とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-283

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匿名ユーザー

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「『一方通行(アクセラレータ)』ッ!!!!」

上条は反射的に叫んだ。その叫びは、絶望しかない暗闇でまばゆい光を見つけたような者の声だった。
「…俺はこんなめんどォくさそうなことには関わらねェぞ…」
叫ばれた『一方通行(アクセラレータ)』は、何か集団でいじめられている子どもを見るような目つきで上条を眺める。
「賢明な判断ですわね、学園都市第1さん」
「あんた今ここで手を出すっつんなら、ネットワークぶっ壊すわよ」
「あれ…?あなたは…?」
3人ともども、学園都市第1位の者に掛ける言葉とは思えない言葉を掛ける。まあ、ひとりはその事実を知らないのだが。
「…そうゆうことだ。俺が殺せるぐらいにはとりあえず生き残っとけ」
「なにぃぃぃ!?まだお前俺を諦めていないのかっ!?いやいい加減…」
「…お前」
一方通行が上条をさらにかわいそうな人間を見るような目で見る。
「へ…?」
と、上条が思考するまもなく。
「とうまぁ!とうまは女の子だけじゃ飽き足らなく、この人にもあんなことやこんなことをした上であっさり捨てたって言うのかなぁ!!??」
「は!?あ、いや違いますよインデックスさん!!??あの発言はそういう意味じゃなく、『まだ俺を殺すことを諦めていなかったのか』という意味のものでして!」
「あんたねぇ!!!」
「(…よ、よし…これで美琴お姉様をめぐる最大の強敵(ライバル)が確実に葬られそうですわね…そうなればっっ!!!)」
と、なにやらいろいろと勘違い(していない者も1人居るのだが、有効利用中)されているところで、さらに何人か上条の病室に訪れるものが居た。
「あっれー?何であなたはちゃんと病室に入ろうとしないの?ってミサカはミサカは疑問を投げかけてみる」
「それには子供には分からない深い深い事情があるのです、とミサカはあなたに現実を直視させないような言葉を発します」
「御坂妹ッ!!!お前も何か壮絶な勘違いをしていないか!?」
「いえ、ミサカはミサカたちの上位固体である『打ち止め(ラストオーダー)』に汚い現実を見せないようにしているだけです、とミサカは特に考えることなく答えます」
「!?って、ちょっとあんた――――ッ!!!」
とそこで、美琴が場違いに緊張した声を発する。その美琴の視線の先には。

「…?ミ、サカ…??ま、まさか」

「あんたは何も聞くな!そして何も見るな!!さらに何も問うな!!!絶対めんどくさいことにっ!!」
「お姉様ッ!!!いったい、黒子にどのような隠しごとをっ!?」
と、なにやら場の雰囲気がよくつかめなくなったとき。

「に、逃げてくださいッ!!!」

突然、切羽詰った声が病室内に響いた。
全員の視線が病室の扉に行く。そこには、見覚えのある少女が居た。
滝壺理后。
対フィアンマ戦のときに一緒に戦ってくれた上条たちの仲間である。彼女は特にフィアンマ戦では致命傷は負っていないのだが、前々から使用していた『体昌』というものがいろいろあるらしく、今は絶対安静を保たなければいけないはずなのだが。

「超能力者(レベル5)が、あなたたちを狙いにここを襲撃してきますッ!!!」

やはり切羽詰った声で彼女は言い放った。
「…?」
だが、やはり一同はいまいち状況がつかめない。その一同の薄い反応を見た滝壺は、
「ちょ、超能力者たちがここを襲撃しようとしています…もう、ここの病院にいる一般人の方にも避難を開始してもらっています…」
そこまで言ったところで、滝壺の体がふらっとゆれ、熱中症にかかったように後ろに倒れこむ。
とっさに御坂妹が彼女を抱きかかえる。
「…どういうことだァ?」
一方通行がしらっと言う。
そこに。

「いいからっ!説明してる暇はねぇんだ!!もうお前たち以外の人間は全員避難したから、さっさとお前らも逃げろ!!」

浜面仕上。
それがこの声の主の名前だ。彼もまた同様に、対フィアンマ戦で一緒に戦ってくれた仲間である。
前は『武装無能力者集団(スキルアウト)』のリーダーを務めていた時がある彼が、動揺しまくりの声で言う。
「説明は出来ない!さっさと逃げろ!!!」
「待て」
もう半分パニック状態に陥りつつある浜面に、冷静な声で一方通行が問いかける。
「つまり、俺らを潰すために能力者がここを襲撃する、ってェことでいいんだよなァ?」
「あ、ああ。だけど全員超能力者(レベル5)で、8人も居るって…」
「もうどうせ逃げられねェだろ。しかもこの病院内には他の奴らは居ない。だったら」
一方通行が言葉を切る。

