とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-233

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匿名ユーザー

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二人の恋する乙女

「ろ、露伴先生!?何でここに?」
康一は、驚いていた。何しろ、見知らぬ土地で風紀委員と言う名の治安維持部隊に追いかけられ、逃げ回っている最中に
ここにいるはずのない、知り合いに出会ったのだから当然といえば当然だ。
「康一君ッ!?」
露伴が普段冷静な彼だとは思えないほどの、驚いた顔をしている。
「なんで、君たちがここにいるんだ?」
露伴が質問してくる。
康一は、息切れしていて中々答えられないので、代わりに横にいた由花子が答える。
「私達、修学旅行でここにきたんです。それで、今ジャッジメントとかいうやつに追いかけられていて…」
由花子は話しながら、康一を大丈夫?とか言いながら心配している。
「ろ、露伴先生こそ、ハーハー、何で、ハーハー、こ、ここにいるんですか?」
「ああ、私か?私はサイン会でここに来ているのだよ。」
露伴は思い出したように自分の当初の目的を話す。

その時。
「そこの二人!とまるんじゃん!」
康一と由花子を呼び止める声がする。
声がした方には、身を防護服で固めたアンチスキルの黄泉川愛穂と鉄装綴里がいた。
実は、彼女たちは休日のため食品街を巡回していたところ、初春飾利に会い事情を聞かされ、不審者を追いかけていたのだ。
そして、今初春の情報と合致する人物を見つけたというわけだ。

「な、何でしょうか?」
康一が引きつった笑顔で答える。
「あんたら、さっきスキルアウトをボコボコにしたらしいんじゃん。見かけない制服着てるし、事情聴取したいんじゃん。」
黄泉川が康一に告げる。
すると、
「康一君は何もしていないわ!私がやったの!」
と由花子が康一を庇う。
さらに、小声で
「康一君は逃げて、私がなんとかする。」
と告げる。
「で、でも…」
「いいから逃げて!私は大丈夫よ。こんな奴ら屁でも無いわ。」
「分かったよ。由花子さん無茶しちゃダメだよ?」
「ええ。わかってるわ。」
二人は言葉を交わすと、康一は一目散に逃げ出す。由花子を信頼しているからこそできることなのだが。

「そこの少年待つじゃん!」
康一を黄泉川と鉄装が追いかけようとする、はずだった。
しかし、黄泉川と鉄装は動けない。
足が何か黒いもので縛られている。
「ひえぇぇぇぇ。」
鉄装は情けない声を出す。
さらにその黒いものは足から這い上がって、体までも締め付け始める。
そこで、黄泉川は気づくこの黒いものが、由花子の髪だということを。

「そこらの奴ら!危ないから逃げるじゃん!」
黄泉川が腰の銃を引き抜きながら叫ぶ。
目の前の様子を見ていたサイン会に集まっていた客が、ワーッと逃げ出す。
インデックスも例外になく逃げようとする。しかし、彼女は身動きひとつしない御坂美琴をみて
「短髪!逃げろって言われてるんだよ!?」
インデックスは悲痛な叫びを美琴にぶつける。
銃を用意する黄泉川たちを見ていた美琴は
「あの女が何者か分からないけど、あの二人がこのままやられるのを放っておけって言うの!?」
美琴の目線のさきでアンチスキル二人が、どんどんと由花子の髪によって締め付けられる。
ついに、あまりの苦しさに銃をポトリと取り落とす。
「ぐあぁぁぁ」
「ひあぁぁぁ」
二人が悲鳴をこぼすものも、由花子は全く緩める様子が無い。

この状況を見かねた美琴は、何か言って袖を引っ張るインデックスに
「アンタは逃げなさい。」
と一言残し、由花子に向かってゆく。

その間にも、黄泉川たちは髪にどんどん縛られていく。
そしてついに、鉄装が気絶してしまう。
「鉄装?鉄装?」
黄泉川は悲痛な声を上げる。
だが、その直後黄泉川は自分の体がフッと楽になるのを感じた。
状況が理解できずに、由花子を見る。
なんと、由花子の髪が切断されていた。状況を把握した黄泉川は、安心したためか気を失ってしまった。

「な、なによ!?何なの!?今の雷は!?」
由花子は自分の髪が傷つけられたことに憤慨して、叫んでいる。
「私よ。」
憤慨している由花子に、美琴が告げる。
「アンタの髪を切断したのは私。」
確認するように、もう一度同じ内容を告げる。
「由花子って昔から興奮すると、(眼輪筋)ってところがピクピクしてちょっと暴力的になるの。」
まぶたをピクつかせている由花子が何か話している。
「?何言ってるの?アンタ?」
美琴は脳神経に電撃が効いてしまったのかと、心配しながら問いかける。
「アンタはブチコロシ確定よーッッッ!このビリビリ女!」
「ラブ・デラックス!!」
由花子の髪の毛が猛然と美琴に襲い掛かる。
しかし、その髪の毛は美琴の電撃をうけ燃えてしまった。
「そんな攻撃、レベル5の私に効くと思ったわけ?」
「なめてんじゃ無いわよッ!」
今度は美琴の電撃が由花子に襲い掛かる。
由花子は髪の毛で近くの木をつかみ、飛び上がって電撃をよける。
「髪の毛を操る能力なんて効いたこと無いけど、私の攻撃それぐらいでよけたと思ってんじゃないわよね?」
美琴がそう告げるとともに、由花子に電撃が走る。
「!」
美琴の放った電撃が、木を伝いまたその木をつかんだ髪を伝い由花子に流れていったのだ。

ボトッと気を失った由花子は地面に落ちる。
彼女は気を失う直前に、康一のことを思っていたためかその顔は微笑んでいる。
「手加減はしたけど、死んでないわよね…」
美琴は由花子に近づき、心臓が動いているのを確かめる。
彼女の心臓はまだ動いていた。
「よかった…、それにしても髪の毛操るなんて面白い能力よね。どんな力使ってんのかしら?」
ほっとひと安心した美琴であった。

to be continued...

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