とある魔術の禁書目録 Index SSまとめ

SS 7-351

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匿名ユーザー

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2章 能力者たちの交錯


「だぁぁぁぁっ、くそがッ!!!」
「猿人類丸出しですわよおばかさん」
「てか、この状況で落ち着いてろって言うほうがおかしいと思うわよ私は」
「といいながらも落ち着いてるお姉様からは大人なにおいが…ふがっ!?」
「だがら!何でテメェらはそんな茶番やってられんだっ!?」
「茶番!?今、茶番と言いましたわねっ!?お姉様とのイチャイチャタイムは決して茶番などではな―――ぐはっ!」
「…美琴、お前、手加減とかしてるのか…?」
「ん?手加減??こいつにそんなことしたらあっさりかわされるわよ」
「お…お姉様の…本気のコブシ…ふ、ふふふ…く、黒子はそれを受け入れ…」
「いい加減黙ってなさいあんたはっ!!」
ばちぃっ!と危険な音が美琴を中心として放たれる。
まぁ、もちろん黒子はテレポートであっさりと回避するが。
「…と、とりあえずだな」
毎回毎回美琴にこんなことをされてる身だから忘れていたが、美琴の攻撃はまともに喰らったら即死級の攻撃だ。そんなものを平然と放つ女性に少し危機感を感じながらも、上条は言う。
「なんか、よくわからねぇ超能力者(レベル5)たちが、俺たちを狙いに襲ってきた。んでもってこの病院を壊し始めて、この病院が崩壊状態にある―――――OKか?」
「ぜんぜんOK。だから私たちはこうして緊張感あふれる空間を走っている―――――ってことよね?」
「…実際、そうだったら俺は何も言わないんだけど…」
はぁ、とひとつため息をつく。
「まぁ…お前らのことだから滅多には死なないんだろうけどさ…でも、相手は超能力者(レベル5)8人だろ?さすがに、どころか…普通に死ねるんじゃねぇのか?」
「そりゃあね。気がついたら死んでましたって展開でも少しも違和感ないわ」
「同じく、ですの」
「…それでも、お前らはそんなことできるのか…なんか、逆に感心したぞ俺お前らのこと」
そう上条が言ったことで、唐突に会話が途切れる。
聞こえるのは、走る音と息の音、それらを簡単にかき消す建物の崩壊音だけだ。
「…んで?」
いきなり、美琴が口を開く。
「交戦状態になったら、具体的にどうするわけ?」

「…」
上条は無言。
対照的に、黒子が口を開く。
「まずは私が様子見に出ますわ。その後にお姉様、上条さん、と続いてくださいな」
「そうね…でも、あんた一人で少しやれそうなときはやっときなさいよ」
「ええ、そうさせてもらうつもりでしたの。まぁ、戦闘不能程度にしときますが」
「…なんか、すごく危ない世界に入ってる気がする…」
上条が、場違いなことに頭をかきむしる。
「で?俺はどうしろと?」
「あんたは私らの護衛でいいでしょ?実際、超能力者(レベル5)が8人もいたら一人の能力打ち消したところで次の能力…ってことでそのうち殺されちゃうでしょうし」
「ですわね」
「…すみませんでした」
なぜか謝る羽目になった上条。
と、突然。
「っ!?」
黒子の体が中に浮かび上がった。
そしてそのまま、磁力の力でも働いているかのように病院の外に引っ張られていく。
おそらく、自分だけの現実がなんチャラかんチャラなのだろう。そこらへんは上条の専門外(専門があるかは聞かないでほしい)だ。
「黒子っ!?」
「くっ!能力者の仕業ですわね!?」
そう言い放つが、なぜか彼女の空間移動(テレポート)は発動しない。
「ちっくしょぉ!」
上条が叫び、そのまま黒子に飛びつくような勢いで走る。
元々加速している上条のほうが今は速度は速いが、どんどん黒子の体は離れていく。おそらく、加速具合が早いのだろう。
これ以上離れたら無理だ、と悟った上条は、とっさに後ろに言い放つ。
「美琴!俺の足元に電撃を打て!」
「はぁっ!?」
驚いた声を上げる美琴。
上条はその電撃がアスファルトを爆破し、一瞬の加速に身を任して黒子の体にどうにかして触れよう、と考えているだけだが、どうにも美琴には戸惑いがあるらしい。
「早く!これ以上離れたら、どうにもならねぇ!!」
「くっ…分かったわよぉ!」
まだためらっているようだったが、美琴の前髪から一気に電撃が放たれる。
「うおぁっ!?」
自分からその案を提案した上条だが、怖いものは怖い。
そのままアスファルトの爆破によって生じた爆風に身を乗せ、一息に飛ぶ。
「っ!!」
その一連の光景を見ていた黒子は、突然のことに顔を蒼白にする。
「だぁぁぁっ!!」
右手を思いっきり伸ばし、何とかなびいていた、黒子の長い髪に触れた。
その瞬間、黒子の体は重力によりアスファルトに打ち付けられる。
「ぐっ…」
小さくうめく黒子。
だが、すぐ立ち上がり、また走り出す。
「ちょ、黒子!?大丈夫なの!?」
「平気ですわ、お姉様。今のはただの念動力(テレキネシス)ですわ!」
平然とした顔で言う黒子。
「それよりも…あちら側も動き始めましたわね…」
今度は顔をゆがめて言う。
「…どいて」
美琴が、前にいる上条と黒子に言う。
「?何する気だ??」
そういい、上条が振り返ると。
ピーン、と。
安っぽいメダルゲームのコインが弾かれたような音がした。


