかは知らない。
魔術か超能力かも、分からない。
だが、白い亀裂は上条の前に出現している。
ということは、この亀裂は上条たちを狙っている可能性が高い。
その亀裂との距離はおよそ7m前後。
その距離を一気に縮め、握った右拳を振るう。
「おおおああああああああああああ!!!」
ズン、という突き刺すような音が骨を通して響く。
上条の右手はあらゆる『異能な力』を打ち消すことができる。
それは魔術か超能力かも分からない、白い亀裂であっても例外ではない。
はずだった。
上条の右手の渾身の一撃を受けたはずの亀裂は、そのまま上条の右手を白い空間に通す。
「なっ・・・・・・・・・!?」
そんな、と上条は心の中で呟く。
「なっ・・・・・・・・・!?」
そんな、と上条は心の中で呟く。
たしかに彼の右手は白い亀裂の中心部に当たったはずだ。
幻想殺し(イマジンブレイカー)に消せない『異能な力』はない。
例えそれが魔術でも超能力であっても、だ。
なのになぜ、目の前のこれは打ち消せないのか。
とにかくこの亀裂から脱しようと、必死に引き抜こうとするが、抜けない。
「カミやん!」
呆然とする人々の中から一番早く状況を理解できたのは土御門だ。
彼は7mという距離を一瞬で縮める。
「あ、アンタ!」
土御門に続くように、美琴も駆け出す。
「・・・・・・・・・チィッ!」
ステイルも向こう側の異変に気付き、ルーンのカードを取り出す。
「―――――――――とうま!!」
最後にインデックスが駆け出す。
「くっ、そぉぉぉおおおおおおおおお!!!」
上条は力いっぱい引き抜こうとする。
だが、どう足掻いても抜けない。
と、不意に白い亀裂の中の右手が何かに触れた。
瞬間、亀裂から無数の白い『帯』が出てきた。
「「「「「!?」」」」」
無数の白い『帯』は上条たちに触れると、まるで強力な接着剤を付けたようにピタリとくっつき、
一気に亀裂へと引きずり込む。
1秒と経たずに、上条たちは亀裂の中へと消え、その亀裂も消える。
周囲の人々はその光景に驚いていたが、暫くすると何事もなかったかのようにそれぞれ歩き出す。
その中に一人、立ち止まっていた人影があった。
その人影はニヤリ、と笑うと次の瞬間には虚空へと消えていった。
幻想殺し(イマジンブレイカー)に消せない『異能な力』はない。
例えそれが魔術でも超能力であっても、だ。
なのになぜ、目の前のこれは打ち消せないのか。
とにかくこの亀裂から脱しようと、必死に引き抜こうとするが、抜けない。
「カミやん!」
呆然とする人々の中から一番早く状況を理解できたのは土御門だ。
彼は7mという距離を一瞬で縮める。
「あ、アンタ!」
土御門に続くように、美琴も駆け出す。
「・・・・・・・・・チィッ!」
ステイルも向こう側の異変に気付き、ルーンのカードを取り出す。
「―――――――――とうま!!」
最後にインデックスが駆け出す。
「くっ、そぉぉぉおおおおおおおおお!!!」
上条は力いっぱい引き抜こうとする。
だが、どう足掻いても抜けない。
と、不意に白い亀裂の中の右手が何かに触れた。
瞬間、亀裂から無数の白い『帯』が出てきた。
「「「「「!?」」」」」
無数の白い『帯』は上条たちに触れると、まるで強力な接着剤を付けたようにピタリとくっつき、
一気に亀裂へと引きずり込む。
1秒と経たずに、上条たちは亀裂の中へと消え、その亀裂も消える。
周囲の人々はその光景に驚いていたが、暫くすると何事もなかったかのようにそれぞれ歩き出す。
その中に一人、立ち止まっていた人影があった。
その人影はニヤリ、と笑うと次の瞬間には虚空へと消えていった。