とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-287

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匿名ユーザー

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「いやーしっかし、警備員(アンチスキル)とか風紀委員(ジャッジメント)がどーたらこーたらって聞いたときはどんな奴らかと思ったが…
ような単なる雑魚ってことでいいんだな?」
「ざっくばらん過ぎるわね…まぁ、合ってるんだけど」
第7学区にあるとある病院に向かっている8人の超能力者(レベル5)。
彼らはその病院に行くまで、邪魔だと思ったものは消し飛ばし、ほしいと思ったものは強奪し、と…やりたい放題していた。
彼らはある少年たちを殺す、または捕縛する…ようは、戦闘を目的として作られた存在だ。そして、戦闘に関するスペックを限界まで高めるため、『常識』などという項目は彼らの頭には元からいらず、そして造られなかったがためにこのような行動が取れるのである。
もちろん、そんなことをすれば警備員(アンチスキル)や風紀委員(ジャッジメント)が動くのは当然なのだが、彼らはそれさえも潰してきている。なので、ここらいったいは戦闘の爪あとがまだ激しく残っている。残骸が燃えていたり、建物が不気味な音を上げながら崩れていったり…などといった事だ。
だが、そんなことを一切気に留めず、まるで天気のいい日の散歩のようにのんびりと歩いている。
ふと、そのうちのひとりが口を開いた。
「その、今回のターゲットは、私たち全員が動かなければ潰すことが出来ないほど強力なのでございましょうか?」
金髪碧眼、かなり整った顔立ちに整った肢体を持った20代半ばくらいの女性が言う。
「…正直、分かりかねるな。先ほどはああも言ったものの、実際のところ片手間で済ませられるかもしれん」
いかにも紳士風な男が応える。30代後半のように見えるのに、なぜか杖など突いている。
「まあ、結局ノところどうせ殺すんだしサ。そんな相手ニ感情なんか持ってどうするつもりダ?」
10代前半のような男子が、おかしな口調で喋る。彼の顔には喜怒哀楽、すべてがあるように思える。
「そんなこと言っておきながら、殺せなかったらどうするつもりなの~?僕に殺される覚悟、ある~?」
先ほどの少年と同じような容姿をした男子がつまらなさそうに言葉を吐く。間延びした口調とは裏腹に、彼はまったくの無表情だ。
「仲間割れは避ける事項だと思われます。よって、そのような行動があった場合、強制的に止めに入らせてもらいますので、そのつもりで」
今度は10代後半のような少女が応える。顔はまっすぐ前を向いているのだが、なぜか表情は暗い。
「はん。そんなガキ相手に本気出す気?たかが知れるわ」
不機嫌そうな声があたりに響く。その声の主は明らかにイライラしているような表情を浮かべ、体中からピリピリした空気が漂っていた。
そこに。
『…君たち。もうすぐ戦闘に入るのだから、少しは緊張していけ。あくまでこれは『戦闘』だぞ』
突然、五感に語りかけるような声が彼らの脳に堕ちてくる。
「…」
それに、誰も取り合わない。
妙な沈黙があたりを支配した。
『…このような空気で、彼らに臨め』
そう言われ、ふと気づいたように誰もが前を見る。
そこには、とある病院があった。

「…で?今回の不幸を持ってきてくれるすばらしい相手は具体的にどんな奴なんだ?」
上条が、壁にもたれかかった姿勢のまま言う。
「知らないわよ。まあ、最初はあたしと黒子で様子見に行くから。あんたのその右手は相手によっちゃぜんぜん効かないし」
美琴が黒子の方をチラッと見て言う。
「それが最善策でしょうね」
珍しく黒子がその手の発言をせずに言う。状況が状況なのを理解しているのだろう。
御坂妹は、インデックスを安全な場所に避難させるため、現在はこの病院内にはいない。そして、それが出来たならば応援を頼むようにしている。
つまり、
「って、え…?俺、ひとり…?」
「何か問題でもありますの?学園都市第1位を拳一つで倒した勇者さん♪」
何でお前がそれを知っているんだ、と思わず突っ込みそうになった上条だが、この際それはスルーする。
「てか、相手の能力が能力だったら、俺本当に拳だけで戦うことになるのですが?」
上条が素朴な疑問を投げかける。
それに二人の少女が同一のタイミングで応える。
「あ、そーか。なんかそこまで頭回ってなかったわ。んじゃ全員で行動ね」
「そこら辺で勝手にのたれ死んでればいいんですわ♪」
まったく相成れない二つの言葉。
「…あんたねぇ…」
「…お姉様。そこまでしてこの殿方と一緒に行動したいんですの?」
「あんた、こいつ意外に使えるって事知ってる?それと、曲がりなりにもあの『一方通行(アクセラレータ)』を倒したんだからね、こいつ」
「美、美琴…」
なぜか上条の目が潤む。というか、この状況でそのような発言が無かったらマジどうしよう?と考えていたところだから当然といえば当然だが。
「…なんで、そんな目で…」
それに美琴が、なぜか俯く。
「おのれこの――――」
と、いつもの展開に発展しかけたところで。

ズゴォォン!!!

建物全体が振動した。

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