「つまり、あなたが言いたいことはこういうこと?ってミサカはミサカはもう一度確認を取ってみる」
一方通行(アクセラレータ)の背中におぶさられている打ち止め(ラストオーダー)が上機嫌な声で言う。彼はものすごくいやそうな顔を隠すことなくあらわにしているが、何も言わない。
「私たちのネットワーク―――ミサカネットワークは、お姉様(オリジナル)のクローンである妹達(私たち)によって造られている。妹達(私たち)はお姉様(オリジナル)とDNA、細胞から何から何までまったくおんなじつくりだから、お姉様(オリジナル)もおそらく、ミサカネットワークに介入することが可能。この仮定のもと、お姉様(オリジナル)をミサカネットワークに干渉させ、ミサカネットワークの力を一気に上昇させ、あなた、一方通行(アクセラレータ)に割けるミサカネットワークの力を大幅に上げて、一気に超能力者(レベル5)をぶっ潰す―――こういうこと?ってミサカはミサカは正確に確認を取ってみる」
「ああ、そういうことだ。――――できそうか?」
足の裏のベクトルだけじゃなく、体中の体表のベクトルを「反射」に設定し、降り注ぐ瓦礫を跳ね飛ばしながら考えられないほどの速さで進んでいく一方通行(アクセラレータ)が、ちらりと自分の背中に乗っているものを見て言う。
「…多分、出来ると思う。だけど、もしかしたらだめかも、ってミサカはミサカは少し不安げになってみる」
「なンでだめだと思うンだァ、てめェは?」
「妹達(私たち)は、異能力者(レベル2)、または強能力者(レベル3)の『欠陥電気(レディオノイズ)』。対してお姉様は、超能力者(レベル5)の『超電磁砲(レールガン)』。確かに細胞とかは同じだけど、能力者特有の『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』がかなり違ってると思うから、そこらへんからもしかしたら出来ないかもしれない、ってミサカはミサカは不確定要素を述べてみる」
「…」
一方通行(アクセラレータ)は黙り込む。
それは打ち止め(ラストオーダー)の言ってることが理解できないからではない。逆だ。理解できるから黙り込んでいるのだ。
「…ンだけどなァ」
一方通行(アクセラレータ)が、前を見ながら言う。

「やってみねェことには、分からねェじゃねェか」
いつもの一方通行(アクセラレータ)を見ている限り、考えられないような発言をさらっと言う。
「とりあえず、だ。やってみるぞ」
「…ま、一か八かだね、ってミサカはミサカは吹っ切れてみる」
と、そのとき。
タイミングを計ったかのように、ものすごい轟音が響いた。

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