「ここを戦場にしたほうが早くねェかァ?」

「ばっ…」
その言葉にいち早く反応した美琴が言う。
「何言ってんの!?いくらあんたが学園都市最強だからって、『超能力者(レベル5)』8人を相手できるはず無いでしょうが!」
「…の前に、なぜその襲撃の事実が彼女に分かるのか、ということは誰も気に止めませんの…?」
白井が不思議そうな顔で言う。
滝壺理后の能力は、『大能力(レベル4)』の『能力追跡(AIMストーカー)』。一度記録したAIM拡散力場の持ち主をどこにいようとも確認・追跡できる、という能力だ。それ以外にもあるのだが、今重要なのはその能力。
白井黒子以外は対フィアンマ戦に参加(とあるひとりはネットワーク経由で)しているのでそのことが分かっている。
白井にもそれを説明してやればいいだけなのだが。
「時間が無いらしィから説明はなしだ。とりあえず団体で行動する。
俺と打ち止め(ラストオーダー)と滝壺、浜面。上条と『超電磁砲(レールガン)』と妹達(シスターズ)と白井で行動だ。これくらいの戦力があればそうそう死なねェだろ」
そういって、一方通行は立ち上がる。
「反論は?」
誰も何も言わない。
状況はあまりよくつかめていないが、互いがかなりの信頼関係を築き上げている分、そのあたりは固い。
「よし」
上条がベッドから立ち上がる。
「まーた不幸なことがおきるっぽいが…」
もはや慣れました、という表情をつくり、

「全員、死ぬんじゃねぇぞ」

その言葉を聞き、一斉に病室から駆け出した。



「…くそ…」
ある『人間』が、画面のモニターを見て言う。
「…やはり、『幻想守手(イマジンガードナー)』達が関わっているか…」
その画面には、先ほどの上条達のやり取りが映っていた。
『あまりにも、不信感が無いな』
またもや脳内に直接『響く』様な声が『聞こえた』。
『…まさか、私の『計画(プラン)』に気づき…?』
『それは無いだろうな。おそらく、子供たちが妙に不信感を持ち、行動を鈍らせて負傷する、という事態を避けたいだけだろう』
『…』
アレイスターは応えなかった。
『…さすがに、この戦力では持たないな』
『確かにな。しかし、あの『幻想操者(イマジンコントローラー)』が事件に関わっているのだから、すぐに応援は集まるだろう』
『その応援も、微々たる者、ということは十分にありえる』
『心配性だな。何かあれば私が出る』
その言葉で全てが収まる。それほど説得力があるのだ。
もはや、『それ』を造りだしたアレイスターより『それ』が強くなっている今。
『ふふ。しかし、一方通行はやるな。とりあえず戦力を固め、生存率を上がらせることに専念しているようだ』
『…まあ、そこは一番実戦が多いからな…』
1万回以上は戦場に出ているのだからな、とドラゴンが笑いながら『発する』。
『体制を整わせる気か。だが…』
そこで、ドラゴンが言葉を切る。
『そんなに消極的な答えで、奴らは持つかな?』
『…なんとも言えんな。もしかしたら、『超電磁砲(レールガン)』が今『覚醒』するかもしれんし、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が『真』に目覚めるかもしれん』
『はは。たいした戦力だ』
軽い口調で言うドラゴン。
『とりあえずは、大丈夫だろう。『奴ら』にしてもまだ未完成のはずだ』
『…『超能力者(レベル5)』たち、か…』
アレイスターが考え込むように目を閉じる。
『…しかし、垣根聖督はこれだけの戦力で本当にお前を追い詰められる、とでも思っているのか?』
嘲るようにドラゴンが言う。
『こんな矮小な力、イギリス清教のトップでも一人で潰せる』
『…ローラ=スチュアート…』
またため息をつきそうになるアレイスター。
『…まぁ、事の成り行きに任せるとするか…』
アレイスターには珍しく、適当に判断を下した。

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