とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 1-599

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匿名ユーザー

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ぶるぶると、震えながら答える美琴に上条は少し考え、
「・・・・・・、そっか。まぁ、あいつらなら多分、大丈夫だ。・・・・・・闇雲に探しても、
あいつらは見つからないだろうし・・・・・・何より、あいつらは一人の方が強い」
自分でも驚くような、冷静な決断。
それは、仲間を信頼することができるからこそ下せたのだろう。
そして何より、この世界での支配者(マスター)は正体不明の魔術師だ。
ここでむやみに動くとますます奴の思う壺だろう。
当然、上条は消えたインデックスたちのことを全く心配していない訳ではない。
彼女らが同じような状況に置かれたときを想定しての行動。
上条が今出来ることは、彼女らの信頼を裏切らないようにすること。
震えが止まり呆然としている美琴を見て、
「とりあえず、――――――」
と上条は言いかけ、
ふらりと、上条の体がバランス感覚を失ったように傾く。
「ちょ、アンタ!?」
美琴は反射的に立ち上がり、上条の肩を掴んで支える。
「っつ・・・・・・、悪い、御坂。さっきので、ちょっとやられちまった」
「や、やられたって・・・・・・」
そこで美琴は、上条が右脇腹を抑えている手とYシャツが血で赤く染まっているのを見た。
さっきまで影に隠れるように見えなかったので、今までまったく気付かなかったのだ。
素人目で見てもかなりひどい状態だと分かるくらい出血していた。
しかし、そんな状況でも上条は笑っていた。
心配しなくてもいい、とでも言うように。
「・・・・・・、アンタ、何で笑っていられるのよ。ちょっと、横になりなさい」
「え?ちょ、御坂!?」
抵抗する上条をそのまま力ずくで仰向けに倒す。
「痛あがぁっ!!」
「ちょっと、おとなしくしないと失血死するわよ」
「いや、ちょ、何する気ですか!?」
上条が少し大人しくなったのをいいことに、美琴は傷口を押さえている上条の手を退かす。
うぐぉ!?と悶える彼を無視して美琴は傷を見る。
皮膚と肉が横一線に切られ、溢れる血は止まる気配が無い。
思わず目を逸らしたくなる光景だが、美琴はその傷口に掌をゆっくりと当てた。
「あの・・・・・・、美琴センセー?一体何をしようとしているんでせう?」
「そういえば、アンタのその右手の能力ってここまで作用しないわよね?」
「聞けよ!見ての通り異能力で傷付けられたから作用しないと思うよ!」
「うっさい馬鹿!そんなに叫んでも大丈夫な状態なわけ!?アンタはどっかの少年マンガの主人公
か!!」
「・・・・・・、それで。何をしようとしてんだ?」
「何って、こうすんの」
以前も聞いたような美琴の言葉に大変嫌な予感がした上条。
「おい!てめ、まさか――――――」

案の定、傷口を押さえている美琴の掌からバチンと凶悪な音が聞こえてきた。

「――――――――――――――――――――――――ッげばぁがべ!!!???」
全身を駆け巡る激痛に叫ぶ上条。
「ちょっと、暴れないでよ!治療に専念できないじゃない!!」
最早聞いてません。
「・・・・・・」
それから暫くすると上条は死んだようにピクリとも動かなくなった。
「はぁ。気絶した・・・・・・、か。ま、動かない方が都合がいいけどね」
最後の言葉を聞き、上条の意識は急速に闇に落ちていった。

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