とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 1-807

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匿名ユーザー

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とある授業の社会見学     序

学園都市。
東京西部を開発して作られた超能力開発機関。人口二三〇万人を数える一大マンモスタウンでありな
がら、住人の八割が学生である街。
そんな街の一角のありふれた学生寮の一室で、今晩の夕食の後片付けをしながらふと思い出した様
子で上条当麻は同居人であるシスターに声をかけた。
「っと、そうだ、インデックスー?」
「ん? なーに、とうま?」
返事をしてはいるが、視線はテレビの画面から一時も離さないというかほとんど上の空であるインデッ
クス。
ちなみに、彼女が現在夢中になっているのはテレビアニメ 「超起動少女カナミン - Ple Pure -」 と
いう番組で、夏休み中に再放送されていた第一作目の続編シリーズの三作目になるものである。ゴール
デンタイム時放送のアニメにしては一話毎の展開が速い上、物語も中盤に差し掛かり、結構目が離せ
なかったりするのである。
「今いいところなんだけど」
「ん、わりぃ」
返された言葉に若干含まれる不機嫌さに謝りながら、洗い物を済ませた手を拭いて用意したお茶を出
す。その手順に無駄は無く、急須から注がれる緑茶の色も申し分のないもの。
注いだ湯飲みをまずインデックスの前に置き、茶菓子となるあられを並べていく。さっそくあられに手を
出すインデックスを見ながら自分の湯飲みから一口すする。中々の出来と思うが、同居している女の子
がいるのに自分だけ家事のスキルが上がっていくのはいかがなものか、などという考えが浮かんだり
浮かばなかったり。
まあそんな考えは目の前の少女に知られると、いろいろ後が大変なのですぐさま心の引き出しに仕舞
い込むのだが。
「明日なんだけどさ、うちの学校が社会見学ってやつで帰りが少し遅くなるかもしんねぇからさ。一応用
意をしとくからあんまり遅くなるようだったら先に食べててくれるか?」
「? しゃかいけんがく? 何それ?」
当麻の言葉に反応を示しているが、放映時間も終盤に差し掛かっているために明らかにそちらの方に
気を取られている。
「ああ、うーんと、普段生活している世の中がどういう仕組みで成り立っているのかを見て学ぶもの、か?
まあ、そんなに遅くはならないと思うけど、現地集合・解散じゃなくて一度学校まで戻ってこないといけな
いから、その分余計に時間がかかるだろうしなぁ」
「ふーん、そうなんだ。――――――――ああっ!」
気の無い返事を送っていたところに番組が尺のラストにきて急展開を見せ、そのまま次回に繋げていっ
たので、当麻との話はほとんど丸投げのインデックス。話していた当麻の方も、何気に見ていた番組に
引き込まれかけていたようで、話半分の様子ではあったがそれ以上の説明をしなかった。

「さて、と」
しばらくしてお茶を飲み終えた当麻が湯飲みなどを片付け始め、先程のテレビの内容を頭の中に整理し
て仕舞い込んでいるインデックス、と何だかさっきも見た感じの室内となって夜は過ぎていった。

こうして、社会見学の前夜は過ぎていく―――





   ――――――





「ん? とうま! しゃかいけんがくって、まいかがいってたお祭りのひとつなんでしょ?!
だったらこないだの、だいはせいさいとかいちはならんさいとかの時みたいに、お店屋さんが並ぶんじゃ
ないの?!なんでわたしを置いてきぼりにするつもりなのかなとうまは!!」
「おぶあ!何いきなり襲い掛かってきてんだてめえは! あとなんだよお祭りのひとつって!
そんなしょっちゅう馬鹿騒ぎするような行事があってたまるか! 普通の授業に決まってんだろって言うか
とっとと離れやが・・・あだだだだだ!!」
アニメの内容を整理していたら当麻との会話の内容がようやく入力され、祭りでのけ者にされると感じた
食欲シスターの噛み付き攻撃にあう『不幸』な少年。

社会見学祭開始前夜が過ぎるていくのはまだ暫くかかりそうである―――。

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