とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-278

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匿名ユーザー

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1章 皆に訪れる異変は異変になるのか 

「…ふむ…」
ゴポ、という音とともに声がある空間に響く。
「…予想以上に早いな。そこまで垣根帝督が愛しいか…」
とある『人間』が言葉を放つ。
それは男にも女にも見え、子供にも老人にも見え、聖人にも囚人にも見えた。
アレイスター=クロウリー。
学園都市総括理事長。加え、世界最高の魔術師。その『人間』は、緑色の手術衣を着、弱アルカリ性培養液で満たされたビーカーの中に、逆さに浮いていた。
『この状況…どうするつもりだ?』
突然、その『人間』の脳に直接響くように声が聞こえた。
アレイスターが『存在』している建物には、玄関はおろか、窓さえ存在しない。そのため、ここに来るには『空間系能力者』が必要とされる。
この建物の『案内人』を勤める結標淡希が能力を使った形跡は無い。
だが、アレイスターはうろたえることなく『答える』。
『ああ。だからお前にある頼みごとをしたい。エイワス…いや、やはりドラゴンの方が良いか?』
ドラゴン。
それはこの学園都市の統括理事会クラスの人間しか知らない言葉。
もちろん、『ドラゴン』などという単語なら、ほとんどの人間が知っているだろう。
だが、ここにおける『ドラゴン』という単語の意味を知る者は、ほんの一握りしか存在しない。存在してはいけない。
その、『ドラゴン』が『言う』。
『頼みごと…まさか、私に戦線に出ろと?』
『まさか。そんなことをしたらこの『計画(プラン)』が大幅に揺らぐ』
『では?』
『まぁ、『彼ら』に力を与えてほしいのだよ。フィアンマを撃破したとはいえ、あれには無駄な人間が手を差し出しすぎた』
『…具体的に、どうやって?』
『一種の『天使の力(テレズマ)』だと思ってくれれば良い。もともとお前の力を取り込ませておいた『滞空回線(アンダーライン)』を『彼ら』の体内に取り込ませ、一時的に能力を引き上げる、ということを行ってほしい』
『ほう。そして、私の力が不用意に流れ込みすぎると『人間の体』だと持ちこたえられないから、その力の調整をしろと?』
『ああ。状況に応じて最適な力の量、質を注いでほしい』
『…まぁ、いいだろう。…それよりも』
唐突に、『会話』が途切れる。

『…本当に、私の力が『彼ら』には必要なのか?』

『…分からない』
アレイスターが答えた。
『もしかしたら、彼らだけの力でこれを乗り越えることは出来るかもしれない。だが、出来ないかもしれない。
…不確定要素が多すぎる。浜面仕上の存在のみが不確定要素だと思っていたが…』
『まだあるだろう』
『・・・』

『あの二人の父親は、厄介だと思われるぞ?』

『…』
はぁ、とアレイスターがため息をはく。そして、何を『人間』じみたことをやっているのだ、と自嘲する。
『…あの二人が、最大の不確定要素だ』
突然、アレイスターの目の前にいくつものモニターが浮かび上がる。周辺には、そのようなことが出来る機器は存在しない。
『あの対フィアンマ戦。無駄な人間、と言ったが、実質あの二人だけのようなものだ』
『…あの二人は、いったい何者だ?』
『…おそらく、だが…』
そこで、冷たい沈黙が流れる。

『…『幻想守手(イマジンガードナー)』、『現実守手(リアルガードナー)』だと思われる』

『…ほう!もう出てくるか!!あの存在は、この計画のwyyt段階における対hfrekhgのときに出てくる予想では!?』
興奮しているのか、この世界のヘッダでは表せない言葉をドラゴンが『発する』。
『…少しは落ち着け』

『これが落ち着いてられるか!!と言うことは何か、『現実操者(リアルコントローラー)』はあの小娘だと!?はははっ!!!『幻想操者(イマジンコントローラー)』と『現実操者(リアルコントローラー)』が至近距離にいるというのか!!!!』

その後、もはや発狂したような口調で次々と言葉を発していくドラゴン。
またもやため息をついたアレイスターは、ひとつのモニターを見る。
そこには、上条当麻と禁書目録、御坂美琴と白井黒子がいた。
「…この情景が、いかに恐ろしいものか、本人たちは分かってないのだろうな・・・」
そして、もはや3回目になるため息をついた。

「さて」
10月9日。土曜日。
「…とうま」
とある病院内。
「…アンタは」
男性一人。
「…この殿方は」
女性3人。

「いったい、とうまはいくつ事件に巻き込まれれば気が済むのかなぁ!?」
「いったい、あんたはいくつ事件に巻き込まれれば気が済むのかしらぁ!?」
「いったい、あなたは何回美琴お姉様とイチャイチャすれば気が済むぐはぐっ!?」
3人そろって同じようなことをいっている(様な気がする)のだが…
その言葉の対象となるとあるとんでもなく不幸な少年は叫ぶ。
「別に俺だって巻き込まれたくて巻き込まれたわけじゃねぇ!!ツーかインデックス、お前があいつに捕まるのが悪いっ!!!」
その反論もむなしく。
「とうまはそうやって人に責任を擦り付けるの!?というか、あれは仕方が無かったんだよ!!フィアンマが使った魔術は私の10万3000冊の中には入ってなかった!!!」
「嘘つけぇい!!そんなことありえるかっ!!あいつの攻撃が俺の『右手』で消せたんだから、あれはれっきとした『魔術』だろぉ!!?」
「魔術だけど、私の中には記憶されてなかったもん!!!」
「っつーか、つまりあんたはこの子を助けるためにあの馬鹿じゃないのってくらい強かったあいつに挑んだってわけね!!??」
「そうでございますわ!きっと汚らしい猿人類の欲望を満たすために美琴お姉様に手を出したに違いなおうぐふっ!!??」
「というか美琴、それがお前にどう関係あるんだ!?今回はたまたま父親に会いに来た場所が対フィアンマ戦の場所でしたっていうことでお前も仕方なく参戦したはずだが、俺の参戦理由はお前には関係ないはずっ!?よし、上条当麻、完璧な言い分っ!!!!」
「…だから、あんたがフィアンマとかいう奴に挑んでなかったら私も挑んでなかっ…」
続きを言おうとした美琴が、何故か顔を赤くして俯く。
「は?」
と、とっさに上条は言ってしまったわけだが、
「とーまーぁぁぁ!!!!」
「ぐぎゃぁぁぁぁぁっ!?なぜ私こと上条当麻はあなた様インデックス様に噛み付けられなければならないのでしょうかっ!?」
「美、美琴お姉様っ!?おのれこの猿人類めが、私が肉片ひとつ残らずっ―――っ!!!」
「…」
さらに何故か白井黒子が太ももに巻いてあるベルトから金属矢を取り出し、美琴が俯きながらぶつぶつ何か言いながら髪からばちんばっちんと音を鳴らす。
「ちょ、待って!?なぜ私ことものすごく不幸な上条当麻が大能力(レベル4)の『空間移動(テレポート)』の方の攻撃と、学園都市第3位の『超能力者(レベル5)』の『電撃使い(エレクトロマスター)』の方の能力による攻撃を喰らわなければならないのでしょうかっ!!!???」
だが、やはり上条の反論もむなしく。
インデックスの噛み付きは威力を増し、白井は『ふ、ふふふ…これでこの猿人類がいなくなればお姉様は私のもの…うえっへっへ…」と言い、本格的に威力を増していく電撃に恐れをなしているとき。

「…よォ、と声をかけようと思ったが…ここは遠慮しとくぜ…」

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